怪しい中年だったテニスクラブ

いつも半分酔っ払っていながらテニスをするという不健康なテニスクラブの活動日誌

東野圭吾「祈りの幕が下りる時」

2021-09-17 15:35:57 | 
映画化された作品は映画を見てから読むのか、読んでから見るか悩ましいところなんですが、これは映画を見てから読みました。
因みに映画のレヴューは2018年2月に内容薄いものがアップしてあります。

「新参者」で始まる加賀恭一郎シリーズの一応完結編でしょうか。
加賀はこの後警視庁捜査1課に異動になるみたいですし、何やらいい感じの彼女も出現。
加えてここで、加賀の両親が離婚した理由とか父との確執の理由などがあきらかになってきます。
それにしても加賀の生い立ちの秘密が何年か後の殺人事件に結びついて、謎解きの縦糸になっていくのは少し強引ではないだろうか。
映画の時は、阿部寛のカッコよさと松嶋菜々子の演技にあまり違和感なく溶け込めたのですが、映画はいわば閉ざされた空間に2時間閉じこめられるので否応なく作品の世界に入り込み、多少つじつまが合わなくてもスルーしてしまうのですけど、小説となるとこの展開はいかにもと感じてしまうのは仕方ないでしょう。今回読んでみて、加賀は阿部寛でピタリ出し、松嶋菜々子もこの人物なら全く適材だと納得。原作を読むと俳優に違和感を感じる映画は多いのですが、ほとんどそういう感覚はありませんでした。
そうやって映画のことを思い出しながらも一気に読み終えることができたのは作者の力業。東野圭吾の小説家としての力量はさすが、ベストセラー連発の人気作家です。
ミステリーの場合はレヴューでネタバレをしてはまずいので、これ以上は書きません。
至って内容のないレヴューですが、興味がある人は是非小説を読んでください。今はもう図書館でも予約待ちすることなく借りることができました。

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