英語と子育て

英語を通して子どもたちの夢をサポートするブログです

空はなにいろ?

2017-03-29 | その他
子どもの頃は絵を描くのが苦手でした。

小学生3年の図画工作の時間、校庭で初めて写生なるものをしたのですが、まったくなにも描けませんでした。

だいたいスリーディメンションの風景を、どうやってツーディメンションの紙一枚の上に描くのか?~途方にくれて泣けてきました

帰宅して母にその話をしたら、「お絵かき教室」にいれてくれました。

名古屋の今池にある「パトリシアン・スクール」という名前で、先生は岡田徹(おかがてつ)先生という前衛画家。いつもベレー帽をかぶっておしゃれな方でした。

たくさんの美大生も来ていて、なんとも楽しい雰囲気のスクールで、毎週水曜日はバスに乗ってルンルンで出かけていました。

時には大学生のお兄さんたちが、外に出て写生の方法も教えてくれました。今思うとこれが「遠近法」です。

岡田先生はいつも「上手に描けたね」と褒めてくださって、最後に一筆ふた筆を加えてくれるのですが、それで絵が生きたようになるのが、不思議でした。

水彩画から始めて小学校高学年からは油絵に転向して、中学3年で引っ越すまで続けていました。

        

一昨年、40年ぶりに油絵レッスンを再開しました。

きっかけはヒマラヤに行ったことで、なんとも唐突に山を描きたくなったのです。

幸い、身近に山岳画家の先生がいて、教えてくれることになりました。

最初は「遠景(遠い風景)」から描くので、空から塗っていったら、速攻で先生に言われました。

「空を見上げたことはある?

「あります、あります 」と私。

「ほんとかな~?」と先生。

一緒に外出て、空を見上げてみました 

実は、空というのは、建物近くの空の色ともっと上空の色では全然違うんですね

気がついてませんでした。。。

「外歩いてるときもぼーっと歩いてちゃだめだよ。ひとつひとつをよく観察しなさい。」と先生。

子どもの頃はもっと空も眺めていたし、学校帰りの道草で発見したことは数しれません。

大人になるにつれて車で移動することがほとんどで、自然にあるものに目を向けることをすっかり忘れていました。

    

今の子どもたちは空をなにいろに塗るんだろう?

道端には何が生えているんだろう?

日頃から観察力を高めるためにも、歩きスマホはやめて、自分のまわりの自然に目を向けたいものですね 

もうすぐ桜満開の季節   待ち遠しいです。








貴族と奴隷

2017-03-10 | 教育一般
あなたは「文系」ですか? それとも「理系」ですか?

私自身、からきし理系はだめで、高校二年で「数2B」も「物理」も諦め、私立文系にまっしぐらした口です。

昨今は「リケジョ」という言葉が生まれるほど理系女子が増えていますが、スクールを長年運営していて、生徒の性差をみると女子が多いのは事実です。

読み書きについていえば、小学生クラスでは女子の方が集中力があり、嫌がらずにどんどん自分でやります。一方、男子は総じて「書く」ことが嫌い
不思議だなあ~  と思っていました。

これは性差による脳の違いということを、先日武田邦彦先生とお話しして再認識しました。

「ここ数年、政府が子どもたちの「英語力アップ」に力を入れていますけど、もしこれが「電気」や「滑車」になったら、あなた、どう?」

と武田先生に言われて「う~ん、困ります」と思わず答えてしまいました 

かつてノーベル賞を受賞した益川先生も、授賞式で「私は英語は話せません」とだけ英語でおっしゃって、あとは通訳に任せてらっしゃいましたね。

ただ、核心はどのレベルの「英語」が必要ということじゃないかと思います。

すべての人が「通訳」になるほどの英語力を持つ必要はないと思いますが、グローバル化の現在、ほかの国の人とコミュニケーションがとれるほどの英語力、「グローバル市民」としての英語力はあった方がいいですし、英語は所詮、国語と一緒、言語ですから、国語の力が伸びれば、英語も伸びるのです。

武田先生の話で一番面白かったのは、モティベーションの話です~「貴族」と「奴隷」

「奴隷」という言葉は使いたくないですが。。。。と一言あって、

「貴族」 幸福感がある、能動的
「奴隷」 幸福感がない、受動的、そして  「やらされてる」感が大きい。

との対比でした。

これが学習のポイントだと思いました。

本来「学習」というのは「学んで問う」という能動的なもの。

それが「やらされている」という気持ちになっては「学問」になりません 

「貴族の子どもを育ててください 」という武田先生の締め言葉に大きくうなずきました。