月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

スピリチュアルでマニアックな夜

2012-09-29 | 美味しいもの
もう1週間前の話になるが、吉田くんと二人でご飯を食べに行った。

吉田くんというのは私の元生徒の大学生(22歳)で、9月の初めにも同じく元生徒のあだっちゃんと一緒に3人で飲みに行った話はブログにも書いた。
その吉田くんとなぜ2週間後に二人で会っているかといえば、3人で飲んだときに約束したからである。

「びりけんへ行こう」と。

あの日、私は調子に乗って飲みすぎて、ほとんど記憶をなくしている
だから、後で吉田くんから「21日楽しみにしてます!」というメールが来たとき、「なんじゃこれ?」と思ったのだ。
あだっちゃんにメールし、いろいろ話を辿っていくと、どうやら飲みに行くというよりもスピリチュアルのほうでびりけん行きが決まったようだ。

いろいろスピリチュアルな話をしているときに、私が「オーラ見てくれる人いるで」という話をして、悩める子羊・吉田くんが興味をもったので連れて行ってやろうということになったようなのだ。日時まで決めていた。

記憶がないっちゅうのは怖いな・・・

あだっちゃんにメールで「私の言動おかしくなかった?」とおそるおそる聞いてみると、
「ふらふらやったけど、おかしくはなかったで」とのこと。
元生徒の前で失態をさらすのはイヤだもんな、さすがに・・・

まあ、とにかく経緯もわかったのでびりけんに予約して、二人で出かけたわけだ。

吉田くんは古着が好きで、前に3人で会った時にもボーリングチームのユニフォームみたいなシャツを着ていた。
バックにチーム名と本人の名前まで入っている。
一歩間違うと怪しい人だが、そういうのをオシャレで着こなせるのが吉田くん。
でも、めっちゃ面白くて、私はそのシャツを見たとき大爆笑していた。

そうしたら、びりけんに行くときもまたそのシャツを着ていたので、エスカレーターに並んで乗っているときに、
「またそのシャツ着てきたんや!」と言ったら、振り向いて苦笑している。
「?」と思っていたら、後でこう言われた。

「これ、また着て来いって言ったの、せんせーやで・・・

え・・・

「だから、俺、洗濯も今日に合うように調整して着てきたのに・・・」

ひぃ・・・ごめんよぉ、笑ったりして

サイテーである。
謝って許してもらったが、記憶がないのが本当に怖い。

「いいよー。俺もこの服、好きやから」なんて言ってくれる気遣いが身にしみた。どっちが大人なんだか・・・

そんなやりとりをして、本の話などしつつ、びりけんへたどり着いた。
別にここはスピリチュアルを看板にしているわけではないし、それでお金をとることもない。
基本は「飲み屋」として営業しているのだから、おおっぴらに「オーラ見て!」と言うのもあまりよくない。
本当は私はあまり「そういうことを目的の客」は連れて行きたくないのだ。
(って、自分で誘ったくせに)
吉田くんにも「お客さんが少なくて言えそうやったら聞いてあげるけど、もし無理やったらご飯食べるだけなー」ということで了承してもらっていた。
かわいい生徒のためである。一肌脱がんとなぁ。

とりあえず、いつも通りの旨さ。


天然鰤のお造り


玉葱の丸ごと煮


天然鰻の白焼き


鰤あら大根


秋刀魚のワタ焼き


ローストビーフ

などなど・・・
他にも、ひしの実、あひるのパテとバゲット、鰤のモツ煮、せせりの焼き鳥、手羽の塩麹焼きなども食べた。

吉田くんは最初、見たこともない「ひしの実」など出されて眼を白黒させていたが(殻ごと口に入れて吐き出したり)、鰻や秋刀魚、鰤あたりが出てくると、あまりの旨さに感動していた。
よかった。お口に合って。
(ちなみに吉田くんはアルコール分解がほとんどできないので、日本酒を小さな器に2杯飲んだだけ)

酒が飲めれば言うことないのだが、それを差し引いても二人でいて楽しい人だ。
たぶん私と波長が合うんだろうなぁ。
中学生のときは「変人」としか思っていなかったけど、大人になるとそれが「味」になっている。
「普通の子」だったらこういう「味」は出なかっただろうな、と思う。
主に本や漫画、映画の話をして、それから合気道(クラブに入っている)やゼミでの無人島合宿のことなど、こちらが退屈しないようにいろいろ話題をふってくれるのだ。

「この間、せんせーが薦めてくれた本、なんやった?」と言われたときはびびったが・・・(また記憶喪失)
「え?なんやろ?誰の本かな?」
「えーと・・・正義となんちゃら・・・」
「あ、太宰治の『正義と微笑』!」
「あー、それそれ」

よかった。答えが出て(笑)

マニアックなフランスのミステリーなど読んでいてそれを見せてくれたり、最近見た映画の話をしてくれたり。
カラマーゾフの兄弟を読んでみたいというので、それはやめとけと言っておいたが・・・
(私自身が読破できず)
今度、漫画の貸しっこもすることになった。(私が『夏子の酒』を貸して、吉田くんが『ジョジョの奇妙な冒険』を貸してくれる)
私のマニアック魂を刺激してくれるのがいい。

珍しくお客さんは他に同伴の二人だけ。おっちゃんと水商売のねえちゃん。
その二人もさっさと出てしまったので、私たちだけになった。
ここ数年では、こういうことは本当に珍しい。(いつもお客でいっぱい)
だから、マスターも私たちの話に入ってきたりして、なんだか楽しかった。

「いっちょ揉んだらなあかん」とか言って、マスターは純情な吉田くんに下ネタばっかり話していたが

なんとなく言える雰囲気になったので、実はこういう経緯で今日来たから、ごめんやけどオーラ見てあげてくれへん?と頼むと、「よっしゃ、よっしゃ。もうちょっと飲んでドランク・ヒーラーになってからな」と言って、しばらくワインを飲んでいた。
余興でワインの味を変えてくれたので、吉田くんに飲ませたらびびっていた。

その後、ちゃんとオーラと前世を見てくれた。
久しぶりに遊びじゃなくきちんと見てくれたのだが、ヒーラーとしてかなりレベルアップしていたことに驚いた。
前は「赤」とか「青」とか・・・色を見るだけだったのに、今は1層目、2層目、3層目までわかるし、メッセージも誰かにとりつかれたように、マスターとは違う口調の人が現れて話してくれる。

中学時代の吉田くんなんて知らないはずなのに、ぴたりと彼の本質を当てられて、吉田くんも驚いていた。
でも、メッセージは届いたみたいだ。

なんかマスターが本気トーンだったので
「えーっ、いつも私の時は適当やのに、ちゃんとできるんやん!」と言ったら
「かおりちゃんのときは遊びやないか~。そんなん面倒で見てられるかー!」と言う。
「えー!!私もちゃんと見てーや!」と言ったら、「よっしゃ、よっしゃ」と見てくれた。
この日は大サービス。
たぶん吉田くんのこと気に入ってくれたんやろな。息子と同じくらいの歳やし。

細かいことは書かないが、私に送られたメッセージは「人を楽しませる」だった。
それによって、自分も楽しめると。

「そういう観点で、今とは、違うことをやる、ということも、考えたほうが、いいです」とのお告げ。

マスターに、「それは、書く仕事をやめたほうがいいっていうことなんかな?」と聞いたら、「いや、そういうことではないと思うで。でも、今の仕事の中でも『人を楽しませる』ということを考えたほうがいい」と言われた。

人を楽しませる、か・・・

まさに今、そういうことで悩んでいたんだったなぁ、私は。

まあ、これは宿題。

そして、一通りヒーリングタイムが終わると、まるでそれを待っていたかのように、6人の団体客が入ってきた。
まだ聞きたいことはあったけどこれで終わり。
よく飲み食いしたし、吉田くんも満足そうだった。
家庭環境も複雑やからなぁ、この子は。それが中学生の時はもろに出ていた。でも、今はもう立派な大人。いい人生を切り開いてほしいなと心から思った。

お会計はもちろん私である。
びりけん2名分。
「かおりちゃん価格にしといたる」と言ってくれたけど、新地ですからなぁ・・・(あんな食べてるし)
今月は吉田くんのために何人も諭吉さんとサヨナラしたよ・・・
「就職したら、ほんまおごってな!」と言う先生の意地汚さを許しておくれ・・・。

なんだか楽しくてスピリチュアルな夜だったなぁ。
びりけんに行くと、いつもパワーが出てくるというか、少し軌道修正される。その感じが好き。

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2 コメント

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Unknown (あんこ)
2012-09-29 12:47:55
諭吉さん、飛んでくよね。
後輩とか教え子とか、年下ちゃんとサシででかけると(笑)でも、こういう夜は大切ね。
人を楽しませる、か。
ヒーラーだから、
屋号もびりけんさんなんかな?
マスターは幸運を呼び込む神様!?だったりして。
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諭吉 (かおり)
2012-09-29 14:29:36
あんこちゃん

今月はたくさん人にごちそうしたけど、たくさんごちそうになった月でもあったわ。
まあ、金は回りものだからね~

屋号が「酒人肴びりけん」やねん。
(酒人肴は「しゅじんこう」と読みます)

そうか、まだ連れて行ったことないね。
今度ぜひに。
あまり食べない人も、お酒といい感じの肴を用意してくれるので。
ハッピーになれるよ!
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