A Rider's Viewpoint

とあるライダーのものの見方

命の暖かさ

2009-10-04 13:03:46 | 所感
 昨日の夜、飼い犬が死んだ。病気だった。
 数日前から夜といわず辛そうに苦しそうに鳴き続けていたのだが、ついに力尽きたようだ。娘が泣きじゃくりながら目を閉じてやった。

 思えばこの街に迷い込んできた犬だった。虐待でもされていたのか、大人の男に気を許すことはなかった。
 最後まで俺には慣れず、指を噛まれたことすらあった。

 そんなこいつが、いま何もやり返すことなく、黙って俺に頭を撫でられている。

『馬鹿だな。死んでからやっと俺に心を許しやがった……』

 まだ暖かい犬の頭を撫でながら、俺は少し泣いた。

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