A Rider's Viewpoint

とあるライダーのものの見方

夏休み始まる・4

2007-08-30 18:43:24 | つれづれ
 友人宅に着くと、まずオートバイを駐車場に停め、レインウェアを脱いだところで、はたと困った。ぐじゃぐじゃの服で家にあがり雨水をしたたらせながら歩くわけにもいかない。玄関で足ふき用のタオルを前にとまどっていたら「風邪を引くといけないから最初にお風呂にどうぞ」という声。足ふきタオルを引きずりながら脱衣所に向かう。
 また下着の替えは持っていったが、あいにく服の替えはない。おまけにその友人はスリムなので服を借りるのも難しい。そもそものサイズが全然違う。
……結局のところ、上はその友人が言うに「一番大きくてぶかぶかのシャツ」を、下はもう一人暮らしをしている大学生の息子さんのバーミューダーを借りる。
幸いなことに、パツンパツンの状態ではなく、なんとか普通に着こなせた。風呂上がり後、ほっとして食卓に向かう。

 食卓には奥さんの手作りの料理、ビール等が用意されている。真夏のツーリングで汗をかき、おまけに気のおけない友人宅での最初の一杯である。ビールも料理も旨くないわけがない。この宴席に関しては「最高の味わいだ」という以外に語るべき言葉を僕は知らない。

 大学時代の思い出話に花が咲き、当時の懐かしい、恥ずかしい、情けない話で盛り上がる。一緒に食卓を囲んだ娘さんには(TVの歌番組の邪魔にもなったようで)申し訳なかったけどね。
 まあ、この年になって昔話で盛り上がることができるというのは、その当時を一生懸命に生きたことの証であり、年寄りの特権なんだ、なんてことをいいながら飲んでいたのである。
 楽しい宴席は時間を忘れて続く、娘さんと奥さんが先に休み、缶ビールが3本、ワインが3瓶、日本酒が1合程度空いたのだろうか、時計は既に午前3時。本当に大学生並みのノリである。だが、さすがに僕が先に音を上げて、3:15頃、おひらきとなった。

 ありがたいことに寝室の枕元には、冷たいお茶が入ったポットを用意いただいていたのであるが、それに手を付けるいとまもなく、いつもの「枕に頭をのせた瞬間にいびきをかく」という実力を遺憾なく発揮して、瞬間的に眠りに落ちた。(^^;

 翌朝、蝉の鳴き声で目を覚ます。寝付いてから6時間後の9:15。幸いなことに二日酔いにはなっていない。
 寝床を片付け、顔を洗い、起きてきた友人と朝食を頂く。卵焼きにレタス、コーヒーにトースト。シンプルだがおいしい朝食である。
 朝食を食べ終えると昔話の再開。友人の部屋で個人蔵書の山を前にしながら、またひとしきり。
 それでまた、話し込んでいるうちに昼食の時間である。昼食はベーコンとブロッコリーのチャーハン。これもうまい。シンプルな料理を旨く食べさせるというのは、じつは基本的な技術がしっかりしてないと難しいのだな。油ギトギトでもなく、ご飯がべっしゃりとしている訳でもなく、ふんわりと柔らかく暖かく、それでいて香ばしいチャーハンは難しいぞ。
 友人よ、解っているか? 君のお袋さんもそうだったが、君の奥さんもかなりレベルは高いぞ。もっとありがたみを表に出せ。

 ……というやっかみ半分のつぶやきはともかく、今度は奥さんも交えてTVを見ながらの世間話。「ちょっと頭が痛い。楽しかったから、昨日は飲み過ぎたかしら」というにこやかなセリフは、昔の同級生の僕としても、とても嬉しいものだった。

 前日からお世話になり、夕食・朝食に続いて昼食も頂いて、さすがにそろそろ引け目を感じてきた。14:30。眺めていたTV番組が終わったのを機会に暇乞いをする。
 友人のコレクションからDVDを3本借り、身支度を整え、代わる代わるデジカメで記念撮影をし、表に出る。

 改めて明るいところでオートバイの様子を説明し、起動時にメーターの針が動くアクションを見せた後、ヘルメットをかぶり、グローブを装着する。
 再会を約し、エンジンをかけ、片手をあげて走り始める。バックミラーで手を振る友人一家の姿に後ろ髪を引かれる思いを残しながら、それでもオートバイは動きだし最初の角を曲がる。
 別れの瞬間はいつも少し切ないが、それなくしては再会の喜びはあり得ない。気を取り直して背筋を立てる。さあ、帰京だ。

 15:10。東名・静岡ICのETCゲートをくぐる。土砂降りの洗礼を受けた清水・由比のあたりを数十分の所要時間で通り過ぎながら東名道を東進する。本当に昨日は、何時間も土砂降りの中にいた気がするよ。
 途中、海老名SAで休憩を取った以外はほとんど停まることもなく、16:41に東名の料金所を、16:45に首都高料金所のゲートをくぐり、渋滞をすり抜けながら湾岸線に抜ける。荒川河口に架かる橋を登って降りたらもう自宅も近い。

 17:15頃、無事、自宅に帰り着く。荷物を片付け一息ついた17:45頃、友人宅へ無事帰着の電話報告を入れる。ほんの数時間前までは熱く語り合っていたのだ。電話でもその雰囲気は冷めやらず、また昔話が始まりそうになった。自分でも驚いたがとても嬉しくもあった。

 こうして僕の夏休みイベントは終わった。明日(8/26)はリハビリの日。明後日の社会復帰に向けて心と体の準備をする日になるだろう。

夏休み始まる・3

2007-08-28 22:17:41 | つれづれ
 自宅に戻っての平日。銀行に行き預金を下ろしディーラーの口座に振り込みをする。何年も何年も貯め続けた車貯金も終わりである。他に高速代を計算してETCカードの引き落とし口座にも入金しておく。……午前中いっぱいかかった。
 午後、一休みした後、静岡の友人宅へワインを送る。赤白2本づつ。もっとも半分は明日飲んじゃうんだけどね。

 その後あれこれと明日のツーリングルートを検討する。最初は天竜とか木曾の方まで足を伸ばそうかと思ったのだが、疲れて友人宅に着くのも本末転倒だ。そこで走り慣れたルートと初めて通る道を組み合わせて静岡に向かうルートにする。
 おみやげは送ったし、そんなに大きな荷物は必要ない。携帯電話とDAPを充電して床につく。

 翌日、朝食をきちんととりシャワーを浴びて新聞を読んだりしていたら、会社に行く時間より遅くなってしまった。あわてて用意をして8:30頃出発をする。
 下道を通り、新青梅通りに抜ける。渋滞をすり抜け青梅から奥多摩へ。R411を西進しそのまま柳沢峠を越えて塩山へ抜ける。塩山から甲府市を通り石和温泉駅裏へ、馬刺し丼を食べた店に行ったのだが、残念!「準備中」の看板が。もう午後2時だから仕方ないか。駅の反対側に抜け一宮御坂ICの脇を通過しR137・御坂みちに向かう。途中のコンビニで昼食。炎天下の下駐車場の車止めに腰掛けてサンドイッチを食べる。
 昼食後、御坂みちの峠に向かって走り出す。この道、御坂町側は比較的長い登坂車線がある。乗用車のほとんどがこの登坂車線をゆっくりと上っているのをいいことに、通常車線を追い越し車線のように使って、次々と車を抜いていった。
 予定通り河口湖付近で給油、R139を精進湖方面に進み、途中から県道71号線・富士宮鳴沢線を走る。この道はツーリングマップ関東(2004年版)に「うっそうとした樹海の中を走る」と紹介されている。この樹海の中という言葉に惹かれて道を選んだのだが大正解。森林の中を走りながら森林浴できるような爽快感を味わい、そのまま北海道のような北東北のような牧場の中を通る道になる。これも大満足。ツーリングマップの別のページに「通称・開拓道路・北海道並みの牧場風景」と紹介されていたが納得である。 県道71号線の終点、突き当たりのT字路を右折。道の駅・朝霧高原へ向かいここの特産のベーコンとフランクフルトをおみやげに加える。この時点で午後4時。まっすぐ静岡に向かっても約束の午後5時以降になるだろう。R139を南下。富士宮~富士を経由して静岡に向かう。

 何の問題もなく、事故もなく、無事に静岡の友人宅につけると思ったらこれが大間違い。由比のあたりから降り出した雨は、清水に入る手前で土砂降りになる。しかもR1の自動車専用道路にいたため、途中で道端によってレインウェアを着ることもできない。
結局、全身くまなくぐしょぐしょに濡れてしまう。

 遊びに行く友人の娘は、僕の娘の一歳年下だ。埃っぽいオヤジが泊まりがけで遊びに行くんだ。何かおみやげを持って行こうかと思い自分の娘に相談してみた。「食べ物がいいんじゃない? アクセサリーとか好みがあるし、それにちょっと(心理的に)重いよ」とのことだった。チョコレートでも買っていこうかと思っていたが、この全身濡れ鼠状態では、コンビニに入ることすらためらわれる。本当に申し訳ないのだが手ぶらで行くことにせざるを得なかった。ごめんね。ちゃんと先に準備しておくべきだったよ、おみやげ。

 途中、立体交差の橋の下でレインウェアに着替え、シートバックの荷物の確認をする。幸い携帯電話とDAPには損害はない。シート下に電子機器を移してホッとする。改めて友人宅に走り出したのだが静岡の市街地に近づくと雨がやんだばかりか雨が降っていた痕跡すらない。周りのスクーター乗りがむっとした暑さの中Tシャツ1枚で走っているというのに、レインウェアを着込み、全身から雨水をしたたらせている俺はいったい何なんだ! と、心の中で叫んではみるが何の意味もない。とほほほ。

 おまけにどこかで道を間違えたのか、自分が今どこを走っているのかわからない。わからないときは知っている場所を目指すにかぎる。東名・静岡ICに向かい、R150を三保方面に戻りつつ友人宅を探すのであった。
 しかしまた迷う。目印にしていた郵便局がない。道の様子が違う。おまけに直進していた道が行き止まりだ。

 あたりを見回してみたら、行き止まり手前の市バスの転回場(&バス乗り場)に見覚えがある。ゴルフ場を示す案内看板に書いてある名前が友人宅の住所だ。よし! と覚悟を決めてその交差点を曲がる。やった!正解。坂の下で友人宅に電話して、住宅地の角まで迎えに来てもらう。予定を2時間ほどオーバーし、午後7時に友人宅に到着したのであった。

夏休み始まる・2

2007-08-26 11:43:58 | つれづれ
 前日の酒盛りは日付が変わる頃まで続いた。友人は僕の実家に泊まり、翌朝出勤に備えて早めに起きて帰って行った。世間は普通の月曜日、休んでいるのは僕だけなのだ。
 遅めの朝食をとり、親父と一緒に郵便局に行く。娘の(親父からすれば孫の)名義でかけていた保険が満期になるとのことで、その手続きに同行したのだ。その後、地元のせんべい店へ。この土地に南部せんべい店数々あれど、僕の町のせんべい店におよぶせんべいはない。客観的な評価ではもちろんない。僕の思い出にすりこまれた懐かしい味なのだ。
 ここで自分用に、ごませんべい、豆せんべい、ごませんべい(醤油味)、の3種類を購入して自宅へ送る手続きをする。
 午後、近くの「道の駅」へ。会社用のおみやげを購入し、その後祖父母の墓参りに行く。墓参りの帰りに隣町へ行き、親父のリクエストの「なんばんみそ」を購入して帰る。とれたてのキュウリにこのなんばんみそをつけて食べるのがうまいのだな。

 翌8/21は、朝からツーリングにでかけた。R4を北上。途中の町で東北ツーリングマップを購入して青森県へ。すぐに進路を西に向け、にんにくの栽培で有名な町を越えて秋田県に。秋田県では環状列石~ストーンサークルが発見された遺跡があるのだ~を見学した跡で南下。秋田側から八幡平アスピーテラインを走破しようという試みだ。しかし、このあたりで降り出した雨が本降りになる。道端にオートバイを停め、レインウェアを着込み、シートバックにカバーをかける。雨はますます強くなり、シールドが曇り始める。八幡平の入り口を左折して峠に向かう。
 しまった。この峠は標高が高いのだ。麓で雨が降っていたなら峠は濃霧の状態であることは容易に予想がついたはずなのだが。
 濃霧で目の前10m先も見えない。コーナーをゆっくりゆっくり曲がりながら次第に高度が上がってゆく。ときおり霧の向こう側から対向車が現れ、横を通り過ぎ、すぐまた濃霧に消えてゆく。
 僕はこのような見通しの利かない霧の中では平衡感覚が鈍くなることがある。オートバイに乗っているときに平衡感覚が鈍くなるというのは致命的に危険な状態に陥るということだ。要は、いつもは簡単に曲がれるコーナーが曲がれなくなり、対向車線やコーナーの外側に飛び出しそうになるのだ。この日、峠を通過するまで、合計5回ほどこの状態に陥った。それでも事故を起こしたり転倒したりすることなく、峠を通過することができた。
 八幡平の頂上から少し降りたところに温泉があり、その温泉で休んでいこうと思ったのだが、緊張の連続でとてもそんな気は起こらない。ともかく早く麓に降りようと思っていた。
 岩手側・楽しみにしていた樹海ラインも、濃霧の中で楽しむどころではない。しかし、すこし高度が下がったあたりで霧が晴れ、周囲が見渡せる程度には天候が回復してきた。
 しかしながら樹海ラインは雨の後だ。コーナーに沢水や川砂が流れていないとは限らない。ゆっくりと安全にコーナーをクリアして麓に降りてきた。
 樹海ラインの終点は、地熱発電所のある松川だ。この松川にある温泉で小一時間ほど露天風呂につかって休憩をして、実家に帰ったのであった。

 翌8/22。実家から自宅に戻る朝。5:00に起きて6:00には出発をした。理由はふたつ。ひとつは午後早めの時間に自宅に戻り、ディーラーに印鑑証明書を二通届けなければいけないこと。もうひとつは、午後から雨が降り出すという天気予報であるということである。
 6:00頃、実家を出発したときは降り出していなかった雨であるが、花巻IC~花巻南ICの付近で多少雨足が強くなってきた。途中の花巻PAでレインウェアに着替え、さらに東北道を南下する。水沢、一関、古川と南下するうちに雨の気配は遠のき、むっとした熱気が立ちこめてくるようになった。給油のため立ち寄った鶴巣PAでレインウェアを脱ぎ、再び南下を続ける。仙台~福島~郡山を越え、鏡石PAに11:00頃に立ち寄る。朝食が早かったからか空腹を感じ、天玉蕎麦を食べる。携帯電話に友人からの着信履歴が残っていたのでかけ直すと岩手は今土砂降りとのこと。途中ほとんど雨に遭わなかったことを告げ電話を切った。鏡石PAを過ぎるとじきに白河の関を越える、みちのく=東北地方ともお別れだ。「そして僕はまた都会の喧噪に戻ってゆくのだな」という寂しさを伴った感慨がある。僕にとっての「都会」は、ふるさとへの決別と自立への決意を意味する言葉だ。寂しいけれど乗り越えなければならない。そう考えていつも峠を越える。
 那須高原を越え、宇都宮を過ぎる。往路で最初に休憩した大谷PAを通過した時点で時計を見る。後、おおよそ2時間から3時間の行程か。往路に比べ復路はペースが速い。往路に比べ約1時間近く早く自宅に到着するペースだ。
 鹿沼、栃木と大学の友人宅の近くを通過する。彼は元気でいるだろうか、また9月に会えるだろうか、そう考えて高速を走り続ける。土地の名前に思い入れはない。その土地に住む友人がいればこその感傷だ。
 二車線だった高速道は途中から三車線に変わる。それに伴い車の数も多くなってくる。関東平野は今日も暑い。オートバイのメーターについているボタンを操作して外気温モードにすると、温度計は40度を表示した。いくらアスファルトからの照り返しや、周りの車からクーラーの廃熱を浴びせられるとはいえ、あまりといえばあまりの温度である。人間の集中力の方が枯渇して事故になりそうだ。給油サインが表示されたのをいいことに佐野SAで一休み。オートバイにはガソリンを、人間にはソフトクリームを与えることとする。
 12:00過ぎ、東北道川口料金所から首都高に入る。この料金所から混雑。首都高を降りるまでほとんどをすり抜けで通過する。
 平日の首都高。混雑と熱気。事故を起こさないよう集中して車間をすり抜ける。ここを一気に通過しないと、途中、暑さで倒れてしまいそうだ。幸い何の事故もなく首都高を降り、橋を渡って13:00過ぎに自宅に戻り着く。総計7時間強の所要時間だった。

 その後、印鑑証明を取ってディーラーに渡し、最終の入金額を確認した後、家に戻る。
 さて、明日は銀行へ行ったり、夏休み後半のイベントの準備だ。

夏休み始まる

2007-08-26 10:16:17 | つれづれ
 8/18。夏休みが始まった。初日は諸事を片付けて準備をする日。朝7:00の歯医者を筆頭に、朝食をとり、床屋に出かけ、純正バックミラーを取り付けて、新しい自動車の話でディーラーを訪れ、洗濯をし、DAP(デジタル・オーディオ・プレイヤー)用の新しいイヤフォンを買い、デジカメとDAPと携帯電話の充電をした。慌ただしい日だったが全てが充実していた。夏休みを有意義に過ごすための準備だったからだ。明日は東北道を北に向かい実家へと帰省する、概算550kmに及ぶ長距離ツーリングである。煩わしいことは全て今日中に片付けておきたかった。トラブルなく無事準備も終わり、23:00頃床についた。

 翌日、朝は6:00頃起き、いつも通り朝食をとり、まとめていた荷物をシートバックに詰め、出発の準備を整えた。朝8:40出発。
 日曜日の朝、車はそれほど混んではいない。首都高を抜け川口ICから東北道に乗る。二輪ETCはとても快適だ。料金所で停まることなくスムーズに窓口を通過できる。帰省先のICでETCの設備があるかはわからなかったが、途中のSAでETCカードを抜いて窓口で渡せば通過できることは知っている。事前に準備できれば何の支障もない。快適に走行を続ける。
 10:05。大谷PAで休憩。同じ姿勢でこわばった脚を伸ばし、水分補給のためレモンウォーターを買う。PAを出てすぐに給油サインが表示される。次のSA・上河内SAで給油。17.24L、2,500。1Lあたり145だ。高い。
 「ガソリン代高くて閉口するよな」よく周りの人がいう言葉だ。しかし僕にとってオートバイは趣味の領域だ。燃費のいい交通手段が欲しくてオートバイに乗っている訳ではない。高くなったから止めるかと問われても、絶対止めはしない。だからあまり気にしないことにしている。
 上河内SAを出発し、次は安達太良SAで休憩をする。このSAで降りるICがETCに対応しているかどうかを訪ねる。どうやらOKのようだ。よかった。シートを開けてETCユニットからカードを抜き取る手間はいらないようだ。休憩所で玄米茶を2杯飲んでから出発。そろそろ昼食を取ろうかな……と考えているうちに福島と仙台を通過してしまった。

 長距離ツーリング中のライダーには心理的な「慣性の法則」がより強く働く。走り始めるとなかなか停まることができなくなるのだな。仙台を過ぎ、次の長者原SAで牛タン定食でも食べようかと思ったが、雲抜きが怪しくなってきてパラパラと降り始めてきている。人間はまあ濡れても何とかなるが、ポケットに入れたDAPと携帯電話が心配だ。こいつを濡らして壊すことだけは避けたい。手前の鶴巣PAに寄ってDAPと携帯電話をシートバックにしまい、レインガードをかぶせる。ちょっとトイレに寄ってお茶でも飲もうかなと考えていたら急におなかもすいてきた。無理もないもう13:00を回っている。そういえばここのPAは蕎麦とかうまかったな……と思いつつ券売機の前に並ぶ。ラーメン・半炒飯セットを買って昼食とした。カウンター席の端っこに座り、表を見ながら昼食をとっていると、急に土砂降りの雨が降り出し、昼食を終える頃にあがった。ラッキー!!。
 念のためデジタル機器はそのままにして走り出す。雨雲に追いつくスピードで走っていたようだがそう雨は強くなく、たいして濡れないまま岩手県に突入。途中の紫波SAで給油しつつ、自宅に電話を入れておく。何とか濡れずに帰り着きそうだが雲が多く、岩手山が見えないのが残念。「ふるさとの山はありがたきかな」という心境は、盛岡南ICから真正面にみえる岩手山を見たときに実感するというのに。

 ……といいつつも、盛岡ICを過ぎ、次の滝沢ICで降りる。友人の会社に顔を出し(社長ひとりしかいなかった)、17:00頃、実家へ戻る。8/19(日)・本日の走行距離。約560km。高速代を除いた諸経費、5,828円(うち4,988円がガソリン)。
 友人との酒盛りを夜に控え、ゆっくりと実家でくつろいでいるのであった。

セミミの木

2007-08-15 13:13:21 | つれづれ
 自宅近く、犬の散歩コースの公園に蝉の抜け殻が鈴なりになった木がある。
 
 この町に引っ越してきたある日、「この町は蝉や虫の鳴き声がしないな」と思ったことがあった。それもそのはず。この住宅地が造成されてから、あまり年数が経っていない。蝉も虫も根付くには時間がかかるからだろうか。(蝉は七年だったっけ?)

 数年後のある夏、蝉の抜け殻がたくさん葉にぶら下がった木を見つけた。
「まるで蝉が(果物のように)なっているようだ」そうカミさんと話していた。
 由来は忘れたが、いつしかその木は僕らの間で『セミミの木』と呼ばれることになった。

 そのまた数年後、セミミの木は切られた。虫がわいたとか、確かそんな理由だっただろうか。公園のセミミの木は切り株を残して切られてしまい、僕はたいそう寂しい思いをしたものだ。

 数日前、カミさんが犬の散歩から帰ってきたとき「新しいセミミの木を見つけた!」と言った。
「え。じゃあ写真撮りに行く」
 突然の散歩になった犬が喜んで僕らと一緒についてきた。

 セミミの木は以前切られた切り株の近くに一本。公園の反対側のあたりにもう一本ある。どちらも蝉の抜け殻が無数に、手の届く範囲でも十数個ぶら下がっている。地面には地中から抜け出して木をよじ登ったときにできたと思われる穴がたくさんあいていた。

 話としては、ただそれだけのことだ。
 しかし、蝉の声や抜け殻は、埋め立て造成のこの土地でも自然が回復してくる証のような気がして、なんだかとても嬉しくなってしまったのだ。

「セミミの木」なんて愚かしいことをずっといえるような平和な時代であること、豊かな自然が残されてゆくこと、このふたつを心から願っている。

人間関係にもメンテナンスを

2007-08-09 18:49:30 | つれづれ
 ウチの会社は決まった夏休みがない。
 個人が思い思いに有給休暇を代わる代わる消化して休みのだ。
 だいたい7月から9月の間、月~金の平日をつぶして休むのが平均的な「夏休み」だろうか。

 もちろん僕も夏休みを頂く。月末月初は忙しいので月半ば。今年は旧盆の次の週を充当させていただく予定だ。

 さて、今年の夏休み。娘は部活だしカミさんは犬の世話。親元に帰省するのは僕だけで良さそうだから東北までオートバイで帰ろうかな。
 加えて大学時代の友人にメールを打って、1日泊まりがけで遊びに行く計画も立てている。
 ツーリングで回った先から友人宅に寄り、そのまま泊まりがけで飲み会。翌日ゆっくりと首都圏に帰ろうという算段だ。
(幸いなことに、この友人のカミさんも大学の同級生なんだな)

 大学を卒業して数十年。この友人とは半年に1回会っている仲ではあるが、やはり泊まりがけで遊びに行くというのはまた違った趣がある。
 いつも僕の方が不義理をすることが多い。今回は土産、土産話含めていつもの不義理を詫びてこよう。
 機械だけではない。人間関係にだってメンテナンスは必要なんだよね。

 p.s.>>多分その後、たっぷりと家族サービス(=カミさんメンテナンス) (^^;

夢の跡

2007-08-08 23:47:43 | 所感
 今日、健康診断に行って午後から休んだ。
 診察所からの帰りがけに本屋に寄ってきたのだが、本屋の向かいの建物が改装をしていた。その店は昨年あたりアメリカンカジュアルの洋服店が開店して入っていたのだが、数ヶ月前に閉店していた。

 ふと交差点のはす向かいの店を見ると、コンビニ→生鮮品を売るコンビニ→\100コンビニ→閉店、という経過をたどっていた店のシャッターが半開きになっていて、コンビニチェーンのマークをドアにつけた車が停まっている。
 そういえばこの本屋も一度は閉店して、別の店の資本に入って開店したばかりだった。

「夏草や兵どもが夢の跡」
 芭蕉は古戦場に立ってこう詠んだわけだが、古戦場に限らず、街のあちこちにもこうした「夢の跡」が見て取れることも多い。

 夏の日差しは強く蝉の声もうるさいほど響いているのだが、今日はもう立秋。
 閉店した店に感傷を抱いてしまったのは、何か風の中にもの悲しさを感じてしまったのかもしれない。なんか照れくさいから、そういうことにしておこう。

ミラー交換、その後

2007-08-06 20:35:45 | たわごと
ミラーを交換して一週間。現在のところ大きな問題は発生せず現在に至っている。
僕自身がこのミラーに慣れてきたからだろうか、「交換するのも面倒くさいな」という気になっている。
要はホンダショップに出かけて店頭で発注し、在庫が到着したら引取に行くという二度手間が面倒くさいのだ。

しかしその反面、後方確認の数秒の遅れが取り返しのつかない事故につながらないかといった不安や、取り替えれば確実に安心するのに手間がかかることを惜しんでうろうろと行きつ戻りつしていること自体が馬鹿馬鹿しいのではないかとも思える。

こういう状態って、「ぬるい風呂からあがれない」とか、「夏の寒い日に入ったプールからあがれないとか」、そんなジレンマに似てるような気がするのは僕だけかな?
いずれにせよ「えいやっ!」と気合いを入れて動き出せばすぐ解決するんだけどね。やれやれ。