英語と子育て

英語を通して子どもたちの夢をサポートするブログです

英語で最も難しい(と思う)「仮定法」

2015-03-28 | 英語学習
「仮定法」と聞くだけで頭の中が混乱するような錯覚に陥るのはおそらく私だけじゃないと思います 

でも、日本語で、
「~だったらいいのになあ~」とか
「私だったら~するよ」

な~んていうのも当然、仮定法。日常会話で仮定法を用いないことはおそらくゼロに等しいのですから、英語でもこの仮定法をマスターしなくてはいけない。

英語は日本語と違って「時間軸」が明確で、時制にしても、大過去から過去形、現在形、未来形と使い方がきれいにわかれています。英語にはなんと12の時制があるのです

だから時制になれていない日本人の私たちには非常に苦痛 

ちなみに日本語は「時制」ではなくて「相’aspect’」を使用しています。具体的に言うと、「~する」「~した」「~している」「~していた」ですが、これは英語の時制とは一致しません。

例文)「昨日、私がテレビを見ている時」 When I was watching TV, ________.

こうしてみると以前ご紹介した「前置詞」とか「冠詞」とか「時制」などという、いわゆる機能語を正しく使える人が「ネイティブ」なんでしょう。

私にいたっては、最初はまちがいだらけの(?)日本の教科書でしか中学英語を学んでいないですし、大学受験の時に呪文のように覚えた構文が基礎になっていて、それをくちゃくちゃ作り直して使うから、時々、「あれ?これでよかったかな?」ー間違いってはいないけれど、100%時制が正確で意図していることが伝わっているか?と不安になることもあります。

具体的に書くと、

1. If I tell you the truth,
2. If I told you the truth,
3. If I had told you the truth,

の3つは状況が全く異なるわけです。

マイク・ピーターセン著 「日本人の英語はなぜ間違うのか?」を読んで、このあたりのことがとてもわかりやすく書いてあって、うなずくことしきり。



日本の英語教育では仮定法が中3で習うため、1~2年の教科書は仮定法抜きの不自然(あるいは正しくない)英語がよくあるとのこと。

日常生活の使用頻度から教科書の内容は作られていないということです。

そういえば、ネイティブの子どもが最初によく使うのは現在進行形なんですが、これを習うのもかなり後です。動詞の原型から順序立てて教えるのって、ある意味不自然なんですね。

     

さて、この本にはほかにも興味深い項目がありました。

常々、大学の教え子がよく発する(書く)’so’という単語の使い方。

日本語では「だから」なんてつもりでよく使いますが、いきなり文が’So ……’で始まっていると「う~ん」と首を傾げたくなります。

なぜなら前文との因果関係がないのに、なんとなく’so’でつなげている感じ。


 日本の一般の大学生は’so’という英単語が大好きのようです。私が授業で出会う英作文では、’so’が実によく使われ、一度も使われない英作文はめったに見られません。残念ながら、その数多くの’so’の中で、添削を“生き延びる”ものはほとんどありません。 (p.90)


‘very’のかわりに’so’を多用する傾向もある、とのこと。確かに!

ということで、このあたりの英語の使い方を是非、学校でも教えていただきたいものだと、個人的に思いました。

まだまだしっかり学んで、より洗練された英語を使いたいと思います。



BIとAI

2015-03-21 | 教育一般
みなさんは携帯電話を持っていますか?  スマホですか? パソコンやタブレットを使っていますか?

周知のとおりこういうテクノロジーは急激な進化を遂げました。

80歳の母でさえ、最初は「アナログ人間だからわからない」と言い続けていたのに、今では携帯電話で、私より凝った絵文字つきのメールを送ってきます。最近は乗り換え時刻を調べたいからスマホにしたいと言っています 

今や携帯電話スマホ普及率は40%。それもたった5年でこの伸び率です。


業界ではインターネット以前の時代を’BI’ (before Internet)、そして後を’AI ‘(after Internet)と呼ぶそうです。

私が就職した1980年代前半、日本はまだBIの時代で、社会人1年目にオフィスにファックスが登場しました。

ものすごい大きな鐵の箱がやってきて、所長以下7名の職員がそれを取り囲み、箱から出てくる文書に「お~!!」と感嘆の声をあげました 

その後すぐにIBMのパソコンがやってきて、30センチ四方のフロッピーでデータを保存。タイプはワープロに変わりました。

1990年に入り、スクールを立ち上げてしばらくした頃、アメリカの友人から「メッセージはEmailで送って」とファックスが届き、同僚とひたすら首をかしげて、「Email? はて いったいどういうものなんだろう?」と話したのはついこの間のよう 

1990年代後半に私は大学に戻り、コンピューターによる英語教育を学び、当時一世風靡していたMacを使ってプログラムを作ったり、ユードラというメールソフトでやっとEmailの実態を把握しました。

携帯電話に至っては、めちゃくちゃ大きくて重いIDOの電話を車で使ってましたが、あっという間に小さくて軽い携帯電話になりました。

こうしてBIからAIまでほんの20~30年の間にテクノロジーは恐ろしいスピードで進化していて、私はそれを体感していることになります。

次の表を見ると、インターネットは5年で 20%以上の普及率。


出所:http://www.citylab.com/tech/2012/07/how-technology-spreads-1-chart/2752/


このスピードに追いつくべく、私自身がどうやってハイテクを学んだか、というと、教室で授業をうけるよりも多かったのが、「とにかく触って使ってみる」という時間です。

当時はパソコン教室などもなかったので、とにかく自分で使ってみて考える、そしてどうしてもわからないことがあると、詳しそうな人を誰でも捕まえ、わからないことは聞いてみるーこれの繰り返しだったように思います。

先日MITメディアラボ所長の伊藤譲一さんのプレゼンを改めて聞いて、そのとおりだよな~と唸ったのが次の言葉。

「誰かに教わるのが教育、自分から求めるのが学び」

そして、私たちは、

「どうやって学ぶかを学ぶべき」であり「地図よりは羅針盤を持て」とのこと。

今の子どもたちのことを考えると、おけいこや塾で忙しいけど、塾へ行くだけで「賢く」なるわけではなくて、自分の頭で「不思議」を考えることで、人は賢くなるんじゃないかと思うのです。

「知識」より「知恵」が大事。

「受け身の教育」じゃなくて、「攻めの学び」のチャンスを子どもたちに与えてやりたいものです 

通訳トレーニング 初体験

2015-03-09 | 英語学習
英語を勉強するのが好きになって、将来、英語が使える仕事につきたいと思い始めた中学時代、憧れは「通訳」でした。

小学生の頃テレビで観たアポロ11号の月面着陸の様子を同時通訳で伝える國広正雄さんに、子どもながら圧倒されました。まるで魔法だ!と思ったものです。

その後テレビに登場する鳥飼久美子さんや松本道弘さんに憧れました。松本先生の本はほとんど読みましたので、数年前、ランチにご一緒させていただくというチャンスに恵まれた時は、色が変色した本にサインをいただき、感激しました 

留学後は通訳ガイドのアルバイトもしていましたが、英語力と同様、知識力が半端なく必要であることにめげてしまって、「通訳」になる夢は「英語の先生」にと変わってしまい、どうやってトレーニングして通訳になるのか、わからずじまいでした。

先週、金城学院大学でセミナーがあり、通訳トレーニング法を確立された水野真木子先生のセッションに参加しました。英語力向上にこんな方法があったのか! と目からウロコのものもありました。

ここでいくつかご紹介しましょう。

1。まず通訳に必要なもの
①語学力 (あたりまえですね) ②コミュニケーション力 (日本語でも同じです) ③知識力 (これが大変。新聞を読まずしてありえない、と水野先生)

2。通訳作業に必要な能力
①記憶力(私が一番苦手とするものです) ②集中力(う~ん、これも) ③注意力のバランス(一点集中型ではないということ) ④構成力

ここまで来ると、通訳業がいかにハイレベルなものかわかります。

実践的なトレーニング法としては。。。。
 Lagging(ラギング):聞こえてくる単語を1テンポ送れて繰り返す
 Shadowing(シャドウイング): 流れてくる文章を同時にリピート→私も車の中でよくやります 
 Quick response(クイックレスポンス):単語や文を即座に言語変換する→なかなか日本語がでてこないのはなぜ
 Sight translation(サイトトランスレーション):原稿を目で読みながらそのまま訳して口に出す。頭ごなしの訳読式。
 逐次通訳:聞いてる間のメモ取りが重要
 同時通訳

ということで、からをまず体験。いや~惨敗、難しい

水野先生曰く「何回か重ねてやっていくうちに慣れて、楽しくなりますよ

思わず「ほんとですかあ~」と言ってしまいました。 まちがいなく脳が柔らかいうちにやった方がいいと思います 

金城学院大学で担当される通訳コースでは、TOEIC700点以上が受講資格だそうですが、1~2年トレーニングすると、800以上が6割、900以上が2割強、と着実に力がつくようです。

「TOEIC700点まではShadowingがかなり有効」と水野先生。

これは、私にも覚えがあります。Shadowing+dictation(聞いた英語をフレーズごとに書き取る)で英語のスキルがグンとアップします。

これらのトレーニング法からスクールのカリキュラムに活かせるものがありますので、実践していきたいと思います。

そして私自身の脳トレのためにも、いくつか実践していこうと思いました 





山の生活と林業

2015-03-02 | その他
「床柱」「梁」「欄間」「一枚板」「縁側」・・・・これらの言葉を今の子どもはどれくらい知っているでしょうか? 見たことあるでしょうか?

一昔前の日本家屋には床の間や畳の部屋がありましたが、今の家はフローリングの洋間が増え、屋根も瓦じゃなくなってきて、日本家屋をと~んと見なくなりました。壁も土をこねた土壁じゃなくて、断熱材がはいった壁になって久しいです。

こんな具合に日本の家もここ50年で大きく変わりました。一時期、木造建築も減りましたが、最近になってまた「木」の家が見直されてきました。

 「木の香り」はストレスを解消し、心と身体を落ち着かせる作用があるそうです。

    

私が子どもの頃は夏休みになると決まって山に滞在しました。母方の祖母が三重県一志郡美杉村のお寺の出で、親戚が村にたったひとつある旅館を経営していました。

三重県の松阪から名松線(今は途中から廃線になっている)という単線の列車に乗っていくつも鉄橋を渡り、いっちばん奥の「奥津駅」から2時間ほど歩いたところにありますが、驚くほどの田舎です。

「美杉村」というのですから、美しい杉林が広がっていて、林業を生業とし、たくさんの「きこり」がこの旅館に宿泊していました。

「きこり」ってわかりますか? 大きな木にロープをかけて、猿のようにするすると昇り、余分な枝を切り(枝払いといいます)、時には大きな木を斧で切り倒すのです。

その村で、私たち姉妹に加えて従兄弟たちが夏休みには集まり一週間くらい滞在するのです。 山の合間を流れる清流で朝から泳ぎます。川の流れはすごく速いし、水も冷たい。もぐると川魚が泳いでいます。沢ガニもつかまえます。

夜は天の川がきれいに見えました

夜中過ぎには叔父たちがでかけ、滝壺近くに「もんどり」を仕掛け、朝方見にいくと、うなぎがかかっていました。養殖じゃありません、天然うなぎです。

こんな生活ですから夏休みの宿題の題材には事欠かなかった覚えがあります。

今思えば貴重な体験ばかりでした 

この美杉村を舞台にした映画が昨年の秋に公開されました。タイトルは「ウッジョブ! Wood Job! 」~若者と林業をテーマにした映画です。監督は「ウォーターボーイズ」でお馴染みの矢口史靖さんですから、おもしろさは想像できるでしょう。

原作は三浦しをんさんの「神去りなあなあ日常」。コミカルな生活の中にも林業の大変さがひしひしと伝わってきます。そして何より山の匂いが感じられる作品でした。

読みながら、懐かしい思い出に浸るとともに、農業のことはよくテレビや新聞で読みますが、日本の林業はどうなっているんだろう、と気になりました。

私が生まれた頃の木材自給率は9割でしたが、今はなんと2割まで落ち込んでいます。 木を育てるというのは手間も時間もかかります。何年、いや何十年かけて木を育てるわけです。

農業では、自分が育てたものを収穫しますが、林業では、先祖が育てた木を自分たちが伐採し、次の世代のために植樹するのです。

おまけにずっと林業の後継者も不足していることが大きな問題になっていました。

しかし、ここにきてやっと最近は林業の世界に飛び込む若者たちが増えてきているとか。

こういう小説や映画が、日本の林業に灯りをともしてくれると嬉しいな、と思います。なんでも現状を知ることが大事。

日本の山、日本の木を守りたいですね