ヴァイオリンとフルートのRio

ヴァイオリンとフルートに取り組んでいます。

ヴァイオリンの名器の比較(2)

2011年01月11日 05時26分37秒 | ヴァイオリン
 ヴァイオリンの名器の比較ができるCDがもう一つ手許にあります。ONYXというレーベルの「HOMAGE」というタイトルのCD+DVDで、楽器を買ったことのある弦楽器サラサーテさんから頂いたものです。

 James Ehnesと言うカナダのヴァイオリニストがフルトンコレクションの名器を弾く企画で、その中に、ブルッフのスコットランド幻想曲の同じ個所、時間にして1分弱ほどを、9挺の楽器を持ち替えて弾いている部分があります。楽器どうしの比較にはよさそうです。

 CDのトラック番号22がピエトロ・グァルネリ、同23~28がアントニオ・ストラディヴァリ、同29および30がジュゼッペ・グァルネリ・デル・ジェスの楽器です。このピエトロ・グァルネリはジュゼッペ・グァルネリ・デル・ジェスの伯父の方です。

 9挺はいずれもよい音の出る楽器ですが、よく聴いてみると、微妙に違います。

 私の印象では、トラック番号29のジュゼッペ・グァルネリ・デル・ジェス、1737年作の「キング・ジョゼフ」が音量と力強さを備え、低音から高音までのバランスも良く、イチオシと思いました。この前のブログに書いた、アマティ、グァルネリ、ストラディヴァリの比較の際に、グァルネリの音が「鼻の詰まったような」などと悪口を書きましたが、この楽器はそのような事は無く、柔らかさも鋭さも両方備えたような感じで、とても良い楽器と感じました。

 次に良かったのが、アントニオ・ストラディヴァリ、1715年作の「マルシック」です。マルシックはレコード初期のヴァイオリニストですから、所有者だったことがあるのでしょうか。上記のグァルネリ・デル・ジェス「キング・ジョゼフ」と比較すると、音の鋭さは上回っているようです。このヴァイオリニストが普段弾いている楽器だそうですから、手慣れているのではないでしょうか。

 アントニオ・ストラディヴァリでは、トラック番号26の1715年作「バロン・クヌープ」、同27の1719年作「デューク・オブ・アルバ」もよいと思いました。

 同じアントニオ・ストラディヴァリの楽器でも、音が柔らかいもの、音がこもるもの、高音がやや耳障りなものなど、いろいろあることが分かりました。名人と言われた人の楽器でも、個体差が有るものなのですね。

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