トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

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自分の身体で感じてみよう/絵本『じっけん きみの探知器』

2010-03-03 23:44:05 | 絵本・児童文学
じっけんきみの探知器 (たくさんのふしぎ傑作集)
山下 恵子
福音館書店

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 僕たちの身体は、すぐれた探知器だ。時には、判断ミスを犯すこともあるけれども、人間が長い進化の過程で、研ぎ澄ましてきた感覚もあるし、だんだんと退化していったものもある。
 生きるための情報を得るために、人間は、感覚を利用した。味覚もその一つで、安全な食べ物を知るための情報を取り入れるのに、役だった。でも、文明が進むうちに、新たに、食べるためではなく、食べることを楽しむための、食感などの新たな感覚を使うようになった。食文化というものかな。

 さて、学校で習う理科は、科学の基礎だけれども、最近は、小中学生の理科離れということが話題になっている。高校生や、大学生、それに、君たちの学校の先生も、科学が苦手な先生が増えているというんだ。
 
 僕たちの先祖から、伝わってきた大事な遺産を、しっかり受け止めて、僕たちの中から、新しい科学の研究や発見に携わる人が増えないと、大変な事になってしまう。大事な財産が無駄になってしまうんだ。
 だから、理科も他の好きな科目と同じように、勉強してほしいんだ。

 図書館にいけば、君たちのために書かれた理科や科学の本がたくさん見つかるよ。

 この本は、僕たちの身体を、探知器にして、色々な事を体験してみることができるんだ。

 耳は、聴くための探知器であるほかに、身体のバランスをとるための仕組みがある。
 
 この本では、見ること、味を感じること、においを感じること、ものをさわった時の触覚や、皮膚に分布する痛さを感じる点、温かさを感じる点、痛さを感じる点、それに、犬や猫をなでてあげた時に感じるふれた感覚を感じる点など、自分の身体を探知器として、実験が出来ることがたくさん紹介されている。

 まずは、自分の身体を使って、人間の感覚の仕組みを確かめてみよう。最初の理科の実験は、一番、身近な自分の身体を使ってね。

不思議な雲の中の世界/絵本『あっぱれ!てるてる王子』

2010-03-03 00:29:31 | 絵本・児童文学
あっぱれ! てるてる王子 (講談社の創作絵本)
コマヤス カン
講談社

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 最近は、空をじっと眺める機会も少なくなりました。思えば、雲の表情というのも変わったものです。見る者の気持ちを反映するのか、色々な形に見えてきます。童話でも、あの色々な形の雲の上に乗る話がありますね。石井桃子さんの『ノンちゃん雲にのる』は、映画を見た事もあります。素直な心で見れば、雲は魅力的な存在なのでしょう。

 さて、この絵本は、空の上の不思議な世界が描かれています。こういう作品、好きですね。あの空の雲の中に、SFの中に登場するような乗り物に乗っている存在がいるんですから。ヘビのような姿の雲の生き物も何ともいえない造形です。表の表紙の裏には、様々な雲の絵が描かれていて、一瞬、科学の本かと思ってしまいます。最初の扉絵に、日本列島に近付く台風が描きこまれた天気図が出てきます。理科の本かな?そして高台から見た鳥瞰図。高台では、子どもが二人、きょうだいですが、それぞれ手にてるてるぼうずを持って、空に向かって叫んでいます。明日は、学校の遠足です。台風が来たら中止です。
だから、空にいるてるてるぼうずに、明日天気にしておくれって歌っているのです。

 次のページから、へんてこりんな世界が現れます。てるてるぼうずの王子が乗った雲の空飛ぶ船なのでしょうか。てるてる王子は、半ズボンをはいているのに、配下のてるてるぼうずたちは、ふんどし1丁と頭にスイカ模様の帽子だけの格好です。でも、この大きな船は、科学的な設備を搭載しているようです。このギャップ、いいですね。
 てるてる王子は、ハワイのホテルに行く予定だったので、子どもたちの声が聞こえても、天気にする気にはあまりなれません。だって、運動会もお祭りの時も晴れにしたんだから。今度は、自分で楽しみたい訳です。それに、暴れん坊のたいふうと、戦うのはとても大変ですから。

 でも、子どもたちの用意したてるてるぼうずが100個あったら、晴れにしなくてはいけない決まりがあるそうです。下界の数を数えたら100個ありました。ハワイには行きたいし。そこで、まずは、台風と話し合いとすることにして、使者を出します。

 台風は、この使者を吹き飛ばしてしまいます。次に、てるてる王子は、たくさんの使者を送ります。平和的に解決して、遊びに行きたいんですね。
 が、またもや、台風に吹き飛ばされます。

 今度は、てるてる王子、頭にきてしまいました。台風と戦うことになってしまいます。

 この台風の描き方もユニークで、台風殿下の頭の上の渦巻き、蚊取り線香です。この渦巻が、この戦いのカギとなるんですが、闘いの様子は絵本で楽しんで下さい。

 お話はナンセンスものかも知れませんが、作品がユニークなセンスでいいですね。

次に来るお客さんは誰かな?/絵本『うちにかえったガラゴ』

2010-03-03 00:07:36 | 絵本・児童文学
うちにかえったガラゴ
島田 ゆか
文渓堂

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 子どもの本を読んでいて、その本が、実は連作の一冊だったり、ある世界を描いた一部だったりすることがある。
 本書もそうである。最初にこの『うちにかえったガラゴ』を読んでしまったが、その前作もあるとのこと。また、この絵本の中に登場する生き物たちも、他の作品群に登場するということだ。
 だから、それらに全て目を通した場合、読者に色々な発見が待っているという。しかし、今回は、この1冊だけしか読むことができなかった。次は、他の関連作も探してみよう。

 ガラゴは、旅するかばんやさんだ。いつもは、お客さんに相応しいかばんを売って歩いている。でも、雪の降る寒い冬は苦手なので、冷たい風が吹き始めると、わが家へ帰って冬を過ごす。
 家に着いてから、さっそくお風呂に入る準備をしていると、だれかお客さんがやってきた。旅するざっかやのとらちゃんだった。それから、次々に、訪れるお客さん達。実は、このお客さん達、他の本に登場する生き物たちらしい。だから、関連する絵本を全部読んでいたら、読者にとって、思わぬ再会となるはずだ。

 外は寒くても、ガラゴとお客さんたちの過ごす家の中は暖かい。

 丁寧に書きこまれた絵も、物語同様、魅力的である。それぞれの登場キャラクターの姿も可愛らしい。

かばんうりのガラゴ
島田 ゆか
文溪堂

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バムとケロのおかいもの
島田 ゆか
文溪堂

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