英語と子育て

英語を通して子どもたちの夢をサポートするブログです

アメリカ National Park巡り その2~ナバホ族との出会い

2018-08-30 | その他
'Four Corners'(4つの角)という言葉があります。

アメリカの4つの州が交わるところがきれいな十字になっているのです。

 (Wikipediaより)

ご覧のように、ユタ州、アリゾナ州、コロラド州、そしてニューメキシコ州の4つが交わっています。

ここには8つの国立公園と17の国定公園がある自然豊かなところで、別名「コロラド高原」と呼ばれています。

そしてかつて別々に離れていた2つの大陸がぶつかってできた隆起が今のロッキー山脈となりました。

そのユタとアリゾナの丁度境界にあるのが「アンテロープキャニオン」です。

実はここはナショナルパークではなくて「トライバルパーク」(部族の公園)で、ナバホ族のテレトリー(領地)です。

アメリカ原住民は今は600ほどの部族が300の居住地に住んでいますが、その中でもこのナバホ族が一番多いと言われています。

ここアンテロープはナバホ砂岩層と言われ、雨が降ると固まっていく赤い砂岩層です。

このあたりは集中豪雨が多く、鉄砲水が発生するのですが、昔1997年8月、まだ観光地でなかった頃、ここを訪れていた11人が鉄砲水で死亡する事故が起きました。それから、ナバホ族の人たちが管理することとなったそうです。

地上の上流にあるのが「アッパー Upper」
地下の下流にあるのが「ローアー Lower」
と呼ばれています。

今回私が訪れたのは、マックのPCの壁紙にもなっているアッパーキャニオンです。

さて、朝7時半、受付に行くとすでに各国から集まった観光客の列。基本、事前にインターネット予約がないと入れません。空きがでれば参加できますが、参加料60ドルを受け付けるのは「現金」のみ。クレジットカードは使えません。



受付を終わると、ナバホ族のガイドさんたちが、参加者のグループ分けして、8台ほどのジープでアンテロープの入り口まで行きます。

「持ち物は2つ。①水一本 ②カメラ、以上」
「どんな小さいものでも袋物はだめです」

  


サインがあちこちに貼ってありますが、それでもポシェットを下げている人、カメラケースをポケットに入れている人が注意されていました。

以前は、壁に落書きやら彫り物をしていく悪質な行為もあっただけに、とても厳しいです


「穴という穴に赤い砂が入り込みますから、マスクするといいですよ」と前日、日本人ガイドさんにアドバイスされていたので、帽子をかぶり、サングラスをかけ、マスクをし、シャツの襟をたて、スマホはポケットじゃなくて、シャツの下に隠してジープに乗り込みましたが、帰ってきたら耳から赤い砂がでてきました 



入り口でガイドさんから注意事項を聞きます。

    
 入る時は左側を通る。
 写真をとっていいのは入っていく時だけ。ただ、長く立ち止まらない。
 かえって来るときは左側をとおり、立ち止まらずにとにかく出る。


 ワクワク!

ドキドキしながら入っていくといきなりこんな風景が飛び込んできます。

 

この世のものをは思えない美しさです。

ナバホ族は日本人と同じモンゴル民族ですから、なんとなく馴染みがありますが、彼らが話す「ナバホ語」は世界で一番難しい言語と言われています。

なぜかって

実は文字がないからです。

すべて音で覚えます。

「せっかくですから、ありがとう、はナバホ語でガイドさんに言ってみてくださいね。」と日本人ガイドさんに言われていたので、前日から練習しました。

文字がないからうまく書けないのですが、

「ありがとう」は「アッヒェヘェ」 
「さよなら」は「ハコーネ」

ノースキャロライナからいらした日本人家族と一緒でしたが、そこのお父さんが間違えて、「アターミ」と別れ際にガイドさんに言ってましたが、通じず

あとから「ああ、間違えた」とおっしゃってましたが、みんなで大笑いしました 

次回もバケットリストにはいっているパークに行きます。

アメリカ National Park巡り~その1 'Leave no trace'

2018-08-23 | その他
この夏はいかがお過ごしでしょうか?

私は、カリフォルニアの友人を訪ねる途中、バケットリスト(死ぬまでにやっておきたいリスト)にある国立公園に足を延ばして、アリゾナとユタに行きました。

みなさんはアメリカの国立公園、と聞いたらなにを思いうかべますか?

たくさんある中、観光地で有名なのはなんといっても「グランドキャニオン(略してグラキャン)」でしょう。

アリゾナ州にあります。

 

およそ30年ぶり3回目のグラキャンでしたが、いつ見てもその壮大な光景に圧倒されます。世界中から観光客が集まるのもうなずけます。

さて、このグラキャンの中に「マーサ(Mather)ポイント」という見晴らしが素晴らしいポイントがあります、この「マーサ」というのは実は人の名前です。ステファン・マーサ~ナショナルパークの父と言われています。

 彼の碑ががあります。

彼はグランドキャニオンはじめ、アメリカの国立公園の設立に尽力しました。

彼が提唱したのが'Leave No Trace'(あとは残さない)

 とっていいのは写真 (花や草はとらない)
 残していいのは足跡 (落書きなどを残さない)
 持ち帰るのは想い出とゴミ

National Park(国立公園)は、「1000年前」と「今」と「1000年後」が同じであるべき、と唱えました。

これは簡単そうでなかなか難しいことです。

特に有名な観光地となると価値観やマナーが違う人たちがたくさん集まるわけですが、この原点である3つをみんなが守っていくことが大事です。

また、グランドキャニオンにはたくさんの赤松林がありますが、どんな役割があると思いますか?

実は2つの大きな役割があります。

 避雷針のかわりをする→ガイドさんによると、年間なんと二万発の雷が落ちるそうです 確かによく見ると、真っ黒に焼けた大木があちこちに横たわっています。その数が尋常じゃありませんでした。

 防風壁のかわりをする→標高が高いですから、風もかなり強いのですが、それほどには感じない。風が強かったら柵がないポイントからはとても眺められないでしょう。

サウスリムのビューポイントを歩いていると、可愛いリスに何回か遭遇しますが、エサをやるのもご法度。人工的なエサやりは生態系を壊してしまうからです。

また、所々は断崖絶壁ですが、全く柵がないところも多々あります。

 ここも柵はありません コワイ


高所恐怖症の私は、とても近寄れません。

どうして柵がないのか?とガイドさんに聞いたら、「自己責任ということでしょう」とあっさり言われました。

数年前、ナイアガラの滝で写真撮影していた女子大生が落ちて亡くなった事件がありましたが、グラキャンでも風に飛ばされそうになった帽子を取ろうとして落下して亡くなった方もいるとか。

「自己責任」~重い言葉だと改めて思いました。

次回はユタ州に行きます。






問題意識を持つということ

2018-08-04 | 教育一般
日本の新聞を読んでいて時々ため息がでるのは、おそらく私だけじゃないかもしれません。

なぜって、だいたい一面に載っている記事が企業や政治家の不祥事。

それはもういいじゃん、と思うくらい延々と続くことがあります。

例えば欧州、私が見たスイスの新聞は第一面から三面にかけて、国際情勢がどば~っと載ります。たくさんの国に囲まれているスイスなどは一番の関心事かもしれません。

だから、みんなのアンテナが外に広がる。外のことも自分のことのように感じて考える習慣があります。

私たちの日本人の問題意識がなかなか高まらないのは、それだけ日本が平和なのか、と思うとともに、これはひょっとして危ないのではないか、と、外国人の友人と話していて思いました。

なぜならこれからの時代、世界がグローバルになって、うちは平和だから、私に直接関係ないし別に考えなくてもいいのよ、というわけにはいかないんだろうな、と。

6月からNHK Eテレで「マイケル・サンデル 白熱教室」という番組を放映していましたが、ご覧になった方はいらっしゃいますか?
第一回目は「移民を拒む権利はあるのか」でした。

正直、とても衝撃的でした

その理由の一つは、参加した全員が「受け入れるべき」に手をあげました。

「移民」と「難民」は大きく違います。

移民は自分の自由意志、難民は難を逃れてくる人ですね。

難民はともかく移民はどうだろう、と常々考えていました。

でも、たとえば、たまたま生まれた家庭がとっても貧乏でどうしようもなくて、移ってきた人を、私たちは拒めるか?ということです。

参加者の意見を聞いていて、私の考えも少し変わりました。人の意見を聞くというのはなかなか勉強になります

日本は難民救済も移民受け入れについてもとにかく消極的で、先進国とは思えないほどです。

日本の新聞は私の知りたいことをなかなか教えてくれないので、TIME誌を購読していますが、毎週のようにミャンマーのロヒンギャ難民のことを伝えています。見るたび読むたびに心が痛みます。できることから始めようと、数年前にユニセフのマンスリーサポートプログラムに参加しました。

積極的に移民も難民も受け入れてる欧州、とりわけドイツなんかは、移民のための言語プログラムまで無償で提供していて、社会になじんで仕事ができるように政府がサポートしています。国籍に関係なく優秀な人材は国に富みをもたらします。

ヨーロッパやアメリカの先進国はすでにたくさんの移民を受け入れているので、もう名前や見た目だけではどこの国籍かわからなくなっていますね。

先日来、私のおうちの近所で、ある家の解体をしていますが、工事現場で働いている人たち5人のうち、日本人はおひとりだけで、びっくりしました。

職業訓練で受け入れている外国人労働者は増えていますが、今後、移民や難民はどう対処していくのかな、と関心があります。

みなさんは「移民を拒む権利はあるのか?」と聞かれたら、どう答えますか?

私にはあまり関係がないから、と思わないで、意見が言えるようにしておきたいですね。外に出れば聞かれるかもしれません。

この機会に是非考えてみませんか 

Whyを追求する

2018-08-02 | 英語学習
先日、スクール入校希望の帰国子女で小学校5年生の男の子2人のインタビューをしました。

いろいろ質問していくうちに、やっぱりな!という発見がありました。

二人とも、考える時に腕組をして片手の人差し指を顎やほっぺに触れて、ちょっと首をかしげて考えます。
その仕草がなんともかわいい。
結構つっこんだ質問もするのですが、決して'I don't know.'とは言わない。

ここが多くの日本人の子どもと大きな違いだと思いました。

わからないなりにも、とりあえず、思ったことを言うきっとそういう教育を受けているんだろうと思いました。スキルとしても身に着いている。

あるいはご家庭でも親御さんがきちんと子どもの言うことに耳を傾けて、待っててあげているのかもしれません。

スクールの子どもたちの中にも「わかんな~い」とか'I don't know.'と反射的に言う子がいますが、(私がいつも息子たちに言っていたように)「キミの頭はピーマン(中身がからっぽ)か!」といいたい

頭は飾りじゃありません、使ってこそ価値があるのです。

おそらくこれは私のスクールだけじゃなくて、日本全体の姿かもしれません。

そんな記事が朝日新聞に掲載されていました。





先週、私の教え子でニュージーランドの留学から帰ってきたChiseちゃんと会いました。

私   「どんな授業があるの?」
Cちゃん「毎日ディスカッションの授業があるんですが」
私   「毎日あるの?」
Cちゃん「はい、毎日あるんですが、何も言えなくて。。。ほかの国の留学生は発言するんですが
私   「それは英語力のせい?」
Cちゃん「それもありますが、とにかく自分の知識と意見がなさすぎて、情けなくなりました

それを学んだだけでも留学に行った甲斐があるというものです 

これから就職活動にはいる、できれば英語を使う仕事に就きたいというので、Asahi Weeklyを毎週読んでコラムを選び、意見を私にLINEするってのはどう?と提案したら、

「是非お願いします」とChiseちゃん、にっこり

毎週、フムフムと言いながら彼女から送られてくるLINEの意見を読んで、コメントしています。

子どもだけじゃなく、私たち大人もWhyを追求していく癖をつけていかなければいけないですし、子どもたちのロールモデルになるべく意識を高めないといけないですね。

みなさんは子どもたちのロールモデルとして、どんなことができますか?