【横浜・戸塚区】旧金子家住宅母屋の建築様式は木造平屋建て寄棟造茅葺で、東側の屋根は兜造り。 「整形四ツ間取り」と呼ばれる間取りで、8畳敷の部屋を4室田の字状に配置した構造。 間仕切りに壁がなく、すべて戸・障子が用いられていて開放的な造りは、江戸後期から明治初期にかけて座敷で蚕の飼育をしていた名残のようだ。
★土間に入ると二基のへっついの他、鍋が掛かった自在鉤そして壁側に農具類が置かれている。 土間の北側にウナギの寝床のような台所がある。 台所の流し台の前の窓は無双窓だ。 土間の天井を見上げると、梁の上に養蚕に使用されたスノコが張られている。 また、部屋の天井裏に二階と三階があってスノコが張られ、それぞれ梯子が掛けられている。 天井裏の二階と三階と土間の天井二階で養蚕が行われた俤を感じさせる。
△入り口からみたドマ(土間)....二基のへっつい(竃)と自在鉤がある....奥の部屋は台所
△土間に下がる鍋を掛けた自在鉤/自在鉤の傍の柱に牛蒡注連縄を乗せた棚....地神(祖霊、農神)の神棚だろうか?
△土間の東側壁の前に展示されている農具類
△ドマの北側にあるダイドコロ(台所)....手前に流し台、奥に大きな戸/台所の流し台,前の窓は無双窓
△上に何かの道具が置かれた樽 茶器などを収納した大きな戸棚
△土間の竈の壁裏に設けられた展示室
△桁行三間の土間の天井....梁組の上部がスノコ(簀子)になっていて、養蚕に使用されたもの
★土間と床上部の境に立つ重量感のある大黒柱に三方から差し鴨居が組まれている。 床上部に上がると板戸と格子戸で縦横十字に間仕切りされた八畳の部屋が田の字に四室並んでいて、典型的な整形四間取りの造りだ。 広間の差し鴨居の高い位置に、一間幅の棚がある。 腰高格子引違い戸が閉まっていて中が見えないが、神棚を祀っていると思われる。 居間だけが板張りの床で、少し大き目の囲炉裏がある。 自在鉤は竹の棒に取り付けられ、竹の棒は開けられた天井の上に這わせた梁から吊り下げられている。
△大黒柱の三方に差し鴨居が組まれている....土間から見上げた部屋の天井裏、二階と三階への梯子がそれぞれ掛けられている
△土間(ドマ・ニワ)から見た4つの部屋....整形四間取りで、8畳の部屋を4室田の字に配置
△土間から見たヒロマ(広間)とその奥はオク(奥)
△土間から見たイマ(居間・ザシキ)とその奥はナンド(納戸)
△広間に置かれた子供の遊具/広間の大きな差し鴨居部に設けられた腰高格子引戸、天井近くの中央に蟇股を配した戸棚
△奥から見た広間....左手は囲炉裏がある居間
△広間から見た囲炉裏のある居間
△納戸から見た居間....奥は土間/自在鉤は竹の棒に取り付けられ、竹の棒は開けられた天井の上に這わせた梁から吊り下げられている
△奥から見た納戸と右手は居間
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