カセットテープを英和辞書でひいてみました。cassette = (宝石類を入れる小箱)だそうです。なんて洒落たネーミングなんでしょう。まあ実際にはテープの中身に何が入っているかによって変わりますよね。宝石箱にもなるしガラクタ入れにもなるし…。で、私の場合カセットテープは時に「オモチャ箱」であり「ビックリ箱」なんですね。なぜかと言うとキノコさん、「貧乏性」のためにテープに空きスペースを作らずフルに録音しちゃうからなのです。例えば90分テープのA面B面に2枚のLPを録音するとして…。45分フルに埋まるレコードはあまりないのでだいたいの場合5分くらいテープの最後の方が余りますよね。フツーはその5分間は「空けたままにしておく」でしょ?ところがどっこい。キノコさんの場合はその5分間を違うソースで埋めちゃうんですねー。しかも何のつながりもない意表を突いた組み合わせを好む傾向にある…ピンクフロイドの「WALL」の後に森高千里の「17才」、ビートルズの「ABBEY ROAD」の後にTVから『マイク録音』した「バビル2世のテーマ」、ウェザーリポートの「HEAVY WEATHER」の後にAMラジオからエアチェックした「鶴光のオールナイトニッポン」…「乳頭の色は?」「注射したろか?」ですよ。中学高校の時はお金がなくてカセットテープが常に不足していたため「やむを得ず」こういう手段をとっていたのですが、オトナになってからは「これは面白い」という事で積極的に『のちのち、忘れた頃に聞くはずの自分をビックリさせてやろう』と、半ば作為的にいろんなソースでテープを埋めていましたね。ホント、ヒマ人です…
『星観る人』というバンドで私は12年間に40曲くらいのオリジナルを発表しました。年間平均にすると3~4曲。決して多いとは言えない数です。一方ファミコンBGMには「尺が短い」こともありますがNGテイクも含めて4年間に200曲くらいを作りました。
ファミコンBGMほどのペースでオリジナル曲を作れなかったのはやっぱり「産みの苦しみ」ってヤツでしょうか。音楽に限らず『創作』を経験された方には共感していただけると思うんですが、「ゼロから何かを創り出すこと」ってものすごいエネルギーが必要なんですね。
さて、10年来の友人であるyasueさんがこのたび『星観る人』の1stをキレイに「再CD化」してくれました。ありがたいことです。改めて聞いてみると演奏はヘタなんですがとても「一生懸命」やっています。以前ご紹介した通り、ギタートリオでの一発録り、一切のオーバーダブなし、「No Synthesizer」な音です。1曲1曲、苦しみながら産み出した曲たちです。興味のある方は私の個人メール宛お問い合わせください。
開発スタッフの意気込みの強さをひしひしと感じつつ、まずは「1面BGM」の作曲に取りかかりました。いつものように開発ルームで完成度50%くらいのグラフィックを見せてもらい、プログラマーのヘクターさんからは「とにかく『カッコよく』『イケイケな感じで』『ノリのいい曲』を」…と条件を出されたように記憶しています。キノコさん、張り切りましたよ。「ヨーシ!全国の小学生が友達どうし、学校帰りに大声で唄いたくなるようなカッコイイ曲を作るぞ!」
で、「フンフン作曲法」で割とすんなりとメロ、リズム、ベースラインが浮かんできて「お?これはいいんじゃねえ?ノリノリでイケイケだぜ!」と結構自信満々でプレゼンしたのが「20世紀ファミコン少年」でいうと②-#64。ところが結果はあっさりとNGでした。
NGの理由はたしか「メロが抽象的で唄いずらい」「長尺すぎて展開が難しい」だったと思います。んー。言われてみればなるほど…納得です。こういう傾向は私の悪いクセなんですね。ちょっとでも油断するとすぐPOPな方向から曲が離れてゆくんですよ。自分では「フンフン作曲法」で精一杯POPに作ったつもりでも結果的に「机の上で書いたような解りずらい曲」になってしまう。この曲のNGはとても勉強になりましたね…
CD「20世紀ファミコン少年」を発表してから3ヶ月が経ちました。「申し込みの時期を逸した」と思っていらっしゃる方、全然そんなことありませんよ。どうぞお気軽に私の個人メール宛ご連絡ください。
さて今回は皆さんからの「CD到着ご感想メール」の中で印象に残ったものをご紹介させていただきます。ある「20世紀ファミコン少女」からのメールです。
『国本様、こんにちは。本日、20世紀ファミコン少年のCDが届きました! (中略) さっそく聞いています!友達に借りて遊んだチャレンジャーやスターソルジャーの音楽も懐かしかったですがゲーム中でなく音楽だけじっくり聞くと、大人になって音楽をたしなんできた耳で聞くとすごく細かくて、ボス戦などは本当にドキドキする曲でハラハラしてしまいます(笑)。
迷宮組曲の音楽では、やはり姉と夢中になっていたことを思い出しました。小学校高学年の姉へのクリスマスプレゼントだった迷宮組曲ですが、おそらく母は「パッケージが可愛かったから」選んだんだと思います。アクションの下手な私は攻略本を見ながらのナビ役、姉がプレイしていたのですがいつもいつも氷の部屋がクリアできなくて、先に進めなかったんです。
二人で協力して、初めてクリアしたのは、なんと姉が高校生になってからでした(笑)。ボーナスステージの楽器が滑ってそろったとき、感激して泣いてしまったり、エンディングもあまりの興奮に姉と手を取り合って喜んだり。
そんなこんなで、迷宮組曲は他のどのソフトより私たちにとって思い出深いゲームです。
その姉も昨年子供が生まれました。来月の頭にその子の誕生日がありますので、プレゼントと一緒にこのCDの曲をいくつかダビングして(スミマセン)一緒に送ってあげたいと思います!』
ウルウル…なんてステキな「ファミコン姉妹」なんでしょう。CDなんて何ぼでもダビングしてください。本当に素晴らしいメールをありがとうございます。
20年前は今のような「ネット環境」がありませんでした。携帯電話もまだ世の中にありません。パソコンのモニターがモノクロ(黒いバックに緑の文字)で、保存メディアがカセットテープの時代です。キノコさんは当時の「最先端」MSXコンピュータを使って楽曲を作ってはハドソンに「プレゼン」していました。
「プレゼン」といえばスマートに聞こえますがそれはそれはとても泥臭いものだったんですね。今だったら自宅にいながらデータの送受信をPCのキーボード操作ひとつでできるじゃないですか。でも当時はデータの入ったカセットテープをカバンに入れて地下鉄に乗って自分の足でハドソン本社に出向くわけですよ。「こんちはー。宅配便でーす」状態(笑)。
ハドソンは地下鉄「南北線・平岸駅」徒歩5分くらい。「チャレンジャー」「忍者ハットリくん」の頃、私は「南北線・澄川駅」徒歩15分くらいのところに住んでいました。駅の数でいうと2駅(平岸⇒平岸霊園前⇒澄川)。近いといえば近いんですけど…ビミョーな距離でして。そのビミョーな距離ゆえプレゼンでNGが出た時、「今から帰って今日中に作り直しできますか?」「えっ?(カンベンしてよ。面倒くさい。明日でいいじゃん)…あ、ハイ。速攻作ってもう一回持ってきます(満面の作り笑顔)。」で、ガタンガタン地下鉄乗ってトコトコ歩いてギーガゴガゴ、テープにデータ録音して「1日2ハドソン」なわけですよ。結構大変だったなー…。札幌関係以外の方、ローカルな話題でスミマセン…。
「井戸のテーマ」が好きという方、ありがとうございます。この曲は「転調」だらけの一風変わった曲なので、当時の小学生の耳には「難しい」変な曲だったのでは?と思うのですが…私の勝手な推測ではこのブログの読者は「音楽好き」のマニアックな方が多いのでこの転調だらけの変な曲を受け入れてくれる方が多いのでは、と…。一般ユーザーは単に「変な曲」と思っていたのではないでしょうか。「井戸のテーマ」を伴奏なしでアカペラで歌える方はかなりイイ音感の持ち主だと思いますよ。
Am | | | |
Am | | | |
Cm | | | |
Cm | | | |
Ebm |BbMaj7 |Ebm |BbMaj7|
DMaj7 |AMaj7 |
CMaj7 |FMaj7 |CMaj7|E7 |
転調を気分で色分けしてみました。私はちゃんとした音楽教育を受けてないので「解説」ができませんが「転調」は気分が劇的に変わる効果があることは経験上わかります。この曲のファンの皆さん、「転調」に関してはどのくらい意識されてましたか?
おそるおそる始めたNOVA。いっぱい恥をかきながらもだんだん楽しくなってきました。楽しくなる一方、知らない単語を調べる必要も少しずつ出てきました。皆さん、学生時代に使った英和辞書とかまだ持ってますか?
引越しを重ねる度にモノをどんどん捨てるキノコさん、もちろん辞書なんてとっくの昔に全部捨て去っていたんですよ。「英和」も「和英」も「国語」も一冊も持ってない…辞書なんて持ってなくてもふだんの生活の中で別に不便は感じてなかったわけです。ところがNOVAを始めてから状況が変わってきました。
例えば野球の話。阪神が負け試合をひっくり返して勝ったとしますよね。すると「阪神、逆転勝利!」というフレーズを英語で何て言うのかモーレツに知りたくなるわけですよ。なぜかというと翌日のNOVAの「雑談」の時間にこの話題をしゃべりたいから(ボッカ~ン)。そうなると辞書がどうしても必要なんですね。で、ついに買ってしまいました。『電子辞書』。
使ってみて改めてビックリしました。最近の電子辞書は「しゃべる」んですねー。コマンドが「しらべる」だけじゃない…。こんなコンパクトなボディーの中に「英和」も「和英」も、さらに「広辞苑」まで入っていてなおかつ発音も教えてくれる…。う~む…。テクノロジー万歳、としか言いようがない。スバラしい…。ちなみにキノコさんの好きなコマンドは「ぶんどる」と「とんずら」、好きな魔法は「レビテト」でした。ゲームの世界ではほとんど調べたりせず、盗んだり逃げたり浮かんでたり…最低ですね(笑)
Wired/Jeff Beck (1976)
もう30年も経ちますが今聞いても全然古くない。ロックギタリスト必聴の名盤ですね。私がこのアルバムを初めて聞いたのは忘れもしない、高1の昼休み。校内放送でした。キノコさんは定番のノリ弁当を半分くらいまで食い進んでいました。このまま平和に昼休みの時間が流れていくかと思われたその時、教室の前方中央、高さ2mの所にある直径15cmのヘッポコスピーカーから『Led Boots』が流れてきたのです。スピード感あふれる8分の7拍子のリフ、キラキラと輝くようなシンセサイザーの音色、そしてそれまで聞いたこともないピッチベンド奏法…「な、なんだこれは。」キノコさんの体はラムちゃんの電撃をくらった諸星あたるのような衝撃を受けたのでした。そう、ジェフ・ベックはもちろん大好きなんですがこのアルバムのポイントとしてシンセサイザー奏者のヤン・ハマーが外せないんですよ。チェコ出身のハゲおやじね。『Blue Wind』ではドラムもやっちゃってるというハリキリ・なんちゃっておやじ。この曲のテーマに入る直前のワンポイント・シーケンスフレーズがカッコよかった。まさに『蒼き風』な感じ…。一生懸命耳コピーしようとトライしたけど結局できずじまいだった思い出があります。それにしてもハマーおやじ、アルバム全体のなかでソロの時間を比べたらひょっとしてベックよりたくさん弾いてんじゃねえ?ちょっとやり過ぎです(笑)。あら、気がついたらノリ弁がカピカピ…
皆さん、ナマの漫才やコント、観たことありますか?私は昨日有名な「ルミネよしもと」に行ってまいりました。お笑い大好きなキノコさん。気合入れて前売り買いましたってばよ。前から3列目でなおかつセンターラインの一番いい席!本場よしもとの笑いが東京でも味わえるなんてゼイタクだよなー…って涙にくれながら2時間たっぷり楽しんでまいりました。
「お笑いなんてわざわざ舞台を見に行かなくてもいいじゃん。バッカみたい。あんなのに行くのはよほどのヒマ人じゃねえ?TVでちょこちょこっと見るくらいで十分よ」とおっしゃるあなた。お坊ちゃまの言う通ーーーりでごじゃります。そうです。ワタシはヒマ人なのです。♪ヒマジン、ノーヘブンなのです。
そんなヒマ人キノコさんの昨日のベスト3。
1位…POISON GIRL BAND
2位…ロバート
3位…FUJIWARA
ビックリしたのはPOISON GIRL BAND。名前とは関係なくフツーに野郎2人の漫才コンビ。初めて見たのですがいやもうスッポーンと私のツボにはまりました。「運動会のリレー競争でのバトンの渡し方」という題材で8分間しゃべくってたのですがこれがもう『ふつうにナンセンス』なんですよ。『作りこんだナンセンス』じゃない所がミソ。ナンセンス大好きのキノコさんにとっては「おめーら、ほんとにバカじゃねえ?」って心の底から叫びたい至福の一時でした。ちなみにレイザーラモンHGも見たけど面白さはイマイチ…TVと舞台は別物だなーって思いました。
先日のGBSさんのコメントで思い出したんですが「風雲たけし城」で「スターソルジャー」のメインBGMもかかったことがありますね。しかもPSGの音ではなくちゃんとオーケストレーションされた生楽器(たぶん)の演奏で。テンポをぐっと落とした演奏で結構重厚なブラス・アンサンブルだったような覚えがあります。三流の「戦争映画のテーマ音楽」くらいの迫力がありました。いつものように「おバカな番組だね」って言いながら好物の海苔付き醤油せんべいバリバリ食ってたら突然聞いたことある曲が流れてきてビックリした記憶があります。この前の「リブルラブル」のお話の時と同様、予期せぬ所で異なるアレンジの曲を聞いた時って一瞬「あれ?これ絶対聞いたことある曲だけど何の曲だったっけ?」とおツムがフル回転するんですね。「戦争映画?アニメの戦闘シーン?いや違う…ゲーム音楽?そうだゲーム音楽だ。スターソルジャー?そうだスターソルジャーだ。なるほどね。はー良かった思い出せて。ってオレの曲じゃん。えーーーー!?」ってキノコさんの十八番、『ひとりボケ&ノリツッコミ』状態ですよ。で、もともと「スターソルジャー」メインBGMはブラス演奏のイメージだったので「おおっ。このアレンジはいい!」と気を取り直してしばし聞き入ったのでした。「風雲たけし城」は「TBSチャンネル」で4月・5月の毎週火曜日、再放送されているようなのでレトロゲームBGMファンの方は要チェックですね。ビックリするようなアレンジのゲーム曲が聞けるかもしれませんよ。私も来週からさっそくチェックします。