英語と子育て

英語を通して子どもたちの夢をサポートするブログです

「大変」という意味

2016-05-23 | 子育て
私の息子たちが小中学生の頃に驚いたことが2つあります。

まず一つ目は運動会で徒競走がなくなったこと。

長男は私に似て足が遅いのでほっとしましたが、次男は夫に似て足が速いので、親としてなんとなく残念と思いました。

ただ、その理由がなんとも受け入れがたい。

「一番二番と番号をつける競争はよくない」というものでした。

思わず「あのおお~」と言いたかった 

わかりますよ、人は人、比べないで個性を大事にしよう、と叫ばれていましたから、その気持ちはわかる。

でも家庭は学校の、学校は社会の縮図であります。 私たちの社会で「競争」というものがないのなら、それでもいいでしょうが、共産国でもあるまいし、子どものときに競争経験がなくて、大人になってどう生き抜くのか、心から疑問でした。

もうひとつは、円周率が「3.14」じゃなくて「3」に変更されたことです。

初めて知った時は「はあ~?」。。。英語でいうと'Whaaaat??'って感じでした。

子どもの伸びしろを広げるどころか狭めて、いったいどれほど子どもを甘やかすんだろう、と日本の教育を危惧しました。

    

あまり連続ドラマを見るほうではないのですが、好きな脚本家のドラマがあると見たくなります。

最近必ず見ているのが「ゆとりですがなにか?」~いわずとしれたクドカンの脚本です。

まずタイトルを見てニヤリ、ドラマを見て吹き出しました。

まるでうちの息子たちのようです。そう、二人ともこの「ゆとり世代」真っ只中に育ちました。

特徴として「競争心がない」とか「苦労は避ける」とか「冒険しない」とか言われていますが、以前同じゆとり世代のもと生徒の就職の相談に乗った時、「どんなとこに就職したいの?」と聞いたら、「福利厚生がしっかりしてるとこ」と答えたんで、開いた口がふさがりませんでした。

明らかに私たちと違う 

「ゆとり世代」というのは1977年から始まった学習指導指導要領に基づいた「ゆとり教育」を受けた子どもたちです。それまで私たちが受けていた「詰め込み教育」を180度転換させたものでした。

まあ、あとからこのおかげ(?)でPISAなどのデータから日本の子どもたちの学力が落ち、その後「脱ゆとり教育」が始まりました。またもや180度転換、子どもがいい迷惑です。


このゆとり世代が今、社会人や大学生になっています。


先日、私が講義をしている大学で、ある学生から質問がありました。

「先輩たちから聞いたのですが、先生の授業は大変だと。そんなに大変なんでしょうか?」

一瞬、沈黙しました 

質問の意味がよくわからなかったからです。

それで聞きました。

私 「大変、って、どういうこと?」
学生「たとえば、やることが多いっていうか、宿題とか、授業以外でもやることがあるっていうか 

こう答えました。

私 「大学って専門的なことを学ぶとこなんだよね。それを大変か大変じゃないかって決めるのはあなた自身じゃないかな。」

帰宅してから、「大変」ってどういう意味なんだろう、と考えてしまいました。


人は「大変」という言葉を使います。よく聞く言葉です。子どもが「たいへ~ん」なんて言っていると気になります。


でも「大変」=「つらいこと」ではないはず。

私たちは、そんな大それたことでものないのに、「大変なのよお~」って言っていませんか?

人間は大変なこと~「苦労」から学習します。もちろん中にはつらいことがあるかもしれない。でもそういう経験は絶対に無駄にはならず人生の糧になることを私たち大人は知っています。

だから、お父さん、お母さん、「大変」という言葉を子どもに刷り込まないで、「大変なぶん、たっのしんだよおお!」とポジティブな言葉が出てくるように子どもを励まして育てて欲しいと思います。


さて、そんなわけでうちの「ゆとり世代」の次男は、ただいま「言葉」「考え方」「生活環境」が違う不自由な毎日を海外で悪戦苦闘中。

先日も「知らんことばっかりで大変だけど楽しいわ 」とLINEが来ました。

「大変」が楽しめるようになったらまずまずです 


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