英語と子育て

英語を通して子どもたちの夢をサポートするブログです

人生を考えるための本

2012-02-16 | その他
相変わらず毎日寒いです。インフルエンザや胃腸炎が猛威をふるっていて怖いです。
こういう時はなるべく人ごみに行かないようにしています。

が、しかし、ここ1-2週間、イベントがあったりで外にでることが多く、慌ただしい反面、嬉しいことにいろんな人と逢って話すことができました。

人に逢って話すということは、本当に刺激的です。学びます。

12日(日)にはmpi(旧 松香フォニックス研究所)のフォーラムがあって、松香先生の話が聞きたくて行ってきました。

実は、レクチャー以上に松香先生に聞きたいことがあったのです。
正確には2つ質問したいことがあったのです。

松香先生の1月のブログに「新聞に載っていた’人生を考えるための12冊’を買い込んで温泉につかって読んだ」と書いてありました。
この12冊のタイトルが知りたい! ネットで調べてもでてきません。

それで、先生のレクチャーが終わった後、聞いたのです

私 「先生、本のタイトル、覚えているだけでいいですから教えてください!」

先生「え?タイトル、えーとね、’100万回生きたねこ'があったわ、知ってる?」

私 「絵本も含まれているんですか。それ、持ってます。ほかには?」

先生「うーん、いろいろあったけど・・・じゃあね、帰ったらリストをメールするわ

私 「よろしくお願いしまーす(やった! 嬉しい)」

昨日の水曜日出勤してオフィスの机の上をみて、びっくり!
なんと、松香先生が何冊かの本を送ってくださいました。

「どうせ人にあげてしまうから送りますね。楽しんでくだされば幸いです」とお手紙が添えられていました。

松香先生って本当に昔から気さくで優しい方です。

先生からいただいた本の中から絵本3冊をご紹介します。

       

①「最後だとわかっていたなら」 ノーマ・コーネット・マレック作

9.11のあとネットで配信されていたものが本になりました。
数年前ネットで見つけてすぐ、私のブログでも取り上げました。
しかし、裏話があるとは知りませんでした。

私はこの詞を読むたびに、ある人を思い出し、はたまた長男とぶつかる度にこの詞を思い出します 

②「幸福な質問」 おーなり由子 著

大人の絵本です。
読んで、絵を眺めているだけで幸せな気分になります。
ただ、反応が怖くて夫にはちょっと聞けないなあ 

すぐそばにいる人・・・大切にしないとね。

③「いつでも合える」 菊田まりこ 著

ちいちゃな子どもたちに読んであげたい絵本です。

       

残りの本は読み終えたら、またご紹介いたします  


「グローバルな舞台に必要な力」とは?ー明石康氏の講演から

2012-02-05 | その他
もう3年も前になりますが、ニューヨークの「sesami workshop」(「セサミストリート」を制作しているところです)でプロデューサーをしているN氏を訪ねたことがあります。

 N氏は日本人ですが、ここ数年ニューヨークから日本人の留学生が消えていっている、「sesamiでもプロデューサーで日本人はボクだけになっちゃった」と言ってました。

 「的馬さん、骨のある日本人の若者を育ててよ」と言われて帰ってきました。

 「内向き指向の若者」という言葉が話題になっていますが、今の若者、いや、これから成長していく子どもたちにどんなことを教えていけばいいのでしょうか?

 先日京都の高校で国語を教えているMさんから興味あるレポートを読ませていただきました。彼女の高校に、元国連事務次長の明石康さんがいらっしゃって講演されたそうです。

以下Mさんからのレポートです。
いくつかの重要な指針が隠されています。

     


  明石康さんは1956年12月に日本が国連に加盟した直後、 日本人で初めて国連に採用されたが、当時、26歳。 東京大学卒業後、1955年に横浜からシアトルへと船で移動したわけが、 今よりも多大に時間がかかる船での移動も、色んなことを考え、たくさんの本を読みながらの 時間をかけての旅であり、決して時間の無駄ではなかったとおっしゃっていた。


講演会のテーマは「グローバルな舞台に必要な力」。
以下、彼の講演内容をまとめてみた。


政府がグローバルな人材を教育するにあたり、 昨年6月に明石さんを参考人として官庁へ呼んだそうだ。 明石さんを含めた委員会での話し合いで、 「グローバルな人材の条件」として三つの柱が挙げられた。

 コミュニケーション能力 (語学能力)
  自分の考えを持つこと、そして人の考えにじっくり耳を傾けること、それがコミュニケーション。

 チャレンジ精神
  問題が起きても、それにまっすぐ前向きに取り組む態度。
  一人でなく周りに相談し、チームワークを作り協調する、勇気、そして努力。
  ひとつの考えに固執せず、良い考えに柔軟する力。

 異文化認識 + 尊敬
  日本文化だけでなく、ほかの文化にも。


この他、明石さんが考えるグローバルな人材の条件には、 もうひとつ要素が挙げられるそうだ。

 限りない知的好奇心
  自分の世界だけに生きない。外国の政治や経済、文化等、様々なことに興味を抱く。
  メディア報道は相手を単純化し、偏った情報を伝えるもの。騙されるな。
  100%真に受けない、鵜呑みしない。果たして本当にそうなのだろうか、と疑問を抱け。

 また、日本人の語学力についてもこんなことをおっしゃっていた。

現在TOEFLのスコアを見ると、世界163ヶ国中、日本は135番目。アジア30ヶ国中、27番目。
日本人の語学能力が劣っているのではなく、学び方に問題があるのではないか。
外国人とコミュニケーションをとる機会が少なく、 また、知識を戦わせる場がないことが原因として考えられる。

最近の若者は、昔と比べて英語の発音は流暢な人が増えている。
しかし、内容が無いものが多い。
語学は発音ではなく、何を伝えるか、メッセージの内容が大切だ。
読む、書く、聴く、話す、四つの機能のバランスが大事であり、
自分の専門領域を英語で話し合えることのできる力こそが、必要なものである。

40年間国連にいたが、歴代の総長は全員訛りのある英語を話した。
しかし、彼らは98%自分の言いたいことを伝えることができ、
98%相手の言いたいことを理解することができる人たちだった。

アメリカ訛りで話すと、頭の中までアメリカ人だと思われがちである。
訛りをもって、訛りで話して、互いを分かり合う。訛りは個性である。

発音を練習する前に、内容のあることを伝えられるようになるべきである。
(ちなみに、明石さんは大学二年で始めて英語をネイティブから学んだ)

最近、グローバルな人材が少ないと言われている。
Virtualな世界(TV、インターネット、映画等)を通して、行ったことのない場所や、 見たことのないものまで、まるで経験したような気になってしまうようだ。
 しかし、自分で実際にその地へ赴き、絵葉書のような美しい景色でなく、 路地や生活感にあふれる場所で、地元の人に直接その地域について聞いてみたり、 話してみたりすることで、たくさんのことが見えてくる。

何事も、違うと思ってかかることが大切。
違うと思って同じ所を見つけると嬉しくなる。
同じと思って違う所を見つけると悲しくなる。

  明石さんは講演会の初めに、「グローバルな舞台」というのは、 どこか遠いところにあるものではなく、一人ひとりがすでに グローバルな舞台に立っている、とおっしゃっていた。
 物は国境を無視して動いており、お金、そして人の流れも盛んな今日。
 誰もが関わっている問題として、しっかりと考えていくことの大切さを、 改めて実感した講演会だった。

      

 いかがですか?

 「自分の考えを持ち、それを表現する」ということは簡単なことではありませんが、毎日の生活の中で実践できますし、何より人としての好奇心を高めることができます 

 まずは私たち大人から・・・・そして次世代の子どもたちに、この4つの条件を受け継いでいきたいものです。



親子留学にチャレンジ

2012-02-02 | 子育て
私が4歳の長男を連れて短期親子留学に臨んでからすでに16年。当時はSkypeどころか携帯電話もEmailもなかったので時間も手間もかかりましたが、今は状況も激変しました。
 
 ここ数年で私のスクールからも親子留学される方がでてきましたが、昨年、講師の竹内文絵さんが幼稚園児のお嬢さんを連れてカナダに4か月親子留学されました。

 最初、話を聞いた時は「えー!四か月!!」とびっくりしましたが、無事有意義な留学を終えて帰国されましたので、ここに貴重なレポートをみなさんにも公表させていただきたいと思います。

 子育ての中での「キーポイント」が見えてきます。

         

カナダから見た日本を考える          

              KEC 英会話スクール講師 竹内 文絵

「海外で生活してみると、日本の長所や短所がよく見える」と、よく言われますね。
私は日本を外国から眺めてみるのが好きです。日本の社会や文化や歴史を誇らしく思ったり思わなかったり、それまで気づかなかった新しい視点を得たりするのが楽しいのです。学生時代に初めてアメリカで生活した時には「アメリカってなんて自由で刺激的な国なんだろう」と夢中になり、日本がひどく退屈な国に思えたものでした。

 あれから十数年が過ぎ、昨年、念願かなって娘とともにカナダへの短期留学を決行しました。その4ヶ月間、事あるごとに日本とカナダを比較しては楽しんでいたのですが、今回は「やっぱり日本っていい国だ」と自分の中で日本に軍配が上がることが多く、年齢を重ねるとものの見方も変わるものだなぁとしみじみしました。ただ時折ハッとさせられたのは、子どもたちの姿の違いです。親となり教育者の端くれとなった今では、若い頃よりもずいぶんくっきりと教育面の差が見えます。特に小学生~10代の子どもの違いが歴然としていて、「日本は素晴らしい国だけれど、このままで本当に大丈夫なのかな?」そんなことを思いながら帰国してきました。

 日本の学校生活で重んじられているのが「和」だとすれば、カナダは正反対で「個」を尊重します。積極的に移民政策をとっているカナダには、世界中から多くの民族がやって来て共生しているわけですが、彼らはそれぞれの文化をカナダという枠組みにあわせて変化させたりしません。中国人なら中国の、インド人ならインドの生活様式をそのままカナダに持ち込んで暮らしています。2~3カ国語を操る人が珍しくない一方で、まったく英語を話そうとしない人達もいます。そのため学校はもちろん、社会全体に「文化も言語も考え方も人それぞれ、違っていて当たり前!」というキッパリした空気が流れていました。

 ある小学校を見学したとき、先生が絶え間なく生徒に投げかけていた質問は「あなたはどう思う?」「どうして?」「他に違う考え方は?」でした。その質問のたびに多くの個性的な発言が飛び出し、受け入れられて、次の意見を生み出していきます。各プロジェクトそのものも興味深かったですが、その後の子どもたちの活発な話し合いの光景は全く日本と違うものでした。自分の考えを上手に主張するスキルは、教育のしかた次第でこうも違っていくのかと驚きました。

 日本の学校では生徒全員が同じ言葉をしゃべるのが当たり前で、ほぼ共通した文化的背景を持っています。そして「みんな同じ」であることを居心地良く感じるとともに、自己主張したり対立したりすることをなるべく避ける傾向に育っていきます。和を尊ぶその姿勢は、東日本大震災のとき海外から賞賛されたように、モラルの高さや謙譲の美徳、勤勉さといった日本の素晴らしい特徴の根幹を成しているのですから、むしろ誇らしく思うべき日本人の気質です。

 ただし、古きよき昔からは時代が大きく変わりつつあることは心に留め置かねばなりません。世界経済において明らかに国境は消えつつあり、インターネットでつながる国と国の間に物理的な距離は関係ありません。否が応でも私達の暮らしは海外と結びつき、むしろどんどん密接になっているのです。日本の中だけで、日本人だけでこの先もずっと暮らしていくことは難しいでしょう。

 だからこそ、子どもたち、若者たちにどんどん海外へ飛び出してほしいと私は思うのです。
 
 多くの文化に触れ、その違いを実感しながら育つことは、それだけ柔軟になれるということです。子どもたちには、前例に縛られずに自由奔放な発想を生み出せる、自分の意思を持って動く人間に育ってほしいのです。違いを受容する力、違いを超えて柔軟に結び付けていく力。国際性とはそういうことだと私は思っています。

 カナダで私は驚くほど多くのアジア人留学生に会いました。韓国が最も多く、台湾、中国、インド、タイなどなど。彼らの目的はさまざまですが、共通しているのは「世界に出て勉強しないと良い暮らしはできない」という必死さです。彼らにとって英語教育はもう当然であり、その上に知識と国際性を身につけてなんとか生き残らなくてはと考えているのです。残念ながら、私が見かけた日本人留学生の数は昔と比べてずいぶん少なく、必死さという点において他国の留学生には到底かなわないと感じました。

 この差は将来どんな形になって現れるのかと考えると底知れぬ不安に包まれます。日本の中で普通に生活していても、こうした近隣アジア諸国の若者たちとの温度差を感じられないのは本当に残念なことです。より多くの日本の子どもたちが海外へ飛び出し、国際性を身に着けて成長していくことを願ってやみません。

 さて、カナダから戻って近所の子ども達やクラスの生徒達と接して、これはもう口を酸っぱくして言い続けようと心に決めたことが2つあります。

「相手の目を見て話すこと」「自分自身の考えを発言すること」

 まずは大人が手本を見せていきませんか。子どもと話すときには目をきちんと見る。そして日常の中で「私はこう思うけれど、あなたはどう思う?」「なぜそう思うの?」と問いを投げかけ、意見を交換しあう。
 
 英語を話すことよりもまず大事なコミュニケーション能力を育てることは、周囲の大人しだいできっとできるはずです。未来の担い手たちが、日本人の素晴らしい気質と国際性とを併せ持って成長していけるように、私達大人がすべきことはたくさんあるのです。

        

 大人の責務をまたまた再認識しました。

 この夏は私のスクールでもアメリカ、シアトルへの親子留学ツアーを実施します。

 親子で「今、国際人になるためになにが必要なのか」を感じていただければ、と思います。