京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

 (奈良国立博物館)

2020年08月13日 05時44分00秒 | 日記
 8月4日、奈良国立博物館で行われている「よみがえる正倉院宝物 再現模造にみる天平の技」に行って来ました。



奈良の秋の恒例行事でもある「正倉院展」は聖武天皇、光明皇后ゆかりの宝物を始め、奈良時代を代表する品々が公開され、中には遥か西域や唐からもたらされた宝物も伝わっていて正倉院が"シルクロードの終着点"と言われる由縁です。

パンフレットの中央に掲載されている「模造 黄金瑠璃鈿背十二稜鏡(おうごんるりでんはいのじゅうにりょうきょう)」



七宝で装飾した鏡の模造です。原宝物は正倉院に伝わる鏡のうち唯一銀製で、同時に全宝物中唯一の七宝製品と大変珍しく品です。背は大小計18枚の花弁を組み合わせて空想上の花である宝相華模様を表しています。花弁は銀の薄板に細かく砕いた色ガラスの粉末を盛って焼き付けています。着色材として、黄色部分は鉄、濃緑色や緑色の部分は銅を用いています。
(朝日新聞からの抜粋です。)

「模造 螺鈿玉帯箱(らでんぎょくたいばこ)」



奈良時代、高位の人物が身につけたと考えられる「紺玉帯(こんぎょくおび)」を収める箱の模造。
本体はヒノキの黒漆地。貝殻で花や鳥の模様を施す「螺鈿」など、奈良時代の伝統技法を重ねて用いた豪華な作りです。

原宝物の内側の綿は退色や破損が見られるが、模造製作では色とりどりの糸で文様を織り出した綿を使っています。
(朝日新聞からの抜粋です。)

この様な模造製作は明治時代から始まり、当初は模造製作は修理と一体の事業として行われて来ましたが、昭和47年(1972)からは、材料や技法、構造の忠実な再現に重点を置いた模造製作が行われて来ました。

現代の人間国宝の方々の熟練の技や最新の調査や研究成果を盛り込み優れた模造品が製作されてきました。

これらの事業は日本の伝統技法の継承や復活に大いに貢献していると感じます。

パンフレット左側に掲載の「螺鈿紫檀五弦琵琶(らでんしたんごげんびわ)」の模造製作には実に8年もの歳月を費やし製作されたものです。



現代の匠の技に感心すると共に再現に懸ける現代の匠たちの意気込みや執念までも感じる逸品です。

今回の出品目録です。








旧本館の"なら仏像館"にも寄り多くの素晴らしい仏像にもお会いして来ました。

設計は当時宮内省技師であった片山東熊(かたやま とうくま)によるものです
昭和44年(1969)には国の重要文化財に指定されています。