英語と子育て

英語を通して子どもたちの夢をサポートするブログです

夏休みの計画をたてよう 2

2011-06-30 | その他
明日から7月。暦は今日で今年を折り返します。まだ梅雨が明けていませんが、この暑さ。夏到来を感じます。

 夏休みの計画は着々と進んでいますか? 

 お休み明けのレッスンでは、生徒たちに「お休みどうしてた? どこかへ行った?」などの質問を英語でします。夏休みについてはジャーナルを書いたり、日記を書いたりする課題を出します。

 以前、私のクラスで、小学3年生のある女の子に'Where did you go?'と聞くと、

 女の子  「ホテルで泊まった」
 私    「ホテル? 誰と?」
 女の子  「お父さんとお母さんと妹」
 私    「どこのホテル?」
 女の子  (首をかしげて) 「わかんない」
 私    「何したの?」
 女の子  「ごちそう食べた」
 私    「ほかには?」
 女の子  「・・・・・・」
 私    

 想像するに、家族旅行なんでしょう、きっと。「楽しかった?」と聞くと、こくんの首を振りますが、ほかになにもでてこない。覚えていないわけじゃないのですが、自分がどこに行ったかわからない??ということなんでしょうか。不思議です。

 実は、こういうお子さん、ひとりじゃないです。

 お父さん、お母さんは子どもたちの思い出作りに楽しい経験をさせようと思って旅行に行くと思うのですが、どうして子どもの心に残っていないのか? ただ表現できないのか? 理解に苦しみます。

 旅の仕方も変わりました。

 私の子ども時代は自家用車がまだありませんでしたので、鉄道の旅がほとんど。ですから今でも車窓から風景を眺めるのが好きです。その土地ごとの風景、駅の名前をよく覚えました。列車の中では両親と語り、歌を歌ったり、お弁当やお菓子を食べたり。「ふるさと」や「線路は続くよ」の歌を母から教わったのも列車の中でした。

 それに比べると今は車社会。渋滞の中で子どもは車の中でゲームに夢中、というのはなんとも哀しい光景です。

     

 さて、我が家も子どもたちが小さい頃はよく車で出かけました。ただ車の乗って、目的地について、ごちそう食べて・・・というのではなく、道中の課題、目的地での課題を作ってでかけるようにしました。「今回は~にチャレンジしよう!」「~を体験しよう!」みたいな課題です。夏はキャンプや海など、私たち親と子どもたちが一緒に活動を楽しめるチャンスを作りました。

 子どもたちが小学生になってからは、行く前には地図を広げて、どういうふうに行くのか地名をチェックし、スケジュールを一緒にたてました。一冊ノートを用意して計画を書き、道中、「道の駅」などのスタンプ集め、観光名所では入場券なども貼って、毎日感想を書き、旅行記をよく作りました。実はこの「旅行記」ー私が子どもの頃、母の勧めでよく作ったものです。これは記念になりますし、知識も増え、なにより子どもたちの記憶に残りました。

 長男が中学に入った夏に、一念発起してオーストラリアに出かけたことがあります。私も初めての南半球ー2ヶ月準備にあてました。子どもたちとオーストラリについて調べたり、北半球と南半球の違いを調べ、現地で確かめよう!ということを目的にしました。

 「お風呂の排水の渦巻きが、日本とは反対」というのに興味を持って、行く先々で水を流して「ほおお 」と感動しました。長男はマクドナルドでメニューの違いを発見し、定員さんにメニューをもらってきて日本との価格差の「自由研究」をして提出していました 

      


 さあ、今からでも間に合います。計画実行振り返りのプロセスを上手に使って有意義な夏休みにしてください。子どもたちにとっては現実世界から離れて伸び伸びと学べる大きなチャンスです。

 「ディズニーランド」ももちろん楽しいですが、「楽しませてもらう」ばかりじゃなくて、自分で「楽しむ力」「楽しみを見つける力」をつけていって欲しいですね。
 

 

Flat Stanley Project

2011-06-25 | レッスン風景
 先月からサタデークラスの小学校高学年クラスでは 'Flat Stanley Project'に取り組んでいます。

 1994年'Flat Stanely'という絵本から生まれたプロジェクトです。お話では、Stanleyという男の子がある日起きたらぺったんこになっていました。ぺったんこになってどんなことができるかと考えたところ、お手紙みたいになって世界中を旅するということを思いつきました。

 このプロジェクトでは、自分の'Flat Stanley'を作成して、海外のスクールに送ります。昨年訪れたニュージャージーの学校でも取り組んでいて、いろんな国の子どもたちと交流していました。

 私のスクールでもブラジル、オーストラリア、アメリカ、トルコ、ノルウェーそしてアルゼンチンからFlat Stanleyが届きました。それぞれ子どもたちがおうちに持ち帰って、日本の生活を体験させます。 「回転寿司」のお店に連れていってあげた子もいました。
  
             

 またサタデークラスから送り出されたStanleyもあちこちを旅しています。

 こちらはオーストラリアの学校  http://cosycorner.edublogs.org/

 こちらはブラジルから  http://www.youtube.com/watch?v=ID5faXJnpYo

 このプロジェクトの良さはなんといっても「世界を知る」ことができることでしょう。世界中に同じ世代の子どもたちがいて、英語さえわかれば交流でき、友達になれるのですから、子どもたちの興味もどんどん広がります。

              
 
 今日はオープンクラスで、Stanleyが旅した国について調べたことをグループで発表したり、参観者にクイズをしてくれました。

 今後のStanleyの旅行がまだまだ楽しみです 

夏休みの計画を立てよう その1

2011-06-20 | その他
夏休みが始まりました―といっても、日本ではなくて、アメリカです。

 そうです、アメリカでは6月になって夏休みに入り、9月の新学期まで約3ヶ月お休みです 

 子どもたちは嬉しいでしょうが、子を持つ母親はあんまりありがたくないかも。

 アメリカ在住の知人曰く、「毎日テレビとゲームから、いかに遠ざけるかが課題」と言ってました。「考えるだけで頭がクラクラする」そうですが、わかる気がする ほんとに、それならテレビとゲームは家から放り出したいですよね。

 おまけに日本と違って、夏休みの間、プール登校も宿題チェックする登校日もありません。それで、前号でも書きましたが、あちこちでサマーキャンプが開かれます。山で開かれる野外活動みたいなもの以外にも、普通に教室で開かれるものがたくさんあります。

 週単位の活動で、だいたいが半日で、開催は地域のレクリェーションセンター、教会などで開かれます。プログラムを見ると、「ミュージック」「ドラマ」「アート」「ダンス」「映画作り」「スポーツ」「サーカス」など多岐に分野がわたります。また講師は高校生や大学生のアルバイトが多く、暑い夏もエネルギー溢れる若者たちが子どもたちを楽しませてくれます。

 私が子連れ留学をした時に、あるスクールで開かれているサマーキャンプを見学させてもらってのですが、「ミュージック」ではいろんな楽器を演奏させてもらい、自作自演で発表なんかをしていました。普段学校だけでは学べないことが学べる大きなチャンスです。料金も一週間70ドルから200ドルまで様々。予算も考え、子どもの興味を考えて親は選びます。

 さて、私のスクールでもサマー・ディ・スクールの受付が始まりました。毎年、先生たちが頭をフル回転して楽しい企画を立てています。今年のテーマは'Performing Art' 是非参加してみてください。

 http://www.ednet.co.jp/events/2011summerdayschool.html

 ちなみに、アメリカの夏休みは長いですが、年間総授業数になると、日本の方が冬休みや春休みが長く、また祝日が多いので、アメリカが180日、日本は200日と、あまり差はないようです 

pros vs. cons で考える

2011-06-13 | 英語学習
私の手元に少しページの端が色ずんだ三冊の本があります。

 「私はこうして英語を学んだ」
 「FENを聴く」
 「‘タイム’を読むー生きた英語の学び方」

これら3冊とも松本道弘氏の書かれたものですが、「松本道弘」の名前を知っている人はおそらく私と同年代あたりで、「なんとか英語をマスターしたい」と地道に英語の勉強をされてきた方ではないかと推察します 

 そういう私もそのひとりでした。

 英語界の巨匠(?)と言えば、松本亨氏、國広正雄氏、そして松本道弘氏でした。
 
 松本道弘氏は1980年代、「ディベート」というものを日本に持ち込まれた方であり、そしてなにより私が崇拝する理由は、海外留学や海外生活の経験がないのに、ネイティブ並みの英語をあやつる方であるからです。目を閉じて聴いていれば、これが日本人の話と誰が思うでしょう。「ハワイ人二世といって見破られたことがない」と著書にあるほどです。
 私が学生の頃は、同時通訳として活躍し、NHKの上級英語講座の講師をされていました。
 同時通訳者は一種のステータスのように輝いていました。


 その松本先生にひょんなことから先日学会でお会いし、今日はなんと食事をしながら、その王道を伺うというチャンスに恵まれました。

 ずーっと聞きたいと思っていました。―――どうしてそんなに英語が話せるようになるんですか?

 もちろん著書「私はこうして英語を学んだ」にいろいろ書かれてあるのですが、外国人から教わったわけでもなく、留学をしたわけでもなく、それなのにこんなに、ネイティブとディベートできるほど話せるようになるその方法を知りたい

 「あのね、ボクはね、13歳からずーっと英語で日記を書いてるの 

 と、鞄から分厚い本を取り出されましたが、それが日記でした。今年御年70歳といわれますが、毎日書いているそうです。

 中を拝見したのですが、驚きで開いた口が塞がりませんでした 

 「日記」とは簡単には呼べない。B5ほどのページに埋め尽くされた英文と、カラフルなイラスト・・・まるで百科事典のようです。

 私    「これ、毎日書くんですか?」
 松本先生 「そうだよ、毎日」
 私    「あのー、どれくらい時間かかるんですか?」
 松本先生 「そうだな、40分くらいかな」
 私     (たった、40分??ありえん)

 どういう中身かというと、普通の日記のように「今日はこうして、ああした、どうだった」という内容じゃないのです。
 毎日トピックがあって、それについて「論じられて」いるのです。

 ところどころは箇条書きになっていますーそれも'pro vs. con'で。

 もともと「ディベート」というのは、公のトピックについて違った立場から論じることを言います。そしてそのトピックについて肯定を'pro'、否定は'con'というのです。徹底的に分析して意見を戦わせるのです。

 そしてディベートにはいくつかのメリットがあります。

 論理的に物事を考える力がつく
 社会問題に関する深い知識と洞察力が身に付く
 相手の話をよく聴く力がつく
 自分の意見を効果的に人に伝える力がつく
 相手の立場にたって物事を捉える力がつく


 私なんかは相手の意見を聞くと「そうだよねえ そういう考え方もあるよねえ」なんて思ってしまうので、ディベートの力が伸びません 

 でも松本先生は一人で毎日それをやっているわけです。

 「ボクはね、いつもpro/conでものを考えているの 

 恐れ入りました  私も今日から見習いたいと思いました。



 松本先生のこの技を是非、みなさんとも分かち合いたい、ということで、近いうちにセミナー開催を企画しようと思っています。お楽しみに 

 

キャンプに行こう

2011-06-06 | 子育て
日本の子どもたちが親と離れてキャンプに参加するのは、おそらく小学校5年生で行われる林間学校/野外活動だと思います。もちろんボーイスカウトとかガールスカウトの参加している子どもたちはもっと早くからそういう機会に巡り会うでしょう。

 それに比べ、欧米では夏休みが長いため、キャンプがとても盛んで、もっと低学年から参加します。

 私の知る限り、アメリカの小学校は一週間1クールのキャンプが何週間もプログラミングされています。子どもたちは、およそ一ヶ月くらいキャンプにはいります。週末は親が訪ねてくるのもOK。

 もともと日常生活で親子別室で就寝しますので、小さい頃から独立心があるのでしょうか、ホームシックにかかる、という話をあまり聞いたことはありません。

 それに比べて、日本の子どもたち・・・・私の生徒でもいますが、親と一緒じゃないと眠れない、自宅以外ならおばあちゃんちとかおじいちゃんちしかお泊まりできない、というお子さんが小学校高学年になってもいます 

 よほどおうちの居心地がいいのではないか、と思いますが、英語を学ぶ限り、将来は世界に羽ばたいていって欲しいと願っている子どもたちが、おうちから出られないのでは困ります  心配な親御さんもいらっしゃいますが、そこは「自分が育てたんだからきっと大丈夫」という自負をもって、どんどん送り出して欲しいものです。

 大事なことは「失敗から学ぶ」ということです。
 
 キャンプではいろんな体験から学ぶものが非常に多いのです。

  不自由の中で学ぶ
  自然の中で学ぶ
  知らない人の中で学ぶ

 この3つは、家庭の日常生活では学ぶことができません。だから「考える」力が磨かれます。それは「サバイバル力」につながります。

 

 我が家の息子たちは小学校1年生からキャンプに放り込んできましたが、二人ともキャンプ大好き  うるさい母親 からも解放されるとあって、キャンプに行くと「うちに帰りたくない」というほどでした。

 長男は以前にも書きましたが「佐助」のような子でしたので、お風呂なんかはいらなくってもへっちゃら、服だって汚れれば裏返して着て、また次の日は裏返して・・・なんて案配でしたので、帰ってきた時には着た形跡のない服がいくつもはいっていました。

 ふたりともキャンプでは「友達作り」の技を大いに磨き、たくさんの新しい友達を毎年作って帰ってきました。保育園育ちのせいか、トイレも和式で慣れていましたので、キャンプ場のトイレも平気。夜のトイレはいろんな虫がいておもしろい、と言ったほどです。

 また小さい頃は大きな学年のお兄さんやお姉さんに面倒をみてかわいがってもらい、大きくなったらあんなふうになりたいと思うことで、リーダーシップについても学んだように思います。



さてさて、待ちに待った今年の夏のキャンプ参加募集が始まります。
http://www.ednet.co.jp/events/pdf/2011summercamp.pdf

今年もたくさんの子どもたちが参加して貴重な体験をしてくれることを願っています