平凡出版から1982年に創刊された女性誌「オリーブ」。最初はポパイの派生雑誌としての出発だったのですが、2003年に休刊になるまでにその性格を何回か変えつつ、いわゆるオリーブ世代なるものを作り出し、若い女性のライフスタイルを導いていたのです。
と言われてもなんのこっちゃ?と思うのですが、著者の酒井順子は創刊当時の高校生のころからの愛読者で、なんと泉麻人の助手的な位置でコラムを書いていたとか。高校生のころから文筆の才能はあったということですね。
ところで創刊のころはポパイの増刊だったようにmagazine for city girlsで、アメリカかぶれ。そのターゲットは遊ぶのは好きだけど根は保守的な女子大生。当時の女子大生は「Can Cam」とか「JJ」といういわゆる赤文字系雑誌が女子大生に人気で、ファッションであれ、サークルであれ、就職であれ、すべての判断基準が「男うけするか否か」。対するオリーブは「自分が興味を持てるか」「個性的か」と言った判断基準で行動する女子大生が読者。でもオリーブ路線は女子大生としてはやっぱり少数派…
83年9月にはオリーブの路線が変わります。そしてターゲットも女子高生に。タイトル下がMagazine for romantic girlsに変わり、ロマンチック路線に舵を切るのです。そしてここからオリーブ伝説が始まります。
ところでこの時「リセエンヌ」なる言葉が出てくるのですが、なにそれ?リセとはフランスの公立の中等学校。だからリセエンヌとはフランスの中・高生の女の子。これがオリーブのキャラクターとしてオリーブ少女のツボにはまったようです。当時女子高生の間ではいわゆる「ヤンキー臭」が満ち溢れたツッパリ女子高生ご愛読の「ギャルズライフ」などが一世を風靡していたのですが、その反作用なのか現実逃避的、非モテ系のオリーブ少女も生み出していたのです。地方のヤンキーになれない少女は圧倒的少数派のオリーブ少女としてリセエンヌの世界に没入しつつ東京にあこがれていたようです。
オリーブでは制服のない東京の女子中高生通学スタイルを紹介したり街角スナップを載せて、素人を活用しています。紹介される街の情報はほぼ東京のものばかりで、紹介される女子高生も東京の人たちばかり。東京の付属校カルチャーが色濃く漂っています。たぶん地方にいてそんな女子高生のファッションに憧れている人がたくさんいたのだろうけど、ほとんど名古屋を出たことがなく気分だけローカルバンカラだった私にはやっぱりなんのこっちゃ…当然ながらおしゃれなファッション用語がここからたくさん出てくるのですがちんぷんかんぷん。でも具体的に何かはわからなくてもなんとなく気分というか路線はわかりました。
オリーブのファッションは「男に媚びない感じ」。聖少女願望があります。
ところが80年代末期のバブル真っ盛りの時代からオリーブはナチュラル志向になっていきます。人々がバブルに浮かれている頃「飾るな、無理するな」と少女に呼びかけているのです。自分の意志をしっかり持って好きな道を進みなさいといいます。でもその姿勢はバブルに浮かれている世の中で男から見ると魅力的かどうか。オリーブ少女はまじめで頑張り屋。おしゃれでも男の子に勝とうと考えます。そのため恋愛面については異性を遠ざけてしまう結果になりがちだったかも…
オリーブ少女には専業主婦志向がなく目標は「おしゃれになる」「ナチュラルに生きる」「夢を持つ」でゴールがありません。中高生がターゲットのはずが社会人になってもだらだらと在籍できる世界でした。
でも2000年になるとギャルブームの中で付属校カルチャーも薄れ中高生からは顧みられなくなりもはや女子高生の文化を牽引するパワーはなくなりあえなく休刊してしまいます。
でも卒業のないオリーブ少女魂は中高年になってもオリーブおばさんとして生きているみたいです。時代はナチュラルなので結構それはそれとして前衛になっているかも。
オリーブという雑誌を通じた80年代から90年代の時代の風俗というか社会状況というか、文化と言えば格好いいのですが、東京の女子高生たちの生態がよく分かりました。ファッションには全く知識がなかったので言葉が分からない部分が多々あるのですが、注釈もあってこういうことだったのかと改めて知ったこともたくさんあります。
ところで花田美恵子さんとか黒田知永子さんというのは高校生のころから読者モデルとして紙面を飾っていた有名人だったんですね。ほかにも高校生からの有名モデルがいるみたいですがこれにもびっくりでした。
思えば大学も就職も名古屋で市外へ1か月以上出たことがなく、モテたこともないわたしにとってこの本に出てくる東京の女子高生などというのはある意味憧憬とともに恐怖と嫌悪の対象だったかも。東京は恐ろしか街や…
とは言っても高校生のころから雑誌に連載コラムを持っているような酒井順子の才能には、それが東京という街の影響が大だったにしても脱帽です。ボケ防止でこんな駄文を書いている自らを恥じるばかりです。
と言われてもなんのこっちゃ?と思うのですが、著者の酒井順子は創刊当時の高校生のころからの愛読者で、なんと泉麻人の助手的な位置でコラムを書いていたとか。高校生のころから文筆の才能はあったということですね。
ところで創刊のころはポパイの増刊だったようにmagazine for city girlsで、アメリカかぶれ。そのターゲットは遊ぶのは好きだけど根は保守的な女子大生。当時の女子大生は「Can Cam」とか「JJ」といういわゆる赤文字系雑誌が女子大生に人気で、ファッションであれ、サークルであれ、就職であれ、すべての判断基準が「男うけするか否か」。対するオリーブは「自分が興味を持てるか」「個性的か」と言った判断基準で行動する女子大生が読者。でもオリーブ路線は女子大生としてはやっぱり少数派…
83年9月にはオリーブの路線が変わります。そしてターゲットも女子高生に。タイトル下がMagazine for romantic girlsに変わり、ロマンチック路線に舵を切るのです。そしてここからオリーブ伝説が始まります。
ところでこの時「リセエンヌ」なる言葉が出てくるのですが、なにそれ?リセとはフランスの公立の中等学校。だからリセエンヌとはフランスの中・高生の女の子。これがオリーブのキャラクターとしてオリーブ少女のツボにはまったようです。当時女子高生の間ではいわゆる「ヤンキー臭」が満ち溢れたツッパリ女子高生ご愛読の「ギャルズライフ」などが一世を風靡していたのですが、その反作用なのか現実逃避的、非モテ系のオリーブ少女も生み出していたのです。地方のヤンキーになれない少女は圧倒的少数派のオリーブ少女としてリセエンヌの世界に没入しつつ東京にあこがれていたようです。
オリーブでは制服のない東京の女子中高生通学スタイルを紹介したり街角スナップを載せて、素人を活用しています。紹介される街の情報はほぼ東京のものばかりで、紹介される女子高生も東京の人たちばかり。東京の付属校カルチャーが色濃く漂っています。たぶん地方にいてそんな女子高生のファッションに憧れている人がたくさんいたのだろうけど、ほとんど名古屋を出たことがなく気分だけローカルバンカラだった私にはやっぱりなんのこっちゃ…当然ながらおしゃれなファッション用語がここからたくさん出てくるのですがちんぷんかんぷん。でも具体的に何かはわからなくてもなんとなく気分というか路線はわかりました。
オリーブのファッションは「男に媚びない感じ」。聖少女願望があります。
ところが80年代末期のバブル真っ盛りの時代からオリーブはナチュラル志向になっていきます。人々がバブルに浮かれている頃「飾るな、無理するな」と少女に呼びかけているのです。自分の意志をしっかり持って好きな道を進みなさいといいます。でもその姿勢はバブルに浮かれている世の中で男から見ると魅力的かどうか。オリーブ少女はまじめで頑張り屋。おしゃれでも男の子に勝とうと考えます。そのため恋愛面については異性を遠ざけてしまう結果になりがちだったかも…
オリーブ少女には専業主婦志向がなく目標は「おしゃれになる」「ナチュラルに生きる」「夢を持つ」でゴールがありません。中高生がターゲットのはずが社会人になってもだらだらと在籍できる世界でした。
でも2000年になるとギャルブームの中で付属校カルチャーも薄れ中高生からは顧みられなくなりもはや女子高生の文化を牽引するパワーはなくなりあえなく休刊してしまいます。
でも卒業のないオリーブ少女魂は中高年になってもオリーブおばさんとして生きているみたいです。時代はナチュラルなので結構それはそれとして前衛になっているかも。
オリーブという雑誌を通じた80年代から90年代の時代の風俗というか社会状況というか、文化と言えば格好いいのですが、東京の女子高生たちの生態がよく分かりました。ファッションには全く知識がなかったので言葉が分からない部分が多々あるのですが、注釈もあってこういうことだったのかと改めて知ったこともたくさんあります。
ところで花田美恵子さんとか黒田知永子さんというのは高校生のころから読者モデルとして紙面を飾っていた有名人だったんですね。ほかにも高校生からの有名モデルがいるみたいですがこれにもびっくりでした。
思えば大学も就職も名古屋で市外へ1か月以上出たことがなく、モテたこともないわたしにとってこの本に出てくる東京の女子高生などというのはある意味憧憬とともに恐怖と嫌悪の対象だったかも。東京は恐ろしか街や…
とは言っても高校生のころから雑誌に連載コラムを持っているような酒井順子の才能には、それが東京という街の影響が大だったにしても脱帽です。ボケ防止でこんな駄文を書いている自らを恥じるばかりです。
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