次世代石油エネルギービジョン提言へ ＪＰＥＣ、若手が期待する石油業界に

日本の石油産業の成長ビジョンを策定する取り組みが本格化している。石油エネルギー技術センター（ＪＰＥＣ）は、次世代石油エネルギービジョン研究会を通じて２０３０年以降を見据えた石油産業の成長ビジョンの検討を進めているが、今月から年度末にかけて石油元売などの技術系ならびに製造系幹部で構成される「精製技術深化・高度化ＷＧ」、「信頼性向上ＷＧ」、「製油所安定最適化ＤＸ（デジタルトランスメーション）ＷＧ」の３つのＷＧとこれらを束ねる「主査会」で活発な議論が重ねられることになっている。
次世代石油エネルギービジョンは、石油産業が将来的に成長するための方向性を具体化し表現したものと定義され、50年以降を見据えながら、30年の方向性を示すもの。ＪＰＥＣはこれまで石油精製技術の研究開発などを中心に行ってきたが、石油を分子レベルで解明し物性・反応性を予測するペトロリオミクス技術をはじめとする研究事業が20年度で一区切りとなることから、30年度以降を見据えた「石油精技術深化・高度化」と製油所の稼働率を向上させ定修期間や計画外停止などを減らす「信頼性向上技術」のほか、新たに「地球温暖化対策技術」「流通インフラ最適化」とビッグデータを活用した「ＡＩ利活用技術」の方向性を示す。

石油通信社