怪しい中年だったテニスクラブ

いつも半分酔っ払っていながらテニスをするという不健康なテニスクラブの活動日誌

「2016日本経済投資のシナリオ」今井澂

2017-02-18 08:40:36 | 
続けてなんですけど、今井さん、毎年本を出しているので2016版を読んでみました。

一年たってどうなったかと言うと、日本経済に対してさらに強気になっています。前作では日経平均25000円に行くという、それでも十分強気だったんですが、今回は3万円以上という長期予想です。
その根拠はと言うと、日本企業を苦しめていた6重苦すなわち、円高、法人税率、経済連携協定、エネルギーコスト高、労働規制、環境規制について労働規制を除いて取り除かれようとしているから。
それを可能にしたのは安倍長期政権とTPPの合意なんですが、こういう議論を読むと株価と言うのはまさに総資本の意向に左右されるものなのだと思います。いろいろあったんでしょうけどもTPPは日本の立場で結構頑張ってアメリカを引きずり込んでいったというのが評価です。当然経済効果も大きいと。
安倍、黒田ラインで金融緩和も続き、東京オリンピックに向けての道路やホテルの整備もあって、いろいろ波及する経済効果もあるので2020年までは大丈夫、GDP600兆円は十分に可能です。こう並べられると気持ちいいものです。
でもさすがにトランプ大統領の登場は読み切れなかったので、ここでTPPがポシャってしまうとは全くの予想外。となるとこの超強気はどうなるのか…
それでも不安材料もちゃんと書かれています。
筆頭は中国。中国崩壊は「起こるか」ではなくて「いつ起きるか」。過剰債務問題はもはや解決不可能な規模になっているのですが、そこは共産党独裁政権。何でもありの政策を出して当面は凌いでいくのでしょう。まあ、日本でも異次元緩和だのマイナス金利だの何でもありの政策をどんどん繰り出していますけどね。中国の場合は破たんすれば共産党独裁政権の国が崩壊する危険があるのが怖いところです。今井さんは連邦制になるんではと言っていますが、どうなることやら。
もう一つの不安材料は欧州からのブラックスワン出現の可能性。ギリシャ問題の裏にあるドイツ銀行の危険性です。イタリアの銀行危機もあってきな臭いですね。
その割にはロシアとイギリスは評価しているんですが、もしかしてイギリスはEU離脱してよかったかも。
山あり谷ありで何が飛び出してくるのかわからない世界経済ですが、日本経済については強気のスタンスは変わっていません。トランプ大統領になっても共和党政権のほうが日米関係は緊密になる傾向だし、心配ないさ~なんでしょうか。
因みに今井さんの2016年1月時点での推奨銘柄は次の通りですが、参考までにこの本執筆時(2015.11.26)の株価と2017.2.15の株価を書いておきます。
・シマノ(7309)            18990⇒16820
・ユニ・チャーム(8113}         2673⇒2514
・マニー(7730)           2349⇒2739
・ピジョン(7956)            3500⇒3055
・住友金属鉱山(5713)          1383⇒1656
・みずほフィナンシャルグループ(8411)   254⇒210
どうも今井さん、個別銘柄もはずれが多いみたいです。でも多分皆さん知らないと思いますが「マニー」はいいですね。技術は世界一みたいです。金の現物に投資するなら菱刈鉱山を持っている「住友金属鉱山」のほうがいいかも。
投資国を選ぶなら「インド」だそうです。
まあ、予想が外れて泣くのは自分ですから投資は自分の判断で、詳しくは本を読んでください。
コメント
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