英語と子育て

英語を通して子どもたちの夢をサポートするブログです

グローバル市民を育てよう

2016-11-24 | 英語学習
私が小学校5年生のある日、父がNHKラジオの「基礎英語」のテキストを買ってきて言いました。

「鳥飼玖美子さんを目指しなさい 

当時、同時通訳というと男性が多い中、アポロ11号の月面着陸や大阪万博などの舞台で活躍、彗星のごとく現れた女性です。最初テレビで見た時は、「なんてかっこいいんだろう!」と思いました。

あんなふうに英語をペラペラと話せるようになりたい、と思った方も多いのではないでしょうか。私自身、ずっと憧れの存在でした。

現在、立教大学名誉教授をされている鳥飼先生ですが、幸運なことにお話しを聴く機会がありました。



題して「国際共通語としての英語、専門職としての英語」

小学校英語教育が始まって久しいですが、鳥飼先生は最初から「小学校英語」には反対です。その理由は著書「危うし!小学校英語」にも記されていますが、言語学習ってそんなに簡単じゃないわけで、専門家になるのでないならネイティブのように話そうとしなくてもいい、それよりも大事なことがたくさんありますよね、ってことだと思います。

英語力を基盤とした「グローバル人材育成」というよりは「グローバル市民の育成」を目指しましょう、と説いていらっしゃいました。

では、「グローバル市民とは?」というと、
 Identiry 自分を知る。
 Tolerance 異質な他者への寛容さを持つ。
 Communication ことばを使って関係構築できる。
 Expertise 得意分野(専門性)を持って世界に貢献する。

以上の4点。

確かに、ノーベル賞を受賞された方たちはみなさんが英語力があるわけではないですが、得意分野を通して英語に触れており社会に貢献されています。まずは自分の得意なことを見つけ、それを伸ばしていくことが大事です。

もちろん英語力があった方がいいですが、ではどういう英語を身に付けるかと言えば、「ネイティブ英語」ではなく「わかりやすい英語」を身に付けましょう、そして、なんといっても「肝心なのは内容」だと。

今後ますます、心を育て、思考力を培っていかないといけないと思いました。

言語の学びは生涯続くものと思って、子どもたちを暖かくサポートしていきたいものです  






Thank you for asking.~ 思いやりに感謝

2016-11-14 | その他
うちのスクールのJくんはとても気が優しくて人気者です。

大学の選考が'Civil service' といって都市整備など市民の役に立つことを学んでいて、アジアでもボランティアで学校を作る仕事や英語教育の携わっていました。

社会や人に貢献したいという気持ちがたくさんあるんだと思いますが、それが彼の日常的な会話にも出てきます。

特に感心するのが、自分が先に仕事を終わって帰ろうとする時に必ず2つこう聞いてきます。

「何か手伝うことある? Do you have anything that I can help you? 」
「僕になにかしてほしいことはない? What do you want me to do? 」

スクールやオフィスにはまだ仕事が終わらなくて残っている人がいるんですが、そういう人たちにこう声をかけるんです。

外国人はタスクベースで仕事をするのが普通なので、自分の仕事をチャッチャッと片付けたら、「じゃあねえ~」と帰るのが一般的。ある意味残業するのは能力が低いから、という概念もあります。

ですから最初の頃、Jくんからこう言われて、慣れない私はただただびっくり というか、感激しました

それに、人種に関係なくこういう言葉を言える人はそういないです。特に社会経験が浅い若者は自分のことだけで必死ですから、周りの人のことまで気がいかないのが普通でしょう。

私の20代にはこんな言葉を言える器量も能力もありませんでした。

せっかく声をかけてくれるんで、「えっ、ほんと?じゃあ、悪いけど、男子トイレの施錠をお願いしていい?」なんて、私は図々しくお願いしますが、'Sure!'とにっこりしてやってくれます。

このあたりが彼の人気を高くしているんでしょう。本当に見習いたい。

反対に、さしあたって、何も思いつかないときには'Thank you for asking.'といいます。

「聞いてくれてありがとうね」~思いやりに感謝しながら言います。

日本語ではなかなかないフレーズですね。



先週土曜日にアメリカ人講師のAくんが病気でレッスンに来れなくなりました。

いつも元気で、ちょっと具合が悪くても、レッスンを休むことがないのですが、熱もひかないし気管支炎がひどくなって咳も止まらなくてと電話がありました。

すごく申し訳なさそうな電話に「いいよいいよ、とにかく休んで、なんとかするから」と私。

あんなにいつも元気なのになあ~、かわいそうにな~、と夜心配になって「具合はどお?ちょっとはよくなった?」とメールをしましたら、

'Thank you for asking.' と返信がありました。

具合が悪くても、感謝の一行を書いてくるんだなあ、と感心しました。

週末しっかり休養してよくなっていることを願っています。


みなさんも是非このフレーズ使ってみてくださいね。