事件記者のページ

遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

絵本はいかが?

2012-05-04 19:03:46 | ファンタジー
ノミ、サーカスへゆく ノミ、サーカスへゆく
価格:¥ 2,100(税込)
発売日:2001-07

このノミはネコノミ、ネコと自分たちについて語る、ノミは昆虫図鑑のトップに出てて学名はアファニプテラのプリティー(ホントはプリシダエ、ちゃんとネコノミ=felisの絵がついてる)だとか、ノミは変態するがネコはしない(確かに)とか、「ネコをかぶる」とはどういうことか(ホントはすごく凶暴)とか、その後住んでいたネコのトラーを離れてサーカスへ行った(実は駆除されちゃったのだ-作者談)、ノミのサーカスというものは昔確かにあったが使われてたのはヒトノミでネコノミは小さくて見栄えがしないとのことである(でもできないことはないらしい)
他にネコと同じ大きさだったブタが部屋いっぱいのサイズになってとうとうハムにされてしまったという悲しいお話も
ピーター・ラビットの作者ほどじゃないけど金井さんもリアリストなのだ

マイマイとナイナイ (怪談えほん2) マイマイとナイナイ (怪談えほん2)
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2011-10-08

馬に蹴られて片目を失った女の子を襲うさらに過酷な運命、マジメな子供(特に男の子)だったら「僕が助けてあげる、どうすればいいのか教えて」とか言いそうだ、あれ、それじゃ「眠り姫」になっちゃうね、アタマの中へ流れ込む不定形な悪夢がコワイけどきれい、いやきれいだけどコワイ、文章では書けないこともあるってか・・・

悪いことを教えてあげる、きらいな誰かを消すことを、ああ、それ50年前に(いや30年前でも)教えてくれたらよかったのに、もう手遅れだよ(そんなこと言うか、普通!!)

悪い本 (怪談えほん1) 悪い本 (怪談えほん1)
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2011-10-08

高い天井の古い家、梁の上にこわい顔の男がいる、何もしないから見なければこわくない、だけど見ればこわい、いるからね・・・・
男の子が怖がってるのに祖母さんとネコたち(数えられんほどいる)はまるで平然、それがけっこうこわい

いるの いないの (怪談えほん3) いるの いないの (怪談えほん3)
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2012-01-28

岩崎書店の愛読者カードには「お子様の年齢」を書く欄がある、子供にこんなん買う親がいるのかねえ、どう考えたって買うのは作者買いする大人だろ、絵だって子供なら気にしないことまでムダに凝ってるし-と思ってAzonのレビューを見たら「子供に読んでやった」ヒトが多いのに驚き、いや確かに子供をナメてはいけない、ハイレベルなものを見せるべきだという考え方もあるかもなあ・・・


ス・ゴ・ス・ギ

2012-05-04 02:36:18 | ファンタジー
双頭のバビロン 双頭のバビロン
価格:¥ 2,940(税込)
発売日:2012-04-21

双子ネタでここまで迫力の違うものが書けるかねー、連載期間で言うとほぼ入れ替りで島田の方が後なんだが(皆川博子10年10月完結、島田雅彦11年1月開始)、ミステリとしていや「文学」として皆川の方が一桁上、これ誰の目にも明らかだと思うけど、純文業界の評価は違うんだろなあ、「俗情との結託」とかってさ、それどっちの話だよ?

1920年代のハリウッド、売れっ子の監督が過去を語っている、ウィーンの貴族で陸軍大学へ行ってたのに諸般の事情でここまで流れて来て、スタントマンからのし上がった、自慢じゃないが役者としても台本作者としても能力があったと思う・・・何となくヤなヤツ、でも映画が売れた以上その通りなんだろな
ところ変わってボヘミアのナゾめいた館、二人の男の子が養われている、一人は世間的にはいないことにされてる双子の片割れ、もう一人は上海生まれの孤児、彼らを引き取った主の目的は・・・・

時間軸が錯綜してるので章が変わるごとにあれ、今はいつなんだ?と思い、事情が明らかになるとエッ、何でそいつがここにいるんだよ?になり、さらに進むと細かいところまで周到な伏線だったことが明かされる、これぞミステリ、まさにミステリ、こんなん書くヒトは化物じゃなかろうかとひたすら感心するばかり
こういうものを読んで休日を過ごせるなんて全くハッピーだなあ、生きててよかったよ