北のとうさんの鉄道旅・アマチュア無線JA8HBO

札幌に住むおやじが北海道を中心に鉄道旅の話題や無線の話題も織り交ぜてぼやきます。アマ無線のコールサインJA8HBO

再生推進会議そしてサロベツ・オホーツクの行方

2016年06月02日 | JR北海道 JR北
最近撮った写真を添えながら久しぶりにブログを更新したのでご覧いただければ光栄<m(__)m>。
なお、写真と内容はあまり関係はない(*^_^*)
(札沼線太平駅付近の快速エアポート車両733系3000)

(いずれ廃線は確実であろう札沼線の当別以北専用のキハ40-401回送)




JR北海道に設置された第三者による再生推進会議の5月11日における議事録の概要が公表された。

私は、この議事録の内容に疑問を感じ、受け入れることができないでいる。
この会議の目的はJR北海道の「安全」の確立と再生であったはずで、一定の提言書は昨年6月に作成され、JR北に手交されているし、JRも折に触れて、提言書の内容に従って運営方針を決めているとしている。
長くなるが、昨年の6月に出された提言の中の推進会議設置の趣旨を引用する

「国による指示に基づき、第三者による外部からの視点に基づき、再生に向けて、安全対策等の実行に関して監視し、助言を行うとともに、将来に向けた追加対策等の提案を行う諮問委員会等の形態の常設の組織としてJR北海道再生推進会議が設立された。
① 構成
JR北海道再生推進会議は、以下の8名の社外有識者により構成される。
・ 実業界で企業経営のあり方並びに安全管理及び労働管理に精通する有識者
企業のコンプライアンス及び経営再建に精通する有識者
・ 鉄道工学、とりわけ軌道整備及び安全マネジメントに精通する有識者
・ 企業の危機管理及びリスク管理体制構築(内部統制、コンプライアンス、コーポレートガバナンス)に精通する有識者
・ 地域の行政を担うとともに沿線自治体の意見や地域の実情に精通している有識者
・ 企業経営に精通するとともに、地域の事業者の交通事業に対する意見を掌握している有識者
・ 制度や組織のあり方を含めた安全マネジメント並びにリスクアセスメント及び具体的安全施策に精通する有識者
会計学の専門家で、企業不正及び監査並びに企業経営に精通する有識者
9
(委員名)(役職は平成26年6月時点のもの・敬称略)
議長 宮原耕治(日本郵船(株) 相談役)
委員 桶谷 治(桶谷法律事務所 弁護士)
委員 上浦正樹(北海学園大学大学院 工学研究科長)
委員 國廣 正(国広総合法律事務所 弁護士)
委員 高橋はるみ(北海道知事)
委員 高向 巌(北海道商工会議所連合会 会頭)
委員 向殿政男(明治大学 名誉教授)
委員 吉見 宏(北海道大学大学院 経済学研究科長)
(吉見委員は平成 27年6月 18日付で JR北海道社外監査役就任のため委員を辞任・現在は北大副学長)
② 任務
当会議の任務は、JR北海道の再生に向けて、
・ 安全対策等の実行に関して監視し、助言を行う
・ 将来に向け追加対策等の提案を行うことである。」


 5月11日の会議議事録での委員の発言を見ると、閑散不採算路線の問題について多く取り上げられている。
安全に関しては一定の方向性は提言したので、あとはJRがいかに推進していくかにかかっている事もあってか、さほど多くは語られていない。
議論の中心は赤字路線の問題であり、特に,早急にバス転換を図っていくべきだとの主張を述べている方が大勢のようだ。
 JR北が、自身進めている運行路線合理化に対してお墨付きを頂くために誘導した、と勘ぐりたくもなるが、安全の確保のためには資金が必要であり、委員から採算を重視する発言が多くなるのは当然だろう。
しかし、上記のように、この委員会はこのような路線の廃止合理化を中心に論じるような目的で設置されたものなのであろうかと疑問を感じてしまうし、委員の顔ぶれは交通問題に特段明るい方ばかりではない。というより明るい方は少数だ。
 安全の確立と閑散線区の維持はトレードオフ(相反する)の関係であるとまで言い切り、さらには[今後車両の老朽更新が必要とのことだが、鉄道で無くなれば、車両を取り替える必要が無くなる。そういったメリットも説明してはどうか。]と冗談のようなことを口にした委員がいたのは噴飯物である。
とにかく、資金確保が命題なのだ。まあこの委員の方々なら仕方がないが。 
この際、安全ではなく経営・路線見直しの論議をするのであれば、すでに北海道が設置した交通問題の検討会もあり、そちらに論議を譲るか、合同の意見交換会をすべきであろうし、委員である知事は検討会の意見を確実に伝達すべく発言する必要があろう。
今後、この常設会議で経営の合理化を論議していくのであれば、委員の構成を一部代えるべきではないだろうか。
コンプライアンス、企業危機管理の専門家と鉄道の安全関係の大学教授、北海道の商工会の代表、北海道知事といったこのメンバーでは、鉄道を含めた交通ビジョンを論ずるに足る情報を有しているのか疑念を禁じざるを得ない。

さらに言うと、会議自体が昨年6月に出した提言書そのものの趣旨や北海道民の意識とは差異を生じてきており、委員のほとんどがJRの在来線全体の維持そのものに消極的ではないかと感じられる点もおかしい。
各委員には、改めて自らの立ち位置を明確にし議論していただきたい。鉄道不要論のみを論じるがごとき委員は、この会議に適しているとは思えない。
このままでは閑散路線のみならず、都市間輸送に重要な役割を果たしている幹線までバス転換を言い出しかねない状況である。
事実、高速道路と並行した路線を維持するのは疑問だとまで発言している委員がいる。
 この会議の委員の発言の多くは、明らかに関係沿線自治体の首長とは意見を異にし、相容れないものであろう。
北海道の鉄道問題を、上から「見下している」と受け取られてもやむを得ないと思う。
 鉄道経営問題に詳しい北海道大の吉見副学長を社外監査役に追いやり、会議から外してしまった時点で、この会議は「JR北海道縮小整理委員会」となってしまっている

(星置駅を発つキハ201・この車両は不運な使い方をされている。JR北の一貫性のない経営方針の犠牲だ。これが無ければ、今や救世主となったキハ261もないのだが・・・)

早急に会議の委員を入れ替えて本当の意味での「再生」を論じる場にして欲しいものだが、如何だろうか。
それとも、改めて安全の確立に議題を絞って欲しいものだ。提言書の段階から、過去の経営を全てにわたって否定するような高慢で異質なものを、私は感じてはいたが。否定するだけなら誰でもできる。
最も記憶に残ったのは「各方面に良い顔をした経営」の否定だ。運輸サービス業でもあり、顧客の差別化による細分化などできない地域性からすれば、多方面、あらゆる顧客に良い顔をするのが果たして悪いことなのだろうか。
サービス業の実務経験に乏しい委員が考え出した言葉らしいと思う。
(特急オホーツク2号・野幌駅にて)

 ところで、宗谷本線と石北本線の特急の見直しが、各関係自治体に通告され始めた。当初予想された大幅減便ではなく運行区間短縮による車両の運用負担の軽減で落ち着くようだ。詳細は報道に詳しいのでここでは触れない。
車両更新をせず(できず)キハ183を漫然と使い続けてきたツケがここへきて故障・使用不能という形で顕在化してきてしまった。
私は、残念ながらやむを得ないと感じるし、海峡線から移籍してくる789をカムイ増発用車両として利用できる最善の策にもなるのではないかと考える。
旭川駅の余裕のあるホームので乗り換えは、さほどの不便も感じないだろうし、特急券料金も特例で通しの料金にするべきだろう。
一部に、車齢の若い261による宗谷は、全便を札幌直通で残して、サロベツを廃止すべきなどと、宗谷線の現状も知らずに語る向きもあるが、宗谷線でのサロベツと宗谷の利用者は相当な数であることを知ってほしい。
 183が使えなかったとき、サロベツの変わりにキハ40で快速まで走らせた事実を覚えていないのだろうか。サロベツ、宗谷の発着の時刻に名寄駅を訪れたら、とてもそんなことは言えないはずだ。
宗谷線ファンの私が責任を持って言わせてもらう。
 
さて、オホーツクは正直言って、かなり利用者も少ないし、下りでは遠軽や北見から網走まで車内が閑散としてしまうのが現実だ。現在の8往復は果たして必要なのかは大いに疑問の残るところだ。6往復への減便も受け入れざるを得ないのではないか。
ただし、「快速きたみ」は18キッパーとしてはなんとしても残してほしいところだ(笑)(*^_^*)。

ちなみに、宗谷とオホーツクに札幌直通便が残るのは、苗穂での整備の都合上当然のことだろう。
旭川に261や183の整備機能を持っていくと、設備の分散を招いて無駄になるからである。

(西早来信号場にてスーパーとかち)
以上、先日、3日連続の信号制御故障に巻き込まれて、JR北海道には呆れてしまっている私の愚痴であった

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