A Rider's Viewpoint

とあるライダーのものの見方

企画展「漫画家・村上もとかの世界」を観て

2010-11-28 13:02:25 | 所感
昨日、神奈川県大和市の郷土資料館に行ってきた。市の企画展「漫画家・村上もとかの世界」を見に行ったのだ。 http://twitpic.com/3ahejv

村上もとかといえば最近では『JIN ー仁ー』がドラマ化されたので、比較的有名かとは思うのだが、僕ら“昔の少年”からすると、オートバイの緻密な描写に心引かれた『虎のレーサー』、当時のF1ドライバーが実名で登場した『赤いペガサス』などを少年誌の連載で読み知っていたのだった。他にも『六三四の剣』、『岳人列伝』等のスポーツものも面白く、僕にとって目が離せない漫画家の一人だった。
今回この企画展催されることをwebで偶然知り、開催日を楽しみにして昨日の初日に出かけてみたのだった。

開館10分前に到着したら先客のご夫婦がいて3人目の入館。1時間以上かけてゆっくりと数々の原画と解説に目を通す。昔読んだ作品を懐かしく思い出すことができたり、原画ならではの緻密な描線を拝見させて頂いたり、ファンならではのゆったりとした時間を過ごさせて頂いた。

パンフレットによると、この企画展はもう一つの「ふるさと館」との合同企画であるらしい。
『JIN ー仁ー』にあやかって、龍馬を助けるために、コマ図を頼りにクイズを解きながら、ふるさと館にペニシリンを届け……という趣向で、無事到着したらオリジナルポストカードをプレゼントという企画である。
昨日の大和市の天気は晴れ。気温も11月下旬にしては暖かく、革ジャンを手に持って歩けるような気持ち良い日だったので徒歩40分程度の道のりを、楽しんで散策したのだった。コマ図自体も、道のりが不安になる頃次のコマ図に繋がるという絶妙の距離感で作られていて、一度も迷うことなくふるさと館にたどり着いたのであった。 http://twitpic.com/3ai97o(←クイズラリーの完走スタンプとポストカード)

この企画にはもう一つの目玉があった。
地元のカフェレストランと協賛し、「JINスペシャルランチ」が食べられるというもの。その内容が、
・江戸末期に初めて日本人が食した「コルリ」(カレー)、
・作中のレシピを再現した「安道名津」(アンドーナツ)、
・仁が長崎で龍馬と飲んだ「かふぃ」(コーヒー)、というもの。
『確か原作にカレーは出てこなかったような……』という野暮は言わずに楽しんできた。
安道名津に関しては、現代のドーナツのようにベーキングパウダーを使っていないため固めの食感で、お店の方もその点を気にされていたが、これが作中のレシピということであればそれをそのまま味わうのが「趣向」というもの。個人的には美味しく頂いた。
また散策して喉が渇いていたこともあり、冷たいビールや赤ワインのハーフボトルも美味しく頂いたことを付け加えておく。(カフェレストラン デリス・神奈川県大和市下鶴間2020-10) http://twitpic.com/3aix3d

朝7時に家を出て、ランチとワインで気持ちよく駅に向かったのが午後0時。
たかだか半日のイベントだったが、本当に充実した気持ちになった。
このイベント、来年の1月23日まで行われており、入場も無料なので、興味がある方にはお勧めしておきたいと思う。
http://www.city.yamato.lg.jp/web/shakai/turu-moyoosimono.html

母親の笑顔と、不甲斐ない自分と。

2010-11-21 16:46:20 | 所感
今日、母親の介護施設への12月賃料を振込んだ。母親の口座、振込口座、共に地方銀行のため、最寄りのイオン銀行から振込手続きを行ったのだった。
今、そのイオンのフードコートでカフェオレを飲みながらこのブログの原稿を書いている。

振り返ってみて、僕の住んでいる市内の介護施設に母親を入居させるには、資金面で不安要素が大きく、現在のところでは断念せざるを得ない。
その後何か具体的な手当てをしたかと言えば、何も着手できていないのが現実だ。

そんな時、介護施設から届いた翌月の請求書に母親の写真が添えられていた。
紅葉狩りに行って帰って来た時の写真で食堂でお茶を飲みながら穏やかに笑っている。
あんな穏やかな笑顔を見たのは久しぶりだ。何年か振りと言っても過言ではない。
認知症による妄執や、現実世界での煩わしさから解き放たれただけで、あんなに穏やかに人は笑えるんだなあ、そう思ったら泣けてきた。

僕は母親を退院させ、地元の施設に入れる時、「何ヶ月かだけ我慢してくれ」と言った。「市内が無理でも、近くの施設を探してきっと僕たちと一緒に暮らせるようにするから」と。
未だ僕は何もできず、母親に「資金面で難しい」と言い訳しながら、実際にはその先の手が打ち出せていない。
心の底で「いつ僕らと一緒に暮らせるんだろうか」と母親は考えているだろう。毎日毎日その期待を裏切り続けているのかと思うと辛い。
親孝行のふりを装いながら、僕は一体何をやってるんだろう。

母親の笑顔とそれに反するような自分の不甲斐なさとを比べて眺めながら、僕はいまどうしようもない自分に苛立っている。

身支度を整えたらツーリングに出かけよう

2010-11-06 11:42:56 | ツーリング
11月3日。晴れた日の祝日、今日はツーリングにでかける予定だった。行き先を呻吟し「どこに行こうか」とつぶやいて寝ると朝に友人からおすすめルートのメッセージが届いていた。
遅めに起きた朝、朝食もとらずにいるといたって決断が鈍い。空腹ではモチベーションを維持できない情けない自分である。
車で松屋に行って牛めしと豚汁。食べながらツーリング先を検討する。温泉に行きたいな。以前ツーリングで行った秋山温泉でして貰ったマッサージも気持ちよかった。
よし今日は温泉でゆっくりしよう。シートバックに読みかけの文庫本とコンビニ袋に入れたタオルだけを持って。
すっかり日も登った9:00am。僕は東に向けてオートバイを走らせた。

走り始めてどれくらいたった頃だろう。意識的にオートバイを操作していた僕はやがて無意識のうちにそれを行っている。
湾岸道路R357。太陽は今僕の真右から差している。僕の影が僕と寄り添って走っている。

湾岸道路を東に、交差するR16を北に向かう。快適な郊外の主要幹線、信号で止まると一番前にすり抜け、走り出して次の渋滞に追い付くとまたすり抜けて一番前に出る。そんな走り方をしていた。

とある交差点で並んだ若いドライバーがしげしげと僕とCBを眺めている。
渋滞のないオートバイがそんなに羨ましいかい?
いいんだ、好きなだけ眺めてくれ。僕も車に乗っている時は自由なオートバイに憧れる。踊るように車線を左右に切り替え、道路の横幅をフルに使って走れるのはオートバイの特権だ。
よかったら君も自動二輪免許を取りに行けばいい。自由を手に入れるのに遅すぎるということはないんだ。

R16をしばらく走るとやがて県道8号線と交差するポイントがやってくる。今回はその交差点を右折、手賀沼方面に向かう。
手賀沼の手前、道の駅しょうなんの反対側にある、天然温泉 満天の湯が最初の目的地だ。
オートバイを停めヘルメットをシート下のフックに掛け、シートバック一つ持って施設に入る。
脱衣所でタオルとロッカーのキーだけを持って、まずは露天風呂へ。ここはちょっとぬる目ではあるが源泉かけ流しだ。湯のなかで手足を伸ばし目を閉じる。晴天の、青空の下の露天風呂。ゆっくりと浸かっていると身体の感覚がなくなりそうだ。
空が青い。全てを染め尽くしてしまいそうに青い。青空の青がまぶたに沁みて来そうだ。

心ゆくまで露天を味わった後でいったん上がり、マッサージでもしてもらおうかと考え、ふと案内看板を見ると韓国式アカスリの案内。これもいいな。人に思いっきり背中を洗って貰った事なんかここ何年もなかったはずだった。面白そうだな。そう考えて扉を開ける。幸い空いていてすぐベッドに横たわる。
韓国式アカスリというのは、ヘチマの手袋をした係員がマッサージ師宜しく全身を擦ってくれるというサービスだ。僕がつねづね自分の体を洗う時、痒いところに手が届かなかったり、力が入らなかったりしてもどかしい思いをしてきた。そう考えるとこのサービスはまさに僕が一度してもらいたかったサービスなのだった。

30分ほど全身を洗ってもらい、もう一度露天風呂に戻る。今度は「あつ湯」という浴槽へ。あつ湯といっても摂氏41度。僕にとってはこれが普通の温度なんだが。
湯の温もりと蒼天の青を味わった後、風呂から上がる。休憩所でゴロゴロして、次の目的地を確認する。次の目的地は、茨城県守谷市にあるソーセージショップだ。

守谷市けやき坂、デリカテッセン ハンス・ホールベック、ここは2006年10月9日にツーリングで訪れようとして、ブレーキトラブルで引き返さざるを得なかった店だ。(2006/10/10 買い物がてら出かけてみたが)

今回、4年振りのリベンジだ。前回は近くまで来て迷って、店の位置を特定することが出来なかったが、今回は無敵地図のiPhoneがある。電波が届いてバッテリーが切れなければ、僕はもう迷うことはない!
途中で1、2箇所、止まって地図を確認することはあったが、一度も迷うことなしに店に到着した。
(http://www.hanshohlweck.com/)

入店してレストランでセットランチAを注文する。4種類のソーセージとパンとスープのセットだ。ここで僕のわがままでパンをプレッツェルに変えてもらう。この味も素っ気もない塩パンがソーセージに並ぶほどビールにあうんだよね。
ああ、ビールが飲みたい。飲みたいったら飲みたい。
しかしオートバイで来店した身、アルコールを摂る訳にはいかない。残念だがソーセージをおみやげにすることにして、この場は水で我慢する。

肝心のソーセージの味と言ったら……。「!」の一言である。
かつて『どっちの料理ショー』という番組があった。この店のソーセージはその番組の「本日の特選素材」で使われたという程の味なのだ。

幸福な昼食の後、おみやげにソーセージを買って、谷和原ICから常磐道に乗り、一路東京を目指す。
15:52 無事に帰宅。本日の走行距離128.7km。走行距離ではなく、自分の満足度を追及した今回のツーリングであった。