入江泰吉(1905〜1992)は奈良の仏像、風景、伝統行事、万葉の花などを半世紀にわたり撮り続けていた写真家です。
玄関の表札は東大寺第206世別当・上司海雲氏による揮毫です。
かっての「奈良大和路」の写真の多くは、彼の作品が主で万葉歌を独特の節回しで歌われた故犬養孝先生と共に奈良の魅力を発信され続けれた方です。
客間です。
この旧居は入江先生が戦後から亡くなるまでを、過ごされた場所で、作品の構想を練ったり、作品の現像を暗室で自ら行いました。
また、当時の第206世東大寺別当・上司海雲、作家志賀直哉、随筆家白洲正子と親しく交わったサロン的な家だったそうです。
この地・水門町は東大寺の旧境内近地で今も古い土塀や古い家々が立ち並ぶ風情ある町並みが残っています。すぐ北川には東大寺戒壇院があります。
書斎に続くアトリエは西側を流れる小川の崖地にある為、玄関からは平家に見えますが
こちらからは二階に居る様に感じます。
かえでが多く植わり、紅葉🍁時にはさぞ美しい事でしょう。
1992年4月に入江泰吉は全ての作品を奈良市に寄贈し、高畑町にそれらを保存・展示する奈良市立写真美術館ができ、その8年後には妻のミツヱさんがこの自宅を奈良市に寄贈し公開されるに至りました。
家の西側は起伏にとんだところで飛石がうたれています。
棚は彼の自作だそうです。