山内 圭のブログ(Kiyoshi Yamauchi's Blog)

英語教育、国際姉妹都市交流、ジョン・スタインベック、時事英語などの研究から趣味や日常の話題までいろいろと書き綴ります。

新語紹介:crime tourists (「犯罪旅行者」または「旅回り犯罪者」) / crime tourism(「犯罪旅行」または「旅回り犯罪」)

2022-02-10 00:36:53 | 日記
2022年1月18日のThe Japan Newsの紙面にThe Washington Post紙から転載されたJustin Jouvenal氏の "Burglaries in D.C. area tied to 'crime tourists'"という記事を読みました。

同記事は、この見出しをGoogleで検索すればインターネット上で読むことが可能です(2022年2月10日現在)。

このページでは機械音声ですが朗読をしてくれるので、英語学習にも有効です。

この記事の見出しにも出てくる crime touristsは、引用符付きで表記されていますので新しい表現のようです。

あえて訳せば、「犯罪旅行者」となるでしょうか。あるいは、「旅回り犯罪者」のように訳してもいいかもしれません。

この記事内の説明によると、南米(チリやコロンビア)からビザ免除プログラムを悪用し米国に「観光目的」で入国し、都市郊外(この記事ではワシントンD.C.など)にある主にアジア系や中東系の富裕層の住宅などに押し入り、現金や宝石などを盗む犯行を繰り返していく人たちのことを言うようです。

本文中には次のように書かれています。

Bail for nonviolent property offenses is often low, so an arrested burglar often quickly gets bond and skip town for the next job, experts said. The crimes often don't meet the threshold of the involvement of federal authorities. And they attract less attention at a time when U.S. authorities are contending with a rise in homicides.

(暴力を伴わない建物侵入の保釈金はたいてい低額なので、逮捕された強盗はすぐに保釈金を得て、次の仕事のため町を離れますと専門家は言います。このような犯罪の場合はたいてい連邦政府の機関の関与の基準を満たしません。したがって、合衆国政府の捜査当局が殺人事件の増加で忙殺されている現状の中、あまり捜査の手が伸びてこないのです。)

これには南米の犯罪組織の支部(cell)が関わっているとも書かれていました。

そしてこのようなことを称してcrime tourism(「犯罪旅行」または「旅回り犯罪」)というと述べられています。

このようなことは少なくとも1990年代から起きているようですが(Crime tourism has been around since at least the 1990s)、最近とみに問題化しているようです。

捜査官たちが、何か月も、犯罪の証拠を求めて追跡している様子を、following a trail of digital breadcrumbs(デジタル上のパン粉の跡をつける)と表現していて面白いです。

パン泥棒を見つけるためには、犯人が落としていくパン粉の跡をつける必要がありますので、follow a trail of breadcrumbsで「犯人の足跡を追う」という意味になると思われます(もちろん、車を使った犯行ではパン粉は路上に落ちませんので、車の時代以前にできた表現なのでしょう)。

それをデジタル情報を使って犯人の足跡をたどるという意味で、follow a trail of digital breadcrumbs(デジタル上のパン粉の跡をつける)としています。

また合衆国だけではなく、インドや英国、そしてオーストラリアでもこのようなcrime toristsが増えていると記事に書かれていました。
コメント
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