北のとうさんの鉄道旅・アマチュア無線JA8HBO

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北海道運輸交通審議会には期待しない

2017年11月24日 | JR北海道 JR北
知事在任15年目で更に5選を目指すかと思われたが、一部メディアに「出馬断念か」との報道をされ、すでにレームダック状態の高橋はるみ北海道知事が、自らのリーダーシップを示さず、すべてを丸投げしてしまった運輸交通審議会。
この審議会には期待できないことと感じる記事があった。
*なお、あくまでも私の個人的な考えであるので断っておく

数日前の朝日新聞に、インタビュー記事が載っていた同審議会会長である石井吉春・北大公共政策大学院特任教授のお話しの内容からは、いかにも政府系金融機関の出身らしく客観的かつ冷徹に北海道の交通問題を見ている印象を持った。しかし、交通問題が専門外の氏が果たしてこの審議会に相応しいかは疑問だろう。石北線と、宗谷線は高速道路の恩恵を受けないから残すというような、一部に事実誤認のような発言があった。
 いずれにしても、これだけ大切な問題を一つの大学の教授3人を中心に討議され、方向性が定められるのは良いことではない。大学教授の皆さんに意見を仰ぎにがら、多くの北海道民の英知を結集して解決しなければならない。

このままでは、来年3月に出る最終答申では多くの鉄道沿線住民の心情に少しでも寄り添う内容なるとは思えないし、曖昧なものになって、今以上に論議が蛇行するのではないかと危惧する。

国はこれ以上の財政的支援はしないつもりだろうことは、石井大臣の突き放したような発言でも分かるし、分割民営化のスキームの誤りを認めないことは明確。まあ、経営破たんまで放置するとは思えないが・・・。
さらに地元自治体の財力からして、JRが夢想している上下分離は到底無理だろう。
島田社長語る経営破たん話を真面目に捉える一部の方々は同社の財務諸表を見てほしい。資産がはるかに超過している、資産の内容が不良在庫ならともかく、経営安定基金という株主である国からの資金である。
とは言っても使えないお金はいくらあっても仕方がないが。

さて、結局は、急場しのぎの不便な形でのバス転換が拙速に進められ、さらに人口減少が進み、デマンドバスと乗合タクシー、最後には高齢者のボランティア頼りの綱渡り交通体系になってしまうのは自明の理だ。

本州から移住棄民された北海道民はさらに捨てられるのか。石炭はもういらないからと言われ、レジャーランドを国の政策の下で建設し、財政破たんした夕張市のような状況が北海道全体に広がるのか。
石炭輸送のために敷設された鉄道も、石炭を運ぶことはないから必要ないだろうと、いとも簡単に廃止されてしまう。
しかし、北海道の鉄道の問題は早晩、日本全体の課題となり、公共交通がいとも簡単に、一部の企業と有識者とか言う人達の思いつきで消えていくことになる先駈けとなってしまうのか。
札沼線は浦臼か当別までの存続をJRに打診したものの、まるでふっかけるような見積もり額を提示され、浦臼町長をして「夢は吹っ飛んだ」と言わせた。一気に廃線に進むだろうし、根室線の富良野~落合は復旧工事もされぬまま地元の動きも鈍く廃線は確実。さらに留萌線もこう着状態だ。夕張支線は再来年で廃止が決定しデマンド交通を中心に動いている。自ら廃線を申し出た鈴木市長を絶賛する声もあるが、私は賛同しない。単に戦うことを避けた若者で単なる行政マンだ。
今後夕張は一層、人口流出が続き、有名なメロンまでも栽培農家の高齢化で、いつかは消えてしまうのかもしれない。まさに石炭と共に地図から消えるのか。
さらに日高線は最もコストが低いと試算された、単純なバス転換でお茶を濁して終わりになりそうな気配が濃厚だ。当初、大狩部の波浪被害のときは、JR北は復旧に前向きだったが、地元自治体のJRへの責任転嫁と協議拒否で、自ら廃線を招いた。自業自得だ。

とにかく、ここに至っては、ひたすら鉄道の存続を求めるのではなく、道民は自らのこととして、今よりもより良いベネフィットを求める形での交通体系を構築するべく、知恵を出す時だ。高橋知事も痛みを伴う事を恐れずに道民に胸を張って自らが知恵を出して、そのプランを示してほしい。


(根室線の落合駅にて)

(右奥は根室線の起点、滝川駅での落合行)

(同富良野駅)

(先行して廃止された増毛駅)

(札沼線石狩金沢駅にてキハ40-402)


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