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盲導犬事故死、294万円賠償命令「価値、白杖と違う」/気になるニュース

2010-03-05 23:35:57 | 法律・裁判
盲導犬事故死、294万円賠償命令「価値、白杖と違う」(朝日新聞) - goo ニュース

盲導犬事故死で賠償命令=育成費用290万円認める-名古屋地裁(時事通信) - goo ニュース

 盲導犬の交通事故をめぐって、盲導犬の価値が争点となった全国で初めての判決(原告弁護団談)が出された。

☆事件の概要
 2005年9月26日午前10時頃、静岡県吉田町の交差点で、近くに住む視覚障害の熊沢尚(たかし)さん(74)と、ラブラドルレトリバーの盲導犬「サフィー」(当時6歳)が右折してきた大型トラックにはねられた。熊沢さんは頭などに重傷、サフィーは即死した。

☆原告側の主張
 盲導犬を育成し、無償で貸与していた財団法人「中部盲導犬協会」(名古屋市港区)は、高知県内のトラック運転手と勤務先の運送会社(高知市)に計607万円の損害賠償を求めた。訴訟では、同協会は盲導犬の特殊性と希少性を主張した。
 また、被害者の男性も、盲導犬を失い精神的苦痛を被ったとして、慰謝料として計220万円を請求した。

☆被告側の主張
「盲導犬は歩行器具にすぎない」、つまり、視覚障害者が持つ白杖と同じ性質のものである。運転手側は同犬種の子犬の価格(10万円)など計20万円が損害と反論した。

☆3月5日、名古屋地裁(松田敦子裁判官)における判決
 同協会の訴えに対しては、「盲導犬は視覚障害者の目の代わりとなり、精神的な支えともなっている。その価値は白杖とは明らかに異なり、育成に要した費用をもとに考えるべきだ」判断。松田裁判官は、協会がこの盲導犬の育成費用として453万円を支出したと認定。平均的な盲導犬の活動期間は約10年で、約5年の活動期間が残っていたとした。事故時には盲導犬としての技能が向上していたことも考慮し、価値を260万円と算定。これに弁護士費用なども含めて賠償額を294万円と認定、被告側に支払いを命じた。
 賠償額算定にあたっては、同協会がこの盲導犬の育成費用として約450万円を支出したと認定。一般的な盲導犬の活動期間は約10年で、約5年の活動期間が残っていたとした。原告側の訴えを一部認め、約290万円の支払いを命じた。弁護士費用なども含め賠償額を約290万円と認めた。
 なお、原告側は被害者男性の盲導犬を失ったことに対する慰謝料も求めていたが、同裁判官は「男性と被告側で示談が成立している」として請求を棄却した。

我々とのつながりが絶たれる日が来ないように/絵本『北極熊 ナヌーク』

2010-03-05 00:52:04 | 絵本・児童文学
北極熊 ナヌーク
ニコラ デイビス
BL出版

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 本の表紙の裏に書かれていたこの絵本の紹介の文章が、この本の全てを語っている。イヌイットの言葉に託したメッセージの中に。
『極北の地で生きる巨(おお)いなる生命(いのち)が わたしたちに問いかけてくる。 
 おまえたちは、なにをのぞんでいるのか?おまえたちは、この星を、どうするのか?―――と。
 わたしたちヒトは、かれらに どんなふうに、こたえたらいいのだろう。
 
 太古のむかし、その姿をとおして わたしたちに生きる術をおしえてくれた者 そしていままた、あらたなることを わたしたちに鋭く告げようとする者―――。

 それは、ホッキョクグマ。またの名を「ナヌーク」。
―――偉大なる、白き王者! 』

 過酷とも思える極北の地に生きるナヌークは、その冷たく凍てつく世界で生きることができるような、身体の仕組みを持っている。進化による素晴らしき作品のごとき身体と、環境への適応。彼らの生態をこの絵本は、詳しく解説している。それと同時に、命への畏敬の念を込めている。
 過酷な環境に適応したということは、環境に変化には、生存が脅かされていることを意味する。アザラシを捕食するためには、氷の海が必要である。夏、海の氷が解けてしまえば、陸地で、食べられるものはすべて食べる雑食となる。しかし、所詮は、その時期は、飢えを絶える時期である。もし、氷の季節に、十分なアザラシを捕食することができなけれが、子育ても、生存することすら困難な事になる。人間による狩猟で、一時期、絶滅の危機を迎えた事があった。その時は、保護策をとることで、危機を脱することができた。しかし、今また、絶滅の危機を迎えている。地球温暖化という厄介な人間の自然界への介入により。今度の危機は、脱するのが困難なものだ。

 アフリカで誕生した人類は、何万年もかけて、世界中に拡散していった。そして、北極圏にまで生活圏を広げて行った。その時、人間がその過酷な環境で生きることを学んだ相手が、ナヌークだった。イヌイットの人々は、彼らから多くを学んだ。

 地球は、我々だけのものなのだろうか。人類が、文明を作り、ここまで進化したことは、どんな意味があるのだろうか。ヒトは、宇宙の真理を解き明かす知的存在として意味をもっているのか?それとも、地球にとっては、異常繁殖したガン細胞に過ぎないのか?

 ナヌークの生き方を見よ。彼らの声を聴け。そのための道しるべとなる1冊である。

クロメダカは今どこに/絵本『めだかのきょろちゃん』

2010-03-05 00:27:54 | 絵本・児童文学

めだかのきょろちゃん (かわいいいきもののえほん)
高家 博成,仲川 道子
童心社

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 一昔前までは、ごく普通にみられたクロメダカは、今や、絶滅危惧種となっている。童謡「めだかのがっこう」も、実際のメダカの姿をみることもなく、子どもたちは歌っているのであろうか。

 時々、本メダカと称して、金魚や熱帯魚を扱っている店で売られている。去年は、フリーマーケットで売られていた。鑑賞用のヒメダカは、容易に手に入れることができるのであるが。また、花屋でも、小さな瓶に入れられた黒いメダカが売られていたのだが、説明書きを読みと、外国種との交雑であるらしく、色々なタイプがあると書いてある。ハイブリッド種だから、姿形が固定していないのであろう。おまけに、川などに放流しないでほしいと注意書きが添えてある。自然界への、破壊行為となるので当然のことであろう。

 クロメダカは、1年という短い生涯を過ごす。命の短さを思うと、はかなさを感じてしまうのだが、彼ら自身は何とも思っていないのであろう。人間が、感情移入して感傷的になっているに過ぎないのだ。
 
 こうした絵本を通して、まず、子どもたちに、クロメダカの生態を楽しく知ってもらいたい。ミズカマキリやヤゴなどの天敵の登場には、ハラハラした気持ちを味わってもらいたい。でも、一番のクロメダカの敵は、人間であった。田んぼという、昔から生きていくのに最適な場所に、農薬が使われるようになってから、彼らの数は激減してしまったのだから。

 自分で、ビオトープと作って、クロメダカを飼うのもいいかもしれない。でも、本来の場所で、短い一生を、次の子孫に命のバトンタッチをするまで送ってほしいものだ。