月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

ブルースを忘れるな。

2012-08-05 | 
「これだけは言っておきたいんだ。ブルースを忘れないほうがいい。」

久しぶりに、清志郎の言葉に触れて、心がかき乱された。
いい乱され方だ。

昨日、ビレッジ・ヴァンガードで何か面白いものはないかと物色していたら、清志郎の本を見つけた。
(余談だが、ビレッジ・ヴァンガードは本当に何時間でも遊べるなぁ)



2009年5月。
日本は20世紀最強のロッカーを失った。
忌野清志郎。

あれから3年経つけれど、セブンイレブンのCMで使われている「デイ・ドリーム・ビリーバー」が流れるたびに、なんだか胸が痛くなる。
せつない。
他の誰にも似ていない、あの声。
力を持った歌声。

10代の頃、RCを追いかけた。
清志郎が「イカしてる」って言うから、オーティス・レディングを聴いたんだ。
清志郎が「最高だぜ」って言うから、サム&デイブを聴いたんだ。
清志郎の音楽があったから、R&Bやブルースを好きになったんだ、私は。


この本はもうずいぶん前の、2000年頃の連載をまとめた完全版で、今年発行された。(不完全版はずっと前に出ている)
めちゃめちゃカッコイイ言葉が溢れている。


しこたまブルースを仕込んで、ワゴン車で旅に出よう。
楽器と荷物をつんでバンドのメンバーと高速道路をぶっとばず旅だ。
飛行機や新幹線はもううんざりだ。恥ずかしいかぎりだ。ひたすら地面をぶっとばそうぜ。
ブルースの旅を始めるんだ。
ド田舎に行って、ガキどもにブルースをお見舞いするぜ。
俺がブルースをぶちかましてやる。
ガキどもがブルースを忘れないようにね。
君が日常において何をしようと自由だ。でもブルースを忘れないで欲しいんだ。
なぜ俺が今さらこんなことを強力にここで言っているのかっていうと、それはこの世界がちぢこまって、つまらない物になっているように感じるからだ。
君はそう感じないか?
すべてがシステム化されて、まるで誰かに飼われているみたいだ。適当な栄養のある餌を与えられて、ほどほどに遊ばされて、まるで豚か牛か鶏のようだぜ。これで満足できるのか。
君たちはそれほどまでに落ちぶれてしまったのか。
みんなが着ている服を買って、みんながよく行く店に行って、それでOKなのかね。
そーじゃねーだろ。君にしかできないブルースがあるんじゃないのか。
「今年はこれが流行です」って言われて、それを買いに行くのかい。ふざけんなよ。
だから俺は言ってるんだ、
「上っ面に惑わされるな。ブルースを忘れるな」ってな。



今日は朝からこの本を読みながら、ブルースを聴いていた。


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