トランジション期の天然ガスの重要性など紹介 最新版エネルギー白書、激変緩和、ＧＸ施策も

政府は6日、エネルギーに関する年次報告（エネルギー白書）の最新版を閣議決定した。エネルギー白書は、エネルギー政策基本法に基づき、政府がエネルギーの需給に関して講じた施策の概況をまとめたもので、かつては通商白書がこうしたエネルギー施策の動向を収録していたが、エネルギー白書が特化するかたちで収録している。
需給バランスでみると、2021～22年にかけて、欧州ではロシアからの天然ガス供給が5273万トン減少したのに対し、LNGは4007万トン増加するなど、ロシア依存からの脱却が進んでいることを数値でも紹介している。一方でこうした動きは世界的なLNG争奪戦につながっていると報告。LNGの需給ひっ迫・価格高騰でアジアではLNGの輸入を減らした国もあり、エネルギー不足で計画停電を余儀なくされた国もあったと報告。ウクライナ危機の長期化でロシアに対する経済制裁も長引く可能性があるものの、LNG生産をすぐに増やすことは難しいため、需給は2025年頃にかけてさらにひっ迫するなど、「世界的なLNG争奪戦は短期間では終わらない様相にある」と分析した。

石油通信社