月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

朝の楽しみ、花子さん。

2014-04-04 | 生活
NHK朝ドラ「花子とアン」がいよいよスタートし、毎日涙に暮れている。

涙?
そんな泣くシーンなんてあったっけ?

そう思う人がほとんどだと思うが、私は最初の歌のバックにプリンスエドワード島の映像が流れるだけで、目の奥が熱くなってじんわり涙が浮かんでしまう。
グリーンゲイブルス!!

「世界一美しい島」とモンゴメリは書いた。
どうしても、どうしても行きたくて、大学3回生の夏に、飛行機と列車と、また飛行機とを乗り継いで、カナダの東海岸に浮かぶ小さな島へ辿り着いた。
自転車を走らせて島を散策し、モンゴメリの墓に手を合わせて。
ロッジを借りて、皆で道の真ん中に寝っころがって、今にも降ってきそうな星を眺めた。

20年以上前の記憶が甦ってきて、またうるうるとしてしまう。

ルーシー・M・モンゴメリ。
私がこの世で一番愛した作家。
どんなに、どんなにか心を震わせ、登場人物たちと一緒になって笑い、泣き、喜んだだろう。

でも、この作品たちに出会えたのは、すべて村岡花子さんという素晴らしい翻訳家のおかげ。
彼女がいなかったら、私はもしかしたら、今もの書きになっていなかったかもしれない。
それほど私の人生に大きな影響を与えてくれた。

そして、知らなかった彼女の生い立ちをドラマで初めて知り、驚きと感動で打ちのめされている。
あんなに貧しかったなんて!!

これはドラマとも村岡さんとも関係ないが、私は「文字の読み書きができない」ということに対して、異常なほどに反応する。
私が大好きな「言葉」や「文章」。
自分の生きてきた道は、それで埋め尽くされていたと言っても過言ではない。
言葉は神様が人間だけに与えてくださった素晴らしい贈り物。
それなのに、文字を読んだり書いたりする喜びを知らずに生きていく人がいる、という事実が、私を激しく憤らせる。
そんな不平等があっていいのかと叫びたくなる。
だから、ドラマや小説の中で、「字を覚えたい」というような人が出てくると、もう異常なまでに反応して涙が止まらなくなってしまうのだ。(変な人!)

朝ドラによると、村岡さんも貧しくて学校にも行けなくて、文字の読み書きもできなかったとのこと。
それでもお父さんの働きかけにより、学校へ通って字を覚え、たった1冊の本を目をキラキラさせて読むようになった。

もうね・・・。あかん。ここがツボ。私の泣き所のツボなのだ。
たまらん、本当に。

それから、村岡さんが自分のことを本名の「はな」ではなく「はなこ」と読んでくりょう!と言うのを聞いて、これが真実に基づいているのであれば、彼女がモンゴメリの「赤毛のアン」に出会った時、これを訳したいと夢中になったわけがわかった気がした。
アンも最初に自分のことを「Ann」ではなく「Anne」と読んでくれ、と言うのだ。
「eが付くのと付かないのとでは、大違いよ!」と。
自分とシンクロするものが何かあったんだろうなぁ。

そんなふうに、モンゴメリの名作が、村岡花子という人の人生にどんなふうに関わってきたのか、なぜあれを訳そうと思ったのか。今まで知らなかったことが見えてきて、嬉しくて仕方がない。

ああ、死ぬまでにもう一度でいいから、プリンスエドワード島へ行ってみたいなぁ。
この朝ドラで、もう一度「赤毛のアン」ブームも起きるかしら?
そうしたら、安いツアーなんかもできるかもしれないし、行きやすいかも。

とにかく目が離せない「花子とアン」なのだった。

ちなみに、これが終わっても、次は竹鶴とリタの物語だというので、朝ドラの楽しみは続く。
モンゴメリの次はウイスキーだなんて、NHKは私の好みをよくご存知で(笑)
「花子とアン」、まだ1週目だから、見ていない人はぜひ明日からでも見てほしい!!

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4 コメント

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Unknown (namiusa)
2014-04-04 22:59:50
かおりーん、わたしも自分の原点が何かと問われたら、結局、赤毛のアン、秘密の花園、ハイジ、若草物語、足長おじさん……ってなってしまうのー。
そのドラマ見たらぐっときそうやねー。かおりんのブログみてもぐっときたもん(笑)そういやピーターラビットの作家さんが主役の映画を友人数人で見たときも、わたしだけが号泣してたっけ……(笑)文学少女の成れの果てって感じでお恥ずかし限りです。
わたし一度も行ったことないから、プリンスエドワード島に行くときは誘ってください!!
あっ、ちなみにわたしも、毎日近所の桜や他の木に挨拶してますよー。
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花子とアン (あや)
2014-04-04 23:45:06
ドラマ「花子とアン」は花子の生涯にアンのエピソードをちりばめるっていう趣向らしいよ。だから、花子とアンのエピソードがかぶっても、それは創作で事実ではないかもね(夢をこわすようでごめん)。私は花子が水汲みの帰りに通った林檎畑がいいな~って思った。こちらのテレビでは、アニメ「赤毛のアン」の放送がスタートします。これも懐かしい・・・。
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原点 (かおり)
2014-04-07 12:14:32
namiusaさん、レスが遅くなってごめんね。
私たちの年代の女性は、かなりの人たちが村岡花子さん訳の物語で育ってきていると思う。
隠れ文学少女、たくさんいるんじゃないかな。
やっぱり原点だねー。
そうそう、namiusaさんも「挨拶派」だったね(笑)
似てるなぁ・・・。

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言われてみれば (かおり)
2014-04-07 12:19:34
あやちゃん、言われてみれば、石盤で頭を殴るシーンも、確かアンが赤毛をからかわれてギルバートを殴るシーンと同じ・・・。
そうかー。かぶせているのね。
もちろん真実もあるだろうけど、全部が全部、本当だと思って見てはいけないということやね。
とりあえず、娘・村岡恵理さんの原作などを読んでおこうと思います。それでだいたい判断がつくかなー。

アニメ「赤毛のアン」いいなー。私も見たい。
映画もイメージ崩さない素敵なできばえでよかったけどね。
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