《河童》の旅メモ

富雄川流域探索

奈良探索2「25円の五重塔」

2013年05月02日 | Weblog

明治新政府による廃仏毀釈令(1868年)により、危うく失いかけた興福寺五重塔。当時この塔はわずか25円で売り出されたので買主があらわれた。購入理由は薪にして転売し、利益をあげるのが目的だったという。しかし、解体費などから採算が取れないことがわかり、この買主は撤退し、そのあと買主は現れなかった。その結果いま、奈良を代表する「塔」の一つとして奈良興福寺の観光の目玉になっている。ほんの140年余り前の話である。明治30年前後の物価を調べてみると、伊藤博文が417円/月、夏目漱石は150円/月、大工は5.4円/月、新聞記者で12~25円/月である。いかに25円が安かったかがよくわかる。