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ワタクシ が ショモツ ばかり かう の を みて、 オクサン は すこし キモノ を こしらえろ と いいました。 ワタクシ は じっさい イナカ で おった モメンモノ しか もって いなかった の です。 その コロ の ガクセイ は イト の はいった キモノ を ハダ に つけません でした。 ワタクシ の トモダチ に ヨコハマ の アキンド か ナニ か で、 ウチ は なかなか ハデ に くらして いる モノ が ありました が、 そこ へ ある とき ハブタエ の ドウギ が ハイタツ で とどいた こと が あります。 すると ミンナ が それ を みて わらいました。 その オトコ は はずかしがって いろいろ ベンカイ しました が、 せっかく の ドウギ を コウリ の ソコ へ ほうりこんで リヨウ しない の です。 それ を また オオゼイ が よって たかって、 わざと きせました。 すると ウン わるく その ドウギ に シラミ が たかりました。 トモダチ は ちょうど サイワイ と でも おもった の でしょう。 ヒョウバン の ドウギ を ぐるぐる と まるめて、 サンポ に でた ツイデ に、 ネヅ の おおきな ドブ の ナカ へ すてて しまいました。 その とき イッショ に あるいて いた ワタクシ は、 ハシ の ウエ に たって わらいながら トモダチ の ショサ を ながめて いました が、 ワタクシ の ムネ の どこ にも もったいない と いう キ は すこしも おこりません でした。
その コロ から みる と ワタクシ も だいぶ オトナ に なって いました。 けれども まだ ジブン で ヨソユキ の キモノ を こしらえる と いう ほど の フンベツ は でなかった の です。 ワタクシ は ソツギョウ して ヒゲ を はやす ジダイ が こなければ、 フクソウ の シンパイ など は する に およばない もの だ と いう ヘン な カンガエ を もって いた の です。 それで オクサン に ショモツ は いる が キモノ は いらない と いいました。 オクサン は ワタクシ の かう ショモツ の ブンリョウ を しって いました。 かった ホン を みんな よむ の か と きく の です。 ワタクシ の かう もの の ウチ には ジビキ も あります が、 とうぜん メ を とおす べき はず で ありながら、 ページ さえ きって ない の も たしょう あった の です から、 ワタクシ は ヘンジ に きゅうしました。 ワタクシ は どうせ いらない もの を かう なら、 ショモツ でも イフク でも おなじ だ と いう こと に キ が つきました。 そのうえ ワタクシ は いろいろ セワ に なる と いう コウジツ の モト に、 オジョウサン の キ に いる よう な オビ か タンモノ を かって やりたかった の です。 それで バンジ を オクサン に イライ しました。
オクサン は ジブン ヒトリ で ゆく とは いいません。 ワタクシ にも イッショ に こい と メイレイ する の です。 オジョウサン も ゆかなくて は いけない と いう の です。 イマ と ちがった クウキ の ナカ に そだてられた ワタクシドモ は、 ガクセイ の ミブン と して、 あまり わかい オンナ など と イッショ に あるきまわる シュウカン を もって いなかった もの です。 その コロ の ワタクシ は イマ より も まだ シュウカン の ドレイ でした から、 たしょう チュウチョ しました が、 おもいきって でかけました。
オジョウサン は たいそう きかざって いました。 ジタイ が イロ の しろい くせ に、 オシロイ を ホウフ に ぬった もの だ から なお めだちます。 オウライ の ヒト が じろじろ みて ゆく の です。 そうして オジョウサン を みた モノ は きっと その シセン を ひるがえして、 ワタクシ の カオ を みる の だ から、 ヘン な もの でした。
3 ニン は ニホンバシ へ いって かいたい もの を かいました。 かう アイダ にも いろいろ キ が かわる ので、 おもった より ヒマ が かかりました。 オクサン は わざわざ ワタクシ の ナ を よんで どう だろう と ソウダン を する の です。 ときどき タンモノ を オジョウサン の カタ から ムネ へ タテ に あてて おいて、 ワタクシ に 2~3 ポ とおのいて みて くれろ と いう の です。 ワタクシ は その たび ごと に、 それ は ダメ だ とか、 それ は よく にあう とか、 とにかく イチニンマエ の クチ を ききました。
こんな こと で ジカン が かかって カエリ は ユウメシ の ジコク に なりました。 オクサン は ワタクシ に たいする オレイ に ナニ か ゴチソウ する と いって、 キハラダナ と いう ヨセ の ある せまい ヨコチョウ へ ワタクシ を つれこみました。 ヨコチョウ も せまい が、 メシ を くわせる ウチ も せまい もの でした。 この ヘン の チリ を いっこう こころえない ワタクシ は、 オクサン の チシキ に おどろいた くらい です。
ワレワレ は ヨ に いって ウチ へ かえりました。 その あくる ヒ は ニチヨウ でした から、 ワタクシ は シュウジツ ヘヤ の ウチ に とじこもって いました。 ゲツヨウ に なって、 ガッコウ へ でる と、 ワタクシ は アサッパラ そうそう キュウユウ の ヒトリ から からかわれました。 いつ サイ を むかえた の か と いって わざとらしく きかれる の です。 それから ワタクシ の サイクン は ヒジョウ に ビジン だ と いって ほめる の です。 ワタクシ は 3 ニン-ヅレ で ニホンバシ へ でかけた ところ を、 その オトコ に どこ か で みられた もの と みえます。
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ワタクシ は ウチ へ かえって オクサン と オジョウサン に その ハナシ を しました。 オクサン は わらいました。 しかし さだめて メイワク だろう と いって ワタクシ の カオ を みました。 ワタクシ は その とき ハラ の ナカ で、 オトコ は こんな ふう に して、 オンナ から キ を ひいて みられる の か と おもいました。 オクサン の メ は じゅうぶん ワタクシ に そう おもわせる だけ の イミ を もって いた の です。 ワタクシ は その とき ジブン の かんがえて いる とおり を チョクセツ に うちあけて しまえば よかった かも しれません。 しかし ワタクシ には もう コギ と いう さっぱり しない カタマリ が こびりついて いました。 ワタクシ は うちあけよう と して、 ひょいと とまりました。 そうして ハナシ の カクド を コイ に すこし そらしました。
ワタクシ は カンジン の ジブン と いう もの を モンダイ の ナカ から ひきぬいて しまいました。 そうして オジョウサン の ケッコン に ついて、 オクサン の イチュウ を さぐった の です。 オクサン は 2~3 そういう ハナシ の ない でも ない よう な こと を、 あきらか に ワタクシ に つげました。 しかし まだ ガッコウ へ でて いる くらい で トシ が わかい から、 こちら では さほど いそがない の だ と セツメイ しました。 オクサン は クチ へは ださない けれども、 オジョウサン の ヨウショク に だいぶ オモキ を おいて いる らしく みえました。 きめよう と おもえば いつでも きめられる ん だ から と いう よう な こと さえ コウガイ しました。 それから オジョウサン より ホカ に コドモ が ない の も、 ヨウイ に てばなしたがらない ゲンイン に なって いました。 ヨメ に やる か、 ムコ を とる か、 それ に さえ まよって いる の では なかろう か と おもわれる ところ も ありました。
はなして いる うち に、 ワタクシ は イロイロ の チシキ を オクサン から えた よう な キ が しました。 しかし それ が ため に、 ワタクシ は キカイ を いっした と ドウヨウ の ケッカ に おちいって しまいました。 ワタクシ は ジブン に ついて、 ついに イチゴン も クチ を ひらく こと が できません でした。 ワタクシ は イイカゲン な ところ で ハナシ を きりあげて、 ジブン の ヘヤ へ かえろう と しました。
サッキ まで ソバ に いて、 あんまり だわ とか なんとか いって わらった オジョウサン は、 いつのまにか ムコウ の スミ に いって、 セナカ を こっち へ むけて いました。 ワタクシ は たとう と して ふりかえった とき、 その ウシロスガタ を みた の です。 ウシロスガタ だけ で ニンゲン の ココロ が よめる はず は ありません。 オジョウサン が この モンダイ に ついて どう かんがえて いる か、 ワタクシ には ケントウ が つきません でした。 オジョウサン は トダナ を マエ に して すわって いました。 その トダナ の 1 シャク ばかり あいて いる スキマ から、 オジョウサン は ナニ か ひきだして ヒザ の ウエ へ おいて ながめて いる らしかった の です。 ワタクシ の メ は その スキマ の ハジ に、 オトトイ かった タンモノ を みつけだしました。 ワタクシ の キモノ も オジョウサン の も おなじ トダナ の スミ に かさねて あった の です。
ワタクシ が なんとも いわず に セキ を たちかける と、 オクサン は キュウ に あらたまった チョウシ に なって、 ワタクシ に どう おもう か と きく の です。 その キキカタ は ナニ を どう おもう の か と ハンモン しなければ わからない ほど フイ でした。 それ が オジョウサン を はやく かたづけた ほう が トクサク だろう か と いう イミ だ と はっきり した とき、 ワタクシ は なるべく ゆっくら な ほう が いい だろう と こたえました。 オクサン は ジブン も そう おもう と いいました。
オクサン と オジョウサン と ワタクシ の カンケイ が こう なって いる ところ へ、 もう ヒトリ オトコ が いりこまなければ ならない こと に なりました。 その オトコ が この カテイ の イチイン と なった ケッカ は、 ワタクシ の ウンメイ に ヒジョウ な ヘンカ を きたして います。 もし その オトコ が ワタクシ の セイカツ の コウロ を よこぎらなかった ならば、 おそらく こういう ながい もの を アナタ に かきのこす ヒツヨウ も おこらなかった でしょう。 ワタクシ は テ も なく、 マ の とおる マエ に たって、 その シュンカン の カゲ に イッショウ を うすぐらく されて キ が つかず に いた の と おなじ こと です。 ジハク する と、 ワタクシ は ジブン で その オトコ を ウチ へ ひっぱって きた の です。 むろん オクサン の キョダク も ヒツヨウ です から、 ワタクシ は サイショ なにもかも かくさず うちあけて、 オクサン に たのんだ の です。 ところが オクサン は よせ と いいました。 ワタクシ には つれて こなければ すまない ジジョウ が じゅうぶん ある のに、 よせ と いう オクサン の ほう には、 スジ の たった リクツ は まるで なかった の です。 だから ワタクシ は ワタクシ の いい と おもう ところ を しいて ダンコウ して しまいました。
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ワタクシ は その トモダチ の ナ を ここ に K と よんで おきます。 ワタクシ は この K と コドモ の とき から の ナカヨシ でした。 コドモ の とき から と いえば ことわらない でも わかって いる でしょう。 フタリ には ドウキョウ の エンコ が あった の です。 K は シンシュウ の ボウサン の コ でした。 もっとも チョウナン では ありません、 ジナン でした。 それで ある イシャ の ところ へ ヨウシ に やられた の です。 ワタクシ の うまれた チホウ は たいへん ホンガンジ-ハ の セイリョク の つよい ところ でした から、 シンシュウ の ボウサン は ホカ の もの に くらべる と、 ブッシツテキ に ワリ が よかった よう です。 イチレイ を あげる と、 もし ボウサン に オンナ の コ が あって、 その オンナ の コ が トシゴロ に なった と する と、 ダンカ の モノ が ソウダン して、 どこ か テキトウ な ところ へ ヨメ に やって くれます。 むろん ヒヨウ は ボウサン の フトコロ から でる の では ありません。 そんな ワケ で シンシュウデラ は たいてい ユウフク でした。
K の うまれた イエ も ソウオウ に くらして いた の です。 しかし ジナン を トウキョウ へ シュギョウ に だす ほど の ヨリョク が あった か どう か しりません。 また シュギョウ に でられる ベンギ が ある ので、 ヨウシ の ソウダン が まとまった もの か どう か、 そこ も ワタクシ には わかりません。 とにかく K は イシャ の ウチ へ ヨウシ に いった の です。 それ は ワタクシタチ が まだ チュウガク に いる とき の こと でした。 ワタクシ は キョウジョウ で センセイ が メイボ を よぶ とき に、 K の セイ が キュウ に かわって いた ので おどろいた の を イマ でも キオク して います。
K の ヨウシサキ も かなり な ザイサンカ でした。 K は そこ から ガクシ を もらって トウキョウ へ でて きた の です。 でて きた の は ワタクシ と イッショ で なかった けれども、 トウキョウ へ ついて から は、 すぐ おなじ ゲシュク に はいりました。 その ジブン は ヒトツヘヤ に よく フタリ も 3 ニン も ツクエ を ならべて ネオキ した もの です。 K と ワタクシ も フタリ で おなじ マ に いました。 ヤマ で いけどられた ドウブツ が、 オリ の ナカ で だきあいながら、 ソト を にらめる よう な もの でしたろう。 フタリ は トウキョウ と トウキョウ の ヒト を おそれました。 それでいて 6 ジョウ の マ の ナカ では、 テンカ を ヘイゲイ する よう な こと を いって いた の です。
しかし ワレワレ は マジメ でした。 ワレワレ は じっさい えらく なる つもり で いた の です。 ことに K は つよかった の です。 テラ に うまれた カレ は、 つねに ショウジン と いう コトバ を つかいました。 そうして カレ の コウイ ドウサ は ことごとく この ショウジン の イチゴ で ケイヨウ される よう に、 ワタクシ には みえた の です。 ワタクシ は ココロ の ウチ で つねに K を イケイ して いました。
K は チュウガク に いた コロ から、 シュウキョウ とか テツガク とか いう むずかしい モンダイ で、 ワタクシ を こまらせました。 これ は カレ の チチ の カンカ なの か、 または ジブン の うまれた イエ、 すなわち テラ と いう イッシュ トクベツ な タテモノ に ぞくする クウキ の エイキョウ なの か、 わかりません。 ともかくも カレ は フツウ の ボウサン より は はるか に ボウサン-らしい セイカク を もって いた よう に みうけられます。 がんらい K の ヨウカ では カレ を イシャ に する つもり で トウキョウ へ だした の です。 しかるに ガンコ な カレ は イシャ には ならない ケッシン を もって、 トウキョウ へ でて きた の です。 ワタクシ は カレ に むかって、 それ では ヨウフボ を あざむく と おなじ こと では ない か と なじりました。 ダイタン な カレ は そう だ と こたえる の です。 ミチ の ため なら、 その くらい の こと を して も かまわない と いう の です。 その とき カレ の もちいた ミチ と いう コトバ は、 おそらく カレ にも よく わかって いなかった でしょう。 ワタクシ は むろん わかった とは いえません。 しかし トシ の わかい ワタクシタチ には、 この ばくぜん と した コトバ が たっとく ひびいた の です。 よし わからない に して も けだかい ココロモチ に シハイ されて、 そちら の ほう へ うごいて ゆこう と する イキグミ に いやしい ところ の みえる はず は ありません。 ワタクシ は K の セツ に サンセイ しました。 ワタクシ の ドウイ が K に とって どの くらい ユウリョク で あった か、 それ は ワタクシ も しりません。 イチズ な カレ は、 たとい ワタクシ が いくら ハンタイ しよう とも、 やはり ジブン の オモイドオリ を つらぬいた に ちがいなかろう とは さっせられます。 しかし マンイチ の バアイ、 サンセイ の セイエン を あたえた ワタクシ に、 タショウ の セキニン が できて くる ぐらい の こと は、 コドモ ながら ワタクシ は よく ショウチ して いた つもり です。 よし その とき に それ だけ の カクゴ が ない に して も、 セイジン した メ で、 カコ を ふりかえる ヒツヨウ が おこった バアイ には、 ワタクシ に わりあてられた だけ の セキニン は、 ワタクシ の ほう で おびる の が シトウ に なる くらい な ゴキ で ワタクシ は サンセイ した の です。
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K と ワタクシ は おなじ カ へ ニュウガク しました。 K は すました カオ を して、 ヨウカ から おくって くれる カネ で、 ジブン の すき な ミチ を あるきだした の です。 しれ は しない と いう アンシン と、 しれたって かまう もの か と いう ドキョウ と が、 フタツ ながら K の ココロ に あった もの と みる より ほか シカタ が ありません。 K は ワタクシ より も ヘイキ でした。
サイショ の ナツヤスミ に K は クニ へ かえりません でした。 コマゴメ の ある テラ の ヒトマ を かりて ベンキョウ する の だ と いって いました。 ワタクシ が かえって きた の は 9 ガツ ジョウジュン でした が、 カレ は はたして オオガンノン の ソバ の きたない テラ の ナカ に とじこもって いました。 カレ の ザシキ は ホンドウ の すぐ ソバ の せまい ヘヤ でした が、 カレ は そこ で ジブン の おもう とおり に ベンキョウ が できた の を よろこんで いる らしく みえました。 ワタクシ は その とき カレ の セイカツ の だんだん ボウサン-らしく なって ゆく の を みとめた よう に おもいます。 カレ は テクビ に ジュズ を かけて いました。 ワタクシ が それ は なんの ため だ と たずねたら、 カレ は オヤユビ で ヒトツ フタツ と カンジョウ する マネ を して みせました。 カレ は こうして ヒ に ナンベン も ジュズ の ワ を カンジョウ する らしかった の です。 ただし その イミ は ワタクシ には わかりません。 まるい ワ に なって いる もの を ヒトツブ ずつ かぞえて ゆけば、 どこ まで かぞえて いって も シュウキョク は ありません。 K は どんな ところ で どんな ココロモチ が して、 つまぐる テ を とめた でしょう。 つまらない こと です が、 ワタクシ は よく それ を おもう の です。
ワタクシ は また カレ の ヘヤ に セイショ を みました。 ワタクシ は それまで に オキョウ の ナ を たびたび カレ の クチ から きいた オボエ が あります が、 キリスト-キョウ に ついて は、 とわれた こと も こたえられた ためし も なかった の です から、 ちょっと おどろきました。 ワタクシ は その ワケ を たずねず には いられません でした。 K は ワケ は ない と いいました。 これほど ヒト の ありがたがる ショモツ なら よんで みる の が アタリマエ だろう とも いいました。 そのうえ カレ は キカイ が あったら、 コーラン も よんで みる つもり だ と いいました。 カレ は モハメッド と ケン と いう コトバ に おおいなる キョウミ を もって いる よう でした。
2 ネン-メ の ナツ に カレ は クニ から サイソク を うけて ようやく かえりました。 かえって も センモン の こと は なんにも いわなかった もの と みえます。 ウチ でも また そこ に キ が つかなかった の です。 アナタ は ガッコウ キョウイク を うけた ヒト だ から、 こういう ショウソク を よく かいして いる でしょう が、 セケン は ガクセイ の セイカツ だの、 ガッコウ の キソク だの に かんして、 おどろく べく ムチ な もの です。 ワレワレ に なんでも ない こと が いっこう ガイブ へは つうじて いません。 ワレワレ は また ヒカクテキ ナイブ の クウキ ばかり すって いる ので、 コウナイ の こと は サイダイ ともに ヨノナカ に しれわたって いる はず だ と おもいすぎる クセ が あります。 K は その テン に かけて、 ワタクシ より セケン を しって いた の でしょう、 すました カオ で また もどって きました。 クニ を たつ とき は ワタクシ も イッショ でした から、 キシャ へ のる や いなや すぐ どう だった と K に といました。 K は どうでも なかった と こたえた の です。
3 ド-メ の ナツ は ちょうど ワタクシ が エイキュウ に フボ の フンボ の チ を さろう と ケッシン した トシ です。 ワタクシ は その とき K に キコク を すすめました が、 K は おうじません でした。 そう マイトシ ウチ へ かえって ナニ を する の だ と いう の です。 カレ は また ふみとどまって ベンキョウ する つもり らしかった の です。 ワタクシ は しかたなし に ヒトリ で トウキョウ を たつ こと に しました。 ワタクシ の キョウリ で くらした その 2 カゲツ-カン が、 ワタクシ の ウンメイ に とって、 いかに ハラン に とんだ もの か は、 マエ に かいた とおり です から くりかえしません。 ワタクシ は フヘイ と ユウウツ と コドク の サビシサ と を ヒトツムネ に いだいて、 9 ガツ に いって また K に あいました。 すると カレ の ウンメイ も また ワタクシ と ドウヨウ に ヘンチョウ を しめして いました。 カレ は ワタクシ の しらない うち に、 ヨウカサキ へ テガミ を だして、 こっち から ジブン の イツワリ を ハクジョウ して しまった の です。 カレ は サイショ から その カクゴ で いた の だ そう です。 いまさら シカタ が ない から、 オマエ の すき な もの を やる より ホカ に ミチ は あるまい と、 ムコウ に いわせる つもり も あった の でしょう か。 とにかく ダイガク へ はいって まで も ヨウフボ を あざむきとおす キ は なかった らしい の です。 また あざむこう と して も、 そう ながく つづく もの では ない と みぬいた の かも しれません。
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K の テガミ を みた ヨウフ は たいへん おこりました。 オヤ を だます よう な フラチ な モノ に ガクシ を おくる こと は できない と いう きびしい ヘンジ を すぐ よこした の です。 K は それ を ワタクシ に みせました。 K は また それ と ゼンゴ して ジッカ から うけとった ショカン も みせました。 これ にも マエ に おとらない ほど きびしい キッセキ の コトバ が ありました。 ヨウカサキ へ たいして すまない と いう ギリ が くわわって いる から でも ありましょう が、 こっち でも いっさい かまわない と かいて ありました。 K が この ジケン の ため に フクセキ して しまう か、 それとも タ に ダキョウ の ミチ を こうじて、 いぜん ヨウカ に とどまる か、 そこ は これから おこる モンダイ と して、 さしあたり どうか しなければ ならない の は、 ツキヅキ に ヒツヨウ な ガクシ でした。
ワタクシ は その テン に ついて K に ナニ か カンガエ が ある の か と たずねました。 K は ヤガッコウ の キョウシ でも する つもり だ と こたえました。 その ジブン は イマ に くらべる と、 ぞんがい ヨノナカ が くつろいで いました から、 ナイショク の クチ は アナタ が かんがえる ほど フッテイ でも なかった の です。 ワタクシ は K が それ で じゅうぶん やって ゆける だろう と かんがえました。 しかし ワタクシ には ワタクシ の セキニン が あります。 K が ヨウカ の キボウ に そむいて、 ジブン の ゆきたい ミチ を いこう と した とき、 サンセイ した モノ は ワタクシ です。 ワタクシ は そう か と いって テ を こまぬいで いる わけ に ゆきません。 ワタクシ は その バ で ブッシツテキ の ホジョ を すぐ もうしだしました。 すると K は イチ も ニ も なく それ を はねつけました。 カレ の セイカク から いって、 ジカツ の ほう が トモダチ の ホゴ の モト に たつ より はるか に こころよく おもわれた の でしょう。 カレ は ダイガク へ はいった イジョウ、 ジブン ヒトリ ぐらい どうか できなければ オトコ で ない よう な こと を いいました。 ワタクシ は ワタクシ の セキニン を まっとうする ため に、 K の カンジョウ を きずつける に しのびません でした。 それで カレ の おもう とおり に させて、 ワタクシ は テ を ひきました。
K は ジブン の のぞむ よう な クチ を ほどなく さがしだしました。 しかし ジカン を おしむ カレ に とって、 この シゴト が どの くらい つらかった か は ソウゾウ する まで も ない こと です。 カレ は イマ まで-どおり ベンキョウ の テ を ちっとも ゆるめず に、 あたらしい ニ を しょって モウシン した の です。 ワタクシ は カレ の ケンコウ を きづかいました。 しかし ゴウキ な カレ は わらう だけ で、 すこしも ワタクシ の チュウイ に とりあいません でした。
ドウジ に カレ と ヨウカ との カンケイ は、 だんだん こんがらがって きました。 ジカン に ヨユウ の なくなった カレ は、 マエ の よう に ワタクシ と はなす キカイ を うばわれた ので、 ワタクシ は ついに その テンマツ を くわしく きかず に しまいました が、 カイケツ の ますます コンナン に なって ゆく こと だけ は ショウチ して いました。 ヒト が ナカ に はいって チョウテイ を こころみた こと も しって いました。 その ヒト は テガミ で K に キコク を うながした の です が、 K は とうてい ダメ だ と いって、 おうじません でした。 この ゴウジョウ な ところ が、 ――K は ガクネンチュウ で かえれない の だ から シカタ が ない と いいました けれども、 ムコウ から みれば ゴウジョウ でしょう。 そこ が ジタイ を ますます ケンアク に した よう にも みえました。 カレ は ヨウカ の カンジョウ を がいする と ともに、 ジッカ の イカリ も かう よう に なりました。 ワタクシ が シンパイ して ソウホウ を ユウワ する ため に テガミ を かいた とき は、 もう なんの キキメ も ありません でした。 ワタクシ の テガミ は ヒトコト の ヘンジ さえ うけず に ほうむられて しまった の です。 ワタクシ も ハラ が たちました。 イマ まで も ユキガカリジョウ、 K に ドウジョウ して いた ワタクシ は、 それ イゴ は リヒ を ドガイ に おいて も K の ミカタ を する キ に なりました。
サイゴ に K は とうとう フクセキ に けっしました。 ヨウカ から だして もらった ガクシ は、 ジッカ で ベンショウ する こと に なった の です。 そのかわり ジッカ の ほう でも かまわない から、 これから は カッテ に しろ と いう の です。 ムカシ の コトバ で いえば、 まあ カンドウ なの でしょう。 あるいは それほど つよい もの で なかった かも しれません が、 トウニン は そう カイシャク して いました。 K は ハハ の ない オトコ でした。 カレ の セイカク の イチメン は、 たしか に ケイボ に そだてられた ケッカ とも みる こと が できる よう です。 もし カレ の じつの ハハ が いきて いたら、 あるいは カレ と ジッカ との カンケイ に、 こう まで ヘダタリ が できず に すんだ かも しれない と ワタクシ は おもう の です。 カレ の チチ は いう まで も なく ソウリョ でした。 けれども ギリ-がたい テン に おいて、 むしろ サムライ に にた ところ が あり は しない か と うたがわれます。
22
K の ジケン が イチダンラク ついた アト で、 ワタクシ は カレ の アネ の オット から ながい フウショ を うけとりました。 K の ヨウシ に いった サキ は、 この ヒト の シンルイ に あたる の です から、 カレ を シュウセン した とき にも、 カレ を フクセキ させた とき にも、 この ヒト の イケン が オモキ を なして いた の だ と、 K は ワタクシ に はなして きかせました。
テガミ には ソノゴ K が どうして いる か しらせて くれ と かいて ありました。 アネ が シンパイ して いる から、 なるべく はやく ヘンジ を もらいたい と いう イライ も つけくわえて ありました。 K は テラ を ついだ アニ より も、 タケ へ えんづいた この アネ を すいて いました。 カレラ は ミンナ ヒトツハラ から うまれた キョウダイ です けれども、 この アネ と K の アイダ には だいぶ トシ の サ が あった の です。 それで K の コドモ の ジブン には、 ママハハ より も この アネ の ほう が、 かえって ホントウ の ハハ-らしく みえた の でしょう。
ワタクシ は K に テガミ を みせました。 K は なんとも いいません でした けれども、 ジブン の ところ へ この アネ から おなじ よう な イミ の ショジョウ が 2~3 ド きた と いう こと を うちあけました。 K は その たび に シンパイ する に およばない と こたえて やった の だ そう です。 ウン わるく この アネ は セイカツ に ヨユウ の ない イエ に かたづいた ため に、 いくら K に ドウジョウ が あって も、 ブッシツテキ に オトウト を どうして やる わけ にも ゆかなかった の です。
ワタクシ は K と おなじ よう な ヘンジ を カレ の ギケイ-アテ で だしました。 その ウチ に、 マンイチ の バアイ には ワタクシ が どうでも する から、 アンシン する よう に と いう イミ を つよい コトバ で かきあらわしました。 これ は もとより ワタクシ の イチゾン でした。 K の ユクサキ を シンパイ する この アネ に アンシン を あたえよう と いう コウイ は むろん ふくまれて いました が、 ワタクシ を ケイベツ した と より ホカ に トリヨウ の ない カレ の ジッカ や ヨウカ に たいする イジ も あった の です。
K の フクセキ した の は 1 ネンセイ の とき でした。 それから 2 ネンセイ の ナカゴロ に なる まで、 ヤク 1 ネン ハン の アイダ、 カレ は ドクリョク で オノレ を ささえて いった の です。 ところが この カド の ロウリョク が しだいに カレ の ケンコウ と セイシン の ウエ に エイキョウ して きた よう に みえだしました。 それ には むろん ヨウカ を でる でない の うるさい モンダイ も てつだって いた でしょう。 カレ は だんだん センチメンタル に なって きた の です。 トキ に よる と、 ジブン だけ が ヨノナカ の フコウ を ヒトリ で しょって たって いる よう な こと を いいます。 そうして それ を うちけせば すぐ げきする の です。 それから ジブン の ミライ に よこたわる コウミョウ が、 しだいに カレ の メ を とおのいて ゆく よう にも おもって、 いらいら する の です。 ガクモン を やりはじめた とき には、 ダレ しも イダイ な ホウフ を もって、 あたらしい タビ に のぼる の が ツネ です が、 1 ネン と たち 2 ネン と すぎ、 もう ソツギョウ も マヂカ に なる と、 キュウ に ジブン の アシ の ハコビ の のろい の に キ が ついて、 カハン は そこ で シツボウ する の が アタリマエ に なって います から、 K の バアイ も おなじ なの です が、 カレ の アセリカタ は また フツウ に くらべる と はるか に はなはだしかった の です。 ワタクシ は ついに カレ の キブン を おちつける の が センイチ だ と かんがえました。
ワタクシ は カレ に むかって、 ヨケイ な シゴト を する の は よせ と いいました。 そうして とうぶん カラダ を ラク に して、 あそぶ ほう が おおきな ショウライ の ため に トクサク だ と チュウコク しました。 ゴウジョウ な K の こと です から、 ヨウイ に ワタクシ の いう こと など は きくまい と、 かねて ヨキ して いた の です が、 じっさい いいだして みる と、 おもった より も ときおとす の に ホネ が おれた ので よわりました。 K は ただ ガクモン が ジブン の モクテキ では ない と シュチョウ する の です。 イシ の チカラ を やしなって つよい ヒト に なる の が ジブン の カンガエ だ と いう の です。 それ には なるべく キュウクツ な キョウグウ に いなくて は ならない と ケツロン する の です。 フツウ の ヒト から みれば、 まるで スイキョウ です。 そのうえ キュウクツ な キョウグウ に いる カレ の イシ は、 ちっとも つよく なって いない の です。 カレ は むしろ シンケイ スイジャク に かかって いる くらい なの です。 ワタクシ は シカタ が ない から、 カレ に むかって しごく ドウカン で ある よう な ヨウス を みせました。 ジブン も そういう テン に むかって、 ジンセイ を すすむ つもり だった と ついには メイゲン しました。 (もっとも これ は ワタクシ に とって まんざら クウキョ な コトバ でも なかった の です。 K の セツ を きいて いる と、 だんだん そういう ところ に つりこまれて くる くらい、 カレ には チカラ が あった の です から)。 サイゴ に ワタクシ は K と イッショ に すんで、 イッショ に コウジョウ の ミチ を たどって ゆきたい と ホツギ しました。 ワタクシ は カレ の ゴウジョウ を おりまげる ため に、 カレ の マエ に ひざまずく こと を あえて した の です。 そうして やっと の こと で カレ を ワタクシ の イエ に つれて きました。
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ワタクシ の ザシキ には ヒカエ の マ と いう よう な 4 ジョウ が フゾク して いました。 ゲンカン を あがって ワタクシ の いる ところ へ とおろう と する には、 ぜひ この 4 ジョウ を よこぎらなければ ならない の だ から、 ジツヨウ の テン から みる と、 しごく フベン な ヘヤ でした。 ワタクシ は ここ へ K を いれた の です。 もっとも サイショ は おなじ 8 ジョウ に フタツ ツクエ を ならべて、 ツギノマ を キョウユウ に して おく カンガエ だった の です が、 K は せまくるしくって も ヒトリ で いる ほう が いい と いって、 ジブン で そっち の ほう を えらんだ の です。
マエ にも はなした とおり、 オクサン は ワタクシ の この ショチ に たいして ハジメ は フサンセイ だった の です。 ゲシュクヤ ならば、 ヒトリ より フタリ が ベンリ だし、 フタリ より 3 ニン が トク に なる けれども、 ショウバイ で ない の だ から、 なるべく なら よした ほう が いい と いう の です。 ワタクシ が けっして セワ の やける ヒト で ない から かまうまい と いう と、 セワ は やけない でも、 キゴコロ の しれない ヒト は いや だ と こたえる の です。 それでは イマ ヤッカイ に なって いる ワタクシ だって おなじ こと では ない か と なじる と、 ワタクシ の キゴコロ は ハジメ から よく わかって いる と ベンカイ して やまない の です。 ワタクシ は クショウ しました。 すると オクサン は また リクツ の ホウコウ を かえます。 そんな ヒト を つれて くる の は、 ワタクシ の ため に わるい から よせ と いいなおします。 なぜ ワタクシ の ため に わるい か と きく と、 コンド は ムコウ で クショウ する の です。
ジツ を いう と ワタクシ だって しいて K と イッショ に いる ヒツヨウ は なかった の です。 けれども ツキヅキ の ヒヨウ を カネ の カタチ で カレ の マエ に ならべて みせる と、 カレ は きっと それ を うけとる とき に チュウチョ する だろう と おもった の です。 カレ は それほど ドクリツシン の つよい オトコ でした。 だから ワタクシ は カレ を ワタクシ の ウチ へ おいて、 フタリ-マエ の ショクリョウ を カレ の しらない マ に そっと オクサン の テ に わたそう と した の です。 しかし ワタクシ は K の ケイザイ モンダイ に ついて、 イチゴン も オクサン に うちあける キ は ありません でした。
ワタクシ は ただ K の ケンコウ に ついて ウンヌン しました。 ヒトリ で おく と ますます ニンゲン が ヘンクツ に なる ばかり だ から と いいました。 それ に つけたして、 K が ヨウカ と オリアイ の わるかった こと や、 ジッカ と はなれて しまった こと や、 いろいろ はなして きかせました。 ワタクシ は おぼれかかった ヒト を だいて、 ジブン の ネツ を ムコウ に うつして やる カクゴ で、 K を ひきとる の だ と つげました。 その つもり で あたたかい メンドウ を みて やって くれ と、 オクサン にも オジョウサン にも たのみました。 ワタクシ は ここ まで きて ようよう オクサン を ときふせた の です。 しかし ワタクシ から なんにも きかない K は、 この テンマツ を まるで しらず に いました。 ワタクシ も かえって それ を マンゾク に おもって、 のっそり ひきうつって きた K を、 しらん カオ で むかえました。
オクサン と オジョウサン は、 シンセツ に カレ の ニモツ を かたづける セワ や ナニ か を して くれました。 すべて それ を ワタクシ に たいする コウイ から きた の だ と カイシャク した ワタクシ は、 ココロ の ウチ で よろこびました。 ――K が あいかわらず むっちり した ヨウス を して いる にも かかわらず。
ワタクシ が K に むかって あたらしい スマイ の ココロモチ は どう だ と きいた とき に、 カレ は ただ イチゲン わるく ない と いった だけ でした。 ワタクシ から いわせれば わるく ない どころ では ない の です。 カレ の イマ まで いた ところ は キタムキ の しめっぽい ニオイ の する きたない ヘヤ でした。 クイモノ も ヘヤ ソウオウ に ソマツ でした。 ワタクシ の イエ へ ひきうつった カレ は、 ユウコク から キョウボク に うつった オモムキ が あった くらい です。 それ を さほど に おもう ケシキ を みせない の は、 ヒトツ は カレ の ゴウジョウ から きて いる の です が、 ヒトツ は カレ の シュチョウ から も でて いる の です。 ブッキョウ の キョウギ で やしなわれた カレ は、 イショクジュウ に ついて とかく の ゼイタク を いう の を あたかも フドウトク の よう に かんがえて いました。 なまじい ムカシ の コウソウ だ とか セーント だ とか の デン を よんだ カレ には、 ややともすると セイシン と ニクタイ と を きりはなしたがる クセ が ありました。 ニク を ベンタツ すれば レイ の コウキ が ます よう に かんずる バアイ さえ あった の かも しれません。
ワタクシ は なるべく カレ に さからわない ホウシン を とりました。 ワタクシ は コオリ を ヒナタ へ だして とかす クフウ を した の です。 いまに とけて あたたかい ミズ に なれば、 ジブン で ジブン に キ が つく ジキ が くる に ちがいない と おもった の です。
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ワタクシ は オクサン から そういう ふう に とりあつかわれた ケッカ、 だんだん カイカツ に なって きた の です。 それ を ジカク して いた から、 おなじ もの を コンド は K の ウエ に オウヨウ しよう と こころみた の です。 K と ワタクシ と が セイカク の ウエ に おいて、 だいぶ ソウイ の ある こと は、 ながく つきあって きた ワタクシ に よく わかって いました けれども、 ワタクシ の シンケイ が この カテイ に はいって から たしょう カド が とれた ごとく、 K の ココロ も ここ に おけば いつか しずまる こと が ある だろう と かんがえた の です。
K は ワタクシ より つよい ケッシン を ゆうして いる オトコ でした。 ベンキョウ も ワタクシ の バイ ぐらい は した でしょう。 そのうえ もって うまれた アタマ の タチ が ワタクシ より も ずっと よかった の です。 アト では センモン が ちがいました から なんとも いえません が、 おなじ キュウ に いる アイダ は、 チュウガク でも コウトウ ガッコウ でも、 K の ほう が つねに ジョウセキ を しめて いました。 ワタクシ には ヘイゼイ から ナニ を して も K に およばない と いう ジカク が あった くらい です。 けれども ワタクシ が しいて K を ワタクシ の ウチ へ ひっぱって きた とき には、 ワタクシ の ほう が よく ジリ を わきまえて いる と しんじて いました。 ワタクシ に いわせる と、 カレ は ガマン と ニンタイ の クベツ を リョウカイ して いない よう に おもわれた の です。 これ は とくに アナタ の ため に つけたして おきたい の です から きいて ください。 ニクタイ なり セイシン なり すべて ワレワレ の ノウリョク は、 ガイブ の シゲキ で、 ハッタツ も する し、 ハカイ され も する でしょう が、 どっち に して も シゲキ を だんだん に つよく する ヒツヨウ の ある の は むろん です から、 よく かんがえない と、 ヒジョウ に ケンアク な ホウコウ へ むいて すすんで ゆきながら、 ジブン は もちろん ハタ の モノ も キ が つかず に いる オソレ が しょうじて きます。 イシャ の セツメイ を きく と、 ニンゲン の イブクロ ほど オウチャク な もの は ない そう です。 カユ ばかり くって いる と、 それ イジョウ の かたい もの を こなす チカラ が いつのまにか なくなって しまう の だ そう です。 だから なんでも くう ケイコ を して おけ と イシャ は いう の です。 けれども これ は ただ なれる と いう イミ では なかろう と おもいます。 しだいに シゲキ を ます に したがって、 しだいに エイヨウ キノウ の テイコウリョク が つよく なる と いう イミ で なくて は なりますまい。 もし ハンタイ に イ の チカラ の ほう が じりじり よわって いった なら ケッカ は どう なる だろう と ソウゾウ して みれば すぐ わかる こと です。 K は ワタクシ より イダイ な オトコ でした けれども、 まったく ここ に キ が ついて いなかった の です。 ただ コンナン に なれて しまえば、 シマイ に その コンナン は なんでも なくなる もの だ と きめて いた らしい の です。 カンク を くりかえせば、 くりかえす と いう だけ の クドク で、 その カンク が キ に かからなく なる ジキ に めぐりあえる もの と しんじきって いた らしい の です。
ワタクシ は K を とく とき に、 ぜひ そこ を あきらか に して やりたかった の です。 しかし いえば きっと ハンコウ される に きまって いました。 また ムカシ の ヒト の レイ など を、 ヒキアイ に もって くる に ちがいない と おもいました。 そう なれば ワタクシ だって、 その ヒトタチ と K と ちがって いる テン を メイハク に のべなければ ならなく なります。 それ を うけがって くれる よう な K なら いい の です けれども、 カレ の セイシツ と して、 ギロン が そこ まで ゆく と ヨウイ に アト へは かえりません。 なお サキ へ でます。 そうして、 クチ で サキ へ でた とおり を、 コウイ で ジツゲン し に かかります。 カレ は こう なる と おそる べき オトコ でした。 イダイ でした。 ジブン で ジブン を ハカイ しつつ すすみます。 ケッカ から みれば、 カレ は ただ ジコ の セイコウ を うちくだく イミ に おいて、 イダイ なの に すぎない の です けれども、 それでも けっして ヘイボン では ありません でした。 カレ の キショウ を よく しった ワタクシ は ついに なんとも いう こと が できなかった の です。 そのうえ ワタクシ から みる と、 カレ は マエ にも のべた とおり、 たしょう シンケイ スイジャク に かかって いた よう に おもわれた の です。 よし ワタクシ が カレ を ときふせた ところ で、 カレ は かならず げきする に ちがいない の です。 ワタクシ は カレ と ケンカ を する こと は おそれて は いません でした けれども、 ワタクシ が コドク の カン に たえなかった ジブン の キョウグウ を かえりみる と、 シンユウ の カレ を、 おなじ コドク の キョウグウ に おく の は、 ワタクシ に とって しのびない こと でした。 イッポ すすんで、 より コドク な キョウグウ に つきおとす の は なお いや でした。 それで ワタクシ は カレ が ウチ へ ひきうつって から も、 トウブン の アイダ は ヒヒョウ-がましい ヒヒョウ を カレ の ウエ に くわえず に いました。 ただ おだやか に シュウイ の カレ に およぼす ケッカ を みる こと に した の です。
ワタクシ が ショモツ ばかり かう の を みて、 オクサン は すこし キモノ を こしらえろ と いいました。 ワタクシ は じっさい イナカ で おった モメンモノ しか もって いなかった の です。 その コロ の ガクセイ は イト の はいった キモノ を ハダ に つけません でした。 ワタクシ の トモダチ に ヨコハマ の アキンド か ナニ か で、 ウチ は なかなか ハデ に くらして いる モノ が ありました が、 そこ へ ある とき ハブタエ の ドウギ が ハイタツ で とどいた こと が あります。 すると ミンナ が それ を みて わらいました。 その オトコ は はずかしがって いろいろ ベンカイ しました が、 せっかく の ドウギ を コウリ の ソコ へ ほうりこんで リヨウ しない の です。 それ を また オオゼイ が よって たかって、 わざと きせました。 すると ウン わるく その ドウギ に シラミ が たかりました。 トモダチ は ちょうど サイワイ と でも おもった の でしょう。 ヒョウバン の ドウギ を ぐるぐる と まるめて、 サンポ に でた ツイデ に、 ネヅ の おおきな ドブ の ナカ へ すてて しまいました。 その とき イッショ に あるいて いた ワタクシ は、 ハシ の ウエ に たって わらいながら トモダチ の ショサ を ながめて いました が、 ワタクシ の ムネ の どこ にも もったいない と いう キ は すこしも おこりません でした。
その コロ から みる と ワタクシ も だいぶ オトナ に なって いました。 けれども まだ ジブン で ヨソユキ の キモノ を こしらえる と いう ほど の フンベツ は でなかった の です。 ワタクシ は ソツギョウ して ヒゲ を はやす ジダイ が こなければ、 フクソウ の シンパイ など は する に およばない もの だ と いう ヘン な カンガエ を もって いた の です。 それで オクサン に ショモツ は いる が キモノ は いらない と いいました。 オクサン は ワタクシ の かう ショモツ の ブンリョウ を しって いました。 かった ホン を みんな よむ の か と きく の です。 ワタクシ の かう もの の ウチ には ジビキ も あります が、 とうぜん メ を とおす べき はず で ありながら、 ページ さえ きって ない の も たしょう あった の です から、 ワタクシ は ヘンジ に きゅうしました。 ワタクシ は どうせ いらない もの を かう なら、 ショモツ でも イフク でも おなじ だ と いう こと に キ が つきました。 そのうえ ワタクシ は いろいろ セワ に なる と いう コウジツ の モト に、 オジョウサン の キ に いる よう な オビ か タンモノ を かって やりたかった の です。 それで バンジ を オクサン に イライ しました。
オクサン は ジブン ヒトリ で ゆく とは いいません。 ワタクシ にも イッショ に こい と メイレイ する の です。 オジョウサン も ゆかなくて は いけない と いう の です。 イマ と ちがった クウキ の ナカ に そだてられた ワタクシドモ は、 ガクセイ の ミブン と して、 あまり わかい オンナ など と イッショ に あるきまわる シュウカン を もって いなかった もの です。 その コロ の ワタクシ は イマ より も まだ シュウカン の ドレイ でした から、 たしょう チュウチョ しました が、 おもいきって でかけました。
オジョウサン は たいそう きかざって いました。 ジタイ が イロ の しろい くせ に、 オシロイ を ホウフ に ぬった もの だ から なお めだちます。 オウライ の ヒト が じろじろ みて ゆく の です。 そうして オジョウサン を みた モノ は きっと その シセン を ひるがえして、 ワタクシ の カオ を みる の だ から、 ヘン な もの でした。
3 ニン は ニホンバシ へ いって かいたい もの を かいました。 かう アイダ にも いろいろ キ が かわる ので、 おもった より ヒマ が かかりました。 オクサン は わざわざ ワタクシ の ナ を よんで どう だろう と ソウダン を する の です。 ときどき タンモノ を オジョウサン の カタ から ムネ へ タテ に あてて おいて、 ワタクシ に 2~3 ポ とおのいて みて くれろ と いう の です。 ワタクシ は その たび ごと に、 それ は ダメ だ とか、 それ は よく にあう とか、 とにかく イチニンマエ の クチ を ききました。
こんな こと で ジカン が かかって カエリ は ユウメシ の ジコク に なりました。 オクサン は ワタクシ に たいする オレイ に ナニ か ゴチソウ する と いって、 キハラダナ と いう ヨセ の ある せまい ヨコチョウ へ ワタクシ を つれこみました。 ヨコチョウ も せまい が、 メシ を くわせる ウチ も せまい もの でした。 この ヘン の チリ を いっこう こころえない ワタクシ は、 オクサン の チシキ に おどろいた くらい です。
ワレワレ は ヨ に いって ウチ へ かえりました。 その あくる ヒ は ニチヨウ でした から、 ワタクシ は シュウジツ ヘヤ の ウチ に とじこもって いました。 ゲツヨウ に なって、 ガッコウ へ でる と、 ワタクシ は アサッパラ そうそう キュウユウ の ヒトリ から からかわれました。 いつ サイ を むかえた の か と いって わざとらしく きかれる の です。 それから ワタクシ の サイクン は ヒジョウ に ビジン だ と いって ほめる の です。 ワタクシ は 3 ニン-ヅレ で ニホンバシ へ でかけた ところ を、 その オトコ に どこ か で みられた もの と みえます。
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ワタクシ は ウチ へ かえって オクサン と オジョウサン に その ハナシ を しました。 オクサン は わらいました。 しかし さだめて メイワク だろう と いって ワタクシ の カオ を みました。 ワタクシ は その とき ハラ の ナカ で、 オトコ は こんな ふう に して、 オンナ から キ を ひいて みられる の か と おもいました。 オクサン の メ は じゅうぶん ワタクシ に そう おもわせる だけ の イミ を もって いた の です。 ワタクシ は その とき ジブン の かんがえて いる とおり を チョクセツ に うちあけて しまえば よかった かも しれません。 しかし ワタクシ には もう コギ と いう さっぱり しない カタマリ が こびりついて いました。 ワタクシ は うちあけよう と して、 ひょいと とまりました。 そうして ハナシ の カクド を コイ に すこし そらしました。
ワタクシ は カンジン の ジブン と いう もの を モンダイ の ナカ から ひきぬいて しまいました。 そうして オジョウサン の ケッコン に ついて、 オクサン の イチュウ を さぐった の です。 オクサン は 2~3 そういう ハナシ の ない でも ない よう な こと を、 あきらか に ワタクシ に つげました。 しかし まだ ガッコウ へ でて いる くらい で トシ が わかい から、 こちら では さほど いそがない の だ と セツメイ しました。 オクサン は クチ へは ださない けれども、 オジョウサン の ヨウショク に だいぶ オモキ を おいて いる らしく みえました。 きめよう と おもえば いつでも きめられる ん だ から と いう よう な こと さえ コウガイ しました。 それから オジョウサン より ホカ に コドモ が ない の も、 ヨウイ に てばなしたがらない ゲンイン に なって いました。 ヨメ に やる か、 ムコ を とる か、 それ に さえ まよって いる の では なかろう か と おもわれる ところ も ありました。
はなして いる うち に、 ワタクシ は イロイロ の チシキ を オクサン から えた よう な キ が しました。 しかし それ が ため に、 ワタクシ は キカイ を いっした と ドウヨウ の ケッカ に おちいって しまいました。 ワタクシ は ジブン に ついて、 ついに イチゴン も クチ を ひらく こと が できません でした。 ワタクシ は イイカゲン な ところ で ハナシ を きりあげて、 ジブン の ヘヤ へ かえろう と しました。
サッキ まで ソバ に いて、 あんまり だわ とか なんとか いって わらった オジョウサン は、 いつのまにか ムコウ の スミ に いって、 セナカ を こっち へ むけて いました。 ワタクシ は たとう と して ふりかえった とき、 その ウシロスガタ を みた の です。 ウシロスガタ だけ で ニンゲン の ココロ が よめる はず は ありません。 オジョウサン が この モンダイ に ついて どう かんがえて いる か、 ワタクシ には ケントウ が つきません でした。 オジョウサン は トダナ を マエ に して すわって いました。 その トダナ の 1 シャク ばかり あいて いる スキマ から、 オジョウサン は ナニ か ひきだして ヒザ の ウエ へ おいて ながめて いる らしかった の です。 ワタクシ の メ は その スキマ の ハジ に、 オトトイ かった タンモノ を みつけだしました。 ワタクシ の キモノ も オジョウサン の も おなじ トダナ の スミ に かさねて あった の です。
ワタクシ が なんとも いわず に セキ を たちかける と、 オクサン は キュウ に あらたまった チョウシ に なって、 ワタクシ に どう おもう か と きく の です。 その キキカタ は ナニ を どう おもう の か と ハンモン しなければ わからない ほど フイ でした。 それ が オジョウサン を はやく かたづけた ほう が トクサク だろう か と いう イミ だ と はっきり した とき、 ワタクシ は なるべく ゆっくら な ほう が いい だろう と こたえました。 オクサン は ジブン も そう おもう と いいました。
オクサン と オジョウサン と ワタクシ の カンケイ が こう なって いる ところ へ、 もう ヒトリ オトコ が いりこまなければ ならない こと に なりました。 その オトコ が この カテイ の イチイン と なった ケッカ は、 ワタクシ の ウンメイ に ヒジョウ な ヘンカ を きたして います。 もし その オトコ が ワタクシ の セイカツ の コウロ を よこぎらなかった ならば、 おそらく こういう ながい もの を アナタ に かきのこす ヒツヨウ も おこらなかった でしょう。 ワタクシ は テ も なく、 マ の とおる マエ に たって、 その シュンカン の カゲ に イッショウ を うすぐらく されて キ が つかず に いた の と おなじ こと です。 ジハク する と、 ワタクシ は ジブン で その オトコ を ウチ へ ひっぱって きた の です。 むろん オクサン の キョダク も ヒツヨウ です から、 ワタクシ は サイショ なにもかも かくさず うちあけて、 オクサン に たのんだ の です。 ところが オクサン は よせ と いいました。 ワタクシ には つれて こなければ すまない ジジョウ が じゅうぶん ある のに、 よせ と いう オクサン の ほう には、 スジ の たった リクツ は まるで なかった の です。 だから ワタクシ は ワタクシ の いい と おもう ところ を しいて ダンコウ して しまいました。
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ワタクシ は その トモダチ の ナ を ここ に K と よんで おきます。 ワタクシ は この K と コドモ の とき から の ナカヨシ でした。 コドモ の とき から と いえば ことわらない でも わかって いる でしょう。 フタリ には ドウキョウ の エンコ が あった の です。 K は シンシュウ の ボウサン の コ でした。 もっとも チョウナン では ありません、 ジナン でした。 それで ある イシャ の ところ へ ヨウシ に やられた の です。 ワタクシ の うまれた チホウ は たいへん ホンガンジ-ハ の セイリョク の つよい ところ でした から、 シンシュウ の ボウサン は ホカ の もの に くらべる と、 ブッシツテキ に ワリ が よかった よう です。 イチレイ を あげる と、 もし ボウサン に オンナ の コ が あって、 その オンナ の コ が トシゴロ に なった と する と、 ダンカ の モノ が ソウダン して、 どこ か テキトウ な ところ へ ヨメ に やって くれます。 むろん ヒヨウ は ボウサン の フトコロ から でる の では ありません。 そんな ワケ で シンシュウデラ は たいてい ユウフク でした。
K の うまれた イエ も ソウオウ に くらして いた の です。 しかし ジナン を トウキョウ へ シュギョウ に だす ほど の ヨリョク が あった か どう か しりません。 また シュギョウ に でられる ベンギ が ある ので、 ヨウシ の ソウダン が まとまった もの か どう か、 そこ も ワタクシ には わかりません。 とにかく K は イシャ の ウチ へ ヨウシ に いった の です。 それ は ワタクシタチ が まだ チュウガク に いる とき の こと でした。 ワタクシ は キョウジョウ で センセイ が メイボ を よぶ とき に、 K の セイ が キュウ に かわって いた ので おどろいた の を イマ でも キオク して います。
K の ヨウシサキ も かなり な ザイサンカ でした。 K は そこ から ガクシ を もらって トウキョウ へ でて きた の です。 でて きた の は ワタクシ と イッショ で なかった けれども、 トウキョウ へ ついて から は、 すぐ おなじ ゲシュク に はいりました。 その ジブン は ヒトツヘヤ に よく フタリ も 3 ニン も ツクエ を ならべて ネオキ した もの です。 K と ワタクシ も フタリ で おなじ マ に いました。 ヤマ で いけどられた ドウブツ が、 オリ の ナカ で だきあいながら、 ソト を にらめる よう な もの でしたろう。 フタリ は トウキョウ と トウキョウ の ヒト を おそれました。 それでいて 6 ジョウ の マ の ナカ では、 テンカ を ヘイゲイ する よう な こと を いって いた の です。
しかし ワレワレ は マジメ でした。 ワレワレ は じっさい えらく なる つもり で いた の です。 ことに K は つよかった の です。 テラ に うまれた カレ は、 つねに ショウジン と いう コトバ を つかいました。 そうして カレ の コウイ ドウサ は ことごとく この ショウジン の イチゴ で ケイヨウ される よう に、 ワタクシ には みえた の です。 ワタクシ は ココロ の ウチ で つねに K を イケイ して いました。
K は チュウガク に いた コロ から、 シュウキョウ とか テツガク とか いう むずかしい モンダイ で、 ワタクシ を こまらせました。 これ は カレ の チチ の カンカ なの か、 または ジブン の うまれた イエ、 すなわち テラ と いう イッシュ トクベツ な タテモノ に ぞくする クウキ の エイキョウ なの か、 わかりません。 ともかくも カレ は フツウ の ボウサン より は はるか に ボウサン-らしい セイカク を もって いた よう に みうけられます。 がんらい K の ヨウカ では カレ を イシャ に する つもり で トウキョウ へ だした の です。 しかるに ガンコ な カレ は イシャ には ならない ケッシン を もって、 トウキョウ へ でて きた の です。 ワタクシ は カレ に むかって、 それ では ヨウフボ を あざむく と おなじ こと では ない か と なじりました。 ダイタン な カレ は そう だ と こたえる の です。 ミチ の ため なら、 その くらい の こと を して も かまわない と いう の です。 その とき カレ の もちいた ミチ と いう コトバ は、 おそらく カレ にも よく わかって いなかった でしょう。 ワタクシ は むろん わかった とは いえません。 しかし トシ の わかい ワタクシタチ には、 この ばくぜん と した コトバ が たっとく ひびいた の です。 よし わからない に して も けだかい ココロモチ に シハイ されて、 そちら の ほう へ うごいて ゆこう と する イキグミ に いやしい ところ の みえる はず は ありません。 ワタクシ は K の セツ に サンセイ しました。 ワタクシ の ドウイ が K に とって どの くらい ユウリョク で あった か、 それ は ワタクシ も しりません。 イチズ な カレ は、 たとい ワタクシ が いくら ハンタイ しよう とも、 やはり ジブン の オモイドオリ を つらぬいた に ちがいなかろう とは さっせられます。 しかし マンイチ の バアイ、 サンセイ の セイエン を あたえた ワタクシ に、 タショウ の セキニン が できて くる ぐらい の こと は、 コドモ ながら ワタクシ は よく ショウチ して いた つもり です。 よし その とき に それ だけ の カクゴ が ない に して も、 セイジン した メ で、 カコ を ふりかえる ヒツヨウ が おこった バアイ には、 ワタクシ に わりあてられた だけ の セキニン は、 ワタクシ の ほう で おびる の が シトウ に なる くらい な ゴキ で ワタクシ は サンセイ した の です。
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K と ワタクシ は おなじ カ へ ニュウガク しました。 K は すました カオ を して、 ヨウカ から おくって くれる カネ で、 ジブン の すき な ミチ を あるきだした の です。 しれ は しない と いう アンシン と、 しれたって かまう もの か と いう ドキョウ と が、 フタツ ながら K の ココロ に あった もの と みる より ほか シカタ が ありません。 K は ワタクシ より も ヘイキ でした。
サイショ の ナツヤスミ に K は クニ へ かえりません でした。 コマゴメ の ある テラ の ヒトマ を かりて ベンキョウ する の だ と いって いました。 ワタクシ が かえって きた の は 9 ガツ ジョウジュン でした が、 カレ は はたして オオガンノン の ソバ の きたない テラ の ナカ に とじこもって いました。 カレ の ザシキ は ホンドウ の すぐ ソバ の せまい ヘヤ でした が、 カレ は そこ で ジブン の おもう とおり に ベンキョウ が できた の を よろこんで いる らしく みえました。 ワタクシ は その とき カレ の セイカツ の だんだん ボウサン-らしく なって ゆく の を みとめた よう に おもいます。 カレ は テクビ に ジュズ を かけて いました。 ワタクシ が それ は なんの ため だ と たずねたら、 カレ は オヤユビ で ヒトツ フタツ と カンジョウ する マネ を して みせました。 カレ は こうして ヒ に ナンベン も ジュズ の ワ を カンジョウ する らしかった の です。 ただし その イミ は ワタクシ には わかりません。 まるい ワ に なって いる もの を ヒトツブ ずつ かぞえて ゆけば、 どこ まで かぞえて いって も シュウキョク は ありません。 K は どんな ところ で どんな ココロモチ が して、 つまぐる テ を とめた でしょう。 つまらない こと です が、 ワタクシ は よく それ を おもう の です。
ワタクシ は また カレ の ヘヤ に セイショ を みました。 ワタクシ は それまで に オキョウ の ナ を たびたび カレ の クチ から きいた オボエ が あります が、 キリスト-キョウ に ついて は、 とわれた こと も こたえられた ためし も なかった の です から、 ちょっと おどろきました。 ワタクシ は その ワケ を たずねず には いられません でした。 K は ワケ は ない と いいました。 これほど ヒト の ありがたがる ショモツ なら よんで みる の が アタリマエ だろう とも いいました。 そのうえ カレ は キカイ が あったら、 コーラン も よんで みる つもり だ と いいました。 カレ は モハメッド と ケン と いう コトバ に おおいなる キョウミ を もって いる よう でした。
2 ネン-メ の ナツ に カレ は クニ から サイソク を うけて ようやく かえりました。 かえって も センモン の こと は なんにも いわなかった もの と みえます。 ウチ でも また そこ に キ が つかなかった の です。 アナタ は ガッコウ キョウイク を うけた ヒト だ から、 こういう ショウソク を よく かいして いる でしょう が、 セケン は ガクセイ の セイカツ だの、 ガッコウ の キソク だの に かんして、 おどろく べく ムチ な もの です。 ワレワレ に なんでも ない こと が いっこう ガイブ へは つうじて いません。 ワレワレ は また ヒカクテキ ナイブ の クウキ ばかり すって いる ので、 コウナイ の こと は サイダイ ともに ヨノナカ に しれわたって いる はず だ と おもいすぎる クセ が あります。 K は その テン に かけて、 ワタクシ より セケン を しって いた の でしょう、 すました カオ で また もどって きました。 クニ を たつ とき は ワタクシ も イッショ でした から、 キシャ へ のる や いなや すぐ どう だった と K に といました。 K は どうでも なかった と こたえた の です。
3 ド-メ の ナツ は ちょうど ワタクシ が エイキュウ に フボ の フンボ の チ を さろう と ケッシン した トシ です。 ワタクシ は その とき K に キコク を すすめました が、 K は おうじません でした。 そう マイトシ ウチ へ かえって ナニ を する の だ と いう の です。 カレ は また ふみとどまって ベンキョウ する つもり らしかった の です。 ワタクシ は しかたなし に ヒトリ で トウキョウ を たつ こと に しました。 ワタクシ の キョウリ で くらした その 2 カゲツ-カン が、 ワタクシ の ウンメイ に とって、 いかに ハラン に とんだ もの か は、 マエ に かいた とおり です から くりかえしません。 ワタクシ は フヘイ と ユウウツ と コドク の サビシサ と を ヒトツムネ に いだいて、 9 ガツ に いって また K に あいました。 すると カレ の ウンメイ も また ワタクシ と ドウヨウ に ヘンチョウ を しめして いました。 カレ は ワタクシ の しらない うち に、 ヨウカサキ へ テガミ を だして、 こっち から ジブン の イツワリ を ハクジョウ して しまった の です。 カレ は サイショ から その カクゴ で いた の だ そう です。 いまさら シカタ が ない から、 オマエ の すき な もの を やる より ホカ に ミチ は あるまい と、 ムコウ に いわせる つもり も あった の でしょう か。 とにかく ダイガク へ はいって まで も ヨウフボ を あざむきとおす キ は なかった らしい の です。 また あざむこう と して も、 そう ながく つづく もの では ない と みぬいた の かも しれません。
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K の テガミ を みた ヨウフ は たいへん おこりました。 オヤ を だます よう な フラチ な モノ に ガクシ を おくる こと は できない と いう きびしい ヘンジ を すぐ よこした の です。 K は それ を ワタクシ に みせました。 K は また それ と ゼンゴ して ジッカ から うけとった ショカン も みせました。 これ にも マエ に おとらない ほど きびしい キッセキ の コトバ が ありました。 ヨウカサキ へ たいして すまない と いう ギリ が くわわって いる から でも ありましょう が、 こっち でも いっさい かまわない と かいて ありました。 K が この ジケン の ため に フクセキ して しまう か、 それとも タ に ダキョウ の ミチ を こうじて、 いぜん ヨウカ に とどまる か、 そこ は これから おこる モンダイ と して、 さしあたり どうか しなければ ならない の は、 ツキヅキ に ヒツヨウ な ガクシ でした。
ワタクシ は その テン に ついて K に ナニ か カンガエ が ある の か と たずねました。 K は ヤガッコウ の キョウシ でも する つもり だ と こたえました。 その ジブン は イマ に くらべる と、 ぞんがい ヨノナカ が くつろいで いました から、 ナイショク の クチ は アナタ が かんがえる ほど フッテイ でも なかった の です。 ワタクシ は K が それ で じゅうぶん やって ゆける だろう と かんがえました。 しかし ワタクシ には ワタクシ の セキニン が あります。 K が ヨウカ の キボウ に そむいて、 ジブン の ゆきたい ミチ を いこう と した とき、 サンセイ した モノ は ワタクシ です。 ワタクシ は そう か と いって テ を こまぬいで いる わけ に ゆきません。 ワタクシ は その バ で ブッシツテキ の ホジョ を すぐ もうしだしました。 すると K は イチ も ニ も なく それ を はねつけました。 カレ の セイカク から いって、 ジカツ の ほう が トモダチ の ホゴ の モト に たつ より はるか に こころよく おもわれた の でしょう。 カレ は ダイガク へ はいった イジョウ、 ジブン ヒトリ ぐらい どうか できなければ オトコ で ない よう な こと を いいました。 ワタクシ は ワタクシ の セキニン を まっとうする ため に、 K の カンジョウ を きずつける に しのびません でした。 それで カレ の おもう とおり に させて、 ワタクシ は テ を ひきました。
K は ジブン の のぞむ よう な クチ を ほどなく さがしだしました。 しかし ジカン を おしむ カレ に とって、 この シゴト が どの くらい つらかった か は ソウゾウ する まで も ない こと です。 カレ は イマ まで-どおり ベンキョウ の テ を ちっとも ゆるめず に、 あたらしい ニ を しょって モウシン した の です。 ワタクシ は カレ の ケンコウ を きづかいました。 しかし ゴウキ な カレ は わらう だけ で、 すこしも ワタクシ の チュウイ に とりあいません でした。
ドウジ に カレ と ヨウカ との カンケイ は、 だんだん こんがらがって きました。 ジカン に ヨユウ の なくなった カレ は、 マエ の よう に ワタクシ と はなす キカイ を うばわれた ので、 ワタクシ は ついに その テンマツ を くわしく きかず に しまいました が、 カイケツ の ますます コンナン に なって ゆく こと だけ は ショウチ して いました。 ヒト が ナカ に はいって チョウテイ を こころみた こと も しって いました。 その ヒト は テガミ で K に キコク を うながした の です が、 K は とうてい ダメ だ と いって、 おうじません でした。 この ゴウジョウ な ところ が、 ――K は ガクネンチュウ で かえれない の だ から シカタ が ない と いいました けれども、 ムコウ から みれば ゴウジョウ でしょう。 そこ が ジタイ を ますます ケンアク に した よう にも みえました。 カレ は ヨウカ の カンジョウ を がいする と ともに、 ジッカ の イカリ も かう よう に なりました。 ワタクシ が シンパイ して ソウホウ を ユウワ する ため に テガミ を かいた とき は、 もう なんの キキメ も ありません でした。 ワタクシ の テガミ は ヒトコト の ヘンジ さえ うけず に ほうむられて しまった の です。 ワタクシ も ハラ が たちました。 イマ まで も ユキガカリジョウ、 K に ドウジョウ して いた ワタクシ は、 それ イゴ は リヒ を ドガイ に おいて も K の ミカタ を する キ に なりました。
サイゴ に K は とうとう フクセキ に けっしました。 ヨウカ から だして もらった ガクシ は、 ジッカ で ベンショウ する こと に なった の です。 そのかわり ジッカ の ほう でも かまわない から、 これから は カッテ に しろ と いう の です。 ムカシ の コトバ で いえば、 まあ カンドウ なの でしょう。 あるいは それほど つよい もの で なかった かも しれません が、 トウニン は そう カイシャク して いました。 K は ハハ の ない オトコ でした。 カレ の セイカク の イチメン は、 たしか に ケイボ に そだてられた ケッカ とも みる こと が できる よう です。 もし カレ の じつの ハハ が いきて いたら、 あるいは カレ と ジッカ との カンケイ に、 こう まで ヘダタリ が できず に すんだ かも しれない と ワタクシ は おもう の です。 カレ の チチ は いう まで も なく ソウリョ でした。 けれども ギリ-がたい テン に おいて、 むしろ サムライ に にた ところ が あり は しない か と うたがわれます。
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K の ジケン が イチダンラク ついた アト で、 ワタクシ は カレ の アネ の オット から ながい フウショ を うけとりました。 K の ヨウシ に いった サキ は、 この ヒト の シンルイ に あたる の です から、 カレ を シュウセン した とき にも、 カレ を フクセキ させた とき にも、 この ヒト の イケン が オモキ を なして いた の だ と、 K は ワタクシ に はなして きかせました。
テガミ には ソノゴ K が どうして いる か しらせて くれ と かいて ありました。 アネ が シンパイ して いる から、 なるべく はやく ヘンジ を もらいたい と いう イライ も つけくわえて ありました。 K は テラ を ついだ アニ より も、 タケ へ えんづいた この アネ を すいて いました。 カレラ は ミンナ ヒトツハラ から うまれた キョウダイ です けれども、 この アネ と K の アイダ には だいぶ トシ の サ が あった の です。 それで K の コドモ の ジブン には、 ママハハ より も この アネ の ほう が、 かえって ホントウ の ハハ-らしく みえた の でしょう。
ワタクシ は K に テガミ を みせました。 K は なんとも いいません でした けれども、 ジブン の ところ へ この アネ から おなじ よう な イミ の ショジョウ が 2~3 ド きた と いう こと を うちあけました。 K は その たび に シンパイ する に およばない と こたえて やった の だ そう です。 ウン わるく この アネ は セイカツ に ヨユウ の ない イエ に かたづいた ため に、 いくら K に ドウジョウ が あって も、 ブッシツテキ に オトウト を どうして やる わけ にも ゆかなかった の です。
ワタクシ は K と おなじ よう な ヘンジ を カレ の ギケイ-アテ で だしました。 その ウチ に、 マンイチ の バアイ には ワタクシ が どうでも する から、 アンシン する よう に と いう イミ を つよい コトバ で かきあらわしました。 これ は もとより ワタクシ の イチゾン でした。 K の ユクサキ を シンパイ する この アネ に アンシン を あたえよう と いう コウイ は むろん ふくまれて いました が、 ワタクシ を ケイベツ した と より ホカ に トリヨウ の ない カレ の ジッカ や ヨウカ に たいする イジ も あった の です。
K の フクセキ した の は 1 ネンセイ の とき でした。 それから 2 ネンセイ の ナカゴロ に なる まで、 ヤク 1 ネン ハン の アイダ、 カレ は ドクリョク で オノレ を ささえて いった の です。 ところが この カド の ロウリョク が しだいに カレ の ケンコウ と セイシン の ウエ に エイキョウ して きた よう に みえだしました。 それ には むろん ヨウカ を でる でない の うるさい モンダイ も てつだって いた でしょう。 カレ は だんだん センチメンタル に なって きた の です。 トキ に よる と、 ジブン だけ が ヨノナカ の フコウ を ヒトリ で しょって たって いる よう な こと を いいます。 そうして それ を うちけせば すぐ げきする の です。 それから ジブン の ミライ に よこたわる コウミョウ が、 しだいに カレ の メ を とおのいて ゆく よう にも おもって、 いらいら する の です。 ガクモン を やりはじめた とき には、 ダレ しも イダイ な ホウフ を もって、 あたらしい タビ に のぼる の が ツネ です が、 1 ネン と たち 2 ネン と すぎ、 もう ソツギョウ も マヂカ に なる と、 キュウ に ジブン の アシ の ハコビ の のろい の に キ が ついて、 カハン は そこ で シツボウ する の が アタリマエ に なって います から、 K の バアイ も おなじ なの です が、 カレ の アセリカタ は また フツウ に くらべる と はるか に はなはだしかった の です。 ワタクシ は ついに カレ の キブン を おちつける の が センイチ だ と かんがえました。
ワタクシ は カレ に むかって、 ヨケイ な シゴト を する の は よせ と いいました。 そうして とうぶん カラダ を ラク に して、 あそぶ ほう が おおきな ショウライ の ため に トクサク だ と チュウコク しました。 ゴウジョウ な K の こと です から、 ヨウイ に ワタクシ の いう こと など は きくまい と、 かねて ヨキ して いた の です が、 じっさい いいだして みる と、 おもった より も ときおとす の に ホネ が おれた ので よわりました。 K は ただ ガクモン が ジブン の モクテキ では ない と シュチョウ する の です。 イシ の チカラ を やしなって つよい ヒト に なる の が ジブン の カンガエ だ と いう の です。 それ には なるべく キュウクツ な キョウグウ に いなくて は ならない と ケツロン する の です。 フツウ の ヒト から みれば、 まるで スイキョウ です。 そのうえ キュウクツ な キョウグウ に いる カレ の イシ は、 ちっとも つよく なって いない の です。 カレ は むしろ シンケイ スイジャク に かかって いる くらい なの です。 ワタクシ は シカタ が ない から、 カレ に むかって しごく ドウカン で ある よう な ヨウス を みせました。 ジブン も そういう テン に むかって、 ジンセイ を すすむ つもり だった と ついには メイゲン しました。 (もっとも これ は ワタクシ に とって まんざら クウキョ な コトバ でも なかった の です。 K の セツ を きいて いる と、 だんだん そういう ところ に つりこまれて くる くらい、 カレ には チカラ が あった の です から)。 サイゴ に ワタクシ は K と イッショ に すんで、 イッショ に コウジョウ の ミチ を たどって ゆきたい と ホツギ しました。 ワタクシ は カレ の ゴウジョウ を おりまげる ため に、 カレ の マエ に ひざまずく こと を あえて した の です。 そうして やっと の こと で カレ を ワタクシ の イエ に つれて きました。
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ワタクシ の ザシキ には ヒカエ の マ と いう よう な 4 ジョウ が フゾク して いました。 ゲンカン を あがって ワタクシ の いる ところ へ とおろう と する には、 ぜひ この 4 ジョウ を よこぎらなければ ならない の だ から、 ジツヨウ の テン から みる と、 しごく フベン な ヘヤ でした。 ワタクシ は ここ へ K を いれた の です。 もっとも サイショ は おなじ 8 ジョウ に フタツ ツクエ を ならべて、 ツギノマ を キョウユウ に して おく カンガエ だった の です が、 K は せまくるしくって も ヒトリ で いる ほう が いい と いって、 ジブン で そっち の ほう を えらんだ の です。
マエ にも はなした とおり、 オクサン は ワタクシ の この ショチ に たいして ハジメ は フサンセイ だった の です。 ゲシュクヤ ならば、 ヒトリ より フタリ が ベンリ だし、 フタリ より 3 ニン が トク に なる けれども、 ショウバイ で ない の だ から、 なるべく なら よした ほう が いい と いう の です。 ワタクシ が けっして セワ の やける ヒト で ない から かまうまい と いう と、 セワ は やけない でも、 キゴコロ の しれない ヒト は いや だ と こたえる の です。 それでは イマ ヤッカイ に なって いる ワタクシ だって おなじ こと では ない か と なじる と、 ワタクシ の キゴコロ は ハジメ から よく わかって いる と ベンカイ して やまない の です。 ワタクシ は クショウ しました。 すると オクサン は また リクツ の ホウコウ を かえます。 そんな ヒト を つれて くる の は、 ワタクシ の ため に わるい から よせ と いいなおします。 なぜ ワタクシ の ため に わるい か と きく と、 コンド は ムコウ で クショウ する の です。
ジツ を いう と ワタクシ だって しいて K と イッショ に いる ヒツヨウ は なかった の です。 けれども ツキヅキ の ヒヨウ を カネ の カタチ で カレ の マエ に ならべて みせる と、 カレ は きっと それ を うけとる とき に チュウチョ する だろう と おもった の です。 カレ は それほど ドクリツシン の つよい オトコ でした。 だから ワタクシ は カレ を ワタクシ の ウチ へ おいて、 フタリ-マエ の ショクリョウ を カレ の しらない マ に そっと オクサン の テ に わたそう と した の です。 しかし ワタクシ は K の ケイザイ モンダイ に ついて、 イチゴン も オクサン に うちあける キ は ありません でした。
ワタクシ は ただ K の ケンコウ に ついて ウンヌン しました。 ヒトリ で おく と ますます ニンゲン が ヘンクツ に なる ばかり だ から と いいました。 それ に つけたして、 K が ヨウカ と オリアイ の わるかった こと や、 ジッカ と はなれて しまった こと や、 いろいろ はなして きかせました。 ワタクシ は おぼれかかった ヒト を だいて、 ジブン の ネツ を ムコウ に うつして やる カクゴ で、 K を ひきとる の だ と つげました。 その つもり で あたたかい メンドウ を みて やって くれ と、 オクサン にも オジョウサン にも たのみました。 ワタクシ は ここ まで きて ようよう オクサン を ときふせた の です。 しかし ワタクシ から なんにも きかない K は、 この テンマツ を まるで しらず に いました。 ワタクシ も かえって それ を マンゾク に おもって、 のっそり ひきうつって きた K を、 しらん カオ で むかえました。
オクサン と オジョウサン は、 シンセツ に カレ の ニモツ を かたづける セワ や ナニ か を して くれました。 すべて それ を ワタクシ に たいする コウイ から きた の だ と カイシャク した ワタクシ は、 ココロ の ウチ で よろこびました。 ――K が あいかわらず むっちり した ヨウス を して いる にも かかわらず。
ワタクシ が K に むかって あたらしい スマイ の ココロモチ は どう だ と きいた とき に、 カレ は ただ イチゲン わるく ない と いった だけ でした。 ワタクシ から いわせれば わるく ない どころ では ない の です。 カレ の イマ まで いた ところ は キタムキ の しめっぽい ニオイ の する きたない ヘヤ でした。 クイモノ も ヘヤ ソウオウ に ソマツ でした。 ワタクシ の イエ へ ひきうつった カレ は、 ユウコク から キョウボク に うつった オモムキ が あった くらい です。 それ を さほど に おもう ケシキ を みせない の は、 ヒトツ は カレ の ゴウジョウ から きて いる の です が、 ヒトツ は カレ の シュチョウ から も でて いる の です。 ブッキョウ の キョウギ で やしなわれた カレ は、 イショクジュウ に ついて とかく の ゼイタク を いう の を あたかも フドウトク の よう に かんがえて いました。 なまじい ムカシ の コウソウ だ とか セーント だ とか の デン を よんだ カレ には、 ややともすると セイシン と ニクタイ と を きりはなしたがる クセ が ありました。 ニク を ベンタツ すれば レイ の コウキ が ます よう に かんずる バアイ さえ あった の かも しれません。
ワタクシ は なるべく カレ に さからわない ホウシン を とりました。 ワタクシ は コオリ を ヒナタ へ だして とかす クフウ を した の です。 いまに とけて あたたかい ミズ に なれば、 ジブン で ジブン に キ が つく ジキ が くる に ちがいない と おもった の です。
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ワタクシ は オクサン から そういう ふう に とりあつかわれた ケッカ、 だんだん カイカツ に なって きた の です。 それ を ジカク して いた から、 おなじ もの を コンド は K の ウエ に オウヨウ しよう と こころみた の です。 K と ワタクシ と が セイカク の ウエ に おいて、 だいぶ ソウイ の ある こと は、 ながく つきあって きた ワタクシ に よく わかって いました けれども、 ワタクシ の シンケイ が この カテイ に はいって から たしょう カド が とれた ごとく、 K の ココロ も ここ に おけば いつか しずまる こと が ある だろう と かんがえた の です。
K は ワタクシ より つよい ケッシン を ゆうして いる オトコ でした。 ベンキョウ も ワタクシ の バイ ぐらい は した でしょう。 そのうえ もって うまれた アタマ の タチ が ワタクシ より も ずっと よかった の です。 アト では センモン が ちがいました から なんとも いえません が、 おなじ キュウ に いる アイダ は、 チュウガク でも コウトウ ガッコウ でも、 K の ほう が つねに ジョウセキ を しめて いました。 ワタクシ には ヘイゼイ から ナニ を して も K に およばない と いう ジカク が あった くらい です。 けれども ワタクシ が しいて K を ワタクシ の ウチ へ ひっぱって きた とき には、 ワタクシ の ほう が よく ジリ を わきまえて いる と しんじて いました。 ワタクシ に いわせる と、 カレ は ガマン と ニンタイ の クベツ を リョウカイ して いない よう に おもわれた の です。 これ は とくに アナタ の ため に つけたして おきたい の です から きいて ください。 ニクタイ なり セイシン なり すべて ワレワレ の ノウリョク は、 ガイブ の シゲキ で、 ハッタツ も する し、 ハカイ され も する でしょう が、 どっち に して も シゲキ を だんだん に つよく する ヒツヨウ の ある の は むろん です から、 よく かんがえない と、 ヒジョウ に ケンアク な ホウコウ へ むいて すすんで ゆきながら、 ジブン は もちろん ハタ の モノ も キ が つかず に いる オソレ が しょうじて きます。 イシャ の セツメイ を きく と、 ニンゲン の イブクロ ほど オウチャク な もの は ない そう です。 カユ ばかり くって いる と、 それ イジョウ の かたい もの を こなす チカラ が いつのまにか なくなって しまう の だ そう です。 だから なんでも くう ケイコ を して おけ と イシャ は いう の です。 けれども これ は ただ なれる と いう イミ では なかろう と おもいます。 しだいに シゲキ を ます に したがって、 しだいに エイヨウ キノウ の テイコウリョク が つよく なる と いう イミ で なくて は なりますまい。 もし ハンタイ に イ の チカラ の ほう が じりじり よわって いった なら ケッカ は どう なる だろう と ソウゾウ して みれば すぐ わかる こと です。 K は ワタクシ より イダイ な オトコ でした けれども、 まったく ここ に キ が ついて いなかった の です。 ただ コンナン に なれて しまえば、 シマイ に その コンナン は なんでも なくなる もの だ と きめて いた らしい の です。 カンク を くりかえせば、 くりかえす と いう だけ の クドク で、 その カンク が キ に かからなく なる ジキ に めぐりあえる もの と しんじきって いた らしい の です。
ワタクシ は K を とく とき に、 ぜひ そこ を あきらか に して やりたかった の です。 しかし いえば きっと ハンコウ される に きまって いました。 また ムカシ の ヒト の レイ など を、 ヒキアイ に もって くる に ちがいない と おもいました。 そう なれば ワタクシ だって、 その ヒトタチ と K と ちがって いる テン を メイハク に のべなければ ならなく なります。 それ を うけがって くれる よう な K なら いい の です けれども、 カレ の セイシツ と して、 ギロン が そこ まで ゆく と ヨウイ に アト へは かえりません。 なお サキ へ でます。 そうして、 クチ で サキ へ でた とおり を、 コウイ で ジツゲン し に かかります。 カレ は こう なる と おそる べき オトコ でした。 イダイ でした。 ジブン で ジブン を ハカイ しつつ すすみます。 ケッカ から みれば、 カレ は ただ ジコ の セイコウ を うちくだく イミ に おいて、 イダイ なの に すぎない の です けれども、 それでも けっして ヘイボン では ありません でした。 カレ の キショウ を よく しった ワタクシ は ついに なんとも いう こと が できなかった の です。 そのうえ ワタクシ から みる と、 カレ は マエ にも のべた とおり、 たしょう シンケイ スイジャク に かかって いた よう に おもわれた の です。 よし ワタクシ が カレ を ときふせた ところ で、 カレ は かならず げきする に ちがいない の です。 ワタクシ は カレ と ケンカ を する こと は おそれて は いません でした けれども、 ワタクシ が コドク の カン に たえなかった ジブン の キョウグウ を かえりみる と、 シンユウ の カレ を、 おなじ コドク の キョウグウ に おく の は、 ワタクシ に とって しのびない こと でした。 イッポ すすんで、 より コドク な キョウグウ に つきおとす の は なお いや でした。 それで ワタクシ は カレ が ウチ へ ひきうつって から も、 トウブン の アイダ は ヒヒョウ-がましい ヒヒョウ を カレ の ウエ に くわえず に いました。 ただ おだやか に シュウイ の カレ に およぼす ケッカ を みる こと に した の です。