英語と子育て

英語を通して子どもたちの夢をサポートするブログです

子どものやる気を引き出す

2015-06-20 | 英語学習
私は教育の場に身をおいて30年近くになりますが、「教育」というのは教師側が一方的に「教える」ものではないと思っています 

もともと「教育」という言葉のラテン語は「引き出す」という意味だそうです。

ですから学ぶ人の「やる気」--「モティベーション」を引き出すことが一番大事だと思っています。

いろんな子どもを見ていて、集中力のスパンには個人差がありますが、今までかつて「集中力がない」子は見たことがありません。

保護者の中には「うちの子は集中力がないんです」と言う方がおられますが、きっとそのお子さんは好きなことに取り掛かれば、きっと親が「やめなさい」というまでそれを続けるでしょう。

うちの次男に関して言えば、それは「漫画」でした。日本語の本はせいぜい「ダレンシャン」どまりでしたが、漫画で彼は漢字を学んだといっても過言ではないでしょう。「ごはんだよ!」と呼んでもなかなかやめませんでした。

「勉強もこれくらい一生懸命やってくればなあ~」と何度思ったことか。

誰だって「好きなこと」には集中力を発揮するのです。

     

さて、私のスクールでは、今年度のゴールを「語彙力増強」に掲げました。

日本において英語の語彙を増やすことは並大抵のことではありません。まず生活の中で英語は必需品ではないからです。

それでも語彙を増やさないと言いたことが言えない。

そうかといって、単語本を買って与えて覚えさせても、「やらされている」感はぬぐえません。

スクールでは小学校3年生から英和和英辞典を使いますが、先生から「意味を調べなさい」と言われて使うのではなく、「なんていう意味だろう」と自分から調べる気持ちを育てたい。

そこでスタートしたのが名づけて「パワーワードプロジェクト Power Word Project」

レッスンでもおうちでも、自分が「あれ?」と思った単語は、
 辞書を調べる
 そのページに付箋をはる
 引いた単語に下線を引く
 「パワーワードノート」に書いておく→自分の単語帳を作る

世間でよく知られている深谷圭介先生の「辞書引き学習」をヒントにして、「辞書とお友達」になってもらうことにしました。



おかげで毎週教室では、
「先生、今週こんだけ付箋が増えたよ! 




という声があちこちで聞けるようになりました 

子どもたちの「やる気」を引き出す方法~これからもどんどん考えます 





間口は広く

2015-06-01 | 子育て
突然ですがこの度、30ン年ぶりに筆を取りまして油絵を二点出展しました。



昨年ヒマラヤを見に行ったこと、友人の父君である山岳画家の杉田博先生に「描いてみたら」と勧められたことがきっかけです。

小学校3年生の図画工作の授業の時に初めて校庭で写生なるものをしたのですが、立体的な風景をどうやって平面の紙一枚に描いたらいいのかさっぱりわからなくて、うちに帰って母に涙ながらに絵が描けなかったことを訴えたら、お絵かき教室に入れてくれました。

毎週水曜日、学校が終わってバス停まで20分歩いて、バスに乗って名古屋の繁華街「今池」まで30分。

当時シュールレアリズム画家と知られる岡田徹先生の「パトリシアンスクール」で芸大の大学生たちに交じって水彩画から油絵まで5~6年学びました。

その後高校受験と引っ越しをきっかけに絵はやめてしまって、油絵道具は押入れ奥にしまってありましたが、それを引っ張り出してきました。

絵具はほとんど固まっていましたが、ナイフなど使えるものも多々ありました。

今回油絵を再開したことを母に告げると、

「へえ~よかったわね。なにごとも間口は広くって思ってたから

とのこと。

子どもの頃になんでもかじっておけば、その後何歳になってももう一度やってみたいと思ったら、またトライできるだろう、と思っていたそうです。

今思い起こせば母が職業婦人で私はかぎっ子だったにもかかわらず、毎日ありとあらゆる「おけいこ事」に通っていました。

幼稚園児のバレイから始まって、オルガン、ピアノ、そろばん、習字、お絵かき、お茶、お花、そしてある時は三味線と小唄までやっていました

結局どれもものにならず、全然習ったことのない「英語」の道に進んでしまい、母には申し訳ない気持ちですが、いろんなチャンスを与えてもらって、自分で自分の道を選べたことはありがたいことだと思っています。

こういう経験から私も息子たちには「間口を広く」と思って、そろばんと習字に加えて、楽器をひとつ、運動をひとつトライさせました。

今はもう何も続いていませんが、きっとどこかでそれらの経験が活かされると思います。

教え子の大学生たちにはアルバイトをするなら、同じものをひとつだけではなく、せめて5つ以上の異業種のものにトライするように伝えています。

違った経験をすることで自分に得意なこと、不得意なことが見えてくると思いますし、好きなことも見えてくるでしょう。

今の子どもは大半が「学習塾」に通って、間口を広げることは簡単ではありませんが、それでも時間を有効に使ってトライさせたい。

人を造るのはなにごとも「経験」ですね