ある高校の遺物の洗浄、マーキング、拓本実習の手伝いをした。拓本のとり方について予め説明があり、それにのっとってデモストレーションをする。その後各人が古代瓦を前にして、いま聞き、見た手順で拓本取りに挑戦する。拓本取りもマニアルどおりに行かない部分もあり、要領が必要な所が多い。そのようなところを説明しながら手伝う。水打ち、打ち込み、墨打ちそして伸ばしと、何しろ時間に制限があるので短時間で仕上げなければならない。出来上がった拓本に瓦の出土した寺院の名前と今日の日付そして自分の名前を記入して出来上がりとなる。「この拓本は世界でただ一枚しかない拓本だ」と云ってやると笑みを浮かべる学生もいる。考古学に興味を持って欲しいと願うのである。