じっけんきみの探知器 (たくさんのふしぎ傑作集)山下 恵子福音館書店このアイテムの詳細を見る |
僕たちの身体は、すぐれた探知器だ。時には、判断ミスを犯すこともあるけれども、人間が長い進化の過程で、研ぎ澄ましてきた感覚もあるし、だんだんと退化していったものもある。
生きるための情報を得るために、人間は、感覚を利用した。味覚もその一つで、安全な食べ物を知るための情報を取り入れるのに、役だった。でも、文明が進むうちに、新たに、食べるためではなく、食べることを楽しむための、食感などの新たな感覚を使うようになった。食文化というものかな。
さて、学校で習う理科は、科学の基礎だけれども、最近は、小中学生の理科離れということが話題になっている。高校生や、大学生、それに、君たちの学校の先生も、科学が苦手な先生が増えているというんだ。
僕たちの先祖から、伝わってきた大事な遺産を、しっかり受け止めて、僕たちの中から、新しい科学の研究や発見に携わる人が増えないと、大変な事になってしまう。大事な財産が無駄になってしまうんだ。
だから、理科も他の好きな科目と同じように、勉強してほしいんだ。
図書館にいけば、君たちのために書かれた理科や科学の本がたくさん見つかるよ。
この本は、僕たちの身体を、探知器にして、色々な事を体験してみることができるんだ。
耳は、聴くための探知器であるほかに、身体のバランスをとるための仕組みがある。
この本では、見ること、味を感じること、においを感じること、ものをさわった時の触覚や、皮膚に分布する痛さを感じる点、温かさを感じる点、痛さを感じる点、それに、犬や猫をなでてあげた時に感じるふれた感覚を感じる点など、自分の身体を探知器として、実験が出来ることがたくさん紹介されている。
まずは、自分の身体を使って、人間の感覚の仕組みを確かめてみよう。最初の理科の実験は、一番、身近な自分の身体を使ってね。