山内 圭のブログ(Kiyoshi Yamauchi's Blog)

英語教育、国際姉妹都市交流、ジョン・スタインベック、時事英語などの研究から趣味や日常の話題までいろいろと書き綴ります。

2022年上半期直木賞予測

2022-07-17 14:37:02 | 文学
2022年上半期直木賞候補作が以下のように発表されました。

『絞め殺しの樹』 河崎秋子
『夜に星を放つ』 窪美澄
『爆弾』 呉勝浩
『女人入眼』 永井紗耶子
『スタッフロール』 深緑野分

『絞め殺しの樹』 (河崎秋子)は、候補作になる前にある方の紹介で読んでいました。
情景描写や人物描写も素晴らしく、文章も美しく、臨場感あふれ、読んでいて怖くなる作品でした。

せっかくなので発表前にすべての候補作に目を通し、受賞作を勝手に予測してみようと思いました。(ネタばれにはならない程度に書きます。)

『夜に星を放つ』 (窪美澄)は、「真夜中のアボカド」「銀紙色のアンタレス」「真珠星スピカ」「湿りの海」「星の随(まにま)に」の5作品を収めた短編集です。
タイトルに「アンタレス」「スピカ」「星」が出てくるから想像できるように、夜空の星が作品内で象徴的に使われています。
どの作品も情景描写、心理描写、人物描写が秀逸だと思いました。
コロナの時代が描かれ、後年、おそらく「コロナ文学」というような小ジャンルが現れると思いますが、コロナ禍の中の人々の心理や生活などの描写も見られ「コロナ文学」としてもすぐれた作品と思います。

『爆弾』 (呉勝浩)
言葉遊び等はおもしろいが、やや冗長な気がしました。

『女人入眼』 (永井紗耶子)
時代物に慣れていないせいか、非常に疲れた読後感でした(個人的感想)。

『スタッフロール』 (深緑野分)
アメリカの芸能界(映画・映像業界)を舞台としていて、実在の映画作品や映画監督についても描かれ興味深く読めました。

私はもちろん審査員ではないので、あくまでも一読者としての勝手な予測ですが、『夜に星を放つ』 (窪美澄)が直木賞を獲得すると予測します。

ちなみに候補作全てが女性の作であるとして話題になった2022年度上半期の芥川賞候補5作では、
『おいしいごはんが食べられますように』(高瀬隼子)と『N/A(エヌエー)』(年森 瑛)しか読めていませんが、『おいしいごはんが食べられますように』はおもしろく読むことができました。

直木賞・芥川賞ともに7月20日に受賞作が発表される予定です。

受賞作の発表を期待しています。




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