
【岡山・岡山市】創建時期は不詳。 吉備津神社の末社で、飛び地境内の神池の中の島に鎮座し、吉備の国最古の稲荷神を祀っている。
古くは弁財天を祀っていたようで、その後、弁財天と同一視されることが多い宇賀神(食物神、農業神ともされる)を祀り、明治以降、稲荷神を祀るようになったようだ。 祭神は倉稲魂(宇迦御魂)神。
吉備津神社の西入口前の道路を挟んだ向かい側に神池があり、池の中の島に鮮やかな朱塗りの社が見える。 池に架かる朱塗りの反橋を渡り、転びの大きな石造り明神鳥居をくぐって中の島に....正面に鮮やかな朱塗りで重量感のある本瓦葺の宇賀神社が南面で鎮座している。
社殿前の右手に、まるで地中から這い出てきたような姿の松の大木があり、池の上を這うように大きく枝を張り出している。 老木の松は、幹周りが約2.4メートルと太く、樹高約2メートルで水平に生育していて、迫力のある黒い幹と大きく広げた枝ぶりが実に見事だ。

吉備津神社の西側の道を隔てた向い側にある神池と中の島に鎮座する宇賀神社

神池に架かる擬宝珠高欄付き反橋、中の島に石造り明神鳥居と朱塗りの社が鎮座


宇賀神社の後方に見える寺院は普賢院

比較的転びが大きい石造り明神鳥居



近年の造立とみられる阿形吽形の狛犬....ネットで調べると、前の狛犬は天保十二年(1841)造立で吽形の前足が欠損していたようだ/天保十一年(1840)造立の手水鉢越しに眺めた宇賀神社の社

切妻造本瓦葺の宇賀神社の社....大棟に向き合う2匹の鯉が浮き彫りされている


軒廻りは二軒繁垂木、水引虹梁の中備に彩色された精緻な龍の彫刻、木鼻は彩色された像の彫刻/大棟に獅子口、拝に蕪懸魚、妻飾は虹梁大瓶束、妻面台輪上の中備に彩色された梅の彫刻

壁は白塗りの羽目板、擬宝珠高欄付き縁、側部に脇障子....屋根は獅子の留蓋瓦がのる瓦葺なので比較的新しい建物と推

中央の島に生育する推定樹齢200年とされる松の老木....幹周は約2.4メートルで、樹髙は約2メートル

松の巨木は神池を覆うように枝を張っている

後方から眺めた宇賀神社....神池に通行止めの反橋が架かり、左奥に吉備津神社の回廊の屋根が見える
癒やしスポットです。
一度訪れてみては、いかがでしょうか?