上山春平はプラグマティズム論理学(パース、デューイ)をヘーゲル弁証法の発展形態と見て、マルクス主義論理学と並行して捉えている(『弁証法の系譜』未来社1963、こぶし書房2005)。上山は、まず「論理的なものの三側面」(ヘーゲルの『小論理学』での規定)を問題解決の過程として捉える。
次に、その3つの段階に、プラグマティズム論理学、マルクス主義論理学、ヘーゲル論理学の要素を次のような表にまとめている。
わたしの立場からいえば、大枠は間違っている。しかし、中央部の次のような「3つ組」の対応は継承できるのではないかと思われる。
2) 仮説 1)アブダクション 1)感性的認識 1)直観 1)生命
3) 推論 2)ディダクション 2)理性的認識 2)思考 2)理論的理念
4) テスト 3)インダクション 3)実践 3)実践 3)実践的理念
これまで、アインシュタインの思考モデルに、パースの3つのダクションの対応を図に示してきた。
ここで、
アブダクション(仮説)―― EJA
ディダクション(演繹)―― AS
インダクション(帰納)―― SEA
である。
この図は上山春平が求めた弁証法論理学の図解としても有効ではないかと思えてきた。
問題解決の過程 | 弁証法的な論理のモメント | |
認識論的過程 | 論理過程 | |
(1) 問題のない段階 | 定立命題(正) | 悟性的モメント |
(2) 問題をもつ段階 | 矛盾命題(正と反) | 否定的理性的モメント |
(3) 問題の解決した段階 | 統合命題(合) | 肯定的理性的モメント |
問題解決の過程 | プラグマティズム論理学 | マルクス主義論理学 | ヘーゲル論理学 | ||
探究の過程 | 認識の過程 | 理念の過程 | |||
(1) 問題のない段階 | |||||
(2) 問題をもつ段階 | 1) 問題 | ||||
2) 仮説 | 1)アブダクション | 1) 感性的認識 | 1) 直観 | 1) 生命 | |
3) 推論 | 2)ディダクション | 2) 理性的認識 | 2) 思考 | 2) 理論的理念 | |
4) テスト | 3)インダクション | 3) 実践 | 3) 実践 | 3) 実践的理念 | |
(3) 問題の解決した段階 | 5) 言明 | 4) 絶対的理念 | |||
(上山) | (デューイ) | (パース) | (毛沢東) | (レーニン) | (ヘーゲル) |
2) 仮説 1)アブダクション 1)感性的認識 1)直観 1)生命
3) 推論 2)ディダクション 2)理性的認識 2)思考 2)理論的理念
4) テスト 3)インダクション 3)実践 3)実践 3)実践的理念
これまで、アインシュタインの思考モデルに、パースの3つのダクションの対応を図に示してきた。
ここで、
アブダクション(仮説)―― EJA
ディダクション(演繹)―― AS
インダクション(帰納)―― SEA
である。
この図は上山春平が求めた弁証法論理学の図解としても有効ではないかと思えてきた。
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