怪しい中年だったテニスクラブ

いつも半分酔っ払っていながらテニスをするという不健康なテニスクラブの活動日誌

「ウィズコロナ 日本株にビッグウェーブがやって来る!」渡部清二 エミン・ユルマズ

2021-11-19 07:01:11 | 
複眼経済塾の塾長の渡部清二さんと塾頭のエミン・ユルマズさんの対談形式の日本株投資入門でしょうか。

対談形式になっているので非常に読みやすく、かつ日本経済に希望の持てる元気の出る本です。
どうしてかと言う根拠はあまりないのですが、日本株は約40年かけて上昇し、約23年間の停滞期がある。そしてそこからまた上昇期に入ると言うのです。
具体的には東京株式取引所ができた1878年がスタートで1920年に株価がピーク。41年6か月上昇期にあり、その間に株価は297倍に。
そこから戦争で取引所が統合され敗戦を挟み1949年の再スタートまでが低迷期。
1949年2月から1989年のバブルのピーク1989年12月までが40年7か月、その間に株価は225倍になっている。
そこから失われた20年の低迷期に入るのですが、約23年たって2013年には再び上昇傾向に転じている。
つまり、今は40年になるだろう長い上昇期のとっかかりで、過去の例から考えるの株価は30万円ぐらいになるのは控えめなぐらい。
う~ん、根拠なき楽観と言われそうですが、話だけでも元気が出ます。
冷戦期には日本株は上昇しているのですが、今もまさに米中対立の時代になってきている。絶妙な立ち位置にいる日本は漁夫の利?を得て飛躍のチャンスと言われるとそうかなと思ってしまいます。でも難しい立ち位置でうまく泳ぐことができるのか…
ところで渡部清二さんは、会社四季報を全巻全ページ読み込んでいるそうで、そこには経済と企業を見るのに大切な情報が詰め込まれているとか。全企業を網羅して独自の業績予想と寸評を入れているのは唯一無二の存在で、証券会社などのアナリストでもフォローしているのは全員で500社ぐらいがせいぜいです。加えて1936年6月の創刊以来80年以上のデーターを蓄積しているので企業の過去の歴史を知ることもできます。
具体的に四季報のどこの何を見るといいのかは丁寧に解説してありますので、これはそのまま投資初心者への入門手引きになります。とにかく株式投資でも始めようと言う人はまず四季報を買って、この本の最初から最後まで全ページ読み込んで勉強してください。
かく言う私も四季報は今まで数えるぐらいしか買っていませんし、最初から最後までの全頁読み込むなんて言うのもしていませんので、初心者以下…反省です。
ちなみに四季報を買うのならほとんどの会社が3月決算なので、決算が出て、今期来期の予想も出てくる夏号がいいみたいです。
この四季報からテンバガーを探す方法も解説してあります。テンバガーと言ってもハンバーガーの大きなものではなくて、ピーター・リンチが広めたウォール街の業界用語で株価が10倍以上にあがる銘柄です。ここではそのテンバガーの共通点を示し、それを四季報から探し出す方法を紹介しています。
具体的には
①上場時期が5年以内
②オーナー社長のオーナー企業
③時価総額が300億円未満
④増収率が高いこと
⑤株価のチャートが大きく下がって、底打ちになっていること
それぞれについて四季報のどの欄に記載されていて、どう見るかも解説してあります。
有料の「四季報オンライン」を契約している人はそれぞれの条件をスクリーニング機能を使って検索することも可能だそうです。
次の章では、四季報だけではなくて日本経済新聞の読み方使い方も解説してあります。
二人とも素人のディトレードには否定的で、確かに儲けている人はいてもそれは何万人のうちの一人。まあ、儲けた人は声高に喧伝するかもしれないけど多数の損した人は黙っているよね。
二人が強調しているのは株式投資は中長期にするもので「自分のストーリー」を組み立ててその中で株を売買していくべきということ。ストーリーと異なった展開になればすぐに損切すべき。他人の意見はすべてポジショントークでバイアスがかかっているので、自分の頭で考え、日本経済を応援していくと思いつつ株式投資に夢とロマンを求めて行けばいい。
まあ、あまり生活かけるほどのめりこまずに、自由になる資金の範囲内でボケ防止だと思って楽しめれば最高なんですけど、煩悩が強すぎてなかなかそうは割り切れないのが悩ましい。
この本では、最初に日経平均30万円説が出てくるのですが、そこは読者の注目を引き付けるための話のまくらと思って読めば、株式投資初心者には四季報の使い方、日本経済新聞の読み方も含め格好の入門指南解説書になっています。

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