《河童》の旅メモ

富雄川流域探索

富雄川流域探索「志賀直哉著『日曜日』4」

2021年03月12日 | Weblog

すっぽんを入れた魚籠は桜の枝につるした。
桜の幹にも柳の枝にも同じ高さで、藁くずやごみがひっかかっていた。
これは水が出た時、水がここまで来た跡だ。
…帰途(かえり)、酒屋に立ち寄り婆さんにすっぽんを見せた。
亀はいるが、すっぽんはこの川でも珍しいと、大変喜んでくれた。
二、三人見に出てきた男の一人が笑いながら、
『かみに、養殖している人がありま。そこから逃げた奴だっしゃろ』といった。
野生のつもりでいたので、これは少し興ざめした。…」とある。
富雄駅の鉄橋から富雄川を南へ向かって歩く様子を語っている。
「酒屋」とあるが昭和30年ごろ、現・富雄中学校の隣に酒蔵があったが今、
「ボトルワールドOK富雄店」になっている。