トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

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寝る前に読んであげたい/絵本『いい ゆめを』

2010-03-16 01:12:42 | 絵本・児童文学
いいゆめを (渡辺三郎 山下明生えほん)
山下 明生
ポプラ社

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 とびっきりの満月を、最近見た事があるのだろうか。すっかり夜更けは、空を見なくなった。

 ただ、窓越しに、明るい月明かりが感じられる。電気のなかった昔は、満月の日は、夜でも道が歩ける特別の日だったのだろう。だからこそ、人々は、満月に特別の思いを抱いたのだろう。

 今では、みんな、あまり夜空を見なくなったようだ。天文少年もすっかり絶滅危惧種となってしまった。虫好き少年と同じ運命をたどっている。

 この絵本の中の、満月の優しい視点を楽しんでみよう。そして、いつか、本当の夜空の満月が、自分たちに、実際に優しいミルク色の光を注いでくれるのを身体で受け止めてみよう。

 この絵本の月は、海のマンボウ、カモメたち、公園のネムノキにもおやすみを言っていく。そう、ネムノキは夜は、葉を閉じるんだったっけ。
 時には、蛍を公園の噴水の上にあげたりする「いたずら」?を試みる満月。最後にお母さんと男の子と女の子の3人の家族とどうかかわっていくかは、どうぞ、絵本を読んで見てください。

 月への思い、夜空の存在を忘れてしまったような私達の生活からすっかり抜け落ちてしまった思い、もう一度、思い出してみましょう。

繰り返す生命の営みと進化/絵本『せんねんまんねん』

2010-03-16 01:00:09 | 絵本・児童文学
せんねんまんねん (まど・みちおの絵本)
まど みちお
理論社

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 童謡『ぞうさん』を書いた詩人といえば分かりますよね、まどみちおさん。今年で101歳になられるのでしょう。

 まどみちおさんの『せんねん まんねん』という詩を、柚木沙耶郎の、ダイナミックな絵で表現したのが、この絵本です。

 原詩を一気に読むという方法もありますが、その詩を1冊の絵本で描いています。

 ヤシの木が実を付け、その実が熟れて落ちていく。落下の時に、振動でミミズが土から飛び出す。それをヘビが飲み込む。ヘビはワニに飲み込まれ、ワニは川に飲み込まれる。川のほとりのヤシの木の幹をのぼっていくのが、清水の水。そして、今までも命がヤシの実の中で満ちて、地面に落ちていく。この繰り返しと、命のつながりを描いた詩と絵の本。
 そして、その時代は、まだ、人類がこの世に生まれる前の長いようで短い『せんねん まんねん」の時の営み。