A Rider's Viewpoint

とあるライダーのものの見方

2013年・今年の十冊(前編)

2014-01-12 12:20:03 | 所感
年間読書目標100冊を定めて3年目になる。
その中で「今年の自分の10冊」を選んでみようかと考えてみた。

僕の読書年間は5/1~翌4/30までの一年間である。この期間設定には特に意味があるわけではなく、書籍のバーコードを読み込むだけで地元の図書館の蔵書状況や貸出状況を調べたり、その本を管理してくれる『図書館日和』というiPhoneアプリを新規導入して、実際に記録を始めたのがゴールデンウィーク明けからだったから。

新年でも新年度でもないのでイベント性には乏しいが、年末年始には必ず休みが取れることや、一年を振り返るのにはちょうど良い時期なので、僕も自分の読書期間に捕らわれず、1/1からの1年間で振り返ってみようと思う。

さて、早速『図書館日和』を立ち上げて2013年以降に読んだ本を見てみよう。

まずは、坂木司の『切れない糸』
父親の急死により家業のクリーニング店を継ぐことになった大学卒業間近の主人公が店に寄せられる衣服を通じて「日常の謎」と出会う物語である。
名探偵役の友人との掛け合いや、いろいろな事件を通じて家業の奥深さに気づいて行く過程が面白い。続編を期待している一冊だ。

次には大沼紀子の『真夜中のパン屋さん』
最近NHKでドラマが放映されたが、この物語も“真夜中に開いているパン屋”であるからこそ遭遇する事件を扱っている。続編も4冊目までが発売されているが、この作品には「欠落した家族関係とその補完」という一貫したテーマが流れているように思う。昔ながらの家族関係が崩壊しつつあると言われる今、興味がある人には、ぜひ購読をお勧めしたい。

3作目は三浦しをんの『神去なあなあ日常』
単に田舎や林業についてを語るだけではなく、村や山に伝わる不思議なしきたりや風習などに、古来から伝わる「意味」があることも描く。
この小説が主人公がPCに保存している日記であるという設定も面白い。ちゃんとその伏線も引いてある。
次作の『神去なあなあ夜話』も面白い。このシリーズはお勧めできる。

次は、朝井リョウの『チア男子!!』
僕は個人的には『 桐島、部活やめるってよ』よりもこっちの方が好きだ。
確かに『ウォーターボーイズ』の二番煎じと言ってしまえば身も蓋もない。
しかし、「誰かを応援すること」をスポーツや表現の域にまで高めたものが「チア」であるということは、この小説を読むまで気づきもしなかった。
そんな新しい視点を与えてくれ、かつ高い目標に挑む者の葛藤と挫折、嫉妬や克己を表しているこの小説が「単なる二番煎じ」と評され、読もうとする機会を奪われるなら、こんなもったいないことはない。
先入観を捨て、ぜひ手にとって頂きたい作品である。

5作目は、矢崎存美(作品により“矢崎ありみ”とも)の『再びのぶたぶた』

もう、この表紙のイラストに「ズギューン!」と射抜かれた。可愛い過ぎる!
今回はこの一冊だけではなく「山崎ぶたぶた」という生きたぬいぐるみが織りなす一連の作品群全てがツボにはまった。本当に読むだけで癒やされる。
今期既に11作読んでいて、4作品が図書館の予約待ち中。そういう意味では僕は単なるミーハーファンである。

(2914/1/13追記)
作者のブログを読みに行ったところ、この『再びのぶたぶた』が「他の作品のスピンオフ版なので、他の作品を読んでからの方が楽しめますよ」と書いてあることに気づく。なんでこんな間の悪い紹介をするかな。≫俺。f^_^;)
でも、まあ全部読めばいづれ繋がるからいいよね。♪(´ε` )

(後編に続く)

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