A Rider's Viewpoint

とあるライダーのものの見方

郷愁へのツーリング・2

2014-01-04 18:54:50 | ツーリング
昨日の飲み会を無事終え、9:30頃、自宅を出発する。
自宅から八幡平までは通い慣れた道ではあるのだが、新しい道がいくつもできていて、いつの間にか見覚えない道を走っていたりする。しかしながらそこは地元。結構いい加減に分岐点を曲がっているうちに、昔ながらの道に出た。八幡平に向かう道は雨の後なのか並木に水滴が残っていて朝の光を浴びてキラキラと光っている。いや虹こそでていないものの天気雨の様相を呈している。煙るような小雨はやがて小さめの雨粒に変わろうとしてきた。
アスピーテラインの登り口で雨具を装着。これで上に登ってもし天候が良くなくとも対処できる。そう考えたのは後で正解だったことに気づくのだ。
アスピーテラインの登りは前に車が詰まっていて若干遅めのスピードだった。おまけに小雨が降ったり止んだりしている。それでも八幡平ユースホステル付近、かつての料金所の手前にたどり着いた。
(http://www.hachimantai.or.jp/area/area01.html)

ここで小休止し、写真を1枚撮って山頂方面に、岩手・秋田の県境、見返峠へ進む。


九十九折りのコーナーを越えてKは標高をあげて行く。程なく周りが霧に包まれてきた。雲の中に突っ込んだようだ。慎重にコーナーをこなし、やがて見返峠にたどり着いた。


駐車場にKを停めまた写真を1枚。
駐車料金バイク100円。ここは小雨が煙っていてとても寒い。雨具を着込んでいて良かった。
峠の下では青空が見えていたのだ。いや、本当に山の天気は侮れない。
凍えそうな程寒くなってきたので、早めに藤七温泉に向かうことにする。ここで購入して初めてKのグリップヒーターのスイッチを入れることにする。うう。掌が暖かくなってきた。グリップヒーターは本当に実用的な装備だ。寒いところを走るのが予め解っているならウィンターグローブを持ってくればいい。今回のような不測の事態にこそグリップヒーターの有り難みがよくわかる。
ふと気づくとディスプレイに見慣れないマークが表示されている。なんだ? このアスタリスクマーク「*」は? 後で調べてみたら「低温注意」のマークだった。摂氏4℃以下の気温で表示されるとのこと。
確かに峠での気温は3℃。寒くてしょうがなかった。

峠から樹海ラインへ向かい霧の巻いたコーナーを慎重に進む。すぐに右手に藤七温泉の建物が見えてきた。右ウィンカーをつけ慎重に駐車場に進み、足場を確認して静かにKを停める。ヘルメットをホルダーに取り付け、シートバッグを外し建物の中に入る。入浴料600円を払って脱衣場へ。手早く服を脱ぎ、バッグからタオルを取り出し浴槽へ。冷え切った身体を浴槽に投げ出すと足先や指先、身体の末端から痺れるように熱さが入り込んでくる。
ひとしきり内湯に浸かった後、露天風呂に出たり、また内湯に浸かったりして1時間以上をこの温泉で過ごしたのであった。(http://www.toshichi.com/index.html)

身体の中の熱が引く前に峠を降りよう。そう考えて昼食も採らずに藤七温泉を後にする。樹海ラインはアスピーテラインに比べ若干交通量は少ない。霧のコーナーをいくつか抜け、巻いている雲の下に降りたら薄日が射していた。ここから見る岩手山は盛岡市街から見る岩手山のちょうど反対側にあたるだろうか? 僕にとってはこの角度も馴染み深いのだが。


さて、藤七温泉をでる辺りでディスプレイに[FUEL!]の表示が出始めた。今日は日曜日、しかも連休の中日だ。開いているガソリンスタンドはそう多くないと考えて、見つかったら早めに給油しようと思う。
しかしここ樹海ラインにはスタンドがない。頭の中で東八幡平リゾートの地域をざっとスキャンするが、ガソリンスタンドの場所を明確に思い描くことができない。これはやはり八幡平の入り口のスタンドだな。そう考えて樹海ラインから真っ直ぐ八幡平方面に戻る。
途中何台かのツーリングライダーとすれ違う。彼らはこれから樹海ラインを登るのだろうか? それとも松川温泉にでも行くのかな? いずれにせよ気を付けて欲しいと思う。
県道212号を走り、13:20頃Kは程なくガソリンスタンドに辿り着いた。ここでハイオク13.73Lを給油。2,320円。

そろそろ人間様もエネルギー補給の時間ではあるが「ここに行きたい」と言う店が思い浮かばない。以前仲間とツーリングに来た際に寄った喫茶店『赤い屋根』も戻るには結構距離がある。そこではなはだ安直ではあるが、このまま盛岡方面に向かい途中の適当な店で食事をすることとした。
ガソリンスタンドを後にし、県道23号を走りR282から盛岡に向かうこととする。
途中まで快適に走ってきたKであったが、いきなり西根中学校前で渋滞に捕まった。最初は工事渋滞かと思い、脇道からR282に抜けてみたのだが、結局この国道が混んでいる。全く抜け出す先が見えない。
すり抜けを行おうとするが、この道は片側1車線。このため歩道を示すラインぎりぎり、所によっては側道にある雨水溝の蓋の上を走ることとなった。重く比較的幅もある車体を、ゴーストップをくり変えし、かつ右側の車体に接触させず、左側側道の縁石にこすらせないように、しかも歩行者や左側の店舗に出入りする車に気を付けて操縦することで、すっかり疲れ果ててしまった。
大更から西根を過ぎ一本木の辺りでようやく車が流れ始めるまで、約数十分この苦行は続いたのである。
結局、食事を採ることも及ばず、14:10頃、やっと滝沢の「分れ」交差点の付近にある親友の会社に辿り着いたのであった。
いや、まあ、しかし、本当に持つべきものは良い友人である。14:00を過ぎ、すぐ近くにあるラーメン屋のランチ営業時間が終わったことでもあり、僕は彼の会社の営業車を借り、滝沢駅前にあるコンビニに昼食を買いに行ったのであった。
結局のところ、昼食のサンドイッチを食ベながらまた小一時間ほど彼の仕事の邪魔をしてしまった。その後、簡単に御礼をし盛岡市に向かった。
盛岡市に入ると取りあえず駅前のビジネスホテルに16:00にチェックイン。荷物を下ろして、雨具をつるして乾かし、やれやれとベッドに身体を投げ出したら寝込んでしまった。(^_^;)
「はっ」と目を覚ますと20:00過ぎ。さすが身体が重く感じられ、これから1人で飲みに行く気も起きない。(ジビエを食べさせてくれる店の確認まではしていたんだけどね)
結局、盛岡駅の書店で文庫本を買って、駅前の松屋で牛焼肉定食ととろろに豚汁を食べ、帰りに缶コーヒーを2本買って、ホテルの部屋に帰った。
結局のところ文庫本を読んで0:50頃に寝た。
本日の走行距離113.2km。駐車料金100円+入浴料600円+ガソリン代2,320円+昼食代620円+宿泊費5,980円+文庫本640円+夕食代860円+胃腸薬代697円(^_^;)+缶コーヒー代240円で合計12,057円。



10/14 6:00起床。今日は東京に戻る。なるべく早く帰り身体を休めたい。6:30から朝食バイキングがあるのは知っていたが、それよりは早く帰路につくことを優先したい。
6:23 気温は摂氏6℃。息が白くなるほどの寒さだ。東北地方はこれから急速に冬支度を迎える。考えようによっては、快適なツーリングの季節はこれが最後だったかもしれない。
ホテル前を後にし、盛岡ICに向かう。寒いので雨具を引っ張り出して着る。これから南下するし、気温も暖かくなってくる。この寒さが今日の「底」だ。
合流路を加速しKは順調に速度を上げ、東北道に合流する。
昨日のアスピーテラインと樹海ライン。日を浴びてキラキラした並木の枝の雨粒。見返峠の雲海の中。藤七温泉の露天風呂、強い硫黄の匂い。樹海ラインから臨む岩手山。紅葉のコーナーを駆け抜けるK。すべてはもう思い出だ。新しい経験、新しい思い、その全てが僕を形づくる。
さようなら盛岡、さようなら東北、さようなら母と叔母の眠る地よ。戻らない時間に、それでも思い出を刻みつけて僕は東京に戻る。自分の世界に戻る。

8:05 盛岡ICからノンストップで約1時間半を経過して、長者原SAに到着、朝食にする。長者原SAといえば、かつて仙台に住んでいたときに帰省帰りによく利用したSA。ここは徒歩でエリアを抜けたところに公園があり、幼い娘を滑り台で遊ばせたことがある。その写真は母も喜んで見てくれたものだ。
現在の風景にかつての妻と娘の姿を重ね合わせる。そしてその光景を四角に切り取った写真を笑顔で眺める在りし日の母を思い浮かべる。幸せな記憶は良いものだ。いつ思い出しても心の中を暖かくしてくれる。
……とはいえ、実際のこの場所はまだ寒い。SAの食堂の、朝日があたる席を選んで座り、「牛タン定食1.5」を注文する。(肉の量が1.5倍)1,650円。


食べ終わってすぐに走り出す。そろそろ次は給油のタイミングとなるが長者原SAをでると、次の大きなSAは福島県境の国見SAまでない。このため状況を見ながら菅生PA辺りでの給油とする。
果たして仙台市街に入る辺りで[FUEL!]の表示が現れた。ほぼ想定通りだ。距離的には国見SAまでたどり着けないことはない。しかし仙台近郊から国見SAまでは結構なアップダウンが続く。やはりこれは菅生PAで給油するのが妥当だろう。
9:16 菅生PAにて給油。13.68L、2,408円。給油が終わると早々と出発する。

帰路は往路ほどのエピソードには出会わない。
また平均走行時速を往路より若干早めに設定したこともあり、僕自身が周りの状況により過敏になっていた。
思い出を反芻しながらのんびり走ることを良しとしなかったのだ。
ICやJCTなどの合流路、SA、PAなど待機車両が発生しそうな場所では特に気を使って、「白黒ツートンの車」と「白いヘルメットに白い車体に水色のウェアを着たライダー」が現れないかを見張っていたのだな。(^_^;)

菅生を出てから約2時間弱。Kはみちのくの地を越え関東圏に入った。
人間の休憩のため、11:19 那須高原SAに停車。身体を伸ばしてお茶を飲んで、ついでにアメリカンドックを食べる。300円。
那須高原を越えるとさすがに暖かくなってきた。雨具は既に脱いでいる。グリップヒーターもとっくに切っている。ツーリングシーズンの終わりを意識せざるを得ない東北と違い、やはり関東は暖かい。
やがて走行車線も2車線から3車線に変わり、スピードをセーブさえすれば、何も考えなくていいライディングで東北道を南下する。
周囲の車と適当な車間を保ち、遅い車両は抜き、速い車両には道を譲る。高速道という川を流れに沿って泳いで行く魚のように、岩を避け、淵を迂回し、僕はKで走りつづける。

やがて再び給油のタイミングが巡ってくる。[FUEL!]の表示が現れたここは宇都宮付近。次のSA、佐野SAで給油をする事にする。

12:34 佐野SA 12.98L 2,233円。ここで自宅にTEL。約1時間前後で帰ることを告げる。
ここまでくればもう一息だ。もう何も心配はない。

佐野SAからの帰路は特に印象に残っていることはない。淡々と、無意識に僕はKを操り、やがて最寄りのICを降りる。
県境の橋を渡りU字路のように左へ転回。突き当たりを右折してしばらく走ってまた右折。信号のあるT字路で右折して3つ目の角を右折。その先の2つ目の角を左折すると、その先がもう僕の自宅だ。
ゆっくりとKを停めてエンジンを切る。ふと訪れた静寂の中で僕は車体から降りヘルメットを脱ぐ。
13:42 到着。本日の走行距離557.1km。本日のコスト、朝食1,650円+給油菅生2,408円+アメリカンドック300円+給油佐野2,233円=合計6,591円。

このツーリング全ての通算走行距離1,261km。高速代とガソリン代を加算した総コスト、35,155円。
もっとも親友との飲み会のスーパー買い出し分が未加算なので、実際はもう5,000円増し程度かな?

ともあれKで走る初めての東北ツーリング、八幡平アスピーテライン・郷愁へのツーリング、これにて全編終了である。

郷愁へのツーリング・1

2013-12-30 09:22:27 | ツーリング
ツーリングルートというと真っ先に思い浮かべる道がある。
故郷の八幡平アスピーテライン。
免許を取った直後に父から譲り受けたカブ。高校生時代のマメタン50。中型免許を取って買ったVF400F。結婚後にライダーとして復帰した際のGSX250F KATANA。さすがにスクーターのマジェスティ250では行かなかったものの、先代のCB1300Fまで僕が乗っていたほぼ全てのオートバイで、この道は走り続けてきたのだ。
次はK1300Rでこの道を走る番だ。その思いはずっと僕の胸の中で暖めていた。

Kの納車後にツーリングとして走ったルートを思い浮かべてみる。
まずは中央道からほったらかし温泉に行き、塩山から奥多摩へ抜け、青梅~福生~八王子とR16を南下、中央道八王子から帰ってきたルート。
湾岸高速を川崎方面に向かい、JCTからアクアラインへ。海ほたるで小休憩の後、木更津から千葉方面へ戻り、そのまま湾岸高速を一回りするルート。
東北道を北進。西那須野塩原ICで降り、日塩もみじライン~霧降高原道路を経て日光へ。いろは坂を登り、中禅寺湖から金精峠を越え、沼田から永井食堂に立ち寄り、渋川伊香保ICから関越道経由で戻るルート。
再びほったらかし温泉に行き、そこから今度は雁坂トンネルを抜け、秩父~小川町を経て嵐山小川ICから関越道を使って戻るルート。
東名高速を西に。静岡の友人宅を往復したルート。
日塩もみじライン、霧降高原道路を除けば、いずれもCBでよく通ったルートだ。

岩手に向かうなら日帰りは強行軍過ぎる。最低でも1泊。できれば2泊する日程が組めれば、初日と最終日は往復のみ。2日目にツーリング専用の日程が組める。
そう考えて10/12~14の三連休をこの長距離ツーリングの日程に定めた。

早速宿泊先の検討をする。一人暮らしの父親のところへはあまり迷惑かけたくはない。布団の上げ下ろしだけで大変なのだ。しかしながらさすがに10月の旅行シーズン。10/12(土)の宿泊先はどこもいっぱいのようである。かろうじて10/13(日)は盛岡の駅前にビジネスホテルが取れた。
こうなれば発想の転換だ。母親の相続手続きで滞っていた書類を確認し、父親に必要書類を入手して貰う必要があるのだが、今回この手続きをするために実家に寄ろう。電話をしてみると幸い何も出かける予定もなく、12日の夜は実家に泊めて貰うこととなった。
また友人に電話をかけ、12日、13日に帰省する旨を伝えた。友人達とは8月の叔母の法事の時は会っていない。久々に会うのが楽しみだ。
こうして出発の準備は整った。

ツーリングの前日、会社に着き始業時間に達するまでのわずかな時間、明日以降の旅を思い、こうつぶやいた。
「想像してみよう。
明日の今頃、僕はどこにいるだろうか?
那須高原のあたりかな、それとももうみちのくに入っているかな。
まさか自宅の布団の上とか、病院のベッドの上じゃないだろうな。
出勤後、始業前のささやかなひととき。
僕の心はもうツーリングに旅立っている」

その日の仕事は若干早めに終え帰宅した。

翌日、4時半頃に起き出発の準備をした。荷物はほぼまとめてある。雨具と着替えとタオル。iPhoneの充電池とケーブル、現金と免許証と保険証。
最低限の荷物を、いつものシートバッグに詰め込むと5:09につぶやいて出発する。

最初のT字路を右に、次の交差点を左に、信号のあるT字路を左に、川沿いの道を走り小学校の手前を左に。
走り慣れたルートではあるがこれがまっすぐ故郷までつながっていると考えると、なかなかに感慨深い。
高速の下をくぐる交差点を左に、橋を渡ってすぐのICを5:19に通過し首都高に入る。
思えばこのルートも北へ向かうツーリングではおなじみのものだ。ただ今日は行き先が圧倒的に遠い。
白河の関を超えてみちのくの地とへと向かうのだ。

……ツーリングからほぼ1ヶ月が過ぎた今、残念ながら走り出した直後の明るさは記憶にない。ただあまり暗かった記憶もないので明け方の薄暮の中を走っていたのであろう。

Kは順調に距離を稼ぎ、6:15頃、佐野ICにたどり着いた。佐野の駐輪場にはオートバイの姿が多い。駐輪場手前のあたりにKを停め、佐野到着をつぶやきながら朝食を摂りに行った。
朝食は以前も食べた「男飯」ご飯の上に白モツの刻んだのとチャーシューがのっていて、ラーメンスープが添えられた定食だ。
男飯が手元に届いてから思い出した「これ、ことのほか量が多いから、次は控えようと思っていたんだった」

……若干食べ過ぎ状況で駐輪場に戻る。無事佐野SAに着いて朝食をとったことと出発時のつぶやきへの返信とをツイートする。ついで航続距離を確認。次のタイミング~上河内SAにて給油する予定を立て、6:47 佐野SAを出発。
佐野でも気づいていたが、今日はツーリングライダーが多い。しかもハーレーの比率が高い。「珍しいな~」と思いながら東北道を走る。
それから約1時間後、上河内SAにて給油しようと思ったら、給油待ちのハーレーが約40台前後並んでいた。


列の後ろに停め、前列のハーレーが給油を終えて動き出すのを見計らって、手動でKを押す。約15分くらい並んで給油を終えた。
給油待ちのハーレーライダー達の間では、給油の待ちの列の知り合いを見つけ相互に挨拶を交わす姿が見受けられる。
どうやらこの先でハーレー乗り達のミーティングがあるに違いない。かなりカスタムをしている珍しい車種も見受ける。

上河内SAを出発した後も、高速道にはハーレー乗り達が多い。比較的自分のペースでゆったりと走るハーレーを、僕のBMWが抜いてゆく。
しかしかなりの数が移動しているらしく、「抜いても、抜いても、ハーレー状態」がそれからしばらく続くのであった。

上河内を過ぎ、那須高原にさしかかるあたりで、白いポルシェが傍らを抜いてゆく。結構な年配のおじさんがちょっと気取って運転していた。
ほほえましく思い、特に対抗する気もなかったのだが、なんせこのあたりは2車線。車の渋滞の具合によってはオートバイの方が早く、なんどか隣に並ぶこととなった。すると件のポルシェおじさん、僕が対抗してきているのかと意識をし始め、目の前の車をやり過ごした後、猛然と加速して視界から消えて行った。推定時速180km/hくらいかな?
追いかけて走りたくなったのは事実だが、なんせ「免停前歴1回」の身。この速度でつかまっては元も子もないので我慢した。
……しかしながら2車線の道路、じわじわと追いつき、また隣に並ぶこととなったのである。
さすがにぎょっとする顔で僕を一瞥するが、睨まれたところで僕も対応に困る。素知らぬ顔を続けて走り、また車が詰まったのをいいことに、すり抜けを続けて後ろに抜き去った。場所はちょうど那須高原SAを過ぎ、関東から東北への境界に近づく付近。行政区画が大きく変わるので、このあたりを綿密に流している警察車両がいないであろうことを計算に入れて、それでもおどおどとバックミラーを確認しながら走り抜けたのであった。

Kは順調に那須高原を登り、いよいよ白河へとさしかかる。高速上にもある「これより、みちのく」の看板が、東北の入り口であることを再認識させる。
もちろん西那須野塩原IC以北は、Kで走る初めての道でもある。もっとドキドキするかとも思ったが、以外にも淡々と走り続ける。
向かうのは故郷への道、走っているのは惚れ抜いた愛車なのだから、何のわだかまりもなかったのだ。

白河から須賀川を抜けて郡山に向かうあたり、ちょっと車が混んできた。街が近いから……という混み方ではない。事故か車線規制を思わせる詰まり方である。すり抜け可能な渋滞路ならオートバイに敵はない。(実際は空気を読めない「遅いすり抜けライダー」が難敵なのだが)左右に車線変更をしながら多くの車を抜き去る。オートバイ以上に細かく車線変更ができる四輪車はこの世には存在しない。
「こんな時バイクに乗っててよかったぜ。ランボルギーニもポルシェも渋滞」……と短歌もどきを詠んでみる。おそまつさまです。

さて、車の列に並んだり、前を悠然と走ったりしているハーレー達だが、彼らはその車幅の広さのためか、あまりすり抜けが得意ではないようだ。僕がKですり抜け途中で彼らの後ろにつくと、彼らはいとも簡単に左右に避け、僕にすり抜け路を譲ってくれる。本当にありがたく、嬉しい。
こちらも脇を通り向ける際、会釈をしたり片手を上げたりして、できるだけ丁寧に挨拶をするようにして走ったのであった。

郡山ICを抜けて郡山JCTに向かうにつれて渋滞がひどくなってきた。渋滞の原因はどうやら事故。郡山JCTと本宮ICの間で事故が発生したようである。
しかしながら事故車両は既に片付けられたのか路上には跡形もない。渋滞だけが形骸のように残っているのみである。
だから本宮ICを抜けると、道は自然にすいてきた。左右の車の速度が上がり、車間距離にもバラツキが出始め、やがて通常走行状態のコンディションに戻る。
スムーズな走行に戻った時点で、安達太良SAに到着した。

安達太良ICで缶コーヒーと桃のソフトクリームで一休み。そういえば昔、夏に車で帰省した時に、ここで桃を箱で買って帰ってことがあったなあ。
その時は母親も叔母も二人とも健在だったっけ。……ちょっと感傷的になった。
ふと空を見ると雲行きが怪しい。雨が降り出してきそうなそんな気がする。今日はずっと曇りだったようだが、やはり天気は地域差があるもの。雨具は着ないもののシートバックにiPhoneを移してシートバックにカバーを掛けておこう。これで様子をみながら途中のPA・SAまで走り、必要に応じて雨具を着よう。こう考えて安達太良SAを出発。再び東北道を北に向かう。

走り出してまもなく、軽い腹痛がしてきた。
「あれ、なんだろう? そんな変なものは口にしているわけはないし? アイスクリームでお腹が冷えたかな?」
空模様ばかりか、腹具合まで様子を見ることとなったのは情けないが、ともかく二本松ICを越え福島松川PAに立ち寄ることとする。

福島松川PAに到着。トイレに行って表に出たら雨がぱらついていた。ここで雨具を着ているとハーレー軍団の目的地が仙台の菅生サーキットであるという会話が聞こえた。どうやら専門誌の全国ミーティンが行われるらしい。
すり抜けに気を使わなくなるのでほっとする反面、ちょっと寂しい気もする。マナーの良いライダーばかりだったからなあ。目的地は違うものの同じツーリングライダーだ。この先無事であることを心より祈る。
村田ICを越えると、同走するハーレーの数は激減。反対に対向車線を走るハーレーが目につき始める。そうか、北東北のハーレーライダー達にとっても比較的近場で行われるミーティングなんだものな。
君らも気を付けてな、と反対車線からエールを送る。気づかないだろうけど。

その後もKは順調に走り、仙台を通過し長者原のSAで給油をすることとする。
途中、古川の辺りで土砂降りに遭遇したが、雨具を装着したままだったので助かった。
長者原を通過すると、Kはいよいよ岩手県の県境を超える。Kで走る故郷の土地。やはり感無量だ。

自宅を出発して9時間弱の14:09。紫和SAに到着。休み休み来たのでかなりの所要時間がかかっている。
やっとおなかが空いてきたので、昼食とする。しかしそんなにがっつりと食べたいわけではない。朝食は6:30頃というのに、恐るべし佐野SAの男飯。

ここで親友のやっている会社に電話。軽自動車の販売と整備をやっている会社だ。大まかな到着時間を告げ、駐車場にKを停める。
1時間以上も仕事のじゃまをした後、実家に帰宅。17:45。
本日の走行距離、591.4km。高速料金とガソリン代以外のコストは、男飯980円、桃ソフト330円、缶コーヒー120円、かき揚げ玉子ソバ510円の計1940円だった。
さて今日は友人を家に泊めて、宅飲みだ。ヤツがやってきたら改めてスーパーの買い出しに行こう。

朝ラーに出かける

2013-11-27 22:30:18 | ツーリング
先週の土曜日、朝ラーに出かけた。
場所は磯子の杉田屋。新杉田駅に程近い辺りである。……とはいえ家からは湾岸高速を使い片道30分程度。往復1時間半のプチツーリングでもある。
この店、近くに工場があるせいか、朝の5:00からやっている。「家系ラーメン」としては老舗の有名店なので、朝早くなら比較的混まずに食べられるかな? という計算もあった。

7:27に出発。葛西ICからすぐ湾岸に乗り、磯子までひた走る。降りたら2番目の信号を右折してJRの高架をくぐったら左。角のコンビニの隣である。

Kを停めて食券を買う。チャーシューメンにトッピングは味玉とキャベツ。家系なので注文は「(麺)かため、(味付け)ふつう、(油)ふつう」にする。昔はデフォルトが「かため、濃い目、多め」だったから、さすがに最近はおとなしい。

届いたラーメンに行者ニンニクをスプーン半分投入。熱いうちに麺をすする。ちょっとしょっぱめであったが旨い。豚骨醤油に太麺という家系の基本に忠実なラーメンだった。

食べ終わった頃、20席程度の店は既に満席で、店内に3~4名が並んでいる。
『おいおい、まだ朝の8:30だぞ』、と8:00に来店した俺がツッコミをいれる。σ(^_^;)
食べ終えてまっすぐに帰宅の途につく。ラーメン一杯のために往復の高速代と小一時間。
でも、悪くはない。楽しく走るには目的がいる。
旨いものを食べに行くのに何の問題があろうか。(いや、ない)

……ということで、今回の朝ラーツーリング、無事、完了である。

シークレット・ツーリング

2013-11-17 08:49:23 | ツーリング
某月某日、ツーリングに行ってきた。
その前約一週間のうちで一番天気が良く、それを気に一段と冷え込むようになった日のことだった。
自宅を出て高速に乗る。新木場~箱崎~竹橋~三宅坂を経て新宿へ。そのまま中央道方面へ向かい永福で下りる。待ち合わせのNさんの自宅はここから十数分だ。
無事Nさんと合流し、環八へ向かう。
今日の第一目的地は観音崎公園。そこから久里浜まで走った後フェリーで金谷に渡り、成り行きで房総半島を走ろうというもの。環八から第三京浜~横浜横須賀道路を経由して観音崎公園に着いたのが10:40頃、その日は無料の駐車場にオートバイを停め、海辺に行く。晴れていて風もなく暖かい。海が青くてとても綺麗だ。
休憩もそこそこに久里浜に向かう。なにせフェリーは一時間に一本。乗り遅れると一時間は待たなければならない。県道209~208~210~212と辿り、出港十数分前に埠頭に着く。他に並んでいるオートバイもなく、窓口で切符を買って船に乗り込む。片道1,960
円。係員の指示に従い、ギアをローに入れハンドルロックをかけずに所定位置に駐車。車体の固定作業を確認した後、船室に上がる。地図で位置確認をするとこんな感じ。



程なくフェリーは定刻11:20に出港。40分程で対岸の金谷港に着いた。


さて、昼食タイムだ。ここからなら保田漁港の「ばんや」が定番だろう。数分走って無事に到着。結構混んでいたが、12:40には食事にありついた。

<ミックスフライ定食。なぜか井之頭五郎>

じつは一緒に刺身盛り合わせも頼んだのだが忘れられていた模様。(ー ー;)
ミックスフライ定食でお腹一杯になったことでもあり、注文をキャンセルして支払いをした。刺身は次に訪れる機会の楽しみに譲ろう。

さて、次の行程として久留里城を目指すことにする。房総半島の中央をのんびり走ろうという思惑だ。
県道34号~国道465~410号を経由して久留里に着く。コンビニ休憩で場所を確認してから久留里城に向う。千葉テレビの『週刊バイクTV』という番組で「入口が見落としやすい」と言われていたので慎重に入口を確認して、駐車場に着いた。
ここでオートバイを停め、城へは林道を歩いて向かうことにした。
……失敗した。高低差のある山城。しかも足もとのおぼつかない山道。距離800m弱、登り90m程度。息を切らして、汗をびっしょりかいて、天守閣に到着した。



天守閣の上から四方を眺め、しばし殿様気分を満喫する。
「おお夕餉の仕度の煙が上がっておるぞ。我が領民は今日も平穏に暮らしておるな」……何様だ俺たち。f^_^;

帰りは山道ではなく、普通の参道を通って駐車場に戻った。舗装路だし、下りだし、むちゃくちゃ楽だった。

時間は既に16:00近い。今日は早目に帰路に着くこととする。
県道410号を北上し木更津東ICから館山道~首都高湾岸線を経由して帰る。
途中でNさんの姿が見えなくなって焦ったのだが、トイレに寄りたくなって市川PAに寄っていたことが後日判明。
流れ解散の予定だったから良しとしても、相互連絡の手段は欲しいね……ということで、今後、インカム導入を検討することとなったのであった。



夏休み最後のツーリング20130818

2013-08-27 19:16:46 | ツーリング
母の新盆に合わせて有給休暇を取得した。
このいわゆる「今年の夏休み」も 8/18(日)をもって終了である。
世間的には 8/16~17 が「 Uターンラッシュのピーク」ということで、主要交通機関が混雑したが、最終日の 18日が渋滞しないかといえば、絶対にそんなことはないだろう。午後以降は確実に渋滞すると思われる。
だから、早朝に出発しお昼過ぎには帰ってくるようなルートでのスケジュールを立ててツーリングに行こうと 8/17に画策した。

朝早く……というと店はまだ空いていない事も多いだろうから食べ物目当てのツーリングにはならない。……というか僕の現在の選択肢としては、「早朝=ほったらかし温泉」という単純な図式ができていた。
ルートとしては、ほったらかし温泉の後、高速道の狭間に降りる塩山~奥多摩~青梅ルートではなく、雁坂トンネル~秩父~定峰峠~嵐山小川を選択、帰りは関越道でバビューンと帰ることにした。これは 2011年の10 月、 Nさんと一緒に行った「ビギナー卒業ツーリング」の逆回りパターンのルートでもある。
ルーティングが定まったので早めに寝ることとする。 22:00過ぎに床についた。

8/17 3:35 起床。まだ空は暗い。食事は途中で取る予定だし、行き先は温泉なのでシャワーすら浴びない。身支度を調え、下着一式とタオルをコンビニ袋に詰めて準備完了である。
3:55 表に出てK にシートバックを装着する。南の空にオリオン座が見える。オリオンというと晩秋から初冬のイメージがあるが、そうかこの季節はこの時間に輝いているんだな。
ツーリングに出かける旨をツイッターでつぶやいて出発。 Kのデジタル時計が4:00から4:01 に変わった瞬間に走り出した。

4:06 葛西IC より首都高に入る。バックミラーに見える東の空は少し明るくはなっただろうか? 常時点灯のヘッドライトの光が、まだ頼もしいほど辺りは暗い。
辰巳~箱崎~竹橋の各 JCTを辿り、首都高4号へ。そのまま中央道へと進む。
中央道の三鷹あたりを走っている時だったろうか、急に「出発時にトリップメーターをゼロリセットしないままで走り出したこと」を思い出した。
このままでは「本日の走行距離○○ km」という記録を算出するのが大変だ。このため調布 ICを通過するあたりでトリップメーター2(TRIP2)をゼロリセット。自宅から調布 ICまではネットで調べて加算し、本日の走行距離を算出することとする。調布 ICの合流口付近で「TRIP2」をゼロリセット。無事目的を果たす。

中央道、右手に競馬場、左手にビール工場が見えるあたりで、白々と夜が明けてくる。濃紺から青、やがて紫に明けてくる空に高速道の照明が定期的な間隔で伸びている。なるほど、夜空に続く滑走路のようだ。
中央道のどのあたりだったろうか、朝日がちょうど僕の真後ろから射し Kのバックミラーの両方から太陽の光が目に飛び込んできた。思わず目を細めて直射光をやり過ごす。
今日も暑くなることを予感させるような太陽ではあるが、この時間はまだ優しい。風を真っ向から浴びている体がじんわりと暖かくなってくるような光だ。
しばしその暖かさに体を委ねる。
左手に相模湖を望み始めたとき、 Kの左側のバックミラーが緩んで動いた。
「しまった!」何日か前に Kのカバーを外すとき、ミラーに引っかかっていたことに気づかずに力を入れて引いてしまったのだった。その時は何ともないように思われたが、たぶん確実にゆるみ始めていたのだろう。走行風と振動で緩みが限界に達したに違いない。通勤時間だったのでそのままにしていたが、やはり締め直しておくべきだった。
幸いもうすぐ談合坂 SAだ。朝食を取った後で締め直そう。ぐらぐらするミラーは危ないので、手で回して固定する。鏡面が明後日の報告を向いているが仕方ない。
早めに左の車線に寄って、つまりは左のバックミラーを使わなくても支障がないようにして、無事談合坂 SAにたどり着いた。

談合坂 SA到着をつぶやいて食事を摂りに向かう。結局のところあまり食欲もなく 2つ買ったサンドイッチを 1つだけホットコーヒーと一緒に食べた。サンドイッチ660円、ホットコーヒー150円。
朝食後シート下からスパナを取り出す。ミラー根本のカバーを引き上げてネジを露出させて締めようとするが、逆ネジのアダプターがついていて、上下のどっちのナットをどっち側に回せばいいかわからない。試行錯誤したがうまく行かない。
そこで Evernoteに保存しているKのマニュアルをiPhoneで呼び出してバックミラーの頁を開く。
マニュアルに目を通し回すべきナットを確認。一度緩めてからミラーの位置を確認し改めて締め直した。マニュアルがどこでも参照できるのは便利だとしみじみ思った。
その後、給油をして談合坂SAを後にする。ガソリン代2,225円。

中央道・笹子トンネルを抜け甲府地方へ入る。このトンネルも抜ける前と後では気温も天候も違う峠を貫いたものだ。多分昔はこの峠が異国への境界線だったのだろう。
体感時間数分でトンネルを抜けると勝沼ICを左に通過し、一宮御坂ICが近づく。同ICを6:10に通過し一般道に降りる。R137~県道312号と乗り継ぎR140西関東道路へ。バイパスのような延伸予定の道路を降りるとそこがフルーツ公園入り口。ほったらかし温泉に向かう分岐点である。つづら折りを軽快に登りほったらかし温泉に到着したのが6:28。ツイッターで状況をつぶやいたら談合坂SAにいる時点で僕がほったらかし温泉に向かうことがばれていた。まあ定番のルートだからね。
あっちの湯の入浴料700円とコインロッカー代の100円を払って風呂へ。まずは露天風呂。ぬる湯にゆっくりとつかって甲府方面を見下ろす。

** 風呂にはカメラ等の持ち込みが禁止されていたので脱衣所のデッキから人のいない方向を狙って撮影。念のため。**

さすがにすっかり明るくなっているので夜景のような灯りは見えない。おまけに残念ながら富士山も雲の向こうだった。
屋内に向かい頭と体を洗った後で内湯に入り直す。こちらは露天に比べちょっと湯温が高い。十分に体を温めた後、屋外に出て体をさます。まだ朝の7時半だ。明日の今頃は朝食を取り終えて会社に向かう準備の真っ最中だなと思う。夏休み最後の休日の朝はちょっと寂しい。

7:54。風呂から上がって腰に手を当ててコーヒー牛乳を飲む。120円。爽快。まだお腹は減っていない。雁坂トンネルと大滝ループ橋を超えた後、秩父のマクドナルドあたりでコーヒーでも飲もう。そう考えて身支度を整える。

7:59。ほったらかし温泉・駐車場を出発。R140雁坂みちより秩父方面を目指す。
日曜日の朝、まだそんなに車は混んでいない。R140を快適にとばし、8:38雁坂トンネルの料金所に到着する。通行料金は軽自動車と同じ560円。
雁坂トンネルはとても長いトンネルである。……ということは間違いなく中は寒い(だろう)。Kの温度表示がどう変わるかも楽しみだ。
ちなみに現在の気温は21℃。トンネルの中は何度まで下がるかな?


** 料金所のところでトンネル入り口の写真を撮り、トンネルに入る。**

トンネル内を進むうちに体がしんしんと冷えてくる。結局、その時の最低気温は18.5℃。外気温とは数字としては2.5℃しか違わないが、体感温度はもっとあるような気がした。真夏でありながら太陽の光がありがたいと思えた。
トンネルを越え埼玉県側に降りる。壮大なループ橋を通り、道の駅・大滝温泉を9:06頃通過、日が高くなるにつれ、加えて峠からふもとに下りてくるにつれ、高くなる気温を実感しながらマクドナルド140秩父店に9:35到着。

クーラーの効いた店内に入り、アイスコーヒーとナゲットを注文する。談合坂SAで食べ損なっていたサンドイッチを食べようと思っていたのは内緒だ。ツィッターを確認するとほったらかし温泉名物「揚げタマゴ」は食べなかったのか?……という質問があったので、「あの時間では店、開いてないよ」と回答する。
20分ほど休み、次のルートを確認し、9:58 マクドナルドを後にする。
R299から県道11号に左折。道なりに定峰峠を目指す。途中、対向車に会うこともほとんどなく、無事、10:31 定峰峠に到着。ジャワティーを買って休憩。140円。

定峰峠には、自転車はもちろん、オートバイと車で「峠道命!」みたいな人たちが何組もいた。彼らは峠に上がってはすぐにUターンして下に下りてゆく。排気音がうるさい。そしてすぐまた途中で上がってくる。僕のようなへたくそがとろとろと峠を走っているとあおられそうで怖い。

しかし、いつまでも峠にいるわけにも行かないので、腹を決めて峠を下りることにする。一世一代の決意だ。
『追いつかれたらとっとと道を譲って、僕は無理せずゆっくり下りよう』(^^;;

幸いあおられることもなく無事に峠を下りて小川町を経由し、11:17 嵐山小川ICに着いた。
ここからまっすぐ自宅に帰ることとする。自宅に電話したらカミさんが起きたばかりだった。あと2時間程度で帰ることを告げ関越道に乗る。

盆休みを含む最後の日曜日とはいえ、時刻はまだ午前。関越道は渋滞もなく快適に行程をこなす。11:44 三芳PAで給油。1,980円。思ったより早いペースだ。
よく考えると関越道を通るのはいつも夕方。関越道自体も料金所も結構渋滞している。いつも渋滞しているので通過時間の感覚が違っているようだ。

三芳PAを出ると大泉JCT、和光ICのあたりで多少渋滞気味。しかし戸田東ICを過ぎると渋滞は落ち着き、川口JCTから首都高川口線に入る。
その後は順調に走り抜け、12:35、無事自宅に帰り着く。自宅から調布ICまでの距離を加算して、本日の走行距離を算出。概算361.6km。
4:00にでかけて12:35に戻る、夏休み最後の日の早朝半日ツーリング、無事帰着である。

本日のコスト、交通費(高速代+雁坂トンネル)4,460円。ガソリン代4,205円。……とここで、食費と入浴代の金額を合計しようとして、マクドナルドの料金(アイスコーヒーMとナゲット)を控えていなかったことに気づきホームページを調べたのだが料金が乗っていない。そうだ! マクドナルドって確か地域別の料金体系に変わったんだ……ということに気づく。ネットで探したら、ちゃんと価格データベースを作ってくれている人がいた。感謝。このDBによると埼玉地域のアイスコーヒーは150円、ナゲットが190円とのこと。うん。確かこんな金額だったかな。
ということで、その他合計、2,210円。総計10,875円のツーリングだった。

Solitude Long Distance.<孤独に。長い距離を>

2013-08-08 20:28:17 | ツーリング
かつて那須高原にソロツーリングに出かけた際、気分が悪くなって途中で帰ってきたことがあった。
那須ICから県道17号に抜け、この道をどん詰まりまで行った後、県道30号と国道400号の交差する場所にあるコンビニで休み、そのまま西那須野塩原ICまで降り、東北道をまっすぐ帰着したのである。その時読んでいた文庫本~佐野SAで休憩したとき読んだ~の読書履歴からブログを遡ると2011/9/18に出かけたツーリングであったことが判明した。
今回のツーリングは、このリベンジでもあり、Kでゆく長距離ツーリングでもある。
目的は「霧降高原道路」の踏破。ルートをさっと確認すると「日塩もみじライン」も通ることができる。どちらも関東圏では屈指のツーリングロードだ。きっと素晴らしいものになるに違いない。

   *

2013/8/3。朝5:00に目覚める。
ツーリングへの衝動はいつも突然だ。
梅雨明け後に雨が多くなった関東圏ではあるが、本日の天気は概ね曇り。栃木エリアを午前中に通過すれば、15時すぎからの雨の予報には影響を受けないだろう。
「行こう!」そう決め、早速ツーリングへの準備を開始した。タンクバックにレインウェアは常備してある。いつものポーチから免許証、クレジットカード、健康保険証と少しばかりの現金を抜き取り、薄めの財布に移す。立ち寄り温泉用のタオルをコンビニ袋に詰めてこれもタンクバックに。歯を磨いてシャワーを浴びる。OK。
朝食も途中で摂ることにして、6:03、出発をツイッターでつぶやいてKのエンジンをかける。
電源をオンにするとオンボードコンピュータが立ち上がり電送系のセルフチェックが始まる。同時にETCユニットがカードの有無を確認し、グリーンのランプを返してくる。
三角の中の「!」マークの赤表示が黄色に変わって消え、セルフチェックが終わる。スターターボタンを押すとギュルルンとかん高い金属音がしてエンジンが起動する。シートバックの固定を確認しクラッチを握ってギアをローに踏み込み、静かにクラッチを繋ぐ。258kgの車体が僕を乗せてゆっくりと動き出す。
最初の角を右折、次を左折して信号のある交差点を左折。小学校の手前を左折して突き当たりを左折すると次がR357・湾岸道路に繋がる交差点だ。
交差点を右折して湾岸道路に出る。ちょっと走った後で舞浜大橋を超えれば、すぐに首都高、葛西ICの入り口である。
6:10。ICを通過。そのまま左側を走り、葛西JCTから中央環状線・東北道方面に進む。

無事合流を果たし速度が安定すると、僕の頭は回想モードに入る。それは数日前に亡くなった叔母のこと。大切な記録としてブログ等に残しておきたいと思ったのだが、どんなエピソードを書こうか、どんな思い出がそれにふさわしいか、どんな書き出しにしようか、……等々を考える。亡くなった人間は誰かが思い出すことによって現世に甦る。今日は叔母の追悼ツーリングでもあるのだと思う。

首都高を抜け東北道に入り、岩槻IC付近を通過する。ここまでで乗車開始から40分弱。休日の早朝で車が少ないとはいえ免許が心配になるようなペースである。バックミラーで周囲を確認し、少し走行ペースを落とす。ふと気づくと蓮田SAを通過。平日であればそろそろ朝食の時間である。羽生PAで軽食でも摂ろうかと思ったが、起きてから何も口にしていないし、多分今日は長丁場のツーリング。佐野SAまで足を伸ばししっかりと朝食をとることとした。

7:10頃、佐野SAに到着。駐輪場にオートバイを停める。たまたま通りかかった子供がKを指さし「あの黒いオートバイカッコいい」と言ってくれる。
思わず「ありがとうね」と口にだすと親御さんと一緒に破顔一笑。ささやかな嬉しいコミュニケーションである。
気分を良くしてフードコーナーへ。佐野だけあってラーメンモチーフのメニューが特徴的だ。(麺をモンブランで模したケーキまであった)
今日はその中から「男飯」というものを頼む。\980。ご飯の上に白もつとラーメン用の煮豚、刻みネギが乗っていて、付け合わせのスープは醤油味のラーメンスープだ。

これにメンマとナルトとノリが加われば完璧なのだが、まあ食べて美味しかったから文句は言うまい。

7:30頃、出発。しばらくしてオンボードコンピューターの表示が<FUEL!>に変わる。給油だ。あと約81km走れるから、先の上河内SAで給油しよう。
8:12。上河内SAで給油。12.78Lで\2,198。やっぱりハイオクはちょっと高いかな。

給油後、何のストレスもなく西那須野ICに到着。8:31。まだまだ走行車両は少ない。国道400号で日塩もみじラインをめざす。
きちんと表示が出ていたので、分岐点を間違うこともなく日塩もみじラインに入る。早々、前を走っていた車2台をまとめて追い越す。

Kのエンジンは余裕のある出力を持っている。トップギア6速4,000回転で約105km/hというものだが、そこから登り坂や向かい風、あるいは追い越しをしようとしてスロットルを開けると、Kはまるでそれが低いギアであるかのように力強く加速する。前述の登り坂や向かい風、あるいは危険回避等、いろいろなことを考えても、この高機動力はありがたい。
たとえそれがCBと比較して若干低い燃費であったとしてもだ。(実際のところCBは1Lあたり平均16km前後、Kはまだデータも少ないが平均15km前後である)

余裕のある高機動エンジンでKはコーナーを次々とクリアして高原の道路を駆け上がる。
Kの大きな特徴のひとつ「デュオレバーサスペンション」をひと言で説明するにはメカニックに造詣が深くない僕には難しい。ただ従来のテレスコピックサスペンションに比べ、前輪ブレーキを強くかけても車体が前方に沈み込むことがないということは言える。また前輪の接地感が強く、コーナーでの不安感が少ないため、自分で思っていたよりも早くコーナーを抜けることができる。そうかこれが他の方がインプレッションで言っていた「自分が巧くなったと錯覚するコーナリング」か。
いずれにせよ運転が楽しい。コーナーを安心して回れるということが、オートバイの基本的な楽しみになんと彩りを添えてくれることか。

やがて道路は下りに転じる。安心感のある前輪のおかげで、怖い思いをすることもなく料金所についた。\400の料金を払って交差点手前の駐車スペースにKを停めて一休みする。現在時刻9:43。ツイッターに返信をしたり、状況をつぶやいたりした後で発進。霧降高原道路へ向かう。

日塩もみじラインの出口から右折して国道121号に出る。道なりに進むと川俣温泉方面に向かう県道23号。これが霧降高原道路に向かうルートである。川治ダムを右手に見て超えたあたりで休憩。自動販売機でレモンウォーター(\130)を買って川沿いのベンチに腰をおろす。
下方を流れる鬼怒川は水量がとても少ない。都内でゲリラ豪雨が頻発する昨今であるが、首都圏に水を供給するこのあたりに雨が降らないのは残念に思える。

ちょっとして再スタート。地図だけでは分岐点を見落としそうだったが、思ったよりわかりやすい看板があったせいで容易に霧降高原道路方面に曲がる。つづら折りの道路を快適に駆け上がり、牧場のT字路を右折すると霧降高原道路である。薄曇りであった天気は山の上の方から雲が降りてきて、まさに「霧が降るような」光景を見せている。整備された道路と相まってとても雰囲気がよい。もちろん抜けるような青空に白い雲が浮かんでいるようなロケーションは最高だろうが、この「霧降高原」という名前にふさわしい今日の天気も悪くはない。
ただしこのときの気温は17度。下界では28度あったことを考えると正直言って肌寒い。しかし特に凍えることもなく、霧降高原道路を堪能して日光市に降り立ったのであった。

10:57。JR日光駅前にオートバイを停めて、今後の行き先を思案する。今回は「霧降高原道路」を制覇するのが目的だったので、ここから先のルートを真剣に考えてはいなかった。
ここから日光街道の杉並木を走って東北道で戻ろうかとも考えたが、まだ日は高い。
日光市街からいろは坂を登り中禅寺湖から戦場ヶ原を抜け金精峠を通って沼田市へ。道の駅白沢で露天風呂につかった後で永井食堂のもつ煮のおみやげを買って帰宅するという定番極楽ルートを選択することに決めた。
11:05、このルートをつぶやいて出発。いろは坂(登りは久しぶりだ)、中禅寺湖、戦場ヶ原、奥日光を超え、金精峠に向かう。奥日光付近で気温が下がり小雨がぱらついてきた。トンネルに入った時点でKの温度センサーは15.5度を指す。正直に言ってかなり寒い。全体的に寒く、また体の前面にあたった雨が気化熱を奪ったからだろうか、お腹の調子がおかしくなってきた。トンネルを出た先のレストハウスにオートバイを停め、お手洗いを借りることとなった。再出発の際、立ち寄り温泉で使用する予定のタオルを折りたたんでお腹に当てる。もうこれ以上寒くなることはないだろうがお腹の予防だ。ただいまの時刻12:12。現況をつぶやこうと思ったが圏外。そのまま文章を保存して出発する。
その後、お腹の調子が悪化することもなく無事沼田市の「道の駅・白沢」にたどり着いたのは、13時過ぎのことであった。

13:10頃、道の駅・白沢の望郷の湯に入ろうと思い、2時間の滞在料金を払う。\550。レストランを利用すると、この滞在時間が1時間延長されるらしい。昼食を摂っていなかったのでまずレストランに向かいネギトロ丼とノンアルコールビールを注文する。
当然ながら先にビールが運ばれてくる。暑い中を走っていたのでノンアルコールビールだが美味い。『これが本物のビールだったらなあ』という野暮なセリフは心の中だけにしておこう。
のどが渇いてあっという間に飲み干したノンアルコールビールのおかわりが届く直前にネギトロ丼が届いた。ネギトロ丼を肴にノンアルコールビールを飲む。『これが……(以下省略)』

食後、畳の間でしびれた足を引きずりながら風呂に向かう。今日は前回・前々回とは異なり、男湯・女湯が逆だ。初めての風呂はちょっと嬉しい。まずは露天風呂に入り、洗い場で頭と体を洗った後で内湯に入る。その後ジェットバスを堪能し、屋外のテラスで横になって腰にタオルを乗せて仮眠した。うとうとした程度かと思っていたらどうやら30分以上は仮眠していたらしい。もう午後3時を回っている。改めて寝汗を流し露天風呂に入り直した後、着替えて食事代を精算し表に出る。食事代合計\1,950。午後3:20、永井食堂を目指して出発する。

今日(8/3)は沼田市街はお祭りだったようで交通規制がしかれている。見知った道を通過することができず、前の車について裏道を進む。途中であて推量で道を選んで走ったら、何とこれが大当たり。裏道を抜けていつもの道にたどりついた。
そのまま国道17号にでるとJRの線路を蒸気機関車が走ってゆく。何かイベントでもあったのだろう。少しの間SLと併走して国道17号を走り続けた。

16:12。国道17号沿いにある永井食堂の駐車場はいつも通りの盛況である。食事時間が終了しているにかかわらず、何台もの車が駐車場に入ってきてはおみやげのもつ煮を買い、駐車場を後にする。
早速僕も店に入り、おみやげのもつ煮を3袋買ってシートバックに詰め込む。\3,210。
永井食堂をでようとしたら、<FUEL!>の画面になった。走行距離からしても、ちょうど給油のタイミングだ。直接赤城高原ICへ向かうのはやめて、国道17号を南下。給油を終えてから関越道に入ることとする。途中のENEOSのセルフスタンドで給油。12.66L、\2,115を支払い、16:30頃ガソリンスタンドを後にし、渋川伊香保ICより関越道に乗った。

乗った直後の関越道はたいした渋滞もなく順調に走り続けていたが、途中で事故があったらしく高坂SAあたりから嵐山PAあたりまで渋滞していた。この渋滞を(文字通り)すり抜け、高坂SAで休憩を取った。さすがに僕も疲れていたのだろう。少し甘いものが欲しくなったので「焼き芋ソフトクリーム・バニラミックス」を購入。\330。冷たくて甘くて美味い。食べ終わった後、サービスの玄米茶で口直しをして17:50頃出発する。

高速道は休日の都心方向に戻る渋滞が始まっていた。関越道・大泉JCTから外環道浦和IC付近まではほぼ車が連なっている。
このツーリングでだいぶKの車幅感覚も身についた。つまりはあまり怖さを感じることなく車間をすり抜け走行することができるようになった。
外環道浦和ICを過ぎると少し車間が空いたものの、基本的に渋滞気味であることに違いはない。焦ることなくマイペースで走り続ける。
川口JCTから首都高に入りそのまま湾岸線方面へ。葛西ICで降りて舞浜大橋を渡り自宅に帰り着いたのは18:50頃だった。

高速代、有料道路を含めた交通費\5,350、ガソリン代\4,313、食費とおみやげ\7,150。本日の総コスト\16,813。
全走行距離538.3kmのツーリング、無事終了である。

solitude , a long-distance

2012-05-14 22:40:27 | ツーリング
久々のツーリングはトラブルから始まった。ハーレーのNさんの左ハンドルのユニットを停めているボルトが折れ、クラッチとミラーが緩んで回るのだった。酒々井SAで対策を検討した僕らは、すぐ次のインターで降り、ハーレーの代理店に向かった。

幸いなことに修理はすぐに終わり、高速に乗り直した僕らは成田を越え潮来で東関道を降りる。そのまま道なりに銚子へ向かい、「一山いけす」で昼食をとる。
まだ動いているイカの刺身やアイナメの煮魚に舌鼓を打ち、店をでる頃にはすっかり満腹になっている。犬吠埼灯台前のソフトクリームすら食べられないほどに。
小休止のあと九十九里へ向かい、波乗り道路を走り終わって一宮付近についたころには、もう午後五時なのだった。
時間的に勝浦方面に向かうことはせず、房総横断道路を経由して木更津からアクアライン方面へ。海ほたるで流れ解散とする。

今回のツーリングが楽しくなかった訳では決してない。気のあった仲間とオートバイに乗って、美味い魚介類を食べに行ったのだから。
しかし、何故か心の中に割り切れない思いが浮かぶ。

走るのも、曲がるのも、停まるのも、休むのも、食べるのも、全て気ままな僕だけのツーリング。
傍らを併走する影と、対向する風と、頭の中に浮かぶ想いだけが道連れの、孤独だけど自由なツーリング。

『独りきりで、より遠くへ……』

そんなツーリングに、たぶん僕は出かけることだろう。近いうちに……。

ビギナー卒業ツーリング2

2011-10-22 09:44:13 | ツーリング
雁坂トンネルを出たところで休憩。寒いトンネルで若干冷えた身体に暖かい陽の光がありがたい。Nさんがタバコを吸い終わるのを待って走り出す。昼食は「民芸茶屋 清水」いのぶた料理で有名な店で、あの『美味しんぼ』でも紹介されている。僕らはそこでいのぶた鍋をそれぞれに、溶岩焼きを一人前シェアして食べることにした。ノンアルコールビールをお供にして。

ゆっくりと料理を堪能したあとで、次の目的地、ほったらかし温泉に向かう。

13:50 ほったらかし温泉着。今回は打たせ湯のある“こっちの湯”にした。青い空、決して暑すぎることのない日差し、美しい稜線を見せる富士山、風にそよぐまだ穂が開ききっていないススキ、……最高の露天風呂だった。
風呂を出て水分補給をしながら身支度を整える。二人とも怪訝な顔をしてポケットを探しながら「あれ? もしかして……」などとつぶやいている。
そわそわと駐輪場に戻ると、Nさんのハーレーはメインイグニッションに、僕のCBはヘルメットホルダーに、それぞれキーを差しっぱなしにしたまま、温泉で小一時間を過ごしていた事が発覚した。
「いや~日本っていいね。(盗難が少なくて)」とNさんが言う。僕も苦笑いを浮かべながら同感。情けないほどオッチョコチョイの二人であった。f(^_^;

ほったらかし温泉を後にして、山梨市駅手前で給油。そのまま、勝沼・シャトーメルシャンに向かう。迷うことなくシャトーメルシャンに到着。(今日の成功で完璧に道を覚えたぞ)
オートバイを停めてショップに向かう。以前と場所も変わり綺麗になり、試飲が有料になった(残念)ショップで、ワインを物色する。Nさんは赤を2本、僕は赤白1本づつを買い、バックにセット。
時間は15:40。連休最後の日ということで混み始めるであろう中央道に早めに向かう。
勝沼~大月~談合坂SAまでは順調だったが、上野原から渋滞が始まる。Nさんのペースに合わせ、若干スピードをセーブしながら渋滞をすり抜ける。……とはいえ、他のライダーに比べ、スピード、安心感に遜色はない。事実上「ビギナーは卒業した」といえよう。

おめでとうNさん。次は普通のライダー仲間としてツーリングに誘うよ。

左後方を確認せずに進路変更する車に押し出されるように中央と左車線の間に移動する僕。同じ車線に復帰するまで目の前のペースメーカーを失ったNさんは、それでも問題なく走行を続けていた。
17:01 中央道八王子料金所を抜けたところで最後の休憩。ここを走り出せば高井戸ICで降りるNさんと僕は流れ解散となる。
今日のツーリングを振り返って、次のツーリングの約束を交わしてヘルメットを被る。十四夜の月が妖しく美しい。

中央道・高井戸IC。彼の右拳、僕の左拳をお互いに突き出し、短くホーンを鳴らして別れる。彼と別れた僕は若干の寂しさも手伝って、ほんの少しスピードを上げる。前走車が近づき、僕は急流の岩をすり抜ける魚のように車体を左右に傾けながら車を追い越す。首都高へ入り、箱崎から新木場を抜け、湾岸線に合流するスロープを降りると目的地も近い。江戸川に架かる橋を登り、右手に観覧車を見ながら高速を降りる。次の橋を渡れば、もう僕の街だ。

2011/10/10 18:07:18 無事自宅に帰着しTwitterに記録をする。
本日の走行距離、354.2km。月は今も綺麗だ。

ビギナー卒業ツーリング1

2011-10-21 20:56:20 | ツーリング
10/10 ビギナーツーリングの彼を誘ってツーリングに出かけた。ルートは関越道・嵐山小川から秩父へ越え、ループ橋と雁坂トンネルを抜けて山梨へ。いのぶた鍋を食べて、ほったらかし温泉に入って、勝沼でワインを買って中央道で帰ろうという関東外郭周遊ルートである。このルートを何の問題もなく走りきれば、もうビギナーは卒業だ。



待ち合わせは、関越道・三芳PAに8:30。一時間前の7:28、自宅を出発。混んでいて遅刻しなければいいなと思いながら首都高に乗る。箱崎経由で5号線。池袋から外環道を経由し、大泉JCTから関越道に乗る。幸いなことに三連休最後の朝だからか、行楽地へ向かう車は少ない。7:50頃池袋を、8:00頃に外環道を通過し、8:11に三芳PAに到着する。

駐輪場にCBを停めると前方からにこやかに笑いながらNさんが近づいてくる。ちょっと前に着いたとのこと。さすがの心掛けだ。
本日のルートの大まかな説明をして、まずは嵐山小川ICを目指す。体調、給油、ともに問題なし。そうそう、他のメンバーはSさんが休日出勤、N君は子守り、Fさんは風邪の熱が下がらず断念。ということで、僕とNさんだけのツーリングである。

三芳PAを出ておよそ30分後の8:55、嵐山小川ICに到着。
Nさんの様子だが、途中の高速走行に不安はない。巡航速度での「千鳥配置」。遅めの車を追い越す際の速度アップと車線変更。いづれも不安を感じさせることない走りである。これは思ったよりスムーズにスケジュールがこなせそうだ。

嵐山小川ICより県道11号線を経て定峰峠を目指す。実はこの県道11号線だが、途中でR254と重複するらしく、小川町の道路標識にきちんと表示されていない。おかげでこの町で迷わずに通り抜けた事がない。道路標識は地元民の為ではなく、旅行者の為にあるべきだといつも思う。
今回も実は迷った。しかし抜けるべき方向へ何度かルート変更を重ねるうちに偶然見知った道に出た。これぞ本当の紆余曲折を経て、無事県道11号線を捕まえたのだった。

定峰峠は小さいコーナー複合コーナー続き、登り勾配の角度も大きい峠である。この峠をハーレーで、僕にあまり遅れずについて来たのは大したものだ。まあ僕がそう速くないのだが。
9:45に定峰峠の茶屋で一休み。缶コーヒーを飲みながら次のルートを確認する。ここから秩父へ降り、彩甲斐街道を山梨方面に進む。途中の道の駅・大滝温泉で休憩した後、豪快な景観を見せるループ橋を通り、6kmちかくある関東屈指のトンネル~雁坂トンネルを通り、山梨に向かうのだ。

秩父の町は渋滞もほとんどなく、道の駅・大滝温泉のコバルト色の綺麗な川、壮大で気持ちの良いループ橋、外気との気温差が2~3度あり、とても寒かった雁坂トンネルを抜け、12:00を少し回った頃、山梨に入った。

ボルケーノ・ハイウェイ

2011-09-19 11:29:59 | ツーリング
ソロツーリングに行きたかった。スピードも、休憩も、目的地さえも勝手気ままで自由なツーリング、孤独ではあるがとびきり自由なツーリングに。
目的地はボルケーノ・ハイウェイ。近年無料になった那須高原有料道路である。

 9/18 6:30。布団の中でツーリングの夢を見ている。今までも数度、夢のままで走り出さなかったことがあったが、今日こそは違った。今日走りに行かなければこのシーズン内では出掛けられないだろうという覚悟があった。
 何故ならば那須高原は遠い。東北道のその峠を北に越えるとそこは白河。みちのくの玄関口である。東北出身の僕としては「関東の境界線」まで赴くという感があった。
 それに加えてボルケーノ・ハイウェイはいわゆる「袋小路」である。その峠を越えて別の場所に降りられるわけではなく、引き返して戻ってこなければならない。それ故、日帰りツーリングルートとしては優先順位が高い方ではなかったのだ。
 しかしながら今日は違う。とにかく徹底的に走りたかったのだ。それも一人で。

 シャワーを浴び、身支度を整えて7:51自宅を出発。今日はメッシュジャケットを着込みライディングブーツを履いた高速対応フォームである。しかしながらシートバックの中には文庫本とコンビニ袋に入れられたタオル。温泉立ち寄り準備も滞りない。途中で行き先を変えるにしても、何とでもなるような汎用装備ではある。

 8:50 羽生PAで朝食。パンとコーヒー。食い物に気を使わなくて良いのもソロツーリングならでは。
 ツーリング中であること、大まかな目的地をツイッターでつぶやいて出発。ヘルメットを被って出発。

 太陽は僕の右前から差している。右足の脛、膝、太ももが暑い。秋と言うには早く、夏と言うには遅いこの季節。メッシュジャケットは正解だったがジーンズとライディングブーツは暑かったかもしれない。

 佐野SAで早めの給油を行う予定だったが車線選択の都合で入り損なう。次の給油先、上河内SAの1km手前から給油ゲージがランニングアニメーション(給油モード)になる。有無をも言わせずSAにて休憩。
 仲間のつぶやきにResを返し、給油を終えた後再出発。ここからなら目的地はそう遠くない。

 「那須IC渋滞。1km手前より」という看板を不吉な思いで読む。「連休中日、午前中の観光地」だ。確かに出口前からの渋滞を仁義も情けもマナーすらなくすり抜けまくって料金所を通過。そのまま那須高原リゾートへ向かう道も路肩走行しまくりでボルケーノ・ハイウェイに向かった。
 リゾート地域を抜け、殺生石の辺りを越える時点で渋滞は落ち着き、ボルケーノ・ハイウェイ自体は比較的スムーズに通過した。しかし、今度は那須ロープウェイ渋滞に阻まれ、快適な峠道とはいえなくなった。ロープウェイ駅前を通り過ぎ、峠の茶屋まで行かないあたりでUターン。ヘトヘトになって峠道を降りてくる。

 途中の大丸園地で休憩。友人達より那須のお勧めスポットが提示されるが、残念ながら気力・体力が思わしくない。観光地渋滞の延々の路肩すり抜け走行でかなり消耗したようだ。
 そろそろ昼食の時間ではあるが、観光地でバカ高い食い物を食う気もせず塩原方面に抜ける県道30号を走る。昼食は途中のコンビニでパンでも食おう。

 そこそこに快適な県道30号を走り、県道400号と交差するコンビニで昼食休憩。サンドイッチとコーヒーを買って、店の日陰に腰を下ろし、そこでおもむろに昼食とする。コンビニの駐車場に腰掛けて昼食を取るなんて、ソロツーリングは気楽で良い。
 さて、改めてこの先のスケジュール組み立て直す。ツーリングルートとしては県道400号、日塩もみじライン、鬼怒川温泉を経由して今市に抜け、そこから日光有料道路~東北道を通って帰着するのがセオリーかと思う。
 しかしながら正直、片道3時間の工程はきつかった。前日の読書の関係で睡眠時間が4時間半程度しか取れていず、おまけにこの暑さと渋滞疲れである。無理をして行けない行程ではないが、楽しめないなら無理する必要もない。このルートは、また日を改めればよい。

 ……ということで、ここから真っ直ぐ西那須野塩原ICに降り、そのまま東北道を南下することにする。
 途中、眠くなってたまらずに佐野SAで休憩。30分ほど文庫本を読んだ後、復帰。15:50頃、無事帰着したのであった。同日はそのまま文庫本の残りを読み続け、25:00頃就寝。現在に至る。

 結局のところ、目的地に行ってとんぼ返りで帰ってくるだけのツーリングだったが、そんなのもたまにはいいだろう。
走りたかった道を走ったことに変わりはないのだから。