英語と子育て

英語を通して子どもたちの夢をサポートするブログです

宿題カレンダー

2011-08-29 | レッスン風景
夏休みもあと残すところ2日となりました。子どもたちの宿題は無事終わりましたか?

 私のスクールでは、小学生を対象にこの夏、「宿題カレンダー」を実施しました。それぞれの日にちのところにやるべき「タスク」が書かれてあります。高学年の子どもたちには自分で書き込めるようなブランクのカレンダーを渡したクラスもあります。

 「タスク」が終了したら、その日のところを好きな色で塗ってきて、レッスンの時に先生がチェックすることにしました。

 宿題は「学年×10分」が目安と言われていますから、この時間内でできるものをタスクとして設定しました。

 これを実施した理由は2つありました 

 ひとつは、「ローマは一日してならず」のごとく「言語の上達は一日してならず」です。

 毎年のことなのですが、9月の夏休み明けのレッスンは、7月の感を戻すところから始めないといけません。夏休みにご両親の帰省に伴って休会され、一ヶ月すっかり英語から遠ざかった子もいます。都合でレッスンを休む子も増えます。

 英語も「腹筋」と同じで、やめると途端に力が落ちます。英語で考える力も運用能力もガタンと落ちます

 折角時間がたっぷりある夏休みに力を落とさないように、できればコツコツともっと力をつけてやりたいと思っていました。

 毎日、「やるべきこと」が明確かつ具体的に示されていれば、きっと取り組んでくれるだろうと思ったのです。

 ふつめは、「オーガナイズ・スキル」を磨くためです。

 この宿題カレンダーを渡した小学4年クラスで、ひとりの子が言いました。

 「先生、私、この日とこの日はキャンプがあるから、宿題できない 
 私「そうかあ、キャンプあるもんね。どうしようか?」
 
 と、クラスに投げかけたところ・・・・

 「じゃあさ、前の日とその前の日に分けて少しずつやるってのはどお?」
 「土曜日と日曜日はなにも書いてないから、この日にやるってのはどお?」

 と、意見が出ました。

 素晴らしい  

 「できない理由」を考えるより「どうやったらできるのか」を考える力ー「問題解決能力 'Problem solving skill'」を育て、そしてさらに、自分でスケジュールを調整する「オーガナイズ力 'organized skill'」を育てることができます。

 これが育ってくると自分で勉強する姿勢ができてきます。

       

 我が家も夏休みは必ずこの宿題カレンダーを親子で作りました。私が仕事から帰ってきて、ちゃんと色が塗れているかどうか、チェックしたものです。

 その後中学、高校に進むと、試験2週間前くらいから、自分たちでカレンダーにそれぞれのタスクを書き込んでいました。例えば、ある日は「英語~問題集 p.22-26」などと書いてあり、それが斜線で消してあります。

 時々、予定通り進まず、スケジュールの組み直しもありますが、それもまた自分で解決していくことです。


 さあ、いよいよ新学期。去年の夏、私のクラスで試験的に実施したこの宿題カレンダーの効果は抜群でした。今年もどんな成果がでているかとても楽しみです 

職場体験あれこれ

2011-08-18 | 子育て
数年前に講師として活躍してくれた日系アメリカ人のKくんは、大学を出たばかりで私のスクールに来てくれましたが、いろいろなことをよく知っていました。

 レジメ(履歴書)には様々な仕事をしたことが書かれていていました。子どもの頃は日本のテレビコマーシャルにも出演し、大きくなってからは芸術作品を造っている伯父さんの手伝いもしました。聞いてみるとおよそ13種類くらいの仕事をアルバイトも含めてやったことがあると言っていました。スゴい 

 私の息子たちは彼からコンピューターの技術を度々教授してもらっていましたが、Kくんは息子たちにこう言ってました。

 「なんでもいいからとにかくたくさんのこと経験するんだよ。
  アルバイトも同じものをずっとやるんじゃなくて、いろんな種類のアルバイトをするんだ。
  そうすると、どれが自分に向いているか、どんなことが自分は好きなんだってことがわかってくる 

 なるほどなー、と思いました。

 大学生になって小遣いを稼ぐためだけにアルバイトをし、自分が本当に何をやりたいかも見つからないまま就活、そして就職をし、あげくの果ては「私にはあわない」と1年するかしないかでやめてしまう人を何人も見ました。

 大人になる前にもっといろんな仕事を経験しておけば、そういう事態にはならなかったかもしれません。

     

 この夏、私のオフィスには何人かのインターンシップ生が仕事を手伝ってくれました。

 YutaroくんとMarisaちゃんのご兄妹は、お父様がたまたまスクールのHPを見て、是非働かせてくれないかとメールをいただき、お手伝いをお願いしました。Yutaroくんはカナダの大学生、Marisaちゃんはアメリカの高校に通っていて一時帰国をしている間にオフィスに来てくださったのです。

 「コピー1枚とるのも勉強になります」「なんでも教えてください」とそれは謙虚に、そして真摯に仕事に携わってくれました。おかげでスクールのスタッフや講師とも仲良くなり、サマーキャンプのカウンセラーとしても大活躍。子どもたちにも大人気でした。

 こういう若者が増えてくれると日本の未来も明るいと感じます。

     

 我が家の息子たちも小さい頃は夏休みに夫の職場を見せに連れていきました。家とは違ってスーツを来て動き回る父親は新鮮だったと同時に「お父さんはがんばっている」という印象を持ちました。

 二人とも高校生でのアルバイトは原則として禁止でしたが、学校から許可をもらい、高校2年の夏は長野の知人が経営する老舗旅館にお願いして、修行に出しました。朝5時に起きて昼近くまで、そして午後3時くらいから夜遅くまで働きます。温泉の掃除、ベッドメイキング、厨房では皿洗いなど、時には先輩に叱咤激励されながらも、なんとか仕事をこなしてきました。

 長男曰く 「厨房は戦場、晩ご飯を食べる暇なんかない 
      「仕事はきつかったけど、夜、仕事終わったあと、先輩たちの話を聞くのが楽しかった
 
 次男曰く 「あんな怒鳴られ方したのは初めて。悔しかった 
        ー彼は夕食240膳分の漬け物を盛りつけるのに、一時間近くかかって怒鳴られたそうです 
      「働くって、大変。ボク、もうちょっと一生懸命勉強して大学に行くわ」ー

いずれにせよ半人前の彼らを使ってくださった職場の方々の苦労を思うと頭が下がります。彼らはこの経験から「働くとはどういうことなのか?」が少しですが理解でき、「人のために役に立つとうはどういうことか」を感じることができました。


 さあ、まずは小さい頃からおうちのお手伝いをしてもらって、「人が喜ぶことをする楽しさ」を実感させ、将来自分が活かせる仕事に就くためにも若者にはチャンスを活かして職場体験をして欲しいと願います。

 私のスクールもそういう若者たちのお役に立ちたいと思っています。

 

夏休みだからやってみたいことー課題にチャレンジ

2011-08-01 | 子育て
8月にはいりました。夏本番です 

 子どもたちはすでに夏休みにはいり、私のスクールでも毎日「サマー・デイ・スクール」が開かれ、たくさんの子どもたちの賑やかな声が聞こえてきます。

 さて、夏休みは基本的には学校がなく、ということは時間に縛られない生活が送られるわけですから、こういうまとまった時間がある時こそ、子どもたちには日頃できなかったことにチャレンジさせてみたいですね。

 私の子どもの頃は夏休みには「夏の課題図書ー読書感想文」と「夏の工作」が課題にありました。実は子どもの頃の私はこれといって得意なものものなく、勉強ができたわけでもなく、担任の先生曰く「明朗快活なのが取り柄」というくらいの子どもでした。

 小学校にはいった最初の夏休みは感想文をどうやったら書いていいのかわからず、うちで泣いていた覚えがあります。見かねた母が、私からいろんな気持ちを引き出して文にまとめてくれました。「ああ、そうやって書くのか」とおぼろげながら思いました。

 図工は大好きだったので、アイデアはいくらでもでてくるのですが、根が不器用なのか、なかなか作品ができません。

 小学校3年生の課題が「水に浮くもの」だったのですが、私のアイデアをもとに、父が竹を切ってきてくれて、二人で一生懸命船を作った記憶があります。汗水たらして父が固い竹を切り、桐で穴をあけ、それは立派な船ができました。一目で私だけで作った船でないことは明らかでしたが、とてもとても嬉しかった記憶があります。この船は長い間私の宝物でした。

 さて、私の息子たちの代になりますと、この夏の課題が「必須」ではなく「任意」となりました。

 「任意」というのは、息子曰く「やってもやらなくてもいい」もので、「だから面倒くさいからやらない 」という結果になりました。
 
 これを聞いた私は「こりゃ、マズい」と思ったわけです。

 なんとか自発的に「やってみよう」という気にならないだろうか 

      

 こんなに時間がある時にまずは「読書」の習慣をつけたいと思いました。朝の涼しい時に1時間を読書タイムと決め、本屋さんで好きな本を選ばせて読ませました。小学生の頃は、伝記や推理もの、また冒険ファンタジーを好んで読みました。「エルマーの冒険」シリーズから、「ダレンシャン」「バーミティアス」は次から次へと読み、その後は「ハリーポッター」へと続きました。どれもかなりボリュームがありますが、興味にひかれて何度も読み返していました。

 夏休みが終わっても、夕食後の30分は我が家の読書タイム。親子で本を読むようにしました。


 次にチャレンジしたのは、課題の「図画工作」です。

 次男が小学3年生の時、学校からもらったプリントにあった「課題」が「貯金箱」でした。

 夫が「これおもしろそうだなあ  一緒に作ってみよか」と言ったら、「父さんと一緒なら作ってみる」と言ったのです。「おっしめた」と思いました。

 それから親子で「どんなふうに作る?」と2-3日かけて相談。ゴリラのサッカー選手が足にコインを載せて飛ばすとゴールの箱に落ちる、というアイデアを次男が出してきました。

 その後実験に実験をかさね、試作も重ね、完成した時は、親子で感動したものです 

 出来上がっただけでも大満足でしたが、後日、小さいながらも賞をいただいて、二重の喜びでした。それから次男は毎年、自らこの図画工作に取り組みました。


 読書感想文も図画工作も、時間があるからじっくり取り組めます。考える時間が山ほどあるからです。

 日常生活ではこうはいきません。

 この機会に是非、親子で楽しく取り組んでみませんか? とってもいい思い出ができますよ。 

 夏休みは子どもたちの「考える力」を伸ばす大きなチャンスです。