朝花巻温泉を後にして、タクシーで花巻駅へ。
周囲は緑の田園。暑くなりそうですね、と柔らかい訛りの運転手さんがクーラーを強くする。
花巻駅から二両の電車(ディーゼル車?)で、新花巻まで。
ここで遠野へ行く三人とお別れ。
ツグミが飴二つくれる。
じゃ、気を付けて。
見送れば田中を走る朝の道
新花巻の駅舎は広がる田圃の中に建っている。銀河鉄道を模した・・・と昨日のTさんが教えてくださったけれど、それほどでもないか。
二階のホームで二十分ほど待つ。
開けられた窓から日射しと微風が入ってくる。
ちょうど眼下にさきほど乗ってきた線路と並行して走る道路が、ほぼ真直ぐに田園の彼方へと続いている。点在する屋敷森にかこまれた家々。
なにやら井上陽水「少年時代」といった風情である。
風に吹かれながら、その光景を見ていると、この旅に来て本当に良かった、としみじみ思うのである。
深呼吸あしたのぼくにまた来よう
新幹線。車中で、王敏『謝謝 宮沢賢治』を読む。(おもしろかった)
読み終わって熟睡。
東京に着いて、時間があったので八重洲ブックセンターへ。
東京は暑い。地面から上って来るようなイヤな暑さ。
駅前では右翼の街宣車が大音量で軍歌を流している。
いろいろ眺めて、結局買ったのは一冊。竹田篤司『物語「京都学派」』中公叢書。
店を出る頃に雨降り出す。
その後、車中で買ったばかりの本を少しだけ読み、あとはまた熟睡。
夕刻無事帰宅。
明日帰るはずの家族の安寧を祈って就寝。
新聞の束を引き抜き旅終わる