対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

明治・大正・昭和・平成・令和

2021-06-04 | ノート
漢字の読み方読み方には呉音・漢音・唐音の3種類ある。例えば「行」は呉音ではギョウ(修行)、漢音ではコウ(行進)、唐音ではアン(行灯)である。唐音は特殊で、漢字の読みは呉音と漢音の2種類といってよいだろう。

最近の元号の読み方を見てみよう。漢音・呉音でそれぞれ読むと次のようである。

     漢音    呉音
明治  めいち   みょうじ
大正  たいせい  だいしょう
昭和  しょうか  しょうわ
平成  へいせい  ひょうじょう
令和  れいか   りょうわ

明治(めいじ)・大正(たいしょう)は漢音・呉音である。
昭和(しょうわ)は呉(漢)音・呉音
平成(へいせい)は漢音・漢音
令和(れいわ)は漢音・呉音

平成になってはじめて漢音で統一した読み方になっている。令和は再び分裂して、明治や大正と同じ漢音・呉音読みである。(「明治・大正・昭和」呉智英『言葉につける薬』所収1994参照)

ちなみに、令和の「令」をリョウと読むのは、例えば律令(りつりょう)だが、「和」をカと読む語句はあるのだろうか。思いつかないし、調べたが、わからなかった。昭和の「和」(カ)でも同じだが。

和尚(オしょう、「和」の唐音)を宗派によって「カしょう」と読むとあったが、よく知られた言葉にはないのだろうか。和子、正和は「かず」と読むが、これは「音」ではなく「訓」だろう。それとも「カ」の読みが関係しているのだろうか。