対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

思考モデルと探究モデル

2018-06-08 | アブダクション
ホルトンは、アインシュタインの思考モデルを、科学理論の形成にたいするEJASE過程と呼んでいる。


以前、EJA過程に着目して、ここに伊東俊太郎の「発見的思考」を重ねてみた。この対応は拡張できるのではないか。

EJA  アブダクション(仮説)
AS  ディダクション(演繹)
SE  インダクション(帰納)

いいかえれば、アインシュタインの思考モデルとパース探究モデルは対応する。
上山春平によるとパース探究過程は次のようである。(『弁証法の系譜』より)
(引用はじめ)
パースの論理思想の基本的性質は、つぎの言葉に要約されている。「アブダクションは、仮説を形成する過程であり、……ディダクションはヒントにもとづいて予見をひきだし、インダクションは、この予見をテストする」。パースによれば、≪アブダクション≫とは、現象の観察を出発点とし、仮説の発見をへて、仮説の定立にいたる仮説形成(新しい着想、新しい理論の発見)の過程、≪ディダクション≫とは、≪アブダクション≫の提供する仮説を論理的推論の前提命題に組みかえ、そこから論理的に可能な結論をひきだす過程、≪インダクション≫とは、≪ディダクション≫によってひきだされた論理的結論を、事実とつきあわせることによって、≪アブダクション≫によって提供された仮説の真偽(真理性)を検証する過程をさす。
(引用おわり)

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