英語と子育て

英語を通して子どもたちの夢をサポートするブログです

幸福の追求―‘The Pursuit of Happiness’

2013-07-28 | その他
「あなたは幸せですか?」と聞かれて「はい、幸せです」と答える人は一体どれくらいるのでしょうか 

景気は悪いし、原発問題は解決しないし、政局ははっきりしないし、残業は多いし・・・と言い出したらきりがない問題をあげて「だから幸せではない」と私たちは言うのでしょうか。

世界で一番国民が「幸せだ」と感じている国・・・先頃ニュースでも取り上げられましたが、南アジアに位置するブータン王国は、実際日本の20分の1のGNPであり、インフラ整備もまだまだ、学校にいけない子どもがたくさんいます。

でも、国民が「幸せだ」と感じている・・・どういうことなんでしょうか?

TIME July 8/15号の特集’The Pursuit of Happiness’には興味深い統計と記事が乗っていました。


コロンビア大学の研究機関が出した2012年’World Happiness Report’「幸せ度ランキング50位」が報告されています。

みなさん、トップ3はどこの国だと思いますか?

1位 アイルランド
2位 ニュージーランド
3位 デンマーク

そしてこれらに、シンガポール、マレーシア、タンザニア、ベトナムと続きます。北欧のほとんどが上位につけています。ちなみにアメリカは23位、日本においては44位という低さ 

これだけ犯罪が少なくて安全で、紛争もないし、おいしものがいつでも食べれて、高速道路のサービスエリアのトイレがとってもきれいな日本が、どうしてこんなにランクが低いのでしょうか

結局のところ、人は何をもって「幸せだ」と感じているかなんでしょうね 

「収入」よりも「暖かい家庭」「心身に安らぎ」「就業の保障」「安定した政治」「汚職のない政治」などに重点がおかれているようですが、それにつけても日本人は「恵まれた日々」に慣れすぎてしまって、「幸せ」に敏感でなくなっているのかもしれない、と、このレポートを読んで思いました。

     

「幸せ度」というのは、ひとそれぞれの心の持ちようなのかもしれません。
それに「悪いとき」があるから「幸せなとき」を感じるってこともあるでしょう。


子どもたちには小さい頃から多少の不自由さを経験させて、「幸せ」を敏感に感じるよう育って欲しいです。

私自身もいつでも、ささいなことでも「幸せだわ」と思える人間になりたいな、と思います。



‘Every man is a suffering-machine and a happiness-machine combined. The two functions work together harmoniously, with a fine and delicate precision, on the give-and-take principle.’ – Mark Twain (American novelist and humorist)

「どんな人間だって、悩める時と幸せな時の両方がある。それはまるで2つの機械の機能であり、その2つは精巧で繊細な正確さをもって調和して機能しているのだ。しかもギブ・アンド・テイクの法則に乗ってね」―マーク・トウェイン(アメリカの小説家)




南アフリカという国

2013-07-17 | その他
実は世界三大瀑布の制覇が私の密かな夢です。①推量世界一―ナイアガラの滝(アメリカ)、②幅世界一―イグアスの滝(ブラジル)そして③落差&幅世界一―ビクトリアの滝(アフリカ、ジンバブエ)がその3つです。

①と②はすでに制覇しましたので、元気なうちにアフリカのビクトリア・フォールズを見たいと思っています。ただアフリカというところがどんなところなのかよくわからない 

夫などに聞いてみると、「アフリカ=黒人=奴隷制度」というイメージだそうです
確かに昔は私もそういうイメージしかありませんでした。でもここ数年、私のスクールには南アフリカから先生が来てくれて固定概念が大きく違っているのを感じていました。

最初の先生も次の先生もインド系でしたので、「南アフリカ出身」と聞いたときはすごく意外でしたし、二人ともDurbanという南の都市の出身でした。そして3人目のドミニク先生は白人で、アフリカーンスと英語のバイリンガルです。

南アフリカって多民族、他言語国家だと読んだことはありましたが、実際どういう国なのか深く知る機会はありませんでした。

が、しかし、チャンス到来、夜な夜なドミニク先生の話をじっくり聞くことができました  

まず驚いたのが、首都。どういうわけか、私、「ヨハネスブルグ」だとずーっと思っていました(英語の発音は全然違います) 

みなさん、ご存知ですか? 首都は「プレトリア’Pretoria’」です。正確に言うとプレトリアは行政、ケープタウンは立法、ブルームフォンテーンは司法と3つの都市に分散しています。ヨハネスブルグは南アフリカ最大の都市ですが、調べてみると、犯罪発生率が一番高いことで知られているそうです。

また南には「ポートエリザベス」とか「イーストロンドン」のようにイギリス占領地下の都市名がそのまま残っています。

また言語も公用語として9言語あるそうですが、部族の数からすれば少数派言語はかなり多いと思われます。

「人類はアフリカから」と言われますが、昔はどんな人が住んでいたのでしょう 

 「先住民族としてオーストラリアにはアボリジニ、アメリカにはインディアンといたけど、アフリカは?」

ドミニク 「うーん、ブッシュマンね

 「ああ、ああ、テレビで見たことあるわ!」

そこで思い出しました。オーストラリアの人はよく「週末はビーチハウスで過ごす」と言いますし、アメリカでは週末山へキャンプに出かけたり「キャビンで過ごす」と聞きますが、ドミニクは?と聞くと、

「ブッシュハウス!」―なるほど 「ブッシュマン」に「ブッシュハウス」

彼女のブッシュハウスは電気はソーラー、水は川からひいているそう。屋根の木陰ではシマウマが昼寝してたりするんですって! 

なんて素敵

そこからひとしきり動物の話やら食べ物の話で盛り上がったのですが、本当に知らないことって多いなあ、とつくづく思いました。

南アフリカーものすご~く行きたくなりました 

日本語と英語の微妙な関係―小学校英語の教科化を考える

2013-07-08 | 英語学習
5月、阿部政権が小学校英語を今の「領域」ではなく「教科」にすると打ち出しました。中国や韓国などのアジア近隣諸国はすでに小学校において教科として英語を学習させています。

「領域」というのは道徳などと同じくくりですが、「教科」となると算数や国語と同様に‘評価’をしなくてはいけません。

現在、その評価方法については現在専門家たちが意見を出し合って討議しているところです。

では、みなさんは小学校の英語を「教科」として入れた方がいいと思いますか?

私も機会があるごとにまわりの人に聞いてみるのですが、英語を「教科」として学ぶ時の、「いい点」と「悪い点」がデータとして明確に対比されていないと感じます。これは知識不足や情報不足からくる問題だと思います。新聞でもテレビでもそうしたデータは取り上げていません。

意見の中で、たとえば、よく聞く意見が・・・・
1。国語をしっかり学ぶのが先。早くから英語を入れたら日本語がおかしくなる。
2。そんな小さいときから英語を教科として教えたら、英語嫌いが増える。
3。日本語をしっかり学んで考える力をつけるのが先。英語は中学校からで十分。

などなど。

こういう意見を聞くと、なるほど一般の人ってそう思うのか・・・・と、とても興味深い思いです。

というのは、1から3においてはカナダやヨーロッパなどのバイリンガル国家あるいは他言語国家における研究から、「いやいや、それは違うんじゃないかな」と言えるデータがあるからです。

1については、カナダのバイリンガル言語学者カミンズが「言語共有説(Common Underlying Proficiency)」という仮説で述べていますが、母語と第二言語をそれぞれ氷山として例えると、海面下でつながっていて、母語をしっかり学習とすると第二言語も効率よく発達するのです。そしてその反対もしかり。お互いにいい影響を及ぼすということです。

2については、まずどうして「英語嫌い」が増えるか根拠がはっきりしません。ある意味「英語に対する偏見」か「思い込み」があるのかもしれません。想像するに、おそらく中学高校の授業で「英語嫌い」になった方が、同じように小学校でもそういう子が増えると妄想(?)しているのかもしれません。要は、どう教えるか?どう評価するか?ということが大事なんではないでしょうか。

3については、言語学の父と言われたロシアのヴィゴツキーが「言語と思考」という著書の中で二言語の相関関係を示唆しています。言語が違えば文化が違います。ですから他言語を学べば学ぶほど思考が豊かになるということです。同様に有名なサピアとウォーフの仮説では以下のことが述べられています。

視野が広まる  複眼思考ができる  思考が柔軟になる  相対的な考え方ができる  別な考え方に対する許容度が高まる

というものです。

私のスクールには今年ベルギーの先生がいますが、ベルギーといえば他言語国家、彼の言語スキルの高さには驚かされます。きっとあっという間に日本語もマスターしてしまうでしょう。私自身も25年間、子どもたちに英語を教えていますので、前記におけるポイントは実証済み。

限られた時間数でも、
①一貫したカリキュラムのもと
②子どもたちのモティベーションを上げる効果的な指導法で
③スキルの高い先生が教えれば、
一般の方々が懸念している点は払拭されるでしょう。

願わくば小学校でも音楽の先生のように、英語の「専科教員」を採用して欲しいです。

まだまだ「小学校英語の教科化」についてはクリアにしていかねばならない点が山積みですが、島国の英語教育からなんとか抜け出して、グローバルな英語教育を目指して欲しいと願います。