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【和歌山・和歌山市】開創後は歴代天皇の行幸があり、第77代天皇だった後白河法皇(上皇)が紀三井寺を勅願所と定めた以後は隆盛を極めた。 中世鎌倉時代には止住する僧侶が五百人を越えたとされる。
江戸時代に入ると、和歌山城からほど近いところにあるため、紀州徳川家歴代藩主が頻繁に参詣して紀州徳川家の繁栄を祈願し、「紀州祈祷大道場」として尊崇された。 本堂は宝歴年間(1751~1764)に建て替えられた。
新仏殿から本堂に向かって切石敷の参道を進む。 参道右の山裾に「元祖 京山恭安斎」と刻まれた浪花節の開祖・京山恭安斎の石碑が佇み、直ぐ左に西国三十三所の本尊・観世音菩薩像を祀る六角堂が建っている。 六角堂の左隣の朱塗りの袴腰鐘楼は、安土桃山時代の創建で、風格が漂い、端整で優美な姿から鐘楼建造物の中で最も白眉とされている。
袴腰鐘楼の左に、幸福観音立像を挟んで弘法大師空海を祀る大師堂が建ち、そこから先の本堂前の参道左側に多くの石造物・石仏・石柱・石碑などが佇んでいる。 本堂に最も近い所には、修行姿の弘法大師像と慈母観世音菩薩像とが本堂に向いて立っている。 慈母観世音菩薩像は、左手で赤子をやさしく抱き、右手は説法印である中品中生の印相を結んでいる。
参道を隔てた向かい側には、朱塗りの擬宝珠欄干で囲まれたコの字形の放生池があり、池に架かる反橋の先に如意輪観音坐像が蓮華座に鎮座している。
本堂前境内の南側に手水舎があるが、蓮花に擬した手水鉢の真ん中から上に飛び出た花托が水口になっていて珍しく、なかなか面白い。
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新仏殿の前から眺めた境内....右側に六角堂、袴腰鐘楼、大師堂が建ち並ぶ切石敷参道の一番奥に本堂が建つ
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参道脇に佇む石仏と石碑群...左端は舟光背型千手観世音菩薩石像、中央の黄ばんだ石板は馬頭観世音菩薩/六角堂手前の参道脇の宝形造桟瓦葺の覆屋に鎮座する舟光背型如意輪観音石像....石灯籠は安永三年(1774)の造立
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露盤宝珠を乗せた六注造本瓦葺の六角堂....寛延年間(1748~1751)の建立で西国三十三所の本尊(観世音菩薩)を祀る
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軒廻りは二軒扇垂木....中央の格子の結界を設けている
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結界の中央間は三分の二の両折両開の格子戸、脇間は上下する三分割の格子窓/六角堂の隣に佇む浪花節の開祖・京山恭安斎の石碑....京山恭安斎は江戸末期、紀州徳川家の御殿医の家系に誕生
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六角堂の前から眺めた本堂....参道右側に袴腰鐘楼と大師堂が建ち並ぶ
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入母屋造本瓦葺の袴腰鐘楼(重文)....安土桃山時代の天正十六年(1588)の再建....旧梵鐘は文禄・慶長の役の折に没収され筑後に移されたが現存せず
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軒廻りは二軒繁垂木で、2手目が尾垂木の二手先、中備は蓑束
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擬宝珠高欄付き廻縁を支える腰組は三手先で、中備は正面中央に彩色彫刻を施した蟇股、側面に蓑束
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大棟に鬼瓦、拝に蕪懸魚、妻飾は虹梁大瓶束、周囲に連子窓....鐘楼の左傍に未開蓮と巻蓮葉を持つ幸福観音立像が鎮座
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袴腰鐘楼前に聳える樟の老木/明神鳥居を構えて老木の根元に鎮座する「大樟龍王」の額を掲げた社
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弘法大師を祀る大師堂....銅製八角燈籠は昭和十一年(1936)造立
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露盤宝珠を乗せた宝形造本瓦葺の大師堂....三間四方で周囲に切目縁、正面は下半分が羽目板、上半分が格子で中央間は半蔀になっている
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「弘法大師」の額が掲げられた大師堂....軒廻りは二軒繁垂木、組物は出組で中備は本蟇股....組物、丸桁下、梁そして木鼻に彫刻が施されている
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大師堂前と本堂前の参道脇に立ち並ぶ石造物や石柱、また右側に放生池があり如意輪観音像が鎮座....奥の高台に多宝塔が見える/大師堂前の参道脇に立つ「千度石」と「百度参諸塚」(諸は正しい?)
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大師堂前から眺めた大きな千鳥破風を乗せた本堂....本堂前の参道脇に立ち並ぶ石造物、石仏、石柱、石碑など
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本堂前の参道脇で本堂を向いて鎮座する行脚姿の弘法大師像と赤子を抱く水子供養の慈母観世音菩薩像....母観世音菩薩の右手は中品中生の印相
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本堂前に造営されたコの字形の放生池....朱塗りの擬宝珠欄干で囲まれ真ん中に反橋が架かる....本堂前のソメイヨシノは和歌山地方気象台の桜開花観測用の標準木らしい
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放生池に架かる反橋の奥に如意輪観音像が鎮座/蓮華座に円光を背にして鎮座する6臂の如意輪観音坐像
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宝形造本瓦葺の手水舎....蓮花に擬した手水鉢/花托の水口は珍しい!
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