カナ文字文庫(漢字廃止論)

日本文学の名作などをカナ書きに改めて掲載。

シャヨウ 4

2019-11-08 | ダザイ オサム
 4

 オテガミ、 かこう か、 どう しよう か、 ずいぶん まよって いました。 けれども、 ケサ、 ハト の ごとく すなお に、 ヘビ の ごとく さとかれ、 と いう イエス の コトバ を ふと おもいだし、 キミョウ に ゲンキ が でて、 オテガミ を さしあげる こと に しました。 ナオジ の アネ で ございます。 オワスレ かしら。 オワスレ だったら、 おもいだして ください。
 ナオジ が、 こないだ また オジャマ に あがって、 ずいぶん ゴヤッカイ を、 おかけ した よう で、 あいすみません。 (でも、 ホントウ は、 ナオジ の こと は、 それ は ナオジ の カッテ で、 ワタシ が さしでて オワビ を する など、 ナンセンス みたい な キ も する の です。) キョウ は、 ナオジ の こと で なく、 ワタシ の こと で、 オネガイ が ある の です。 キョウバシ の アパート で リサイ なさって、 それから イマ の ゴジュウショ に おうつり に なった こと を ナオジ から ききまして、 よっぽど トウキョウ の コウガイ の その オタク に おうかがい しよう か と おもった の です が、 オカアサマ が コナイダ から また すこし オカゲン が わるく、 オカアサマ を ほっといて ジョウキョウ する こと は、 どうしても できませぬ ので、 それで、 オテガミ で もうしあげる こと に いたしました。
 アナタ に、 ゴソウダン して みたい こと が ある の です。
 ワタシ の この ソウダン は、 これまで の 「オンナ ダイガク」 の タチバ から みる と、 ヒジョウ に ずるくて、 けがらわしくて、 アクシツ の ハンザイ で さえ ある かも しれません が、 けれども ワタシ は、 いいえ、 ワタシタチ は、 イマ の まま では、 とても いきて ゆけそう も ありません ので、 オトウト の ナオジ が コノヨ で いちばん ソンケイ して いる らしい アナタ に、 ワタシ の いつわらぬ キモチ を きいて いただき、 オサシズ を おねがい する つもり なの です。
 ワタシ には、 イマ の セイカツ が、 たまらない の です。 すき、 きらい どころ では なく、 とても、 コノママ では ワタシタチ オヤコ 3 ニン、 いきて ゆけそう も ない の です。
 キノウ も、 くるしくて、 カラダ も ねつっぽく、 いきぐるしくて、 ジブン を もてあまして いましたら、 オヒル すこし-スギ、 アメ の ナカ を シタ の ノウカ の ムスメ さん が、 オコメ を せおって もって きました。 そうして ワタシ の ほう から、 ヤクソクドオリ の イルイ を さしあげました。 ムスメ さん は、 ショクドウ で ワタシ と むかいあって こしかけて オチャ を のみながら、 じつに、 リアル な クチョウ で、
「アナタ、 モノ を うって、 これから サキ、 どの くらい セイカツ して いける の?」
 と いいました。
「ハントシ か、 1 ネン くらい」
 と ワタシ は こたえました。 そうして、 ミギテ で ハンブン ばかり カオ を かくして、
「ねむい の。 ねむくて、 シカタ が ない の」
 と いいました。
「つかれて いる のよ。 ねむく なる シンケイ スイジャク でしょう」
「そう でしょう ね」
 ナミダ が でそう で、 ふと ワタシ の ムネ の ナカ に、 リアリズム と いう コトバ と、 ロマンチシズム と いう コトバ が うかんで きました。 ワタシ に、 リアリズム は、 ありません。 こんな グアイ で、 いきて ゆける の かしら、 と おもったら、 ゼンシン に サムケ を かんじました。 オカアサマ は、 ハンブン ゴビョウニン の よう で、 ねたり おきたり です し、 オトウト は、 ゴゾンジ の よう に ココロ の ダイビョウニン で、 こちら に いる とき は、 ショウチュウ を のみ に、 この キンジョ の ヤドヤ と リョウリヤ と を かねた ウチ へ ゴセイキン で、 ミッカ に イチド は、 ワタシタチ の イルイ を うった オカネ を もって トウキョウ ホウメン へ ゴシュッチョウ です。 でも、 くるしい の は、 こんな こと では ありません。 ワタシ は ただ、 ワタシ ジシン の イノチ が、 こんな ニチジョウ セイカツ の ナカ で、 バショウ の ハ が ちらない で くさって ゆく よう に、 たちつくした まま おのずから くさって ゆく の を ありあり と ヨカン せられる の が、 おそろしい の です。 とても、 たまらない の です。 だから ワタシ は、 「オンナ ダイガク」 に そむいて も、 イマ の セイカツ から のがれでたい の です。
 それで、 ワタシ、 アナタ に、 ソウダン いたします。
 ワタシ は、 イマ、 オカアサマ や オトウト に、 はっきり センゲン したい の です。 ワタシ が マエ から、 ある オカタ に コイ を して いて、 ワタシ は ショウライ、 その オカタ の アイジン と して くらす つもり だ と いう こと を、 はっきり いって しまいたい の です。 その オカタ は、 アナタ も たしか ゴゾンジ の はず です。 その オカタ の オナマエ の イニシャル は、 M.C で ございます。 ワタシ は マエ から、 ナニ か くるしい こと が おこる と、 その M.C の ところ に とんで ゆきたくて、 コガレジニ を する よう な オモイ を して きた の です。
 M.C には、 アナタ と おなじ よう に、 オクサマ も オコサマ も ございます。 また、 ワタシ より、 もっと きれい で わかい、 オンナ の オトモダチ も ある よう です。 けれども ワタシ は、 M.C の ところ へ ゆく より ホカ に、 ワタシ の いきる ミチ が ない キモチ なの です。 M.C の オクサマ とは、 ワタシ は まだ あった こと が ありません けれども、 とても やさしくて よい オカタ の よう で ございます。 ワタシ は、 その オクサマ の こと を かんがえる と、 ジブン を おそろしい オンナ だ と おもいます。 けれども、 ワタシ の イマ の セイカツ は、 それ イジョウ に おそろしい もの の よう な キ が して、 M.C に たよる こと を よせない の です。 ハト の ごとく すなお に、 ヘビ の ごとく さとく、 ワタシ は、 ワタシ の コイ を しとげたい と おもいます。 でも、 きっと、 オカアサマ も、 オトウト も、 また セケン の ヒトタチ も、 ダレヒトリ ワタシ に サンセイ して くださらない でしょう。 アナタ は、 いかが です。 ワタシ は けっきょく、 ヒトリ で かんがえて、 ヒトリ で コウドウ する より ホカ は ない の だ、 と おもう と、 ナミダ が でて きます。 うまれて はじめて の、 こと なの です から。 この、 むずかしい こと を、 シュウイ の ミンナ から シュクフク されて しとげる ホウ は ない もの かしら、 と ひどく ややこしい ダイスウ の インスウ ブンカイ か ナニ か の トウアン を かんがえる よう に、 オモイ を こらして、 どこ か に 1 カショ、 ぱらぱら と きれい に ときほぐれる イトグチ が ある よう な キモチ が して きて、 キュウ に ヨウキ に なったり なんか して いる の です。
 けれども、 カンジン の M.C の ほう で、 ワタシ を どう おもって いらっしゃる か。 それ を かんがえる と、 しょげて しまいます。 いわば、 ワタシ は、 オシカケ、 ……なんと いう の かしら、 オシカケ ニョウボウ と いって も いけない し、 オシカケ アイジン、 と でも いおう かしら、 そんな もの なの です から、 M.C の ほう で どうしても、 いや だ と いったら、 それっきり。 だから、 アナタ に おねがい します。 どうか、 あの オカタ に、 アナタ から きいて みて ください。 6 ネン マエ の ある ヒ、 ワタシ の ムネ に かすか な あわい ニジ が かかって、 それ は コイ でも アイ でも なかった けれども、 トシツキ の たつ ほど、 その ニジ は あざやか に シキサイ の コサ を まして きて、 ワタシ は イマ まで イチド も、 それ を みうしなった こと は ございません でした。 ユウダチ の はれた ソラ に かかる ニジ は、 やがて はかなく きえて しまいます けど、 ヒト の ムネ に かかった ニジ は、 きえない よう で ございます。 どうぞ、 あの オカタ に、 きいて みて ください。 あの オカタ は、 ホント に、 ワタシ を、 どう おもって いらっしゃった の でしょう。 それこそ、 ウゴ の ソラ の ニジ みたい に、 おもって いらっしゃった の でしょう か。 そうして、 とっく に きえて しまった もの と?
 それなら、 ワタシ も、 ワタシ の ニジ を けして しまわなければ なりません。 けれども、 ワタシ の イノチ を サキ に けさなければ、 ワタシ の ムネ の ニジ は きえそう も ございません。
 ゴヘンジ を、 いのって います。
 ウエハラ ジロウ サマ (ワタシ の チェホフ。 マイ、 チェホフ。 M.C)

ワタシ は、 コノゴロ、 すこし ずつ、 ふとって ゆきます。 ドウブツテキ な オンナ に なって ゆく と いう より は、 ひとらしく なった の だ と おもって います。 この ナツ は、 ロレンス の ショウセツ を、 ヒトツ だけ よみました。


 ゴヘンジ が ない ので、 もう イチド オテガミ を さしあげます。 こないだ さしあげた テガミ は、 とても、 ずるい、 ヘビ の よう な カンサク に みちみちて いた の を、 いちいち みやぶって おしまい に なった の でしょう。 ホントウ に、 ワタシ は あの テガミ の 1 ギョウ 1 ギョウ に コウチ の カギリ を つくして みた の です。 けっきょく、 ワタシ は アナタ に、 ワタシ の セイカツ を たすけて いただきたい、 オカネ が ほしい と いう イト だけ、 それ だけ の テガミ だ と おおもい に なった こと でしょう。 そうして、 ワタシ も それ を ヒテイ いたしませぬ けれども、 しかし、 ただ ワタシ が ジシン の パトロン が ほしい の なら、 シツレイ ながら、 とくに アナタ を えらんで おねがい もうしませぬ。 ホカ に たくさん、 ワタシ を かわいがって くださる ロウジン の オカネモチ など ある よう な キ が します。 げんに コナイダ も、 ミョウ な エンダン みたい な もの が あった の です。 その オカタ の オナマエ は、 アナタ も ゴゾンジ かも しれません が、 60 すぎた ドクシン の オジイサン で、 ゲイジュツイン とか の カイイン だ とか ナン だ とか、 そういう ダイシショウ の ヒト が、 ワタシ を もらい に この サンソウ に やって きました。 この シショウ さん は、 ワタシドモ の ニシカタマチ の オウチ の キンジョ に すんで いました ので、 ワタシタチ も トナリグミ の ヨシミ で、 ときたま あう こと が ありました。 いつか、 あれ は アキ の ユウグレ だった と おぼえて います が、 ワタシ と オカアサマ と フタリ で、 ジドウシャ で その シショウ さん の オウチ の マエ を とおりすぎた とき、 その オカタ が オヒトリ で ぼんやり オタク の モン の ソバ に たって いらして、 オカアサマ が ジドウシャ の マド から ちょっと シショウ さん に オエシャク なさったら、 その シショウ さん の きむずかしそう な あおぐろい オカオ が、 ぱっと コウヨウ より も あかく なりました。
「コイ かしら」
 ワタシ は、 はしゃいで いいました。
「オカアサマ を、 すき なの ね」
 けれども、 オカアサマ は おちついて、
「いいえ。 えらい オカタ」
 と ヒトリゴト の よう に、 おっしゃいました。 ゲイジュツカ を ソンケイ する の は、 ワタシドモ の イエ の カフウ の よう で ございます。
 その シショウ さん が、 センネン オクサマ を なくなさった とか で、 ワダ の オジサマ と ヨウキョク の オテング ナカマ の ある ミヤケ の オカタ を かいし、 オカアサマ に モウシイレ を なさって、 オカアサマ は、 カズコ から おもった とおり の ゴヘンジ を シショウ さん に ちょくせつ さしあげたら? と おっしゃる し、 ワタシ は ふかく かんがえる まで も なく、 いや なので、 ワタシ には イマ ケッコン の イシ が ございません、 と いう こと を なんでも なく すらすら と かけました。
「おことわり して も いい の でしょう?」
「そりゃ もう。 ……ワタシ も、 ムリ な ハナシ だ と おもって いた わ」
 その コロ、 シショウ さん は カルイザワ の ベッソウ の ほう に いらした ので、 その オベッソウ へ オコトワリ の ゴヘンジ を さしあげたら、 それから、 フツカ-メ に、 その テガミ と ユキチガイ に、 シショウ さん ゴジシン、 イズ の オンセン へ シゴト に きた トチュウ で ちょっと たちよらせて いただきました と おっしゃって、 ワタシ の ヘンジ の こと は なにも ゴゾンジ で なく、 だしぬけ に、 この サンソウ に おみえ に なった の です。 ゲイジュツカ と いう もの は、 オイクツ に なって も、 こんな コドモ みたい な キママ な こと を なさる もの らしい のね。
 オカアサマ は、 オカゲン が わるい ので、 ワタシ が オアイテ に でて、 シナマ で オチャ を さしあげ、
「あの、 オコトワリ の テガミ、 イマゴロ カルイザワ の ほう に ついて いる こと と ぞんじます。 ワタシ、 よく かんがえました の です けど」
 と もうしあげました。
「そう です か」
 と せかせか した チョウシ で おっしゃって、 アセ を おふき に なり、
「でも、 それ は、 もう イチド、 よく おかんがえ に なって みて ください。 ワタシ は、 アナタ を、 なんと いったら いい か、 いわば セイシンテキ には コウフク を あたえる こと が できない かも しれない が、 そのかわり、 ブッシツテキ には どんな に でも コウフク に して あげる こと が できる。 これ だけ は、 はっきり いえます。 まあ、 ざっくばらん の ハナシ です が」
「オコトバ の、 その、 コウフク と いう の が、 ワタシ には よく わかりません。 ナマイキ を もうしあげる よう です けど、 ごめんなさい。 チェホフ の ツマ への テガミ に、 コドモ を うんで おくれ、 ワタシタチ の コドモ を うんで おくれ、 って かいて ございました わね。 ニーチェ だ か の エッセイ の ナカ にも、 コドモ を うませたい と おもう オンナ、 と いう コトバ が ございました わ。 ワタシ、 コドモ が ほしい の です。 コウフク なんて、 そんな もの は、 どうだって いい の です の。 オカネ も ほしい けど、 コドモ を そだてて いける だけ の オカネ が あったら、 それ で タクサン です わ」
 シショウ さん は、 ヘン な ワライカタ を なさって、
「アナタ は、 めずらしい カタ です ね。 ダレ に でも、 おもった とおり を いえる カタ だ。 アナタ の よう な カタ と イッショ に いる と、 ワタシ の シゴト にも あたらしい レイカン が まいおりて くる かも しれない」
 と、 オトシ に にあわず、 ちょっと キザ みたい な こと を いいました。 こんな えらい ゲイジュツカ の オシゴト を、 もし ホントウ に ワタシ の チカラ で わかがえらせる こと が できたら、 それ も イキガイ の ある こと に ちがいない、 とも おもいました が、 けれども、 ワタシ は、 その シショウ さん に だかれる ジブン の スガタ を、 どうしても かんがえる こと が できなかった の です。
「ワタシ に、 コイ の ココロ が なくて も いい の でしょう か?」
 と ワタシ は すこし わらって おたずね したら、 シショウ さん は マジメ に、
「オンナ の カタ は、 それ で いい ん です。 オンナ の ヒト は、 ぼんやり して いて、 いい ん です よ」
 と おっしゃいます。
「でも、 ワタシ みたい な オンナ は、 やっぱり、 コイ の ココロ が なくて は、 ケッコン を かんがえられない の です。 ワタシ、 もう、 オトナ なん です もの。 ライネン は、 もう、 30」
 と いって、 おもわず クチ を おおいたい よう な キモチ が しました。
 30。 オンナ には、 29 まで は オトメ の ニオイ が のこって いる。 しかし、 30 の オンナ の カラダ には、 もう、 どこ にも、 オトメ の ニオイ が ない、 と いう ムカシ よんだ フランス の ショウセツ の ナカ の コトバ が ふっと おもいだされて、 やりきれない サビシサ に おそわれ、 ソト を みる と、 マヒル の ヒカリ を あびて ウミ が、 ガラス の ハヘン の よう に どぎつく ひかって いました。 あの ショウセツ を よんだ とき には、 そりゃ そう だろう と かるく コウテイ して すまして いた。 30 サイ まで で、 オンナ の セイカツ は、 オシマイ に なる と ヘイキ で そう おもって いた あの コロ が なつかしい。 ウデワ、 クビカザリ、 ドレス、 オビ、 ヒトツヒトツ ワタシ の カラダ の シュウイ から きえて なくなって ゆく に したがって、 ワタシ の カラダ の オトメ の ニオイ も しだいに あわく うすれて いった の でしょう。 まずしい、 チュウネン の オンナ。 おお、 いや だ。 でも、 チュウネン の オンナ の セイカツ にも、 オンナ の セイカツ が、 やっぱり、 ある ん です のね。 コノゴロ、 それ が わかって きました。 エイジン の オンナ キョウシ が、 イギリス に オカエリ の とき、 19 の ワタシ に こう おっしゃった の を おぼえて います。
「アナタ は、 コイ を なさって は、 いけません。 アナタ は、 コイ を したら、 フコウ に なります。 コイ を、 なさる なら、 もっと、 おおきく なって から に なさい。 30 に なって から に なさい」
 けれども、 そう いわれて も ワタシ は、 きょとん と して いました。 30 に なって から の こと など、 その コロ の ワタシ には、 ソウゾウ も なにも できない こと でした。
「この オベッソウ を、 おうり に なる とか いう ウワサ を ききました が」
 シショウ さん は、 イジワル そう な ヒョウジョウ で、 ふいと そう おっしゃいました。
 ワタシ は わらいました。
「ごめんなさい。 サクラ の ソノ を おもいだした の です。 アナタ が、 おかい に なって くださる の でしょう?」
 シショウ さん は、 さすが に ビンカン に おさっし に なった よう で、 おこった よう に クチ を ゆがめて もくしました。
 ある ミヤサマ の オスマイ と して、 シンエン 50 マン エン で この イエ を、 どうこう と いう ハナシ が あった の も ジジツ です が、 それ は タチギエ に なり、 その ウワサ でも シショウ さん は ききこんだ の でしょう。 でも、 サクラ の ソノ の ロパーヒン みたい に ワタシドモ に おもわれて いる の では たまらない と、 すっかり オキゲン を わるく した ヨウス で、 アト、 セケンバナシ を すこし して おかえり に なって しまいました。
 ワタシ が イマ、 アナタ に もとめて いる もの は、 ロパーヒン では ございません。 それ は、 はっきり いえる ん です。 ただ、 チュウネン の オンナ の オシカケ を、 ひきうけて ください。
 ワタシ が はじめて、 アナタ と おあい した の は、 もう 6 ネン くらい ムカシ の こと でした。 あの とき には、 ワタシ は アナタ と いう ヒト に ついて なにも しりません でした。 ただ、 オトウト の シショウ さん、 それ も いくぶん わるい シショウ さん、 そう おもって いた だけ でした。 そうして、 イッショ に コップ で オサケ を のんで、 それから、 アナタ は、 ちょっと かるい イタズラ を なさった でしょう。 けれども、 ワタシ は ヘイキ でした。 ただ、 へんに ミガル に なった くらい の キブン で いました。 アナタ を、 すき でも きらい でも、 なんでも なかった の です。 その うち に、 オトウト の オキゲン を とる ため に、 アナタ の チョショ を オトウト から かりて よみ、 おもしろかったり おもしろく なかったり、 あまり ネッシン な ドクシャ では なかった の です が、 6 ネン-カン、 いつ の コロ から か、 アナタ の こと が キリ の よう に ワタシ の ムネ に しみこんで いた の です。 あの ヨル、 チカシツ の カイダン で、 ワタシタチ の した こと も、 キュウ に いきいき と あざやか に おもいだされて きて、 なんだか あれ は、 ワタシ の ウンメイ を ケッテイ する ほど の ジュウダイ な こと だった よう な キ が して、 アナタ が したわしくて、 これ が、 コイ かも しれぬ と おもったら、 とても こころぼそく たよりなく、 ヒトリ で めそめそ なきました。 アナタ は、 ホカ の オトコ の ヒト と、 まるで ぜんぜん ちがって います。 ワタシ は、 「カモメ」 の ニーナ の よう に、 サッカ に こいして いる の では ありません。 ワタシ は、 ショウセツカ など に あこがれて は いない の です。 ブンガク ショウジョ、 など と おおもい に なったら、 こちら も、 まごつきます。 ワタシ は、 アナタ の アカチャン が ほしい の です。
 もっと ずっと マエ に、 アナタ が まだ オヒトリ の とき、 そうして ワタシ も まだ ヤマキ へ ゆかない とき に、 おあい して、 フタリ が ケッコン して いたら、 ワタシ も イマ みたい に くるしまず に すんだ の かも しれません が、 ワタシ は もう アナタ との ケッコン は できない もの と あきらめて います。 アナタ の オクサマ を おしのける など、 それ は あさましい ボウリョク みたい で、 ワタシ は いや なん です。 ワタシ は、 オメカケ、 (この コトバ、 いいたく なくて、 たまらない の です けど、 でも、 アイジン、 と いって みた ところ で、 ぞくに いえば、 オメカケ に ちがいない の です から、 はっきり、 いう わ) それだって、 かまわない ん です。 でも、 セケン フツウ の オメカケ の セイカツ って、 むずかしい もの らしい のね。 ヒト の ハナシ では、 オメカケ は ふつう、 ヨウ が なくなる と、 すてられる もの ですって。 60 ちかく なる と、 どんな オトコ の カタ でも、 ミンナ、 ホンサイ の ところ へ おもどり に なる ん ですって。 ですから、 オメカケ に だけ は なる もの じゃ ない って、 ニシカタマチ の ジイヤ と ウバ が はなしあって いる の を、 きいた こと が ある ん です。 でも、 それ は、 セケン フツウ の オメカケ の こと で、 ワタシタチ の バアイ は、 ちがう よう な キ が します。 アナタ に とって、 いちばん、 ダイジ なの は、 やはり、 アナタ の オシゴト だ と おもいます。 そうして、 アナタ が、 ワタシ を おすき だったら、 フタリ が なかよく する こと が、 オシゴト の ため にも いい でしょう。 すると、 アナタ の オクサマ も、 ワタシタチ の こと を ナットク して くださいます。 ヘン な、 コジツケ の リクツ みたい だ けど、 でも、 ワタシ の カンガエ は、 どこ も まちがって いない と おもう わ。
 モンダイ は、 アナタ の ゴヘンジ だけ です。 ワタシ を、 すき なの か、 きらい なの か、 それとも、 なんとも ない の か、 その ゴヘンジ、 とても おそろしい の だ けれども、 でも、 うかがわなければ なりません。 コナイダ の テガミ にも、 ワタシ、 オシカケ アイジン、 と かき、 また、 この テガミ にも、 チュウネン の オンナ の オシカケ、 など と かきました が、 イマ よく かんがえて みましたら、 アナタ から の ゴヘンジ が なければ、 ワタシ、 おしかけよう にも、 なにも、 テガカリ が なく、 ヒトリ で ぼんやり やせて ゆく だけ でしょう。 やはり アナタ の ナニ か オコトバ が なければ、 ダメ だった ん です。
 イマ ふっと おもった こと で ございます が、 アナタ は、 ショウセツ では ずいぶん コイ の ボウケン みたい な こと を おかき に なり、 セケン から も ひどい アッカン の よう に ウワサ を されて いながら、 ホントウ は、 ジョウシキカ なん でしょう。 ワタシ には、 ジョウシキ と いう こと が、 わからない ん です。 すき な こと が でき さえ すれば、 それ は いい セイカツ だ と おもいます。 ワタシ は、 アナタ の アカチャン を うみたい の です。 ホカ の ヒト の アカチャン は、 どんな こと が あって も、 うみたく ない ん です。 それで、 ワタシ は、 アナタ に ソウダン を して いる の です。 おわかり に なりましたら、 ゴヘンジ を ください。 アナタ の オキモチ を、 はっきり、 おしらせ ください。
 アメ が あがって、 カゼ が ふきだしました。 イマ ゴゴ 3 ジ です。 これから、 イッキュウシュ (6 ゴウ) の ハイキュウ を もらい に ゆきます。 ラム-シュ の ビン を 2 ホン、 フクロ に いれて、 ムネ の ポケット に、 この テガミ を いれて、 もう 10 プン ばかり したら、 シタ の ムラ に でかけます。 この オサケ は、 オトウト に のませません。 カズコ が のみます。 マイバン、 コップ で 1 パイ ずつ いただきます。 オサケ は、 ホントウ は、 コップ で のむ もの です わね。
 こちら に、 いらっしゃいません?
  M.C サマ


 キョウ も アメフリ に なりました。 メ に みえない よう な キリサメ が ふって いる の です。 マイニチ マイニチ、 ガイシュツ も しない で ゴヘンジ を おまち して いる のに、 とうとう キョウ まで オタヨリ が ございません でした。 いったい アナタ は、 ナニ を おかんがえ に なって いる の でしょう。 コナイダ の テガミ で、 あの ダイシショウ さん の こと など かいた の が、 いけなかった の かしら。 こんな エンダン なんか を かいて、 キョウソウシン を かきたてよう と して いやがる、 と でも おおもい に なった の でしょう か。 でも、 あの エンダン は、 もう あれっきり だった の です。 サッキ も、 オカアサマ と、 その ハナシ を して わらいました。 オカアサマ は、 こないだ シタ の サキ が いたい と おっしゃって、 ナオジ に すすめられて、 ビガク リョウホウ を して、 その リョウホウ に よって、 シタ の イタミ も とれて、 コノゴロ は ちょっと オゲンキ なの です。
 さっき ワタシ が オエンガワ に たって、 ウズ を まきつつ ふかれて ゆく キリサメ を ながめながら、 アナタ の オキモチ の こと を かんがえて いましたら、
「ミルク を わかした から、 いらっしゃい」
 と オカアサマ が ショクドウ の ほう から および に なりました。
「さむい から、 うんと あつく して みた の」
 ワタシタチ は、 ショクドウ で ユゲ の たって いる あつい ミルク を いただきながら、 センジツ の シショウ さん の こと を はなしあいました。
「あの カタ と、 ワタシ とは、 どだい なにも にあいません でしょう?」
 オカアサマ は ヘイキ で、
「にあわない」
 と おっしゃいました。
「ワタシ、 こんな に ワガママ だし、 それに ゲイジュツカ と いう もの を きらい じゃ ない し、 おまけに、 あの カタ には タクサン の シュウニュウ が ある らしい し、 あんな カタ と ケッコン したら、 そりゃ いい と おもう わ。 だけど、 ダメなの」
 オカアサマ は、 おわらい に なって、
「カズコ は、 いけない コ ね。 そんな に、 ダメ で いながら、 こないだ あの カタ と、 ゆっくり なにかと たのしそう に オハナシ を して いた でしょう。 アナタ の キモチ が、 わからない」
「あら、 だって、 おもしろかった ん です もの。 もっと、 いろいろ ハナシ を して みたかった わ。 ワタシ、 タシナミ が ない のね」
「いいえ、 べったり して いる のよ。 カズコ べったり」
 オカアサマ は、 キョウ は、 とても オゲンキ。
 そうして、 キノウ はじめて アップ に した ワタシ の カミ を ゴラン に なって、
「アップ は ね、 カミノケ の すくない ヒト が する と いい のよ。 アナタ の アップ は リッパ-すぎて、 キン の ちいさい カンムリ でも のせて みたい くらい。 シッパイ ね」
「カズコ がっかり。 だって、 オカアサマ は いつ だった か、 カズコ は クビスジ が しろくて きれい だ から、 なるべく クビスジ を かくさない よう に、 って おっしゃった じゃ ない の」
「そんな こと だけ は、 おぼえて いる のね」
「すこし でも ほめられた こと は、 イッショウ わすれません。 おぼえて いた ほう が、 たのしい もの」
「こないだ、 あの カタ から も、 なにかと ほめられた の でしょう」
「そう よ。 それで、 べったり に なっちゃった の。 ワタシ と イッショ に いる と レイカン が、 ああ、 たまらない。 ワタシ、 ゲイジュツカ は きらい じゃ ない ん です けど、 あんな、 ジンカクシャ みたい に、 もったいぶってる ヒト は、 とても、 ダメ なの」
「ナオジ の シショウ さん は、 どんな ヒト なの?」
 ワタシ は、 ひやり と しました。
「よく わからない けど、 どうせ ナオジ の シショウ さん です もの、 フダツキ の フリョウ らしい わ」
「フダツキ?」
 と、 オカアサマ は、 たのしそう な メツキ を なさって つぶやき、
「おもしろい コトバ ね。 フダツキ なら、 かえって アンゼン で いい じゃ ない の。 スズ を クビ に さげて いる コネコ みたい で かわいらしい くらい。 フダ の ついて いない フリョウ が、 こわい ん です」
「そう かしら」
 うれしくて、 うれしくて、 すうっと カラダ が ケムリ に なって ソラ に すわれて ゆく よう な キモチ でした。 おわかり に なります? なぜ、 ワタシ が、 うれしかった か。 おわかり に ならなかったら、 ……なぐる わよ。
 イチド、 ホントウ に、 こちら へ あそび に いらっしゃいません? ワタシ から ナオジ に、 アナタ を おつれ して くる よう に、 って いいつける の も、 なんだか フシゼン で、 ヘン です から、 アナタ ゴジシン の スイキョウ から、 ふっと ここ へ たちよった と いう カタチ に して、 ナオジ の アンナイ で おいで に なって も いい けれども、 でも、 なるべく なら オヒトリ で、 そうして ナオジ が トウキョウ に シュッチョウ した ルス に おいで に なって ください。 ナオジ が いる と、 アナタ を ナオジ に とられて しまって、 きっと アナタタチ は、 オサキ さん の ところ へ ショウチュウ なんか を のみ に でかけて いって、 それっきり に なる に きまって います から。 ワタシ の イエ では、 センゾ ダイダイ、 ゲイジュツカ を すき だった よう です。 コウリン と いう ガカ も、 ムカシ ワタシドモ の キョウト の オウチ に ながく タイザイ して、 フスマ に きれい な エ を かいて くださった の です。 だから、 オカアサマ も、 アナタ の ゴライホウ を、 きっと よろこんで くださる と おもいます。 アナタ は、 たぶん、 2 カイ の ヨウマ に オヤスミ と いう こと に なる でしょう。 オワスレ なく デントウ を けして おいて ください。 ワタシ は ちいさい ロウソク を カタテ に もって、 くらい カイダン を のぼって いって、 それ は、 ダメ? はやすぎる わね。
 ワタシ、 フリョウ が すき なの。 それ も、 フダツキ の フリョウ が、 すき なの。 そうして ワタシ も、 フダツキ の フリョウ に なりたい の。 そう する より ホカ に、 ワタシ の イキカタ が、 ない よう な キ が する の。 アナタ は、 ニホン で イチバン の、 フダツキ の フリョウ でしょう。 そうして、 コノゴロ は また、 タクサン の ヒト が、 アナタ を、 きたならしい、 けがらわしい、 と いって、 ひどく にくんで コウゲキ して いる とか、 オトウト から きいて、 いよいよ アナタ を すき に なりました。 アナタ の こと です から、 きっと イロイロ の アミ を オモチ でしょう けれども、 いまに だんだん ワタシ ヒトリ を すき に オナリ でしょう。 なぜ だ か、 ワタシ には、 そう おもわれて シカタ が ない ん です。 そうして、 アナタ は ワタシ と イッショ に くらして、 マイニチ、 たのしく オシゴト が できる でしょう。 ちいさい とき から ワタシ は、 よく ヒト から、 「アナタ と イッショ に いる と クロウ を わすれる」 と いわれて きました。 ワタシ は イマ まで、 ヒト から きらわれた ケイケン が ない ん です。 ミンナ が ワタシ を、 いい コ だ と いって くださいました。 だから、 アナタ も、 ワタシ を おきらい の はず は、 けっして ない と おもう の です。
 あえば いい の です。 もう、 イマ は ゴヘンジ も なにも いりません。 おあい しとう ございます。 ワタシ の ほう から、 トウキョウ の アナタ の オタク へ おうかがい すれば いちばん カンタン に オメ に かかれる の でしょう けれど、 オカアサマ が、 なにせ ハンビョウニン の よう で、 ワタシ は ツキッキリ の カンゴフ ケン オジョチュウ さん なの です から、 どうしても それ が できません。 オネガイ で ございます。 どうか、 こちら へ いらして ください。 ヒトメ おあい したい の です。 そうして、 スベテ は、 おあい すれば、 わかる こと。 ワタシ の クチ の リョウガワ に できた かすか な シワ を みて ください。 セイキ の カナシミ の シワ を みて ください。 ワタシ の どんな コトバ より、 ワタシ の カオ が、 ワタシ の ムネ の オモイ を はっきり アナタ に おしらせ する はず で ございます。
 サイショ に さしあげた テガミ に、 ワタシ の ムネ に かかって いる ニジ の こと を かきました が、 その ニジ は ホタル の ヒカリ みたい な、 または オホシサマ の ヒカリ みたい な、 そんな オジョウヒン な うつくしい もの では ない の です。 そんな あわい とおい オモイ だったら、 ワタシ は こんな に くるしまず、 しだいに アナタ を わすれて ゆく こと が できた でしょう。 ワタシ の ムネ の ニジ は、 ホノオ の ハシ です。 ムネ が やきこげる ほど の オモイ なの です。 マヤク チュウドクシャ が、 マヤク が きれて クスリ を もとめる とき の キモチ だって、 これほど つらく は ない でしょう。 まちがって は いない、 ヨコシマ では ない と おもいながら も、 ふっと、 ワタシ、 タイヘン な、 オオバカ の こと を しよう と して いる の では ない かしら、 と おもって、 ぞっと する こと も ある ん です。 ハッキョウ して いる の では ない かしら と ハンセイ する、 そんな キモチ も、 たくさん ある ん です。 でも、 ワタシ だって、 レイセイ に ケイカク して いる こと も ある ん です。 ホントウ に、 こちら へ イチド いらして ください。 いつ、 いらして くださって も だいじょうぶ。 ワタシ は どこ へも ゆかず に、 いつも おまち して います。 ワタシ を しんじて ください。
 もう イチド おあい して、 その とき、 いや なら はっきり いって ください。 ワタシ の この ムネ の ホノオ は、 アナタ が テンカ した の です から、 アナタ が けして いって ください。 ワタシ ヒトリ の チカラ では、 とても けす こと が できない の です。 とにかく あったら、 あったら、 ワタシ が たすかります。 マンヨウ や ゲンジ モノガタリ の コロ だったら、 ワタシ の もうしあげて いる よう な こと、 なんでも ない こと でした のに。 ワタシ の ノゾミ。 アナタ の アイショウ に なって、 アナタ の コドモ の ハハ に なる こと。
 このよう な テガミ を、 もし チョウショウ する ヒト が あったら、 その ヒト は オンナ の いきて ゆく ドリョク を チョウショウ する ヒト です。 オンナ の イノチ を チョウショウ する ヒト です。 ワタシ は ミナト の いきづまる よう な よどんだ クウキ に たえきれなくて、 ミナト の ソト は アラシ で あって も、 ホ を あげたい の です。 いこえる ホ は、 レイガイ なく きたない。 ワタシ を チョウショウ する ヒトタチ は、 きっと ミナ、 いこえる ホ です。 なにも でき や しない ん です。
 こまった オンナ。 しかし、 この モンダイ で いちばん くるしんで いる の は ワタシ なの です。 この モンダイ に ついて、 なにも、 ちっとも くるしんで いない ボウカンシャ が、 ホ を みにくく だらり と やすませながら、 この モンダイ を ヒハン する の は、 ナンセンス です。 ワタシ を、 イイカゲン に ナニナニ シソウ なんて いって もらいたく ない ん です。 ワタシ は ムシソウ です。 ワタシ は シソウ や テツガク なんて もの で コウドウ した こと は、 イチド だって ない ん です。
 セケン で よい と いわれ、 ソンケイ されて いる ヒトタチ は、 ミナ ウソツキ で、 ニセモノ なの を、 ワタシ は しって いる ん です。 ワタシ は、 セケン を シンヨウ して いない ん です。 フダツキ の フリョウ だけ が、 ワタシ の ミカタ なん です。 フダツキ の フリョウ。 ワタシ は その ジュウジカ に だけ は、 かかって しんで も いい と おもって います。 バンニン に ヒナン せられて も、 それでも、 ワタシ は いいかえして やれる ん です。 オマエタチ は、 フダ の ついて いない もっと キケン な フリョウ じゃ ない か、 と。
 おわかり に なりまして?
 コイ に リユウ は ございません。 すこし リクツ みたい な こと を いいすぎました。 オトウト の クチマネ に すぎなかった よう な キ も します。 オイデ を おまち して いる だけ なの です。 もう イチド オメ に かかりたい の です。 それ だけ なの です。
 まつ。 ああ、 ニンゲン の セイカツ には、 よろこんだり おこったり かなしんだり にくんだり、 イロイロ の カンジョウ が ある けれども、 けれども それ は ニンゲン の セイカツ の ほんの 1 パーセント を しめて いる だけ の カンジョウ で、 アト の 99 パーセント は、 ただ まって くらして いる の では ない でしょう か。 コウフク の アシオト が、 ロウカ に きこえる の を イマ か イマ か と ムネ の つぶれる オモイ で まって、 カラッポ。 ああ、 ニンゲン の セイカツ って、 あんまり みじめ。 うまれて こない ほう が よかった と ミンナ が かんがえて いる この ゲンジツ。 そうして マイニチ、 アサ から バン まで、 はかなく ナニ か を まって いる。 みじめすぎます。 うまれて きて よかった と、 ああ、 イノチ を、 ニンゲン を、 ヨノナカ を、 よろこんで みとう ございます。
 はばむ ドウトク を、 おしのけられません か?
 M.C (マイ、 チェホフ の イニシャル では ない ん です。 ワタシ は、 サッカ に こいして いる の では ございません。 マイ、 チャイルド)

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