私が「チャレンジャー」を作曲するのに使用した鍵盤は「Roland JX-3P」でした。買ったのは発売されてすぐ。1983年だったかな?時にキノコさん21歳。バイトで稼いだ金を全部楽器につぎこんでいた時期でした。
「JX-3P」と聞いてすぐ絵が浮かぶ人は相当なオールドシンセ通ですね。当時のローランドは「JUPITER-6」がメインモデルで「JX-3P」は裏モデルでした。この2機種の違いはいろいろあったのですが、キノコさんが「JX-3P」を選んだ一番の理由は「クロスモジレーション」がついていたことでした。これはとてもマニアックな機能で「片方のVCODCOでもう片方のVCODCOを変調する」というもの(間違ってたらゴメンなさい…)。「JUPITER」の波形選択がお決まりの「矩形波」「ノコギリ波」「PWM」しかなかったのとは一線を画していました。いじってるといろいろと面白い「想定外」の音が出せました。ひとつの発振器がもうひとつの発振器を変調する、という意味ではFM音源の原型だったのでしょうか(これも間違ってたらご指摘願います)…
それと1983年頃ってMIDIの出始めだったんですよ。ポピュラー音楽の世界が猛烈な速度でデジタル化し始めた黎明期。
キノコさんも未来へとつながるMIDIの世界に胸ワクワクさせて「JX-3P」を買ったわけです。ただMIDIって2台以上の機器を持ってて初めて「つなげる」わけじゃないですか。貧乏学生キノコさんは2台目のMIDI機器をなかなか買えず、少女「JX」の可憐なMIDI IN端子はずーっと汚れを知らないまま…そこへイカしたMIDI OUT端子を持ったMSXコンピュータ「ヤマハCX-11」がやってきたわけですよ。「3Pちゃん。オレ、初めてなんだ。入れてもいい?」危うし!可憐な少女「JX-3P」。彼女の汚れを知らないMIDI IN端子はどうなってしまうのか!波乱の次号を待て!!!