A Rider's Viewpoint

とあるライダーのものの見方

2008・大晦日

2008-12-31 12:09:46 | 所感
 大晦日である。
 朝、残り湯を沸かして風呂に入る。戯れに開高健の「ロマネ・コンティ・一九三五年」を半身浴をしながら読む。

 昔は何が何だかわからなかったこの短編小説の、ワインを女性に例えた描写や睦みごとの描写なども今ならばほぼきちんと想像がつく。僕が歳を取ったからなんだろう。経験を重ねることで知るものもある。

 それはともかく今日はオートバイを洗い、車を洗い、部屋を片付ける。田舎の友人に電話をし、買い物に行き、酒肴の準備をする。
 昨日のうちに買い求めた田舎のワイナリーの白ワインとイベリコ豚の生ハム、それに地元のスーパーでスモークチーズとナッツ、あとは活タコのマリネでも作ろうか。
 
 今日はいつもよりゆっくりと、じっくりと時を過ごそう。ワインを口の中で転がすときのように。

 歳を重ねることを、ただ「老い」としてだけとらえるのではなく、重ねた時だけがもつ「熟成」とか「結晶」とかを僕たちの人生にそっと添えるかのように。重ねるべき時を、ただ慈しむように。

私信・遅延予告 m(_ _)m

2008-12-27 08:07:45 | たわごと
 前略

 えー、面倒くさがり屋の僕の数少ない年賀状ですが、日本郵便様のお話ですと、元旦にお届けするためには、12月25日までの投函が必要な模様です。

 ちなみに、本日現在、葉書はいまだ白紙のまま机の上に束ねてあり、上記締め切りまでの対応は履行できませんでした。
 何とか年内には投函する予定ですが、皆様のお手元へ届くには元旦どころか、よりいっそうの遅延が想定されております。

 何とか松の内にお届けすることを目標としておりますので、関連各位のご理解とご寛容を賜りたく、ここにお知らせ申し上げます。

 12月27日・朝。とほほな気持ちを添えて。

 早々

コーヒーメーカーを買い換えた

2008-12-23 14:14:00 | ハード
 新しいコーヒーメーカーを買った。以前のものはデザインが気に入って使っていたフィリップス社製品で、2台買いつないで10年以上も使っていた。
 いかに大切に使っていた製品であろうと、うろうろする犬が電源コードを引っかけてテーブルから落っことす事故に対しては無力だ。おまけにその製品がガラスでできている部品があるのであれば。(=_=)

 ……ということで、コーヒーメーカーの新しい候補を探す。
 検索エンジンでコーヒーメーカーと入れて表示される機種を、メーカーのホームページに遡って探すのだ。

 結果、今回はサーモス社の真空断熱ポット・コーヒーメーカーECE-1000に決めた。今までのコーヒーメーカーのようにスリムで置き場所を選ばないこと、ステンレス製のポットに直接コーヒーをいれるので、冷めにくく、また加熱による味の劣化がないこと(~煮詰まったコーヒーはまずいぞ)、Web上での情報提供が一番丁寧でわかりやすかったことが、その理由だ。(もちろん色使いやデザインも大事な選択肢だったが) (http://www.thermos.jp/Products/purezza/ECE.html)

 最寄りの電気店で購入し、さっそく使い始めてみた。以前のものに比べ、ポットが透明ではないため、コーヒーの残量がわかりにくいのが難点だが、まあこれは使い続けることによって、マグカップ何杯分になるのかは、次第にわかってくるのだろう。

 犬が落っことしてからほぼ一週間。久々に飲むレギュラーコーヒーはやはり旨い。
 一杯のコーヒーから始まる朝というものは、僕の日常生活になくてはならないものだったということに、改めて気づいた今回の出来事であった。

鹿革のウィンターグローブ

2008-12-16 18:53:14 | ハード
 三週間ほど前、ウィンターグローブを新調した。今までのグローブは革の大きめのグローブに、インナーとしてもう1枚布製のグローブを重ねて使っていたのだが、これは装着に時間がかかり、自分でも多少面倒だった。
 昨年の冬、グリップヒーターをつけたことから、装着が楽な1枚もののグローブにしようかと考えていたのだが、先月それを実行することにした。

 インターネット等で情報を調べ、あたりをつけていた商品の型番をメモに控え、ショップに向かう。
 グローブとかジャケットはフィッティングが大事だ。特に冬の厚手のグローブ。装着感がいまひとつだと安全面にも影響がある。
 お目当ての型番でサイズを確認しつつ、防寒インナーの厚さの違う製品も何種類か試してみる。その中にそのグローブはあった。

 合成皮革ではない本革のグローブである。多少ごわごわしていて当たり前なのだが、そのグローブは違った。
 手に持って柔らかく、心持ち肌に吸い付くような感覚がある。思わず頬ずりをしたくなるような柔らかさ……。

 まいった。完全にやられた。

 牛革の同じタイプのグローブよりいくらか高価なのだが、その価格差をものともしない圧倒的な肌触りの魅力に負けて、僕はふらふらとレジに向かったのであった。

 それから三週間。バイクに乗る際は必ずこのグローブを使うばかりか、寝るときに隣に置いて手触りを確認している時がある。(^^;
 自分はフェティシズムの傾向は薄いと思っていたのだが、さにあらず。『鹿革フェチ』の資格は十分にあるようだ。

 じつは革ジャンを新調しようと思い、何年も前から貯金をして、そろそろようやっと購入できるメドがついたのだが、このままではその革ジャンも鹿革になりそうな気配だ。
(その分、間違いなく値段は上がるのだが)

 げに恐るべし、鹿革の魔力……。僕はこの呪いからちょっと抜け出せそうにない。

食べ物の話・3題

2008-12-06 21:42:23 | 食べ物
 土曜日の朝、目覚めた。カミさんと娘はまだ寝ている。どうせ昼頃までは起きないだろう。……ということで車でひとり朝食をとりにでかけた。

 今日は松屋の牛味噌煮込み豆腐定食にする。
 牛煮込みを少し、味噌味のたれと豆腐を丼の上にのせ、突き崩してご飯と一緒に食べる。旨い。
 翌日のすき焼きの、味がしみて崩れた豆腐や煮込んでくたっとなった春菊や白菜の端っこをご飯に乗っけて食べるのは旨いが、それに煮たうまさがある。
 思わず夢中になって食べた。次はサイドオーダーで半熟玉子を頼んで、一緒にご飯に乗っけて食べよう。きっと旨いに違いない。
http://www.matsuyafoods.co.jp/menu/lineup.html


 *

 松屋を出て図書館によって予約の本を受け取ったあと、コンビニによってアイスクリームを買う。最近の好みは江崎グリコの「ボンバ」である。カップ型アイスの上にアーモンド、チョコがコーティングしてあり、クッキーのかけらが乗っている。サクッとクッキー、カリッとアーモンド、パキッと口で割れるチョコとアイスクリーム。食感が楽しいアイスでもある。
 しかしこのアイス、よく買い間違える。バニラショコラとカフェショコラの2種類があり、要はベースのアイスがバニラ味かコーヒー味かの違いなのだが、バニラを買おうと思って、今までに3度も間違えている。
 今日、じっくりとパッケージを見て、その理由に気がついた。パッケージの色である。
 バニラショコラのパッケージの色は、チョコレート色(濃い茶色)、反面、カフェショコラは白っぽいパッケージである。
 普通は、バニラ=白、コーヒー=茶であるから、どうやら僕は無意識に白いパッケージを手に取っていたらしい。
 買い間違えると悔しいから、たいていは次の機会に同じアイスを選んでリベンジしようとする。僕は3回間違えているから、そのリベンジを含めて、6回はこのアイスを食べている。つまりは3回分余計に購入しているという訳だ。
 単に僕が慌て者なだけなのであるが、もしそこまで考えてパッケージの色を決めていたとしたら……。恐るべし、江崎グリコ。(-_-;)
(そんな訳ないよな)
http://www.glico.co.jp/bomba/index.htm

 *

 今日の昼食は(……といっても買いにでかけたのは午後2時頃)、ハンバーガーにした。娘はモスバーガーが食べたいと言ったのだが、僕のわがままでマクドナルドに変更した。なぜならば、マクドナルドがクオーターパウンダーというハンバーガーを関東圏で発売したからだ。

 このクォーターパウンダー(長いからQPとする)、懐かしい思い出がある。つまりは全く新しいメニューではなく過去のリバイバルである。
 僕が首都圏に出てきた20数年前、マクドナルド日本第1号店、銀座三越店にそのメニューがあった。(他の店にもあっただろうが覚えていない)
 1/4ポンドのパティを使うという意味から名付けられたQPは、肉の食間もありハンバーグをパンに挟んでいるという感じがしたものだった。

 しかし、その後、「ダブルバーガー」という一般的なサイズのパティを2枚挟んだメニューに代わり、QPは姿を消す。
 薄切り肉を2枚重ねて食べる味と、2倍の厚さの肉1枚との味は同じではない。
 2枚重ねても薄い肉は薄い肉の味しかしないものだ。(端的に言えば、肉のかまぼこを挟んだような薄っぺらな味で、決して旨くはない)

 今回、QP(正確にはチーズクォーターパウンダー)を食べたところ、きちんと挽肉で作ったハンバーグの味がした。懐かしかった。

 ハンバーガーといえば、「駐車場やドライブスルーが完備され、24時間利用できて便利だけど味はさっぱりなマクドナルド」と「不便だけど旨いモスバーガー」というイメージが僕にはあり、その時の気分で使い分けている。いつもはほぼ半々の利用だが、QPが定着するなら、もう少しはマクドナルドの利用が増えるかもしれない。(最寄りのモスバーガーにきちんとした駐車場さえあれば、利用率は圧倒的にモスバーガー側に傾くことは間違いないのだが)

 ちなみに、ダブル・クォーターパウンダーって、ハーフ・パウンダーじゃないのか? ……といった意見を耳にしたことがあるが、この意見は全くの的外れである。

 QPとダブルバーガーが決して同じ味や食感ではなかったように、厚い肉と薄い肉のそもそもの味や食感が違うように。
“1/4×2=1/2”では決してない。食べ物は数式ではないのだ。

 また、パティやバンズの数だけを増やした「メガマック」などという話題性だけで、ちっとも美味しくないメニューを増やすくらいだったら、もっと上質のハンバーガーを作って欲しい。

 だからこそ、QPの復活は、僕にとって嬉しいニュースのひとつである。それが例え期間限定であったとしても。
http://www.mcdonalds.co.jp/menu/limited/quarter-pounder/index.html

恋に落ちる準備を進めていた

2008-12-04 22:45:52 | つれづれ
 夢を見た。
 過ぎ去りし日の夢、大学のオリエンテーションの教室だ。季節も天候もはっきりしない。白く淡い霞に包まれたような柔らかく厚みのある空気の部屋。音は柔らかく軽く残響が残る感じ。特徴のないぼんやりとした姿の多くの級友の中に、ひときわはっきりとした色彩をたたえたあの娘がいた。

 白いブラウスに水色のジャケット。腰までの長く黒い髪にくりっとした瞳。多少ふっくらとした頬にとがった八重歯。ちょっと舌足らずな話し方。

 人は突然恋に落ちると言うが、それは嘘だ。
 少なくとも僕は、彼女を初めて見たときから、恋に落ちる準備を進めていた。

 行き帰りの電車に、駅からの道に、教室の人混みに、さりげなくいつも君の姿を探す。名簿をもらえばその名前を、住所を知ればその場所を、好きな作家を知ればその本を。
 あの娘のデータを集めるたびに、知っている事の少なさと、知らない事の多さを比べて、ひとりため息をつく。そんな毎日だった。

 目が覚めて今、暖かさと切なさとを感じている僕。心は枯れ果ててはいないか?心はささくれだってはいないか?
 ふと、そう考えてしまった。

 夢にだって意味はあるから、これは何らかの警鐘に違いない。
 感受性を研ぎ澄まして、最近の僕は生きていたかな?